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獣国編

46 次の地へ

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雷の大精霊 ヴォルト と契約したキール様と共に私達は地上へと戻ってきた。

「この後はどうなさりますか ?」
「そうね…戻る ?」
「キールお前次第だ」
「…それではもう一ヶ所行きたいのですが」
「どこだ」
「アルス山脈です」
「アルス山脈か」
「アルス山脈 ?」

キール様のアルス山脈という言葉に私は首を傾げながら聞き返した。初めて聞いた山脈の名前だったからだ。

「アルス山脈はアルース川にある地下に存在する山だ」
「アールス川に地下 ?」
「いうならば地下洞窟だ」
「大きな地下洞窟がアールス川にあるんです」
「そこに ?」
「ええ、光の精霊に関する物があるそうなのです」
「洞窟に ?」

はい と頷くキール様に私は少し頭を捻った。というのもゲームとかでは大体光の精霊は太陽の光のもとに現れることが多い。
洞窟となると大体…炎、水、闇、雷が多い…となるとゲームである似せ精霊擬きの魔物というパターンになる…うーんと悩んでいるとリオンが心配して声をかけてきた。

「どうした」
「ぃゃ…キール様、その情報は何処から手にいれたのですか  ?」
「獣国の城下町にある路上販売にそれにまつわる書物がありました。文字が読めないので破格値で売ってありましたが」
「それを見せてくれますか ?」

私はキール様から路上で買ったという書物を受け取った。

「何とかいてある ?」
「読めないわ…でも」
「『光り惑わす道の先 癒しの水の川の元 汝の求める光りあり』です」
「『 When I write this, there may not be a spirit of light. I have to find her ……who borrowed the power to keep her promise with Mao. I hope my descendants will find me when I can't 』……」
「どういう意味だ」
「『俺がこれを記す時 光の精霊はいないかもしれない。マオとの約束を守るため力を借りた彼女の……を見つけなければならない。俺が無理だった時、俺の子孫が見つけてくれることを願う』」
「!? それは最後に書いてある私でも分からない文字です !! マリアン殿は読めるのですか !!」
「最後の方は前世の世界のある国の言葉よ。少し事情があって私でも読めるの…」
「彼女の… と書いてあるが、何を探すんだ」
「光の精霊に必要なものですか…思い浮かびませんね」
「光に対になっているものは闇ですが…」

私が呼んだ文にリオン達はそれぞれ光の精霊が求めるものを考え話し合っていた。私も思い付くものがない…

光(イコール)闇 だし
何のことなのだろうかているのだろうか…

私達はとりあえず話が出来る所へと宿のある町へとアールス川方面へと向かって歩き始めた
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