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学園【ゲーム開始】
51 南の塔の謎①
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北の塔を調べ終えたのは夕暮れ時だった
南の塔にすぐ向かったが到着した頃にはすでに日が暮れ始めもうすぐ夜が訪れる時刻だった、日本でいう薄明時というのかな…
南の塔へつくまでの間何も聞いてこないリオンに少しの安堵と共に不安も感じたが隣で私のペースに合わせて歩いてくれるのを見て信じていてくれていることがよく分かる、早く調べ終え全てを話したいと焦りを感じてまう、そんなことを考えているといつの間にか南の塔へと辿り着いたらしい
「ここが南の塔だ、魔石は朱だ、調べた感じでは特に何もなかったが、また何か見つかるかもしれんな」
「ここが…」
目の前に見えたのは他の塔に比べてやや高い塔、今までのが3階程度だとするとこれは5階はあるのではないだろうか…一番上まで登るのが大変だろうなぁ~と考えてしまったのはもう既に他の塔を調べ疲れていたからなのかもしれない
リオンが何か呟き扉に手をかざせば陣が浮かびまた簡単に扉が開き入れるようになった、リオンが先に入るのを見ながら後に続いて中に入ると、他の塔と変わりなさそうな配置の扉…
「ここは1階が書斎、2階が研究室、3階が仮眠部屋もしくは私室、4階は扉があるのだが開かず入れない、そして最上階5階は他と変わらない魔石の部屋だ」
「研究室は何が研究されていたの?」
「分からん、特に何も資料はなかったからな」
「仮眠部屋もしくは私室と言っていたけれどなぜ私室と思ったの?」
「シンプルだが仮眠部屋…と言うには違和感があるんだ、どちらかと言えば私室に近い作りだった気がしたからな」
「そう…」
「4階の扉は特に陣があるわけでもないが何故か開かない、試しに武力で開けようとしてみたが傷をつけることも出来なかった、魔法でもな」
「それはもしかしたら…」
「リアなら開けられるかもしれないな」
「魔石は朱?赤ではなく?」
「朱だ、普通の赤ではなく少し黄色味を帯びている」
「そう」
会話をしながら進み開けてくれる1階の部屋の中に入れば特に何も感じない普通の部屋だった
北の塔のように本棚の本で何か書かれているわけでもなく本の種類も魔法の本や剣術指南書、この国の歴史や学園の図書室にありそうな種類の本が多くあり、部屋の窓側には小さめの机と椅子机の上に羽ペンとインク瓶が置いてあるだけだった
「ほんとにただの書斎だわ」
「本も一冊ずつ調べたが特に変な物はなかった」
「そうなのね」
「次にいくか?」
「ええ」
特に調べもせずあっさりと頷いたことにリオンは少し驚いていた
案内してくれた2階の扉を開けるとそこは確かに研究室だった、西の塔のようにあちら世界の研究室、理科室ではなくどちらかというとリオンの研究室に近いこの世界の研究室だった、大きめの机と椅子に書類を入れるための棚それらがある部屋は他の部屋に比べたら少し小さめでこの部屋も特に違和感はない普通の部屋…
1つ同じなのは1階の机にもあった羽ペンとインク瓶が同じということだけ
他に何かヒント、日本語の文字があるかと調べていたものの特に何もなかった
そのままリオンと共に3階の部屋へ行くとリオンが言ったように仮眠室というよりも私室…しかも女性が使っていたような感じの部屋だった
ソファーにテーブル、ティーセットを置く戸棚、小さなキッチン…窓には明るい紅色のカーテンに白い刺繍糸で鮮やかに刺繍された模様、そして鳥でも飼っていたのか少し大きめな鳥用ブランコがあった
「鳥を飼っていたのかな?」
「そのようだな」
「大きいね(確か南の四神は朱雀…朱雀は確か不死鳥といわれる鳥だったよね後は季節は夏で属性は炎、確か確か愛を司るとかいろんなゲームで出てきていた気がする)」
そのまま部屋の中を調べるも特に何もなかった、もぅ次の部屋に行こうかなと思ったときだった
「リア」
リオンに声をかけられ振り向くとリオンは鳥用ブランコの横にいて手招きしていた
何だろうと首をかしげながら近づくとブランコの木の棒を指さした、まさかと思い見るとそこにはあの文章があった
「【彼の者を守護せし南の塔 守護者は炎の神 朱の宝玉とす】」
「朱か、魔石と同じか」
「そうそれ以外は特に何もやっぱり書いてないみたい、リオン次の部屋いこう」
「次は開かない部屋だが…」
「通称開かずの扉?」
「なんだそれは?」
「え?」
何となく笑いながらふと出た言葉はこちらにはない言語なんだと知り少し驚いた瞬間だった
「何かの本であっても開かない扉のことを【開かずの扉】っていうって書いてあったわ」
「開かずの扉か、そのままの言葉の筈なのに今まで出てこなかったのが不思議だ」
「そうね(確かに皆何故か開かない部屋や扉のことを開かない部屋とか開かない扉とか言っていたなぁ)」
そんなことを考えながら少し笑っていると4階の扉の前についた、リオンが開けようと扉に手を当てるが何故か微妙に距離が開いている
まるで見えない壁があるかのように遮られているのだ
「これは結界?」
「だろうな、だが俺では解けない」
「リオンでも?」
「これは賢者が張ったものだろう何をやっても開かなかった」
「……【開かずの間】……?」
「リア?」
リオンでも開かなかったという扉をじっと見ていると扉の真ん中が文字みたいに見えたよく見てみると日本語で【開かずの間】と書かれていたのだ
リオンに声をかけられたけどそれどころではない、日本で【開かずの間】と言えば
禁忌などの理由で、普段は開けられることを禁じられている部屋という意味で……
危険な何かがあるかもしくは閉じ込められているかを表しているということなのだ
前世の記憶のせいかこれ以上ここに居たくないという気持ちと今世の危険はないという2つの考えが鬩ぎ合っていた、どうしようかと思った時
リオンが私の手を取り5階へと引っ張ってくれた
「あそこは今の俺でもリアでも開けることは無理そうだ」
「そんな」
「だから今は出来る事からやっていこう」
そういうリオンに私は安心しつつも何ともいえない気持ちが胸の中で燻っていった
南の塔にすぐ向かったが到着した頃にはすでに日が暮れ始めもうすぐ夜が訪れる時刻だった、日本でいう薄明時というのかな…
南の塔へつくまでの間何も聞いてこないリオンに少しの安堵と共に不安も感じたが隣で私のペースに合わせて歩いてくれるのを見て信じていてくれていることがよく分かる、早く調べ終え全てを話したいと焦りを感じてまう、そんなことを考えているといつの間にか南の塔へと辿り着いたらしい
「ここが南の塔だ、魔石は朱だ、調べた感じでは特に何もなかったが、また何か見つかるかもしれんな」
「ここが…」
目の前に見えたのは他の塔に比べてやや高い塔、今までのが3階程度だとするとこれは5階はあるのではないだろうか…一番上まで登るのが大変だろうなぁ~と考えてしまったのはもう既に他の塔を調べ疲れていたからなのかもしれない
リオンが何か呟き扉に手をかざせば陣が浮かびまた簡単に扉が開き入れるようになった、リオンが先に入るのを見ながら後に続いて中に入ると、他の塔と変わりなさそうな配置の扉…
「ここは1階が書斎、2階が研究室、3階が仮眠部屋もしくは私室、4階は扉があるのだが開かず入れない、そして最上階5階は他と変わらない魔石の部屋だ」
「研究室は何が研究されていたの?」
「分からん、特に何も資料はなかったからな」
「仮眠部屋もしくは私室と言っていたけれどなぜ私室と思ったの?」
「シンプルだが仮眠部屋…と言うには違和感があるんだ、どちらかと言えば私室に近い作りだった気がしたからな」
「そう…」
「4階の扉は特に陣があるわけでもないが何故か開かない、試しに武力で開けようとしてみたが傷をつけることも出来なかった、魔法でもな」
「それはもしかしたら…」
「リアなら開けられるかもしれないな」
「魔石は朱?赤ではなく?」
「朱だ、普通の赤ではなく少し黄色味を帯びている」
「そう」
会話をしながら進み開けてくれる1階の部屋の中に入れば特に何も感じない普通の部屋だった
北の塔のように本棚の本で何か書かれているわけでもなく本の種類も魔法の本や剣術指南書、この国の歴史や学園の図書室にありそうな種類の本が多くあり、部屋の窓側には小さめの机と椅子机の上に羽ペンとインク瓶が置いてあるだけだった
「ほんとにただの書斎だわ」
「本も一冊ずつ調べたが特に変な物はなかった」
「そうなのね」
「次にいくか?」
「ええ」
特に調べもせずあっさりと頷いたことにリオンは少し驚いていた
案内してくれた2階の扉を開けるとそこは確かに研究室だった、西の塔のようにあちら世界の研究室、理科室ではなくどちらかというとリオンの研究室に近いこの世界の研究室だった、大きめの机と椅子に書類を入れるための棚それらがある部屋は他の部屋に比べたら少し小さめでこの部屋も特に違和感はない普通の部屋…
1つ同じなのは1階の机にもあった羽ペンとインク瓶が同じということだけ
他に何かヒント、日本語の文字があるかと調べていたものの特に何もなかった
そのままリオンと共に3階の部屋へ行くとリオンが言ったように仮眠室というよりも私室…しかも女性が使っていたような感じの部屋だった
ソファーにテーブル、ティーセットを置く戸棚、小さなキッチン…窓には明るい紅色のカーテンに白い刺繍糸で鮮やかに刺繍された模様、そして鳥でも飼っていたのか少し大きめな鳥用ブランコがあった
「鳥を飼っていたのかな?」
「そのようだな」
「大きいね(確か南の四神は朱雀…朱雀は確か不死鳥といわれる鳥だったよね後は季節は夏で属性は炎、確か確か愛を司るとかいろんなゲームで出てきていた気がする)」
そのまま部屋の中を調べるも特に何もなかった、もぅ次の部屋に行こうかなと思ったときだった
「リア」
リオンに声をかけられ振り向くとリオンは鳥用ブランコの横にいて手招きしていた
何だろうと首をかしげながら近づくとブランコの木の棒を指さした、まさかと思い見るとそこにはあの文章があった
「【彼の者を守護せし南の塔 守護者は炎の神 朱の宝玉とす】」
「朱か、魔石と同じか」
「そうそれ以外は特に何もやっぱり書いてないみたい、リオン次の部屋いこう」
「次は開かない部屋だが…」
「通称開かずの扉?」
「なんだそれは?」
「え?」
何となく笑いながらふと出た言葉はこちらにはない言語なんだと知り少し驚いた瞬間だった
「何かの本であっても開かない扉のことを【開かずの扉】っていうって書いてあったわ」
「開かずの扉か、そのままの言葉の筈なのに今まで出てこなかったのが不思議だ」
「そうね(確かに皆何故か開かない部屋や扉のことを開かない部屋とか開かない扉とか言っていたなぁ)」
そんなことを考えながら少し笑っていると4階の扉の前についた、リオンが開けようと扉に手を当てるが何故か微妙に距離が開いている
まるで見えない壁があるかのように遮られているのだ
「これは結界?」
「だろうな、だが俺では解けない」
「リオンでも?」
「これは賢者が張ったものだろう何をやっても開かなかった」
「……【開かずの間】……?」
「リア?」
リオンでも開かなかったという扉をじっと見ていると扉の真ん中が文字みたいに見えたよく見てみると日本語で【開かずの間】と書かれていたのだ
リオンに声をかけられたけどそれどころではない、日本で【開かずの間】と言えば
禁忌などの理由で、普段は開けられることを禁じられている部屋という意味で……
危険な何かがあるかもしくは閉じ込められているかを表しているということなのだ
前世の記憶のせいかこれ以上ここに居たくないという気持ちと今世の危険はないという2つの考えが鬩ぎ合っていた、どうしようかと思った時
リオンが私の手を取り5階へと引っ張ってくれた
「あそこは今の俺でもリアでも開けることは無理そうだ」
「そんな」
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そういうリオンに私は安心しつつも何ともいえない気持ちが胸の中で燻っていった
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