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獣国編
39 お祓い ?
しおりを挟む目の前で見つめ合う二人を少し離れて私達は見ていた、今後をどうしようかと悩んでいると部屋に居なかった人物の声が聞こえた。
「それならば、私が精霊に聞いてみますか ?」
「キール様」
「キール」
「…どなた、ですの ?」
部屋の扉の前に立ち微笑んでいるキール様に私達は気配で感じていたため驚きもせず名前を呼び、モブナリ様は驚き、ユーフラテス様は腰にある剣の柄を持ちいつでも攻撃できる体制をとっていた。
そんな様子を気にした様子もなく話を続け始めたキール様の後ろに小さい何かがいた
「そういうわけです。なにかいい方法ありますか ?」
…のーん、取り憑いているだけなら剥がせばいいのー
「どうやって…でしょうか ?」
…のーん、ちょっと待ってなのー
キール様の後ろにいた小さいなにか…それは地の精霊王のノームだった。
ノームはモブナリ様の近くに行きモブナリ様に触れたと思った瞬間モブナリ様の体の中から淡く光る黒髪の少女の姿がずるりと出てきた。
私はモブナリ様のからの中から出てきた黒髪の少女の姿を見た瞬間やっぱりかと思った。目の前に見える黒髪の少女はどう見ても高校生以下に見えたからだ。
ふと隣で静かにしているリオンのことが気になりそっと横目で見てみるとリオンは目を見開いて黒髪の少女を見ていた。
あの日私は責められ質問された日に私の前世の姿も説明した。日本人のほとんどが黒髪黒目だと、その時の記憶にある顔はそんなばかなと言わんばかりの驚いた顔だった。だからだろう実際に目の前で見た黒髪黒目の少女見て驚いていたのは…私はそのまま黒髪の少女をリオンが見つめ続けている横顔を見続けていた。
…のーん、これで彼女にはもう取り憑いていないのー
能天気な声で話を続けるノームにキール様が話しかけた
「それで彼女をどうなさいますか ? できれば元の世界に戻してあげたいのですが」
…のーん、ちょっと待っててほしいのー。シルフと相談してくるのー
そう言ってノームはその場から消えていった
しばらくの間沈黙が続き声をかけようと思った瞬間ノーム達は戻ってきた。
…聞いたけど霊体を捕まえたんだって ?
…のーん、捕まえたんじゃなくて剥がしたのー
…ふーん、どっちも同じじゃない ?
「それよりもシルフ彼女は他世界からきたようです。出来れば元の世界に戻して上げたいのですが…」
…ねえねえそこの子ちょっといい ?
……な、に
…君はどこの世界の何処に居たか分かる ?
……地球の日本の学校
…なにか聞こえない ?
……ふう、りん ?
…繋がった
シルフがそう言うと目の前に淡く黄色く光る透明の扉が現れた。
…道は繋がった。あの扉を通れば帰れるよ
シルフがそう言うと目の前の黒髪の少女は驚いた顔をしてシルフ見た後、満面の笑みで微笑んでシルフにお礼を言うと扉に向かって飛んでいった。
こちらには1度も振り向かずに向かっていく少女の後姿を見てモヤモヤしてしまっていた。少女が扉を開けた瞬間こちらを振り向きモブナリ様と私の方を見て1言ずつかけていった。
……ありがとう。体を借りちゃってごめんなさいモブナリさん
「いえ、大丈夫ですわ」
モブナリ様は複雑そんな顔していたが少女の姿を見て思った以上に幼かったことに気づいたのだろ、致し方ないという顔で微笑み返していた。
本当にごめんなさいとひとこと言ったと少女は私の方を向き気になることを教えてくれた
…あのね、悪役令嬢さん
「はい」
…私が見てた愛束のアニメで獣国からもう一度ヒロインが聖地に向かって旅立つシーンでセルティックが出てくるんだよ、私ねユーフラテスの次にセルティックが好きなのあのシーン格好いいんだよ !! だからもしセルティックがいたら助けてあげてほしいんだ
そういって少女は照れながら扉をくぐって消えていった。少女が通ると扉がひとりでに閉まりだしパタンと音が鳴りすーっと扉は消えていってしまった。
私とリオンは少女が言う最後に言った言葉がどうしても気になり互いに目を合わせて眉間にシワよせて見つめ合った。それは後で聞いていたキール様も同じでセルティックがヒロインと一緒にいた男だと分かり眉間に皺を寄せていた。
しばらく沈黙が続いた後リオンの指示で私達はユーフラテス様とモブナリ様を二人きりにし部屋を出て行った
学園にある私たち専用の部屋に戻り私達はあの黒髪の少女が言っていた最後の言葉について今後のこと話し合うことにした
ーーーーーーーーー
モブナリについていた少女が簡単に帰れた理由
① 幽体離脱状態だったため本体と繋がっていたから
② 地球の事や日本の事の景色や地図等しっかりイメージできていたから
③ 少女の生まれがある寺に仕える子供だった事
④ 向こうの神が少女を探していて、魂だけになったことで見つけれたから
全てが重なり、うまく時空が繋がり変えることができたということです。
ゴタゴタ設定ですみません
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