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第四章(挙式編)
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最後の一線を越えられない愛欲の日々も、六日目ともなれば酷い様相だった。辛うじて入浴は続けられているものの、介助の手がなければ、もはや脱ぐことも着ることも満足にできそうにない。もはや時間の感覚もなく、いよいよ明日ですね、と。嬉しそうに囁かれてようやく、今夜が最後なのだと知ることが出来たような有り様だった。
意識のある間はもう全て、ジュゼは愛撫の手を求めてレーヴェに縋り付いていた。赤い瞳に見つめられ、その指先が触れるだけで、身も世もなく善がり狂ってしまうほどに気持ちがいい。爆発寸前の官能は全身に渦巻いて、達せないことが不思議なくらいだった。レーヴェも今は付きっきりで、ジュゼのためだけに時間を使ってくれている。
最後の入浴を終えた後は、もう服を纏うだけの刺激にも耐えられず、ジュゼは素肌を晒したままレーヴェの待つ寝台に倒れ込んだ。貪られるためだけに投げ出されたその体に覆い被さった妖魔にキスをされながら、尻を揉まれてだらしなく喘ぐ。尻たぶの表面を捏ねるように揉まれるだけで、その奥が疼いておかしくなってしまいそうだった。
「はっ♡ はぁ……っ♡」
鎖骨にちゅっと口付けられ、ぴくりと身体が揺れた。そのまま幾度となくキスを繰り返しながら、唇が下へと向かっていく。胸元へたどり着くと、期待だけで既に固く勃起してしまった乳首をゆっくりと舌で転がされて、喉を晒してジュゼは喘いだ。
「ああぁっ♡」
「ふふ、気持ちいいですか?」
「あっ♡ んぅっ♡ きもち♡ きもちい♡ ああ……っ♡」
笑う吐息が、濡れた乳首にかかってくすぐったい。もう片側を、指ですりすりと撫でながら訊かれては、まともな言葉で応えるのも難しかった。
それでも、気持ちいい、と。繰り返して伝えれば、目映い瞳がうっとりと微笑む。素直な返答への褒美のように、ちゅるちゅると音を立てながら激しく乳首を舐られて、高い嬌声が上がった。
「ひあぁっ‼ ふっ、あうぅ……っ♡」
「ジュゼ、だめですよ。逃げないで」
身をくねらせて逃れようとしたジュゼの背を捕まえて、更に苛烈に乳首を弄ぶレーヴェの唾液がじゅわじゅわと肌に染み入って、ますます淫らに育てられるのを感じる。燃えたような熱を帯びる乳首を尖らせながら、髪を振り乱してジュゼが喘いだ。
「んっ、あぁっ♡ あっ♡ おっぱい、だめになっちゃ……あぁ、あんっ♡」
足を開いて股を押し付け、レーヴェの頭を抱き込むようにしながらだめだめと喘ぐその様を、可愛い、と。レーヴェは思う。
それから何分も責めは続き、最後にちゅう、と。きつく吸いついた唇が離れる頃には、乳首はいやらしく真っ赤に腫れ、痛いほど勃起していた。唾液に濡れ光り、外気に触れるだけでも痺れるような快感を伝えてくるその場所を視界に入れてドキドキと胸を高鳴らせながら、ジュゼは無意識に腰を揺らして股をすり付けた。
一人で勝手に気持ちよくなって、あんあんと咽ぶジュゼの唇を指で撫でながら、熱っぽい瞳でレーヴェが笑う。
「ふふ、お昼もあんなに愛し合ったのに」
「ふぁ、ぁん。ごめ、ごめ、なさ……♡」
「どうしてですか?」
嬉しかったですよ、と。優しく耳に囁かれて、一瞬でおかしくなった体の奥から、粘った液がとろりと溢れた。
(だめ、だめ♡ どんどん、だめに、なっちゃ……♡)
日数が数えられなくなる頃から、ジュゼの頭はずっと変になってしまっていた。呼んできてもらう間も待つことが出来ずに、あられもない姿でレーヴェを探しに部屋を出て、シエラたちが慌てて駆け寄ってくる姿を視界の端に確かに捉えながら、見つけたレーヴェに縋り付いて情けを請う有り様だった。
もう、誰に見られていても、周囲が明るくても。欲情し切った身体の抑止力にはならなかった。視界にはずっと火花が弾け、尻は激しく犯されたがってずくずくと疼いている。きゅうきゅうと切ながる胎が求めているものを、よくよく思い知らされた身体は甘美な訴えを囁き続け、ジュゼの身体をどんどんおかしくしてしまっていた。
「イキた、イキたいの♡ お願い、おく……っ」
「いけませんよ。もう、明日までですからね」
もう少しだけ我慢ですよ、と。耳に優しく口付けられて、抑えきれない情動が胸の奥に弾ける。ジュゼはひんひんと泣きながら、むずがる幼い子供のように手足をバタつかせてイヤイヤと暴れた。
「や、やぁ♡ がまん、切な……!」
ひくひくと震える腰の奥が、教え込まれたいい場所に雄を迎えたがってうねうねと蠢いている。ジュゼは形振り構わず両手を差し伸べ、つれない夫を抱き寄せると、拙い口付けで懸命に誘惑をした。
流石に驚いたように瞬いたレーヴェが、ちゅ、ちゅ、と。可愛い音を立てて口付けを続けるジュゼを見つめ返して、とろりと笑う。くすぐったそうに微笑んで、優しい抱擁に閉じ込めた。
「だめですよ、ジュゼ。こんなに可愛いことをされては、私も切ない」
「んちゅ、んちゅ、ちゅ……♡ ちゅ、ちゅい、ちゅいてほし……♡」
「ふふ、いい子いい子。……ね? 考えてみてください。明日にはもう、私とあなたは、一番深い場所を繋げて愛を誓うんですよ」
とん、と。微かに胎を指で突かれる、その衝撃一つで脚の指先まで歓喜が走り抜けたジュゼは、全身を震わせて悶えてしまった。
こしょこしょと、秘密の言葉を囁くようにこそばゆく、耳の奥に蜜のような声を流し込まれる。
「私の子を産んで、よぉく熟した身体をぐちゃぐちゃにされて。一番大事なお腹の奥をめちゃめちゃに掻き回されて。可愛いお尻から、溢れるくらいの精液を注がれて」
「ん、んぅ♡ や、声が……♡」
想像だけで体中が火照って、尻からは愛液が垂れ、興奮の余りに涙が溢れ出す。
ぬとぬとと濡れて震える尻穴に指が触れ、二本がぐちゅりと隠微な音と共に内側に潜り込んで、ジュゼは背中を大きく撓らせた。交わる度に複雑に刻まれる襞の一枚一枚を掻き分けながら快楽を叩き込む、執拗な愛撫。
悦楽を司る夢魔の指で施される愛撫を繰り返されれば、どんな初心な身体も淫らに花開く。内側の粘膜の全てが剥き出しの性感帯のようになって、少し触られるだけで絶頂の止まらない身体にされるのだ。
「とろとろのお部屋の奥を開いたままにされて、気持ちのいいところばっかりを虐められて……ふふ。私と触れ合っている間はずっと、一番イイ所から降りられなくなるようにしてあげますからね」
甘い囁きに頭の中を埋め尽くされて、手指の先までを甘美な痺れが満たす。未知の快楽への期待に蕩けた目つきになったジュゼを満足そうに見下ろして、レーヴェは涙に濡れた頬を優しく慰撫した。
意識のある間はもう全て、ジュゼは愛撫の手を求めてレーヴェに縋り付いていた。赤い瞳に見つめられ、その指先が触れるだけで、身も世もなく善がり狂ってしまうほどに気持ちがいい。爆発寸前の官能は全身に渦巻いて、達せないことが不思議なくらいだった。レーヴェも今は付きっきりで、ジュゼのためだけに時間を使ってくれている。
最後の入浴を終えた後は、もう服を纏うだけの刺激にも耐えられず、ジュゼは素肌を晒したままレーヴェの待つ寝台に倒れ込んだ。貪られるためだけに投げ出されたその体に覆い被さった妖魔にキスをされながら、尻を揉まれてだらしなく喘ぐ。尻たぶの表面を捏ねるように揉まれるだけで、その奥が疼いておかしくなってしまいそうだった。
「はっ♡ はぁ……っ♡」
鎖骨にちゅっと口付けられ、ぴくりと身体が揺れた。そのまま幾度となくキスを繰り返しながら、唇が下へと向かっていく。胸元へたどり着くと、期待だけで既に固く勃起してしまった乳首をゆっくりと舌で転がされて、喉を晒してジュゼは喘いだ。
「ああぁっ♡」
「ふふ、気持ちいいですか?」
「あっ♡ んぅっ♡ きもち♡ きもちい♡ ああ……っ♡」
笑う吐息が、濡れた乳首にかかってくすぐったい。もう片側を、指ですりすりと撫でながら訊かれては、まともな言葉で応えるのも難しかった。
それでも、気持ちいい、と。繰り返して伝えれば、目映い瞳がうっとりと微笑む。素直な返答への褒美のように、ちゅるちゅると音を立てながら激しく乳首を舐られて、高い嬌声が上がった。
「ひあぁっ‼ ふっ、あうぅ……っ♡」
「ジュゼ、だめですよ。逃げないで」
身をくねらせて逃れようとしたジュゼの背を捕まえて、更に苛烈に乳首を弄ぶレーヴェの唾液がじゅわじゅわと肌に染み入って、ますます淫らに育てられるのを感じる。燃えたような熱を帯びる乳首を尖らせながら、髪を振り乱してジュゼが喘いだ。
「んっ、あぁっ♡ あっ♡ おっぱい、だめになっちゃ……あぁ、あんっ♡」
足を開いて股を押し付け、レーヴェの頭を抱き込むようにしながらだめだめと喘ぐその様を、可愛い、と。レーヴェは思う。
それから何分も責めは続き、最後にちゅう、と。きつく吸いついた唇が離れる頃には、乳首はいやらしく真っ赤に腫れ、痛いほど勃起していた。唾液に濡れ光り、外気に触れるだけでも痺れるような快感を伝えてくるその場所を視界に入れてドキドキと胸を高鳴らせながら、ジュゼは無意識に腰を揺らして股をすり付けた。
一人で勝手に気持ちよくなって、あんあんと咽ぶジュゼの唇を指で撫でながら、熱っぽい瞳でレーヴェが笑う。
「ふふ、お昼もあんなに愛し合ったのに」
「ふぁ、ぁん。ごめ、ごめ、なさ……♡」
「どうしてですか?」
嬉しかったですよ、と。優しく耳に囁かれて、一瞬でおかしくなった体の奥から、粘った液がとろりと溢れた。
(だめ、だめ♡ どんどん、だめに、なっちゃ……♡)
日数が数えられなくなる頃から、ジュゼの頭はずっと変になってしまっていた。呼んできてもらう間も待つことが出来ずに、あられもない姿でレーヴェを探しに部屋を出て、シエラたちが慌てて駆け寄ってくる姿を視界の端に確かに捉えながら、見つけたレーヴェに縋り付いて情けを請う有り様だった。
もう、誰に見られていても、周囲が明るくても。欲情し切った身体の抑止力にはならなかった。視界にはずっと火花が弾け、尻は激しく犯されたがってずくずくと疼いている。きゅうきゅうと切ながる胎が求めているものを、よくよく思い知らされた身体は甘美な訴えを囁き続け、ジュゼの身体をどんどんおかしくしてしまっていた。
「イキた、イキたいの♡ お願い、おく……っ」
「いけませんよ。もう、明日までですからね」
もう少しだけ我慢ですよ、と。耳に優しく口付けられて、抑えきれない情動が胸の奥に弾ける。ジュゼはひんひんと泣きながら、むずがる幼い子供のように手足をバタつかせてイヤイヤと暴れた。
「や、やぁ♡ がまん、切な……!」
ひくひくと震える腰の奥が、教え込まれたいい場所に雄を迎えたがってうねうねと蠢いている。ジュゼは形振り構わず両手を差し伸べ、つれない夫を抱き寄せると、拙い口付けで懸命に誘惑をした。
流石に驚いたように瞬いたレーヴェが、ちゅ、ちゅ、と。可愛い音を立てて口付けを続けるジュゼを見つめ返して、とろりと笑う。くすぐったそうに微笑んで、優しい抱擁に閉じ込めた。
「だめですよ、ジュゼ。こんなに可愛いことをされては、私も切ない」
「んちゅ、んちゅ、ちゅ……♡ ちゅ、ちゅい、ちゅいてほし……♡」
「ふふ、いい子いい子。……ね? 考えてみてください。明日にはもう、私とあなたは、一番深い場所を繋げて愛を誓うんですよ」
とん、と。微かに胎を指で突かれる、その衝撃一つで脚の指先まで歓喜が走り抜けたジュゼは、全身を震わせて悶えてしまった。
こしょこしょと、秘密の言葉を囁くようにこそばゆく、耳の奥に蜜のような声を流し込まれる。
「私の子を産んで、よぉく熟した身体をぐちゃぐちゃにされて。一番大事なお腹の奥をめちゃめちゃに掻き回されて。可愛いお尻から、溢れるくらいの精液を注がれて」
「ん、んぅ♡ や、声が……♡」
想像だけで体中が火照って、尻からは愛液が垂れ、興奮の余りに涙が溢れ出す。
ぬとぬとと濡れて震える尻穴に指が触れ、二本がぐちゅりと隠微な音と共に内側に潜り込んで、ジュゼは背中を大きく撓らせた。交わる度に複雑に刻まれる襞の一枚一枚を掻き分けながら快楽を叩き込む、執拗な愛撫。
悦楽を司る夢魔の指で施される愛撫を繰り返されれば、どんな初心な身体も淫らに花開く。内側の粘膜の全てが剥き出しの性感帯のようになって、少し触られるだけで絶頂の止まらない身体にされるのだ。
「とろとろのお部屋の奥を開いたままにされて、気持ちのいいところばっかりを虐められて……ふふ。私と触れ合っている間はずっと、一番イイ所から降りられなくなるようにしてあげますからね」
甘い囁きに頭の中を埋め尽くされて、手指の先までを甘美な痺れが満たす。未知の快楽への期待に蕩けた目つきになったジュゼを満足そうに見下ろして、レーヴェは涙に濡れた頬を優しく慰撫した。
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