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魔国編
38 サヨナラと始まり
しおりを挟むミールが消えていったのを見届けたアースとヴェルトはそのまま光り輝き神力を纏い急激に育っていく世界樹を見届けた
この世界にもとよりあった世界樹よりも倍以上はある世界を見つめた後、アースとヴェルトはやって来た時空の扉へと足を進めた
「っ、ヴェルト様 !!」
『…今までミールと共にいた事礼を言う』
『本当に、力を取り戻すまでしてくれてありがとね』
「わ、私はミール様のおかげで転生出来ました !! そのおかげでキールにもカイルにも逢えて幸せに過ごせてます !!」
『そうか』
「っ、わ、私は…」
『…お前達も元の世界に戻るのだろう』
「そのつもりです」
「キ、キール…うっ、つっ…」
『ならばあの門をくぐり願え』
「でも、ミール様の…ひっく」
『アイツはお前に会いに行くといったならどこの世界に行こうとお前のもとに行く』
『そうだよ、ひょっこり笑って会いに行くよミールならね』
「は、い」
「行こうサキ…今あの門を通らなければもう二度とあの世界には戻れない、私には分かる」
「キール…っ、マリアンに挨拶してないよぅ…」
ボロボロと涙を流しすがりつくようにキールに抱きつくサキをキールは姫様抱っこをし扉へと歩き出した
「カイル」
「は、はいっ、あ、え、えっとリオンさん、セバスさん、お世話になりました、マリアンさんに元気でって言っといてください」
キールに声をかけられたカイルは目を白黒させながら急いで荷物を持ちリオン達に声をかけながらキールの元へと走り寄っていった
扉の前まで辿り着いたキールはリオン達の方へ振り向き口を開いた
「突然現れた私を仲間に入れて頂き、こうしてサキまで導いてくれた事感謝しています。マリアン殿にも…サキと結んでくれた事…感謝という言葉だけでは表せれません。このピアスで、こちらの世界と連絡ができるように精霊達にも力を借りやり遂げたいと思っています。リオン殿にマリアン殿、セバス殿お元気で」
「………ああ、元気でな」
「ええ、楽しい旅でした。それでは」
キールはリオンと言葉をかわしたあと「マリアンと話すの」と暴れるサキを強く抱きしめ扉の中へと入っていった扉の中へ入り切る瞬間…カクンと意識を失うサキをカイルは何とも言えぬ顔で見た後リオン達に頭を下げ飛び込んだ。
その様子を見たヴェルトはマリアン達の方を見た
『ミールは最後にその娘に加護をかけた…身体を巡らせていた許容の超えた神力を打ち消し本来の魔力へ戻る様にしたようだ』
『多分何年かの長い睡りに付くと思うけど、ミールの加護のおかげで生命には問題ないから大丈夫だよ』
『飲まず食わず人形の様に眠るだけだ』
『君達なら目覚めるまで側にいるだろうし大丈夫だよね。あ、そうそうこの子達はマリアンと共に居るらしいから、面倒よろしくね』
「………ああ」
「畏まりました」
アースはそう言うと四神達を一撫でずつし扉の中へ入っていった
それを横目に見た後、ヴェルトは世界樹を見つめリオンへ振り向き水晶のような木の実を投げた
『ミールの力が消えたらこの実を世界樹に与えろ、そうすれば力が消えてもそのままになる筈だ。まぁ、それも何千年先の話だがな』
「…ああ、分かった」
『くっ、神という存在にそんなふうに声をかけれるのはお前ぐらいだろうな…おい、タイクロノス』
… はい …
ヴェルトの声かけにタイクロノスはヴェルトに近付いていき頭を下げた
『あの娘を最後まで見届けろよ』
… 元よりあの者は時の愛し子であり我の契約者…その時まで見守り続けるつもりです …
『そうか…さて、俺も帰る』
… はい …
「ありがとうございました」
セバスが声をかけたのを最後にヴェルトは扉をくぐりぬけていった
タイクロノスは完全に姿が見えなくなったのを見たあと扉を閉めマリアンの元へと移動した
… 我も力を使い過ぎた…しばし時の子と共に眠る …
「…また目を覚ますのか」
… そう言っていたから案ずるな…あとは頼んだぞ …
そう言いタイクロノスもリオン達の前から消えていった
『儂等もしばし眠るかのぅ』
『僕疲れたぁー』
『お疲れ様ですね、また主が目覚めた時に会いましょう』
『はっ、俺は知らん………じゃぁな…』
四神はそう言うと各々マリアンを一撫でし消えていった
次々と何事も無かったかのように消えていき最後に残ったのはリオンとセバス、眠りについたマリアンだけだった
魔力もほぼ使い果たし眠りについてしまったマリアンを抱えリオンはどうするか考えていた
すると側にいたセバスがリオンに声をかけた
「坊っちゃん、マリアン様を休ませましょう」
「ここには…リアを寝かせる場所はない、転移するにも魔力はもう尽きているしな」
「マオ様が使っていた家があります…そこへ行きましょう」
「そんな物なかったぞ」
「案内いたしますよ」
セバスはそう言うとマリアンを抱えたリオンを案内し始めた
そして、シャィーン………少し前に聞いた不思議な音がし薄い膜のようなものを超えた瞬間目の前には森の中にあっても違和感のない家が現れた
セバスはそのままリオンを案内し、かつてマオが使っていたという寝室へ案内しマリアンを寝かせるように伝えそのまま色々なことを準備に動き始めた
リオンは眠るマリアンをベットに寝かせそのままベットに横になりそのまま眠った
長い眠りについてしまったマリアンを見守りながら二人は家からほぼ出ることなく3年という月日が流れたある日…
マリアンの指が微かに動き眠りから覚めた
リオンは目覚めたマリオンを自身の感情が落ち着くその時まで抱きしめ続けたのだった…
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