上 下
85 / 166
獣国編

11 連絡と選択

しおりを挟む

「分かった」
「ぅ…ん ? 」
「起きたかリア」
「………っ…どうかしたの?」

朝日が窓から入り上半身裸のリオンが髪をかきあげながら私の方を見下ろしていた。
その色気に鼻血が出そうと思ったのも仕方ないと思う。勿論でないけど…意地で…
それよりも髪をかきあげていない方の手、リオンが持っている魔道具が気になった。
初めて見る 5㎝ ほどのひし形のブローチに模様のように陣が掘られておりそれが先程まで使われていたからなのか魔力により光が帯びていた。

「それは ? 」
「これはリョダリが開発したケタイといわれる魔道具だ、登録してある魔力の相手と連絡を取り合うことができる物らしい、昨日渡された。俺も先程使うのが初めてだが中々良いものだな」
「ケタイ…(ケータイのことだよねぇ)」
「ああ、それで今リョダリから連絡が来た」
「なんて ? 」
「獣国ではスタンビートらしき予兆はないが、昨夜トヤムール国にてスタンビートの予兆が起きたらしい」
「え… !? (なぜ !! 今戸のルートになって進んでるの意味がわからない !? )」
「力を貸してほしいとの連絡が来たらしい。そのため俺たちにも連絡をくれたらしいが、リア戻るか ? 」

リオンが言っている意味が私も共に戻りスタンビートを止めに行くか、此処に残り待っているか…その選択しをくれていることに気がついた。
私を危険に会わせたくないというリオンの気持ちもわかる、でも私は…

「行くわ」
「セバスは残していくぞ」
「それでもついていく。リオンと共にどんなときでも一緒に…戦うわ」
「ふっ…そうか、なら仕度してすぐ向かおう」
「ええ」
「俺だ」
『リオンどうするか決めたかい ? 』
「ああ、俺達は一度戻る」
『分かった。セバスにもう1つケタイを渡してある。出来ればそれをトヤムール国の王太子に渡してくれ』
「ロナウドにか ? 」
『ああ、彼とは頻繁に手紙のやり取りしているからね、本当は一番に送るつもりだったがリオンの方が来るの早かったから先に渡しただけだからね』
「そうか、分かった。俺達はもう行く。何かあれば向こうに連絡してくれ」
『了解、気を付けてくれ』
「ああ」

リオンが話しかけるとスピーカー状態でリョダリの声が聞こえ、二人で話がどんどん進んでいった。
この魔道具は完成したばかりらしく…まだ、数個しかないらしい。
そのため、1つは獣国王太子リョダリ、トヤムール国王太子ロナウド、そしてリオンと3つだけとか。
いや、ギルドマスターでリョダリの番レーヌも持っているとか…
うん、なんも言わないよ

「仕度はできたかリア」
「ええ」
「セバス」
「はい坊っちゃん」
「一度学園にある研究所に転移する」
「え ? 」
「簡単に魔力の消費を少なくいけるのは転移陣がある研究所か、王宮の研究所だけだ。王宮は旅に出るときにエイザル仕様に変更した。なら一番近いのは研究所になる」
「あ、研究所の後は転移で王宮に行けば魔力もそこまで減らないのね」
「そういうことだ、行くぞ」
「ええ」

私はセバスさんにヒールをかけてもらった後旅の身支度を済ませリオンの横へと立った。
とたんに腰を引き寄せたリオンにドキドキとしながらスタンビートが起きそうになっていることと、これがまぐれか人工的か…それとも強制力による力なのか…
不安に刈られながらも私は足元に光輝く転移陣を見ながら考えていった
しおりを挟む
感想 48

あなたにおすすめの小説

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?

もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。 王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト 悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。

ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)

夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。 ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。  って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!  せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。  新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。  なんだかお兄様の様子がおかしい……? ※小説になろうさまでも掲載しています ※以前連載していたやつの長編版です

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

【完結】転生したら少女漫画の悪役令嬢でした〜アホ王子との婚約フラグを壊したら義理の兄に溺愛されました〜

まほりろ
恋愛
ムーンライトノベルズで日間総合1位、週間総合2位になった作品です。 【完結】「ディアーナ・フォークト! 貴様との婚約を破棄する!!」見目麗しい第二王子にそう言い渡されたとき、ディアーナは騎士団長の子息に取り押さえられ膝をついていた。王子の側近により読み上げられるディアーナの罪状。第二王子の腕の中で幸せそうに微笑むヒロインのユリア。悪役令嬢のディアーナはユリアに斬りかかり、義理の兄で第二王子の近衛隊のフリードに斬り殺される。 三日月杏奈は漫画好きの普通の女の子、バナナの皮で滑って転んで死んだ。享年二十歳。 目を覚ました杏奈は少女漫画「クリンゲル学園の天使」悪役令嬢ディアーナ・フォークト転生していた。破滅フラグを壊す為に義理の兄と仲良くしようとしたら溺愛されました。 私の事を大切にしてくれるお義兄様と仲良く暮らします。王子殿下私のことは放っておいてください。 ムーンライトノベルズにも投稿しています。 「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

義弟の為に悪役令嬢になったけど何故か義弟がヒロインに会う前にヤンデレ化している件。

あの
恋愛
交通事故で死んだら、大好きな乙女ゲームの世界に転生してしまった。けど、、ヒロインじゃなくて攻略対象の義姉の悪役令嬢!? ゲームで推しキャラだったヤンデレ義弟に嫌われるのは胸が痛いけど幸せになってもらうために悪役になろう!と思ったのだけれど ヒロインに会う前にヤンデレ化してしまったのです。 ※初めて書くので設定などごちゃごちゃかもしれませんが暖かく見守ってください。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

処理中です...