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学園【ゲーム開始】

49 魔石の記憶(黒)

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最後の部屋である魔石のある部屋へと入ったリオンとマリアンは魔石を持っている像へと足を進めた


「これが三つ目の魔石だ、黒い魔石で間違いはないな」
「そうね、魔力を込めてみます」
「ああ」

私は目を閉じて今までと同じように魔石に魔力を注ぐ
霞んでいく気配、魔力、何も感じなくなったのを感じ目を開くとそこは北の塔の入り口前だった
黒いだけの塔…凍っているところは何もなくただの普通の黒い塔だった


「凍っていない?」


静かに扉を開けて中に入れば何度も見た少女がたっている
その少女は二階に行き部屋にある植木鉢に水をあげていた、ジョウロの中の水がなくなったのかジョウロをテーブルの上に置き先ほど何も植えていなかった植木鉢のところへ行ったかと思ったらそっとしゃがみ何かを持ち上げた


『来たのかの』
『ええ』
『儂が一番かの?』
『ええ』
『そうか、儂はここを護り力を蓄えればよいのかの?』
『きっとウォッンティは力を使いすぎるから』
『そうじゃろうな、まだまだ力の調整が下手なわっぱじゃからのう』
『そうね』
『次の主になる者が楽しみじゃ』
『ふふ、そんな事いうのは貴方だけよ』
『彼奴等は若い、そのため頭が固いからのう』
『……』
『心配せんでも大丈夫じゃ、お主が認めた次の子じゃろう?それならば儂等はつらい思いなですることはなかろうて』
『そう…よね、ありがとう覚悟が決まったわ』
『よいことじゃ、さて儂は次の主が来るまで寝るとするかのぉ』
『お休みなさいラングリーズ』


黒い魔石に入っていく玄武、それを優しく見つめる少女…
何度か見るそれぞれの魔石の記憶、見る度に他人事には思えず胸が苦しくなる
そんな光景を少し離れた場所から見つめる私の方へ少女は向く


「頼まれたのはまだだけど鍵を見つけたわ」
『これから先必要になる時があるからなくさないで』
「分かったわ」
『貴女が転生したことですでにゲームストーリーとは全く違う歴史が生まれている』
「違う歴史」
『ヒロインに転生した子は何も分かっていない、この世界はゲームだと、リセットすることが出来ると』
「そんな…皆生きているのに」
『そぅ、この世界は現実…痛みも悲しみも苦しみ、喜び、愛しさも…全て』
「………」
『でも、彼女は何としてでも思い通りにしようとするはず、そうするときっとがやってきたこと全て無駄になってしまう、そうならないためにも全てのストーリーを知っている貴女に止めてほしくてこうして四神とを貴女に託す事にしたの』
「出来るか分からないけど頑張るわ」
『大丈夫よ、貴女にはチートな彼がいるでしょ?』


少女はクスクスとさっきまで見せていた憂い顔は消え楽しそうにでもどこか寂しそうに笑い始めた
最後の言葉に少し恥ずかしく感じて何か言おうと思ったけど少女の顔を見たら何も言えなくなってしまった


『大変な事をお願いするけど…』
「私この世界に転生できて幸せよ、リオンと一緒にいられるこの世界が、だから必ず守ってみせるわ、最後の作品のバットエンドのように世界の崩壊なんてさせないから!!」
『お願いね』


そう言いながら消えていく少女
少女がたっていた場所には玄武の入った魔石が落ちている、私がそれを拾うと段々と周りの景色が霞んでいく
手のひらに感じる黒い魔石は全てを包み込んでくれるような暖かさだった





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