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魔国編

20 世界樹の元へ

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私達は互いに頬を染めながら興奮して話ている頃リオン達は…

「さてキール、このあとお前たちはどうする予定だ」
「そうですね、サキの中にいた人より世界樹の元へ行かねばならないようですしこのまま暫く同行させてもらいます」
「あの、人数増えてすみませんが俺もお願いします」
「こいつは誰だ ?」
「坊っちゃん彼は先程までマリアン様を守り戦ってくれていた少年でカイルという方だそうですよ」
「そうか、礼を言う」
「気にしないでください」
「カイル君サキを向こうでずっと守ってくれていたと聞きました。ありがとうございます」
「キールさんいいっすよ。俺も旅がしたかったからサキと一緒に行くことを決めたんだし」
「そうですか」
「まぁ、とりあえずよろしくな」

二カッと笑い話に参加するカイルに「ああ」と一言リオンは答え今後の事を話すことにした

「ここから世界樹の的に行くにはセバスの案内が必要だな」
「ええ、そこは案内いたしますからご安心を」
「世界樹の元ですが、ここからだと遠いのでしょうか ?」
「そうですね、本来ならば辿り着くことも難しく距離もかなりあるはずですが、この精霊の森からなら早くつけます」
「そういう話でここに来たのは知っていますが…」
「この森思ったより濃いっすよね」
「ええ、精霊力といいますか、マナが待機中に充満しています」
「この森はすでに聖域内となりますから普通の人では入ってすぐ体調を壊したり意識を失ったりしますね」
「はぁー、要するに結界内から出られないマナのたまり場ということっすね」
「ええ、ですがマオ様が亡くられてだいぶ結界にも綻びが生じ始めているようでああいう輩が侵入できるようです」
「そうか、安全とは言い切れないのは確かだ」

リオン達がそう話している所で話し終わったマリアンとサキが戻ってきた

「おまたせ」
「リオンごめんね、待った ?」
「いやまだ話している途中だ」

リオンはそう言ってマリアンを抱きしめつむじに唇を落とした

「サキおかえり」
「サキ、ゆっくり話せましたか ?」

サキにカイルは片手を上げ声をかけ、キールはサキの近くに行くと頬を撫でうっとりと見つめ始めた
それに「うっ」と小さくサキは頬を染め呻きながら頷いた
その様子をどこか遠く視線を向けたカイルにセバスチャンが慰めるように肩を叩くのであった
双方が二人の時間を少し過ごした頃セバスチャンが会話を切り出した

「さて、これからの事ですがよろしいのですか」
「ああ」
「はい」
「うん」
「オッケー」
「大丈夫よ」

それぞれが視線をセバスチャンに向け返事した

「ここから先ですが世界樹の元へ行く道がやや複雑になっています。精霊に協力をお願いしたいのですが…」
「そういう事ならば私の出番ですね」
「ええ、こちらの世界にある精霊の方にも協力をしてもらいましょう」
「だそうです。よろしくお願いしますね皆さん」

キール様がそう言うと私達の前に様々な精霊が集まった
私が知っている

風の大精霊 シルフ
地の大精霊 ノーム
光の大精霊 リュミエール
月の大精霊 ルーナ
雷の大精霊 ヴォルト
              
が姿を表しそれぞれ返事を返した
精霊のもとに近寄り何かを話し始めたセバスさんに私達は何も言わず見守り続け話が終わったのかこちらへ戻ってきた

「話し合った結果、世界樹の元へ精霊たちの力を借り転移していきたいと思います」
「え、世界樹の元へ転移するの ?」
「はい、そうですがどうかなさいました ?」
「ううん何でもない(ゲームだとあれやこれやして進んでいくんだけどなぁー)」
「ならさっさと行こう」
「ええ、そうですね」
「オッケー」
「いきなりのボス戦だね」
「そう、だねー(ボスの相手目の前にいるけど…今は味方だし、彼女に言われた存在が敵になるんだよねきっと…)」
「私も協力するよ」
「ありがとう、一緒に頑張ろう」
「うん」

そう返事すればリオンが腰に回していた手に少し力を入れた

「リア」
「大丈夫よリオン」

お互いに視線を合わせ頷いてから私はセバスさんに視線を向けた

「行こう世界樹の元へ」

私が行った言葉に皆が頷き精霊たちの元へと足を進めた









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