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獣国編

21 隠し事

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私はリオンからケタイを借りてリョダリへと連絡をした。

『どうしたリオン ?』
「マリアン…雪です」
『ああ、どうかしましたか ?』
「…あの、今回の事で相談が」
『ヒロインの事ですか ?』
「はい、それで…これからのことを話すに当たってリオン達に前世の記憶のことを話したいんです」
『それは…』
「でもそうなるとリョダリの事もバレてしまうかもしれません」
『…雪さん、実は私は番であるレーヌには前世の記憶のことは話してあるんだ』
「え…」
『これから共に生きる大切な人だからね』
「…大切な…」
『リオンやセバスにばれたとしても私は構わないよ、まぁ、全く関係のないものにペラペラ喋られるのは困るが』
「…分かりました。私もリオンに話します、その時にリョダリのことを聞かれたら貴方の事も」
『ああ、後悔しないように話してくるといい』
「はい、ありがとうございます」

私はケタイの魔力を切りリオンの元へ戻った。
ケタイを使っている時は話の内容がばれないように遮音結界を使い話したからリオン達にはなんの話をしていたかはバレていない。

「戻ったかリア」
「リオン…今夜大事な話があるの」
「…分かった」
「セバスさんにも聞いてほしいの」
「かしこまりました」
「では私は、他の所で見張りをしています」
「ありがとうございます。キール様」

私はリオンと話すことを約束してガロウ森林を目指すことにした。
転移で簡単に行くことができる為、リオンに腰を抱かれながら私はリオンの転移で森林へ行く、転移で森林についたので周りを見渡せば木々が所々折れており荒らされた後があった。
そして少し離れたところにセバスさんとキール様が一緒にいる、キール様はセバスさんと一緒に転移してきたみたい
森林の中は荒らされてあるのに静けさが周りを支配している。

「こんなに静かなのは魔獣が森林から抜け出したからでしょうか」
「リョダリが魔獣が近付いてきていると言っていたからな、恐らく逃げだた魔獣が近くの街へと逃げたのだろう」
「…なにか気配がします」
「来るぞ !!」

リオン合図と共に私が向いていた方とは反対側から大きな声と地響きが私達を包んだ

そして木々をなぎ倒し現れたのは…
以前見かけた時よりも数倍は大きくドス黒く変色した体に何を見ているのか分からない濁った赤い瞳…そして額には埋め込まれたような異様な魔力を放つ石がそこにあった。

「坊っちゃんあれは」
「ああ、地竜の時と同じ物だな」
「…あれではもう無理でしょう」
「寝かせてやれ」
「はい」

セバスさんとリオンが話し終わるのと同時にセバスさんは走りだしあの時のボスである、zi b ◯ riのモロのような者へと向かっていった

次々と繰り出される植物の蔦と葉の刃、岩等を軽々と避けながらも距離をとらされているのかなかなか前に進めない様子のセバスさんにキール様が精霊の力を使い援護して葉の刃や岩を防いでいく。
リオンも私やキール様に来る蔦を切り落としながら様子をうかがっているようだった。私はいつでも撃てるように絶対零度アブソリュート・ゼロを待機させていた。

徐々にセバスさんが迫っていきボスに一撃を食らわした。
その瞬間ボスが大きな叫び声をあげ嘶き、前足を振り下ろした瞬間信じられないことが起こった。

私がいた場所はリオンのたった二歩下がった程度の場所だったのに、いつの間にかボスの近くの上空へと持ち上げられてしまっていたのだ


  
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