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第5章 冒険 -教国編-
残り時間
しおりを挟む試食が終わった後は、まるで復習するように同じ料理をロビンさんに教えながら作ることとなった苦笑
まぁ、教えること自体は約束だから全然構わないのだが、それだけで夜になってしまった。
俺たちが南風に居られるのは明日までだ。
明後日にはフィデールに向かわなければならない。
何でだろう…時間が足りない。
リンダさんも回復してる。
魚も手に入れた。
魚醤は…まだだな。
サザンベールでやるべきことはほとんどやれてるのにも関わらず時間が足りないって思うのは、きっと南風で楽しく過ごせているからなんだろうな。
夕食後、俺は部屋にみんなを集めた。
「みんな、明日なんだけど、市場で買い付けを済ませたら、また南風でずっと料理してても構わないか?」
「何よ今さら。今日だって似たようなもんじゃない」
セレナの言うこともごもっともだな苦笑
「俺的にはちょっと意味合いが違うんだ。今日は自分たちだけのために料理をした。だけど、明日はロビンさんとリンダさんのために料理をしたいんだ」
「「「「「「「!!」」」」」」」
「明日で南風に居られるのが最後だろ? だから明日の夜は俺がロビンさん達にご馳走したいんだ」
「「「「「「「…」」」」」」」
「クラリスに連れて来られただけだったのにさ、短い間だったけどすごく楽しかったし、これからも仲良くしたいって思ったから…」
「バカね。それなら誰も文句なんて言わないわ。思う存分やっちゃいなさいよ。ねぇクラリス?」
「フィリア…シーマさんも…ありがとう…グスッ。私からも…お願いします…グスッ。お2人を…喜ばせてあげて下さい…グスッ」
よかった。
みんなも同じ気持ちだった。
またみんなで南風に来れるように、
俺たちの感謝を伝えるようにしよう。
「わかったよ。クラリスの分も頑張って料理するよ」
【クラリス視点】
きっと私だけじゃダメだった。
シーマさんと、そしてみんなと出会えたから、私はリンダさんを救うことが出来たの。
シーマさん、ありがとう。
南風にみんなと来れて本当に良かった。
あぁ、心が温かさで満たされていく…。
こんなこと、今までなかったな…。
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