上 下
41 / 166
学園【ゲーム開始】

27 二学年生に

しおりを挟む
「……新入生代表……」


今私は入学式に顔を出している、何故か…Sクラスの人は新たに入った新入生を迎える準備をするため、そう私は13歳になり今日から二学年生になった。
基本学年が上がってもクラス替えなどはこの学園ではない為同じクラスメンバーで変わらず過ごすんだけど…、私は前回のパーティーと馬鹿レインハルトのせいで令嬢達から疎まれてしまった。
一応私は婚約者ではないと説明しても、馬鹿レインハルトが学園内でもやたらと声をかけてきたり「父上も認めた婚約者だ」等言いふらしているから余計にいっても無駄な状態に…
例の婚約者候補だった令嬢達も王家から王城に通うことは必要ないと連絡がきたらしくそれが更に拍車かけているとリオンに教えてもらった。
そのせいか今現在クラスではういている状態に…悪役令嬢であった時(ゲーム内)でも取り巻きの三人四人はいたはずなのに何故…もぅ既に泣きたくなっています。

当分は王子を適当に流しなるべくリオンの研究室へと避難する予定、とそんなこと考えていれば無事入学式も終わり私たちSクラスも授業があるためゾロゾロと教室へ戻っていく…王子に見つかる前に私はさっさとクラスへと戻った。

あれからクラスに全員揃い少し時間がたった頃変わらない中で令嬢に笑顔の尋問…絡まれていると先生が現れた。それぞれ席に戻れば声をかけられて一人の女性がはいってきた。
ウエーブのはいった白銀の髪にくりっとした大きな赤茶の瞳。白く柔らかそうな滑らかな肌、ぷっくりと膨らんだ艷やかな唇、ほんのりと頬は赤く染まり庇護欲が走る…その姿に周りの子息達の息を呑む中…私は事前に聞いていたとは言え自分の大きく跳ね上がった心臓の音がひどく耳に入った。目の前がくらくらしそうな感じに教われる


「ナナミ・ユージニアですわ、皆様よろしくお願いします」


その挨拶は貴族とも思えないほど軽く気軽に声がかけれそうな挨拶でニッコリと微笑む姿はとても可愛らしい…ふと…マリアンはナナミと目があった気がした、それはほんの一瞬だったけど確かに目があっていたと思う…
挨拶も終わりその後普通に授業を受けやっとランチの時間になった、リオンがいない今研究室でセバスさんに用意してもらって一人で食べても寂しいしたまには学園の食堂でランチを頼んで食べよう…そう思って食堂へ向かっていたんだけど後ろなら早足で近づいてくる足音と声に内心深いため息をつきながら振り向いた。


「マリアン!良かったともに食事をしよう!」
「ご機嫌ようレインハルト様」


挨拶を取ればすぐさま隣りに来て腰を支えてくる王子周りが黄色い悲鳴と鋭い視線を向けてくるのがわかりる


「ですが殿下は今から皆様と食事へと向かう所ではないのですか?それに私も急ぎの予定がございますのでゆっくりお食事はできませんわ、ですので宜しければまた後日お願い致します」
「ならば私もその用事に付き合おう」


ニッコリ返せば満面な笑みで共に行動すると言い始めた、迷惑なので結構ですとははっきりと言えない…あぁーリオンに会いたい、素直にセバスさんとこ行けばよかった…そんなふうに思い始めた頃王子の後ろから白銀の髪の女性がちらっと見えた。


「あ、あの!レインハルト様ですか!?私ナナミといいます!」


大きな声をだしふわふわの髪をゆらして頬を染め王子を上目遣いで見つめるヒロインに周りの令嬢たちもヒソヒソと礼儀がなってないなどコソコソ言っている中、マリアンはヒロインを王子越しに見ていると目があった
その目は一瞬動揺が見えたが次の瞬間嫉妬の火がちらりと中から見えた気がしたマリアンはその目から目を離すことができず鳥肌が立ち始めた。


「そうか、私は今マリアンに用がある」
「え?あ、でも…あのお話を少ししたくて…」
「はぁ…私は今忙しいと言っているのだ気安く関わるな」
「え!あ!ちょっ!なんでゲームでこんな展開なかったよ!編入時期が一年早かったからバグったの!?」


王子はそのままマリアンの腰に手をあて食堂へと足を勧め始めるだがマリアンは確かに聞いていた、ナナミという少女の発した言葉。
ゲーム…展開…バグ…
その単語から考えられるのはヒロインもまた転生者だということ、本来ならば3学年になった日に転入する筈のヒロインが一年早い2学年で現れることはゲームでは無かった事、そしてゲームでは当日クラスで王子に気軽に声をかけたヒロインを王子が優しく話返したことで気に入らなかったマリアンが王子に突っかかり苦言をしているところにヒロインが出くわし道に通れず声をかけそれに対し更にきつい言葉を言うマリアンにヒロインが諌める姿を見て王子がヒロインに一目惚れするという展開…の筈なのだが、王子は一目惚れどころか邪魔者扱いしたマリアンは困惑しながらちらりと後ろを見ると手を握りしめマリアンを睨んでいる姿が見えた、これから起きるであろう事を思い出しわずかに青くする顔をマリアンは隠せずに俯きながら足を勧め始めるのであった。




ーーーーーーーーーーーーーー




「なんなのよ!一年違うだけでこんなに態度違うの⁉️一押しはリオンだけどレインも好みなのに!逆ハーエンド狙ってるのに!絶対あのあの悪役令嬢私と同じ転生者でしょ!なにレイン狙いなの⁉️アイツ絶対国外追放にしてやる!ストーリー道理に動けば逆ハーエンド行けるはず!とりあえず予定道理に一年は大人しくして周りの男と先生達取り込まなきゃ…あ、リオンもこの学園にいるはずよね!確か隠し研究室に居るはずだよね⁉️あぁーリオン♥️会いに行かなきゃ♥️」


ナナミは王子とマリアンがいなくなった後踵を翻してブツブツ言いながらリオンの研究室があるであろう場所へと足を向けた、そこには今はセバスしかいないとも知らず、そしてセバスによって扉を見つける事もできないとは知らずリオンの命令で見張られているとも知らず、そしてこの世界が現実世界だとも分からずヒロイン…ナナミはストーリー道理にマリアンを悪役令嬢として貶めるための行動をかんがえていく、ゲーム内のマリアンが行うはずだった行動をすべて自作自演しレインハルト王子の心を確実にヒロインへと向けさせていく為に…


そしてそれはマリアンを更に孤独へと導くきっかけへとなっていく


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした

葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。 でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。 本編完結済みです。時々番外編を追加します。

【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜

茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。 ☆他サイトにも投稿しています

【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。

白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。

未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】

高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。 全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。 断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………

naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話……… でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ? まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら? 少女はパタンッと本を閉じる。 そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて── アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな! くははははっ!!! 静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

処理中です...