64 / 166
学園【ゲーム開始】
49 魔石の記憶(黒)
しおりを挟む
最後の部屋である魔石のある部屋へと入ったリオンとマリアンは魔石を持っている像へと足を進めた
「これが三つ目の魔石だ、黒い魔石で間違いはないな」
「そうね、魔力を込めてみます」
「ああ」
私は目を閉じて今までと同じように魔石に魔力を注ぐ
霞んでいく気配、魔力、何も感じなくなったのを感じ目を開くとそこは北の塔の入り口前だった
黒いだけの塔…凍っているところは何もなくただの普通の黒い塔だった
「凍っていない?」
静かに扉を開けて中に入れば何度も見た少女がたっている
その少女は二階に行き部屋にある植木鉢に水をあげていた、ジョウロの中の水がなくなったのかジョウロをテーブルの上に置き先ほど何も植えていなかった植木鉢のところへ行ったかと思ったらそっとしゃがみ何かを持ち上げた
『来たのかの』
『ええ』
『儂が一番かの?』
『ええ』
『そうか、儂はここを護り力を蓄えればよいのかの?』
『きっとウォッンティは力を使いすぎるから』
『そうじゃろうな、まだまだ力の調整が下手なわっぱじゃからのう』
『そうね』
『次の主になる者が楽しみじゃ』
『ふふ、そんな事いうのは貴方だけよ』
『彼奴等は若い、そのため頭が固いからのう』
『……』
『心配せんでも大丈夫じゃ、お主が認めた次の子じゃろう?それならば儂等はつらい思いなですることはなかろうて』
『そう…よね、ありがとう覚悟が決まったわ』
『よいことじゃ、さて儂は次の主が来るまで寝るとするかのぉ』
『お休みなさいラングリーズ』
黒い魔石に入っていく玄武、それを優しく見つめる少女…
何度か見るそれぞれの魔石の記憶、見る度に他人事には思えず胸が苦しくなる
そんな光景を少し離れた場所から見つめる私の方へ少女は向く
「頼まれたのはまだだけど鍵を見つけたわ」
『これから先必要になる時があるからなくさないで』
「分かったわ」
『貴女が転生したことですでにゲームストーリーとは全く違う歴史が生まれている』
「違う歴史」
『ヒロインに転生した子は何も分かっていない、この世界はゲームだと、リセットすることが出来ると』
「そんな…皆生きているのに」
『そぅ、この世界は現実…痛みも悲しみも苦しみ、喜び、愛しさも…全て』
「………」
『でも、彼女は何としてでも思い通りにしようとするはず、そうするときっと私達がやってきたこと全て無駄になってしまう、そうならないためにも全てのストーリーを知っている貴女に止めてほしくてこうして四神と彼を貴女に託す事にしたの』
「出来るか分からないけど頑張るわ」
『大丈夫よ、貴女にはチートな彼がいるでしょ?』
少女はクスクスとさっきまで見せていた憂い顔は消え楽しそうにでもどこか寂しそうに笑い始めた
最後の言葉に少し恥ずかしく感じて何か言おうと思ったけど少女の顔を見たら何も言えなくなってしまった
『大変な事をお願いするけど…』
「私この世界に転生できて幸せよ、リオンと一緒にいられるこの世界が、だから必ず守ってみせるわ、最後の作品のバットエンドのように世界の崩壊なんてさせないから!!」
『お願いね』
そう言いながら消えていく少女
少女がたっていた場所には玄武の入った魔石が落ちている、私がそれを拾うと段々と周りの景色が霞んでいく
手のひらに感じる黒い魔石は全てを包み込んでくれるような暖かさだった
「これが三つ目の魔石だ、黒い魔石で間違いはないな」
「そうね、魔力を込めてみます」
「ああ」
私は目を閉じて今までと同じように魔石に魔力を注ぐ
霞んでいく気配、魔力、何も感じなくなったのを感じ目を開くとそこは北の塔の入り口前だった
黒いだけの塔…凍っているところは何もなくただの普通の黒い塔だった
「凍っていない?」
静かに扉を開けて中に入れば何度も見た少女がたっている
その少女は二階に行き部屋にある植木鉢に水をあげていた、ジョウロの中の水がなくなったのかジョウロをテーブルの上に置き先ほど何も植えていなかった植木鉢のところへ行ったかと思ったらそっとしゃがみ何かを持ち上げた
『来たのかの』
『ええ』
『儂が一番かの?』
『ええ』
『そうか、儂はここを護り力を蓄えればよいのかの?』
『きっとウォッンティは力を使いすぎるから』
『そうじゃろうな、まだまだ力の調整が下手なわっぱじゃからのう』
『そうね』
『次の主になる者が楽しみじゃ』
『ふふ、そんな事いうのは貴方だけよ』
『彼奴等は若い、そのため頭が固いからのう』
『……』
『心配せんでも大丈夫じゃ、お主が認めた次の子じゃろう?それならば儂等はつらい思いなですることはなかろうて』
『そう…よね、ありがとう覚悟が決まったわ』
『よいことじゃ、さて儂は次の主が来るまで寝るとするかのぉ』
『お休みなさいラングリーズ』
黒い魔石に入っていく玄武、それを優しく見つめる少女…
何度か見るそれぞれの魔石の記憶、見る度に他人事には思えず胸が苦しくなる
そんな光景を少し離れた場所から見つめる私の方へ少女は向く
「頼まれたのはまだだけど鍵を見つけたわ」
『これから先必要になる時があるからなくさないで』
「分かったわ」
『貴女が転生したことですでにゲームストーリーとは全く違う歴史が生まれている』
「違う歴史」
『ヒロインに転生した子は何も分かっていない、この世界はゲームだと、リセットすることが出来ると』
「そんな…皆生きているのに」
『そぅ、この世界は現実…痛みも悲しみも苦しみ、喜び、愛しさも…全て』
「………」
『でも、彼女は何としてでも思い通りにしようとするはず、そうするときっと私達がやってきたこと全て無駄になってしまう、そうならないためにも全てのストーリーを知っている貴女に止めてほしくてこうして四神と彼を貴女に託す事にしたの』
「出来るか分からないけど頑張るわ」
『大丈夫よ、貴女にはチートな彼がいるでしょ?』
少女はクスクスとさっきまで見せていた憂い顔は消え楽しそうにでもどこか寂しそうに笑い始めた
最後の言葉に少し恥ずかしく感じて何か言おうと思ったけど少女の顔を見たら何も言えなくなってしまった
『大変な事をお願いするけど…』
「私この世界に転生できて幸せよ、リオンと一緒にいられるこの世界が、だから必ず守ってみせるわ、最後の作品のバットエンドのように世界の崩壊なんてさせないから!!」
『お願いね』
そう言いながら消えていく少女
少女がたっていた場所には玄武の入った魔石が落ちている、私がそれを拾うと段々と周りの景色が霞んでいく
手のひらに感じる黒い魔石は全てを包み込んでくれるような暖かさだった
21
お気に入りに追加
4,158
あなたにおすすめの小説
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】
高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。
全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。
断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる