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学園
23 からまれました
しおりを挟む王子に二人っきりのお茶会を誘われてからというもの最近よく絡まれることが多くなってきました、っていっても殆どは…
「見つけましたわ!マリアン・カーリヒルト公爵令嬢‼️」
「どうかなされましたか?ロゼリア様…」
「お話がありますの!少しお顔を貸してくださらないかしら!」
寮に戻る途中で声をかけてきたツインドリル…もといロゼリア様は数人の例の令嬢達を連れて声をかけてきた。
「単刀直入にお聞きしますわ!レインハルト様の婚約者とは本当ですの!」
「はぁ⁉️」
令嬢ではありえないと思うほどの素っ頓狂な声を大きな声で出してしまいました、いや、てかお茶会をしていたら確実に顔面に吹き付けている自信ありますよ!なぜ突然そんな話になったのかわかりません!
そもそも、私はリオンと婚約をしているから候補に上がったとしても婚約者になどなるはずがないのだから例えそれが周りに内緒にされていたとしても…
この間エイザル様から手紙が来ました、そこに最近のリオンの王宮内での仕事内容や面倒事(権力者の婚約者を是非我が娘に的な事)など色々教えてくれた、この中でも私とリオンの婚約の事を王様に話したところ二人が良いのなら構わんといわれたと、王様のみお伝えし私が成人(15)になるまでは内密にすること、許可をとっていること近いうちに二人で顔を見せに来てほしいと…
だからこそ王子との婚約者になるということは絶対にない、となれば王子の思い込み…となる。
そして、それを学園内で話し回っているということになる。
厄介事ばかり…いやこれもゲームの強制力、補正なの?…いやいやいや、あの王子と婚約とか死亡フラグですありえません!今現在も関わられて迷惑しているのに…本当にやめていただきたい
とボーと考えてしまった。
「どうなんですの!」
「あ、コホン、ロゼリア様なぜその様な話になったか存じませんが私は殿下とはそんな関係ではございません」
「レインハルト様は「マリアン嬢は私の婚約者だ」と言われましたわ!私達は現に婚約者候補として王宮に幼い頃から通い教育を受けておりましたが通うことを断わられましたわ!」
「で、ですからそのようなお話は聞いておりません、我が家にもしその様なお話がございましたらお父様からご連絡が来ますわ、ですがその様なお話はありませんので何かの間違いですわ」
「ならどうして、わたくし達は婚約者候補を外されるのです!レインハルト様もあのようなことを!貴女がレインハルト様を誘惑なさったのではないんですの!」
…そんなん私が知るわけ無いでしょ!てかあの王子に誘惑するならリオンにしてるわ!本人前にしたらできませんけどね⁉️
「ですから私は存じませんともうしております私も本日お父様に確認させていただきますわ、それから私は殿下に誘惑などしておりませんわ、本日はこれで失礼します、御機嫌よう」
学服のスカートの端をもち例を着てその場から離れる、後ろでまだ何がキーキー騒いでいるけど知りません兎に角寮に戻るのはやめて研究室へ足早に歩いていく。
スタッスタッスタ…ガチャ!バタン…
「はぁーーーーー」
「マリアン様どうかなさいましたか」
「ひ!…あ、セバスさん、御機嫌よう」
研究室に入り扉に持たれながら深いため息をつくと書席の近くで書類を整頓しているセバスさんが声をかけてきた。
「それが王子との婚約が決まったとか…ロゼリア様達は候補から外されたとか…わけわからない事を言われからまれました」
「その件ですか…王子が認めた令嬢が近い時王宮に訪問されると王宮にも噂が流れております、やはりマリアン様の事でしたか」
「でしたかではないです!こんな事リオンに知られたら⁉️」
「もう聞いた」
扉から離れセバスさんの近くまで歩いて文句を言おうとしていると後ろ、先程まで私が立っていた扉にリオンが凭れ無表情で立っていた
「あ、え、えと、その、私しっかり王子と関わらないように努力しました!」
無言無表情で私を見続けるリオン……いや、怖いのですが…あのきれいな顔で無表情で見られると…断罪時の顔とは違うけど…怖い…
冷や汗を流しながら助けを求めようとセバスさんがいた方を振り向くと…
…ですね…はい…もう姿はありません、ちょっと待って私にこれどうしろと⁉️
「はぁ…馬鹿だとは思ったがここまでとは…マリアン」
ため息をつきながら私に近づいてくるリオンの声色がとても低く冷たい、それにいつも二人だけならリアなのに…マリアンって言うのは怒ってるから?それとも…目頭が熱くなってきているのを感じながらリオンを見て小さな声で返事をすると
「二月後だ」
「ふえ?」
「何だその返事は…二月後に俺とお前は陛下に謁見することになった、謁見が終えた後は俺はそのまま王宮の依頼をしに研究室にいくが…謁見の間ではエイザルとカーリヒルト公爵、陛下俺とお前だけになる、共に謁見の間にいくとなると周りにばれ可能性があるから俺はお前が謁見の間についたタイミングで【転移】で謁見の間に行くことになっている勿論戻る時もな…、とりあえず馬鹿…第二王子事はエイザルとカーリヒルト公爵には伝えといた、カーリヒルト公爵は婚約の話しは陛下から来ることはない事は知っているからな周りには上手く誤魔化しておくと言っていた、後はあの第二王子が一人勝手に動くかもれんが…なるべく関わらず放っておけ、分かったな」
「…はい、分かりました」
俯きながら答えるとリオン様は私のもとに近づき髪を梳く、サラサラと頬に少し触れるぐらいの位置で手を動かす顔を上げれば少し穏やかな顔が見えた。
「リオン…」
「……」
「…リオン…?」
首を傾げて上目遣いで見つめると静かに唇を重ねてきたそれは数カ月ぶりのキスで…いつもと違う深いものではなくて少しだけ触れる優しいものだった
「リオン、逢いたかったです」
嬉しくてそう微笑むとリオンは私を抱きしめ溜息をついた
「久しぶりだなリア…」
「はい」
「セバスから聞いている、王子に追い掛け回されていたこと不必要なお茶会の誘いや噂や虐め…など…な」
「特に無茶はしていませんし…虐めというほどのものはないので大丈夫ですよ?」
「…そうか、それとエイザルが余分なことを書いたらしいな」
「エイザル様ですか?」
少しだけ体を話しお互い見つめ合えば憎々しげな顔をしながら「あぁ」と頷いた
「殆ど、リアに逢えなくなったのもアイツの職務怠慢のせいだからなそれから陛下との謁見については俺から話す予定だった」
「そうなんですか?クスクス、エイザル様らしいですね。ですがそのおかげであまり不安には思いませんでした、周りには秘密でも陛下に認めてもらえるというだけで…安心しましたし、それに今リオン詳しい内容をが教えてくれましたから」
「そうか」
微笑みながらリオンを見た後リオンの胸板に顔を埋めれば腰に左手を当て右手で髪を梳くリオンに今まで逢えなかった分ゆっくりとお互いの温もりを感じた、たまに激しくなる時はどうしょうもなく恥ずかしくなるけど、こういったゆっくりとした時間は幸せが体全体…心全体に広がる、私はこの時間がとても好き。
「残り一月すれば学園は休暇になる、その時は必ず時間を作り逢いに行く」
そう言って静かに額に唇落とし「そろそろ戻る」と耳元で呟き離れた、最後に名残惜しそうに髪を梳いて完全に離れた後リオンは研究室から消えた、消えた方を見つめながら小さな溜息をつくと後ろからセバスさんに声をかけられお茶とお茶菓子を勧めてくれた…私はその日そのまま寮に戻るのは不安、危険と言う事で私は研究室の仮眠室で一日過ごそうとしたんだけど…ふと寮にいるメルの事を思い出した。
「あ!そういえば、寮でメルが待ってるはずだわ」
「メルさんにでしたら先程こちらに当分泊まる事はお伝えしました」
…さすがセバスさん!それならのんびりここで過ごしてもいいよね?
私はそのままセバスさんに泊まりに必要なものを頼みのんびり過ごしたのだ、まさかその間王子と婚約候補者達が其々私を探していることなど知りもせず…
ーーーーーーー
私が帰っていた貴族寮は基本従者を一人だけ連れてくることができる事になっていて私の場合一番気を使わないメルを連れてきたわけなのだけど…なんだかんだでメルも私が学園でリオンと会うようになってから空気を読んでなのか、それともただ自由時間が欲しいのか寮母を誤魔化してくれたり比較的協力的である。
そして、授業以外は基本この空間研究室に逃げ込み過ごしている。
屋敷に戻るには時間がかかるし寮にいれば色々(突然訪問や闇箱が届いたり)おこる、寮母には外泊届けを出しメルにもお暇を与え基本セバスさんと共に勉強や魔術訓練等行い時間を潰している、一昨日から夕刻になるとリオンはこの研究室に必ず帰ってくるようになった…ちょっとした新婚生活を味わっている気分である。
先が見えたとリオンはあれからほんの少ししか触れてこない、前みたいに激しくはしないので安心なような寂しいような複雑な感じがするけど謁見が終われば前のように戻るだろうとの事(byセバスさん)そんな事で平和でのほほんとした幸せな生活を楽しみながら過ごしていたのだった。
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