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8.ギルドへ帰還

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「あれ、ソルシエールさん?なにか問題でもありましたか?」

「いえ、依頼内容が終わったので戻ってきただけです。」

「え!?もう終わったんですか?私も確認しましたが、あの部屋はなかなかの荒れ具合でしたよ?」

「ええ、ですが1日で終わる感じでしたよ?ナナサさんにも褒めていただいて良かったです。」

「ソルシエールさんは掃除や整理が得意なのかもしれませんね。恐らく依頼完了処理は明日になるので本日はまだ報酬を受け取ることができません。夕飯は大丈夫ですか?」

「はい、食事はナナサさんのところで頂きました。しかし、泊まるところがないので、夜中でもできる依頼はないですか?」

「あるにはありますが、まだソルシエールさんには早いかと....1日に程でしたら後払いでも構いませんよ。本日は泊まっていってください。」

「こちらのギルドでは宿泊も行っているんですか?てっきり依頼等の仲介のみかと思っていました。」

「ふふん、そうです。確かなギルドの中には仲介だけを行っているところもありますが、ここでは宿の役割もになっています。」

ふーん、何でも屋みたいなものかしら?
って、住民票がどうなってるのか聞きに来たんだった!

「冒険者登録はさせてもらったのですが、住民票はどうすれば良いのでしょうか?」

「住民票?冒険者はあちこちフラフラしてしまうから、そんなのはないよ?」

「え、ないんですか?それだと、危なくないですか?」

「その代わり、冒険者カードに様々な情報が書かれているから大丈夫よ。あと、税金とかは報酬から先に引かせてもらっているから問題ないわ。」

「そのようにして税金を押収しているのですね。理解できました。では、移動はカードがあれば楽にできるんですね。」

「ええ、けど、もちろん定住してもらっても構わないわよ。だから、住民票を持つか冒険者カードを持つかって感じね。でも、住民票だと受けられる依頼に制限があるから、様々な依頼を受けたい場合は冒険者カードがおすすめね。」

「なるほど、冒険者カードが無くても依頼を受けられるんですね。」

「そうね、少しでも家の足しにと子供が薬草をとったり、迷い猫を探したりするのよ。」

そうか、ここは日本とも王宮とも違う、色々な状況の人がいるんだ。きっと、私が追い出されたあの王国でも厳しい生活を強いられている人がいるのだろう。それなのに、あのロリコン王子ときたら…

「やーねー、そんな顔しないで。これが日常なのよ?あなた良いところの令嬢だったりするのかしら?」

「いえ!そういうわけではないのですが、私のいた地域では子供がそのようなことをする必要がなかったものですから…失礼に感じてしまったのでしたらすみません。」

「違うのよ。そんなつもりじゃないのよ。そんな落ち込まないで。子供たちもなんやかんや楽しんでやっていたりしてね、報酬とは別にお駄賃を貰ったりしてて、お小遣いになったりしてるのよ。」


そう言ってくれていたけれど、やっぱり子供が家族のために働かなければならないというのは日本にいた自分からすると、一昔前のような気がして関わりのない世界だったからどこか辛く思う。
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