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魔国編
33 穢を消す為に
しおりを挟む私がそういった瞬間腰を引っ張られた
「リア、それはお前しかできない事だ、だがそれをしてもリアは無事なんだろうな」
「……分からない」
「ならば俺はお前を行かせるわけにはいかない」
「でもそれしか方法がないの !!」
「例えそうだとしても俺はリアを行かせるわけにはいかない」
「リオン…」
怒りの滲んだ瞳で私を睨みつけながら、消して腰に回してた手から力を抜かないリオンに私は困った顔をするしか無かった
でも、それでも…こんなことをしてる暇はない
「ごめんねリオン…」
私がポツリと謝るとリオンは止まったように身体が動かなくなった
「…っ、何をした」
「リオンの身体を一時的に止めただけよ」
「リア !!」
「大丈夫、私はずっとリオンの側にいるから」
そうして微笑めばリオンは叫びに近い声で私を呼んだ
「皆、結界で穢を封じて…」
… ずっとは保たないぞ …
「維持してくれてる間になんとか消すわ」
… でも、完全に消すのはマリアンでも無理だよー …
「シャオラン心配してくれてありがとう、でも無理でもやらなくちゃいけないの」
… 私達も出来るだけ頑張りましょう …
「ありがとう、スフィニア」
… ち、仕方ねぇな …
「お願いね、ウォンティ」
… うぬぅ、そこの娘や …
ラングリースがサキに声をかけ何か二人で話し始めた
その話が何なのかとても気になったけれどそれどころじゃないのは確かだったので私はタイクロノスへ声をかけた
「タイクロノスお願い」
… 時の子が決意を決めたのならわれの力全てで助けよう …
「ありがとう」
… 時を巻き戻す事は容易いことではない、時を巻き戻す時その者の時を垣間見ることになる。その覚悟はあるか …
「大丈夫よ」
… そうか、ならば全身の魔力を神力と混ぜ合わせよ …
「混ぜ合わす」
私は目を閉じ身体の中に回る魔力と、中心に留まっている神力を認識した
そこから徐々に魔力を信力に加えていく
イメージで気には渦巻いている水に徐々に色水を混ぜていくそんな感じ
すると色のなかった神力が徐々に金にも銀にも赤にも青にも…様々な色が混ざっていく、そして身体の魔力がなくなり、少しふらつきそうになる頃には虹色の神力が出来上がった
「で、きたわ」
… ああ、綺麗な神力だ …
「これを如何するの」
… その神力を身体に巡らせ掌に集めろ …
「分かったわ」
目を閉じできた神力を身体に巡らせる。
それは自分の魔力を巡らせるときとは違い、とても重く熱く冷たく鋭く感じた
身体の中を巡らせていく…その場所からジワジワとジクジクと、まるで火傷をおい急激に冷やされ傷口を針で刺されていくような痛みが走っていく
「っつ !!」
声を出さないように唇を噛み締め涙が出ぬ様に瞼を強く瞑り、冷や汗を背中につたわせながら私は混ぜ合わせた神力を掌へと集めていった
… おい、お前達。お前たちの主はすべき事を終える用意しろ …
… 分かりました …
… 分かったよ …
… 仕方ねぇな …
…うぬ、頼んだぞ娘よ …
「分かりました !!」
… それじゃぁ、頑張るかの …
暫くその様子を見ていたタイクロノスは徐々に手のひらに神力が集まり始めたのを確認して直ぐにシャオラン達に声を掛けた。
タイクロノスに言われたシャオラン達は世界樹の元へ四方に散っていく
サキと話していたラングリースはサキが返事したのを頷き見た後最後の方へと向かって行く、それぞれが共に力を最大限発揮のできる方角へと向いマナを使いながら魔力を練っていく
それぞれの頭上に四神の文様が現れそれが繋がっていき世界樹にある穢を囲み引き抜いていく
世界樹から完全に抜け出た穢を正方形の結界に包み出来る限り隙間ができないように小さくしマリアンの元へと運んだ
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