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魔国編
4 新たに目指す場所
しおりを挟む私は黙ってただただ真緒さんの日記を見ていた
最初の方に乗っていたのはこの世界に来てからの事や、自身が持っているスキルの事
勇者と離れた理由や四神との約束について
様々なことが書かれていた。
所々飛ばしながら読ませてもらって、最後になるだろうページに乗っていたのは、私へ向けての文章だった。
「なんて書いてあったんだリア」
「…この世界に来てからの事や私が持っている魔石の事、それから私へのメッセージ」
「マオ様の日記です。この日記に書いてある文字は自分の世界の国の文字だといつだったか言っておりました」
「そう、これは私の前世の世界の文字」
「なら、マオ様はマリアン様と」
「うん。同じ世界で同じ時を生きていた人…」
「そうか」
何故か零れていく涙
何故零れていくのか自分自身でも分からない
そんな私を抱きしめてくれたリオンに私をすがりついた
今までこの世界で生きて過ごしていくうちに前世の記憶が少しずつ失われ始めていた
自分の名前や、出身地は覚えている。
OLだった事も…でもなんの仕事をしていたのか、どんな家に住んでいたのか、家族は何人いたのか…を忘れ始めていた
それに気づいたのは学園に入学してから割とすぐの頃…ゲーム関係については今でもはっきりと分かっているけれど…それもだいぶ変わってしまった為正確には分からない。いつしか全ての事を忘れてしまうのだろうか ? それが心配で、怖くてたまらない時がある
その気持ちがこの日記を読んでこぼれてしまったのかな…
「大丈夫だ、どんな事があっても俺は隣にいる」
「リオン…」
私達がそんな状態の間、キール様とセバスさんは他に何か手がかりになるものを探してくれていた。
私がもとに戻った頃一つの巻物を渡された。
封がされていてセバスさん達では開けない物らしい
同じ属性の私ならば開くことができるのではと言われ私はそれを受け取り魔力を流した
カチリ
そう音がなり巻物が淡く輝き形を変えていった
それはいつしか見つけたことのある鍵と同じもの…
そしてこれはゲームでも出てきたあるものに必要なものだった
つまり、私達が次に向かわないといけないのは…
「次に向かう先は精霊の森…」
「何故」
「この鍵はそこで使うものだから」
「……それは未来視か」
「違うようでそうだと思う…だから」
「大丈夫だ。行こう」
「それでは今日はここで休み明日から向かいましょう」
「私もそれで構いませんよ」
「セバスさん、キール様…ありがとうございます」
これから向かう場所は精霊の森…
ゲームでは魔国編の終わり頃…そして悪役令嬢がアンデットとして最後に襲ってくる場所
何が起こるかわからない、気をつけなきゃ
私はリオンにもう一度抱きしめてもらい自身の心を落ち着かせた
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