【完結】夢魔の花嫁

月城砂雪

文字の大きさ
上 下
68 / 80
番外編1(新婚旅行編)

しおりを挟む
 一階の家具は、ジュゼが過ごしやすいようにと大分入れ替えてくれたようだが、二階の家具は恐らく元より据え置きのものが多い。それは寝台も同様で、簡単には上がれないその高さに少々怯んでから、ジュゼはそっと手をかけてよじ登ろうと試みた。
 天鵞絨の重たげな布を掻き分けて、シーツに皺を寄せないように気を付けながら足を浮かせれば、何とか登れそうだ。寝相が悪い方ではないが、転がり落ちたら結構危ないかもしれないと思いながら途中で休憩していると、背後から軽々と腰を抱えられて柔らかな布団に優しく下ろされた。

「二階は、あなたには少し不便かもしれませんね」

 一階で寝ますか? と。気遣うような声にそう尋ねられたジュゼは、少し考えてから首を横に振った。
 今日はもうここに落ち着いてしまったし、それに――朝からずっと、焦らすようなことを続けられて、もう身体の方が限界だった。そっと控えめに身をすり寄せれば、それだけでジュゼの意は伝わったのだろう。優しく抱き締められ、唇が重なった瞬間から、早くも気持ちが良くて内股が震えてしまう。
 期待していると、伝わってしまうことが恥ずかしいのに、求めることをやめられない。長い口付けがもたらす酸欠混じりの陶酔感に、身体からすっかり力が抜けてしまうと、レーヴェはくったりと脱力したジュゼを自らの膝に座らせ、その膝を跨ぐように足を開かせた。
 下肢を覆う衣服だけを剥ぎ取られ、ぐちゃぐちゃに濡れた秘部をさらけ出される。背後から伸びた腕に太腿の付け根をすりすりと撫でられれば、伴侶との触れ合いに焦がれた身体は熱を帯びながらゾクゾクと高まった。
 熟れて蕩ける受け入れる側の性器に、レーヴェは中指と人差し指を合わせてゆっくりと這わせる。生々しい音を立てて、泥濘に誘い込まれるようにするりと指先が埋まった。

(ゆび、はいって……♡)

 入り口に抵抗は少なく、長い指が肉の壁にずぶずぶと沈んでいく。愛液に濡れた肉壁は歓喜に震えながら、その指にしゃぶりついた。
 幾度となく愛し合い、交わり合った証のように、番の侵入をほんの僅かであっても拒む様子のない秘部の有り様を恥じながらも、飢えていた場所に愛しい肉を迎えたジュゼはうっとりとため息をつく。ちゅぷちゅぷ、と浅く抜き差しされるだけで胸が締め付けられるような思いがして、思わずレーヴェの肩に頭をすり寄せた。
 音を立てながら粘膜を掻き回されて、熱く柔らかな内壁がまとわり付くように甘えながら、内側に引き込むように収縮してはとぷとぷと粘液を分泌する。ジュゼは愛しい指を締め付けて、身体の内側に触れられる圧迫感に酔い痴れた。

「ん、んっ……♡ レーヴェ、あ、あ……♡」

 優しい愛撫は次第に激しくなり、指の腹を内壁に意識的に押し当てられながら何度も往復される。指でも容易く見つけられてしまう前立腺を執拗に撫で擦られると、下腹部に快感が集まり、きゅうっと素直に中が締まった。

「ふふ、可愛い。ここがイイですか?」
「あっ、あっ、やあぁ♡ も、もう、イっちゃぅ……っ!」

 早くも追い詰められたような声を上げるジュゼの、懇願を帯びた啜り泣きに微笑んだレーヴェは指を折り曲げ、膣内のざらついた壁を強く擦り上げる。声もなくガクガクと震え始めたジュゼの身体をしっかり背後から抱き留めて、音を立てながら激しく指を出し入れすれば、ほどなく限界を超えた身体が反り返って痙攣した。

「ひんっ♡ ぁ、あ……っ‼」

 目の前が真白く塗り潰されるような衝撃が走り、ジュゼがひくひくと股を震わせる。あ、あ、と。高い声が漏れて、妖魔の耳に甘く快感の悦びを伝えた。
 ずるりと指を抜くと、中は名残惜しそうに絡み付く。引き抜いた指は、愛液によってぐっしょりと濡れていた。透明でとろみがあり、良い匂いがする。レーヴェにはそれが美味しそうに見えて、自分の指から舐め取った。
 良質な精気を満たした美味に満足げに微笑むと、レーヴェはまだ官能の海から戻って来られないジュゼの胴に腕を回して、赤く染まった耳にしゃぶり付いた。わざと大きな音が立つように舌を動かせば、酸素を求めるように開いたままの小さな唇から甘い吐息が零れ落ちる。

「ふっ……んん、あっ……♡」

 前立腺を擦られて、勃ってしまった花芯に指で悪戯を仕掛ければ、次から次へと蜜が溢れた。あんあんと無防備に喘ぐばかりの声に気を良くして、一度の絶頂だけでしっとりと湿った肌に愛撫を加えながら、ジュゼの好きな所を同時に刺激してやる。耳の穴にも舌を挿し入れながらもどかしい愛撫を続ければ、夢の縁をたゆたっていた意識が戻ってきたのか、レーヴェの名を可愛く呼び囁くようになった。

「は……ぁう、レーヴェ♡ きもち……♡」

 決定的な刺激は何も与えていないのに、指だけでぐしょ濡れになった性器からは蜜が垂れ、レーヴェの膝を濡らしている。花芯は殊更に敏感なようで、指で触れる度にふるふると震える様が愛しい。一度吐き出させてあげようと、レーヴェは蜜口を広げるようにしながら、今度は三本の指を纏めて挿入した。
 先程よりももう一本増えた指は、自在に動いてジュゼの急所をバラバラに責め上げる。逃れられないように摘まみ上げられた前立腺をぐりぐりと刺激されて、ジュゼの先端から溢れる先走りが量を増した。もう片手を使って、ねっとりと濡れた花芯をさらに優しく愛撫すれば、ジュゼが必死に懇願の声を上げる。

「レーヴェっ、あっ、やぁ♡ やら、イかせないで……!」
「どうしてですが?」
「あんっ、あ♡ い、今、出したら。もう、寝ちゃう……♡」

 まだ、ねたくない、と。舌足らずに、縋るようにそんな可愛いことを言われては、言うことを聞いてあげたくなってしまう。
 愛しそうに瞳を眇めたレーヴェは、前立腺よりも奥側のざらつきに指を伸ばす。突然の奥を開かれる快楽にきゅう、と。きつく締まった穴がレーヴェの指を食い締めて、前触れなく雌の官能を強く刺激されたジュゼが顎を逸らせて嬌声を上げた。

「ふぁっ、あうっ♡ あ、あっ! あ……っ♡」

 どうやら、無事に出さずに達せたようだ。ビクビクと断続的に跳ね上がるジュゼの身体を抱き締めて、レーヴェはその素直な反応を楽しんだ。
 勃ったままの可憐な花芯は、まだたっぷりと熱を纏ったまま、お預けに震えながらその時を待っている。出さないように、との願いを叶えてあげながら、同時に気持ち良くしてあげるために。レーヴェは甘く微笑むと、その無防備な尿道口をくじるように爪を当てた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。

柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。 頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。 誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。 さくっと読める短編です。

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

【R18】息子とすることになりました♡

みんくす
BL
【完結】イケメン息子×ガタイのいい父親が、オナニーをきっかけにセックスして恋人同士になる話。 近親相姦(息子×父)・ハート喘ぎ・濁点喘ぎあり。 章ごとに話を区切っている、短編シリーズとなっています。 最初から読んでいただけると、分かりやすいかと思います。 攻め:優人(ゆうと) 19歳 父親より小柄なものの、整った顔立ちをしているイケメンで周囲からの人気も高い。 だが父である和志に対して恋心と劣情を抱いているため、そんな周囲のことには興味がない。 受け:和志(かずし) 43歳 学生時代から筋トレが趣味で、ガタイがよく体毛も濃い。 元妻とは15年ほど前に離婚し、それ以来息子の優人と2人暮らし。 pixivにも投稿しています。

新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~

焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。 美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。 スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。 これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語… ※DLsite様でCG集販売の予定あり

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!

たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった! せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。 失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。 「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」 アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。 でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。 ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!? 完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ! ※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※ pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。 https://www.pixiv.net/artworks/105819552

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

処理中です...