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獣国編
43 雷の洞窟 ②
しおりを挟むリョダリが作ったピアス型魔道具をつけて私達は雷の洞窟へと入っていった。
想像していたよりも所々にある石が光っている為そんなに中が暗いということはなく楽に進むことが出来る。
「綺麗」
「本来はこんなに明るくなかったそうですね」
「何で分かるの ?」
「ここにはいる前に照明用の魔石を渡されましたので」
「でもなぜこんなに明るいの ?」
「そうですね…おそらく、空の魔石が洞窟内が発している雷を吸収しているのだと思います。それにより限界まで吸収された雷が少しでも外に排出しようと熱を発しそれが光となり発光しているのだと思います」
「ええ、キール殿の言う通りですね」
「だが、この魔石を採るとなるとそれなりの対策は必要になるがな」
「もしかして、持てない ?」
「採るのに帯電対策の魔道具が必要になる。そしてこの魔石を運ぶとなると発光しているから敵にバレやすい、そしてこれ以上魔石に雷の魔力が吸収されないようにしないといけなくなる」
「吸収させないのは ?」
「いつ魔石から雷が発するか分からないからだ」
「まさか…」
リオンの説明から一つ思い立ったことに顔が青ざめていく
「【ライトニング】ぐらいは威力があるだろうな」
ライトニング…雷属性の中位魔術…
大きな木なら真っ二つに割ることも出来る魔術で人が当たればショック死するほどの威力だ。
そんなものがゴロゴロとあることに私は唖然とし何も言葉を発することはできなかった。
「となりますと、こうなるほどの何かがこの奥にあるということになります」
「確実に精霊の気配もするので雷の精霊かと」
…ビリビリするねー、僕は嫌いだなーあいつ
…のーん、優しいやつだの
…ノームは雷きかないからじゃん
…のーん、それをいったらシルフだって
…僕ははねがピリピリして飛びにくくなるんだよー
…歩けばいいの
…風の精霊王が地べたを這えと
「喧嘩はよしてください、シルフ、ノーム」
…やだなあー喧嘩じゃなくて躾だよ
…のーん、酷いの
…あはは、ノーム水中に沈めてあげようか
「シルフにノーム…貴方達は…はぁ」
「ふふ、やっぱり精霊って属性による対立ってあるのね」
「前世でもそういうのがあったのか ?」
「物語上でね、大体はイフリート、えっと炎の精霊王と氷の精霊王が仲が悪いって感じだけどシルフと水の精霊王が仲悪かったり」
…大体そんな感じだね
「ある作品だと、炎の精霊王が氷の精霊王に恋しててアピールするけれど暑いのが嫌いな氷の精霊王は嫌ってるとか」
最後のはある好きなゲームの一部であった話で冗談半分で言ったつもりだったのだけれど…
…のーん、その通りなの
「え… ?」
…のーん、イフリー
…ノーム、イフリートに焼かれるよ
…のーん、黙るの
「ええー」
まさかの内容に思わず声を漏らした私と…
複雑な表情をするキール様
苦笑するセバスさん、興味なさそうなリオン
私達はそれぞれ考えながらたわいもない話をしながら洞窟の奥地へと進んでいった。
開けた場所に出た先にあったものは…
バチンッ !!
ドガガアーン !!
と大きな音をならしながらピカ、チカと光らせながら天井から大量に降ってくる雷の部屋だった
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