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学園【ゲーム開始】

59 謁見と旅立ち

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「ん……」


遠いような近いような…何処かでボソボソと誰かが話している声が聞こえ始めた、まだ瞼が重く目を閉じたままで体も気怠い…でも心はとても幸せで暖かく満たされている感じがした。次第にだんだん意識がはっきりしてきて聞こえてくる声に耳を澄ましぼんやりと開けた目で周りを見ればすでに着替えソファーに座り紅茶を飲んでるリオンとセバスさんが話している姿が見えた


「坊っちゃん…マリアン様は目を覚してばかりなのですよ、それを貴方は」
「同意の下だ」
「それでもです、坊っちゃん。まだ体力の戻っていない方をましてや初めての方を一晩離さず抱き潰すとは何事ですか!」
「……一度しか抱いていない…」
「坊っちゃん…そういう問題ではないです、確かにマリアン様を大変我慢していらっしゃったのを見ていたので気持ちはわかりますが…」
「ならいいだろう」
「いいえ、こればかりははっきり言わせてもらいます」
「チッ」
「坊っちゃん…いいですか、そもそも」


何やら昨日の昼前から朝方まで諸事をしていた事をセバスさんにバレて小言を言われているらしい…どうしよう、恥ずかしすぎて起きられない…
昨日のことも思い出し布団を被り悶絶しているとリオンが近づいてきて私の額に唇を落とした


「リア目が覚めたか、体は辛くないか」
「ぅ…はぃ、平気…です」


なんとか少しだけ目の部分まで布団だし鼻から下は隠しながらきっと頬は真っ赤になり恥ずかしさで涙で潤んでいるはずの瞳でリオンを見つめればリオンは眉間にシワを寄せ始めた


「……はぁ…」
「いけませんよ、坊っちゃん」
「…ちっ…リア悪いが夕刻に陛下に呼ばれている…が行くのはやめておくか」
「え?陛下に呼ばれているのなら行かなくてはいけませんよね?大丈夫です」
「マリアン様体がお辛ければ後日でもいいそうですよ」
「いえ、大丈夫です、あの、支度を誰かに頼みたいのですが…」
「そちらは私が準備いたしましょう」
「メイドにやらせろ」
「え!?は??」
「坊っちゃん。マリアン様の体中にある華をメイドに任せるわけには行きません。まだ屋敷の者は坊っちゃん達の事情、夫婦だと言うことを知るものはいないのです。変な噂になられても困りますので私が行います」
「セバスさんがやるの?」
「……見られても構わないが…仕方ない、リア悪いが俺は今から先に王宮に行く陛下謁見時に会おう」


私がセバスさんが手伝ってくれることに疑問を述べようとするも2人に華麗に無視され話がまとまったらしく…
リオンは私にそう言うと額に口付けを落とし転移して消えていった、その後は夕刻のギリギリまでもう一度寝かせてもらいセバスさんになるべく肌についた華を魔術で消してもらい(大事な部分は隠した状態でだよ!!)ドレスに着替え王宮へ向かった


ガタッガタタン…


ずっと動いていたはずの馬車が止まった、何故呼ばれたのかを考えつつセバスさんが開けてくれた馬車のドアの方を見ればそこには正装筆頭ローブを羽織ったリオンが手をさしだしてくれている姿、いつもと違い完全に正装しているリオンの姿に見惚れボーとしそうになるのを頑張ってこらえ差し出された手をとり馬車から降りる、視線が合わされば優しく微笑み腰に手を回してエスコートしてくれるリオンに心臓の乙狩恩に着越えてしまうのではと思うほど高く鳴る、その様子を王宮の護衛騎士が目を見開き固まって唖然としているのを視界の恥でとらえながら私は陛下が待っているだろう謁見しつへとリオンとセバスさんと共に向かった


「よく来た、顔を上げよ」
「はい」
「久しぶりだなカーリヒルト嬢」
「お久しぶりでございます陛下、本日は」
「今日は儂等しかおらぬ堅苦しい挨拶等入らん」
「…分かり、ました」
「うむ」


陛下は人払いをしていたのか、この謁見の間には陛下、エイザル様、宰相キルト様、騎士団長マグネス様、魔術団長マトルートル様、お父様、リオン、セバス、私だけだった、本来はいるはずの護衛騎士すらも誰一人としていない状態…
本来ならこんなことはあり得ないのだが今ここにいるのはこの国のトップとも言われる人たちだから許される場なのだろう、そんな中で始まる話がどんなものなのか…緊張して前に重ね合わせていた自分の手を強く握りしめた頃話が始まった
最初に聞いたのは私が意識を失った後の話、殿下達は捕らえられ殿下、マオリャン、ヒルゼンはそれぞれ魅力を解除されもとに戻ってきたため部屋への軟禁しているとの事、解除しても変わらずヒロインを崇拝してそうなほどのセルティックと元凶のヒロインはそれぞれ離し牢獄の中にいるということ、そして今回の事で殿下は作物が育ちにくく殆ど領民のいない辺境の地へ、それと共にヒルゼン、マオリャンも共にいく行くことになったこと
ヒロインとセルティックは牢獄で魔封じをされ一生を過ごすことになることの説明を受けた、その後宰相様、騎士団長、魔術団長様は頭を下げ謝罪をしてくれた、実際は殿下達と魅力でいいようにしていたヒロインのせいな訳で仕方ないので気にしない様にいうがなかなか納得してもらえなさそうで何か欲しいものやしてほしいことはないかと聞かれる始末で困ってしまいリオンを見ると話し始めた


「陛下、今回の件でお願いしたいことがある」
「ふむ、言うてみよ」
「俺は今日で王専属魔術師を辞退させてもらう」
「「「は?」」」


エイザル様、陛下、私の声がきれいにダブった、勿論騎士団長達も口を開けて唖然としていたのだがこの時はリオンだけを見ていて気付かなかった、そんな中リオンは話を続ける


「それから俺とマリアン、セバスは明日以降冒険者となり街を出ていくつもりだ」
「ふむ…ふむ、取り敢えずリオン、お主少しばかり待たれよ」
「このローブと紋章を返還させてもらう」
「ふむ…いや…取り敢えず落ち着け…」


リオンはそう言うとローブと紋章を外し近くに居た騎士団長に渡したそれを今だ唖然とし黙って抵抗せず受けとる騎士団長…
すぐさま立ち去らんと言わんばかりのリオンに質問をしたのはエイザル様だった


「あー リオンとりあえず何故こうなったのか教えてくれないかい?」
「そもそも王宮に勤めたのもマリアンの事を考えてだ、夫婦になったのならばいつまでもくだらん事をするつもりもない」
「あーうん…マリアン嬢の為に名を上げていたのは知っているが……性急すぎないかい?」
「1年前から俺のものになっていると知っていれば今回のことが起こる前にマリアンと共に国を出ていた」
「確かに半年ほど前から今回のことはリオンより聞いていたが…」
「それをお前たちはグダグダと流した結果がこれだ」
「それはすまなかったが…」
「ならば、俺達はもう巻き込まれるのは迷惑だ」
「あの…リオン…」
「それから、まだ国民や騎士等には知られていないが魔族の動きが気になる」
「え?」


私は最初の夫婦で疑問を感じ聞きたいが口を挟めずどんどん進んでいく会話に話しについて行けずリオン達の話をボーと聞いていたが魔族の言葉に反応してしまった。
何故ならゲームの第二期が予定よりも3年早く始まることになっているかもしれないということだから、ゲームではリオンとヒロインがくっつきリオンを取ったときに起こる、王子編とリオン編…リオンを選択するとリオンと共に冒険者登録し謎を解くために聖地へと魔族の土地へと向かう途中国が魔族に攻められると知り1度国に戻り魔族を退けまた旅に出てその途中で獣国へと行きまた獣人攻略キャラと恋愛をすると言うもの…
もしかしたらこの国が攻められるかもしれない、そんな話が今始まろうとしていたのだ


「リオン、お前も気づいていたか…」
「馬鹿にしているのか?この国の結界は俺が組んだものだ、何か起これば俺のもとにすぐ分かるようにしてある」
「そうか…お主にはバレておったか」
「だがリオン…なぜお前が動く?」
「聖地の管理人がいない今…魔族が何を考えどう動くか分からない俺は黒だ、そして古の夢を見る」
「リオン」
「俺は自分の役目をしなければならない、それが例えどんなことだろうと」


リオンが鋭い瞳で陛下とエイザル様を見て言った、それに対して陛下もエイザル様達も何も言わなかった


「分かった、だがマリアン嬢は関係ないリオン、彼女はおいていきなさい危険な場所へは連れて行かせるわけには行かない」
「そうだマリアンまでいく必要はないはずだ」
「駄目だ」
「それはなぜだ、リオンよ」


陛下と、エイザル様が鋭い目でリオンを見るとリオンは口角を上げ言い放った


「マリアンは俺の物だ、それにマリアンおそらくお前も関係している」
「どういう事だ」
「マリアンは未来見ができる、そして古の夢を見ている」
「「なんだと!(なんと!)」」
「え?」


リオンは私の腰に手を回し引き寄せた


「マリアン、お前はいつだか、黒い猫と黒髪の少女が桜を見ていたとセバスに話したそうだな」
「え、はい」


確かにあのときはなしたけど…


「それは黒髪の持ち主か賢者マオと繋がりがあるものしか見れない、そしてマリアンは見ているそして賢者マオと同じ未来見もある、それは聖地に呼ばれているともいえる、だからマリアンお前にも俺と共に旅に出てもらう」
「……私は…リオンの足手まといになるかもしれない…それでも、リオンが良いのなら私は共に歩みたい…」
「セバスも共に行く、お前に怪我の一つもさせない」
「わかった…好きにしなさいマリアン」
「お父様…ありがとうございます」
「事情は分かった、古の夢に導かれたのならば致し方あるまい、リオン・グリアモール、お主を専属魔術師の任をとき古の使者としてこれを授ける、エイザル」


陛下がそう言うとエイザル様は転移し何やら箱を持って戻ってきた、それをリオンに渡し中を開け見せてもらうと、黒曜石に真ん中が碧石が嵌められた腕輪だった


「それは聖地を指していると言われておる、賢者マオと勇者セシルが魔力を込め作り上げた鍵となるものだそうだ。それを持っておればどの国も古の使者としてお主を迎えるだろう、お主の髪の色だけで大概は受け入れてくれるだろうが…この国のように畏怖する国もあろう…そしてカーリヒルト嬢」
「はい」
「お主はこの国、この世にて見た事のない髪色をしておる、そして賢者マオの古の夢を見るという事はお主は特別な役割があるはずじゃ」
「…はい」
「マリアン嬢にはこれを」


私は渡された箱を開けるとそこには黒曜石と碧石の石がはめられた首飾りが入っていた。


「それは賢者マオが勇者セシルに送ったと言われる首飾りだ」
「賢者マオ様が…」
「友好の印として渡されたと言われておる。そしてこれにも賢者と勇者の魔力が込められておる。それはこの国にしか伝えられておらぬ物だ。他国では効果はないかもしれぬが古の使者としてそれを渡す」
 

私は首飾りを手に取ったあとセバスさんを見た、セバスさんは無表情だったがどこか懐かしそうに少し寂しそうにその首飾りを見たあと私に頷いてみせた、私はその首飾りを嵌め箱をエイザル様に返した

「古の使者、リオン・グリアモール、マリアン・グリアモールよ。聖地への道が今開かれることを祈る。」
「ああ」
「はい」


私達はこうして次の日の朝には両親と陛下たち以外の人には挨拶せず旅立った
これから始まる魔族との戦い、出会い、聖地への旅…
そぅ……私達はこれから何度も互いに傷付き、支え合い、聖地へとたどり着き呼ばれた本当の理由とセバスの存在…


この世界の全てを知る事となる


でもそれはまた別のお話…








ーーーーーーーー



「そういえばリオン」
「なんだ」
「私たちいつから夫婦に?」
「リアが14になったときに陛下達が勝手に書類を提出したらしい」
「ええ!?」
「そうと知っていればは学園などに通わせなかったのだがな」
「それは…」
「それに」
「?」
「こういうことも我慢せずできたということだ」
「え!?ちょ、リオ! んぁあ!!」
「はっ、リア」


馬車に乗り二人で帰るなかリオンにいたずらされ恥ずかしい言葉を引き出された私はリオンの転移によりベットへと移されその後さんざん喘がされ逝かされ意識を失った


「マリアン…愛している」


そう囁き口付けされたのら幸せに浸かり夢の中へ旅だった後のこと…




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