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学園
リオンside
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「寝た…か」
目の前で青い顔をして眠るマリアンの頬を撫でながらふと思い出す。
学園に入る前誕生パーティーでセバスに促され会場でカーリヒルト公爵夫妻に挨拶した後父、エイザルに挨拶回りをやらされた。早めにお開きになったからいいものの、その後マリアンに泊まる事を進められたが婚約者とはいえこれ以上間違いが起こる前にとセバスとエイザルにより断られ多少不機嫌になったのは致し方ないことだっただろう。
その夜、カーリヒルト夫妻にマリアンが15になった月に正式な婚姻を結ぶことにすると話になった。
あれから学園に入学する前まで約束を達成しマリアンに会えた以上もう距離を開ける必要もない為、時間があるときはなるべく逢いに行っているが…必ずと行っていいほどセバスが近くにいる…まあ、俺への嫌がらせも含まれての見張りだということがよく分かる…
ーーーーーーーーー
「いいかい、リオン、マリアン嬢はまだ12歳だ。間違えても最後までは婚姻するまではいけないよ!」
「分かっている」
「いいや、セバスから聞いたけど、凄くマリアン嬢に夢中だと聞いた!頼むから今はまだお前にも大事な時期だ。そこを考えろ」
「そのために学園での講師をするんだ本来より早くな、下手な事をマリアンに危害が起こる様な事はするつもりはない」
「リオン、本来ならお前はマリアン嬢と婚姻を結ぶのでさえ難しいはずなんだ。だがそれを婚姻する為にお前は一人でここまでやってきたんだろう…」
「…………」
「まだ王族関係者はお前を国に縛り付けるため王女や王家に連なる身内と結ばせたがっているんだ…下手に動くとマリアン嬢に向く。その事だけは分かっておきなさい。」
「ああ」
「父さんはお前の好きに生きてもらいたい、マリアン嬢が大切なら頼むよ」
ーーーーーーーーーー
学園に式の前日エイザルに言われた言葉だ。
分かっている。区別くらいはしっかりつけるつもりだ。
学園式に出てマリアンを探してみれば離れていてもよく目立った。
他ではけして現れないピンクブロンドのサラサラな髪、白く滑らかそうな肌、ホンノリと頬を赤く上気させ潤い薄く空いた唇…
その姿が愛しい…がチラチラと盗み見ている令息共…
それに苛立ちが上るも俺とマリアンの婚約関係は秘密にしているため先制や忠告等できる筈もない…
まぁいい、この学園に入学したときに作り出した空間研究室は未だ存在しているしセバスと俺以外扉を見つけることも入る事も出来ない、そして基本誰も来ることは出来ないが更にマリアンは通れるように気付けるように組み直し結界でも張っておけばいつでも呼び出せる……ついでに寮の結界も張り直そう、俺以外入ることができぬように、寮内でマリアンに対し攻撃魔法や呪魔法、魔道具が使われた場合数倍にして返すという術式を組んでおこうと考え直ぐ様学園町に寮の結界について話しマリアンが入学する前に結界を張り直した。
その為、二日目の夜マリアンが寮のテラスに出てきたのを結界内で感じ俺は直ぐ様【転移】し会いに行くことができたわけだが…怖い夢を見たといいそれ以上なにも話さなかった。
あの日からか…マリアンは昼間ボーとすることが増え元気がなくなっていったのは、何度か研究室に呼び寝かせようとするが頑なに拒むためティータイムをして終わることがほとんどだ。その為夜中たまに寮のマリアンの寝室へ寝ているときに入り様子を見る、すると魘されている姿を必ず見た起こさぬように【楽園の夢】をかけ眠れるようにすることを時おりしていた。
※【楽園の夢】
相手に楽園のような夢を見せ現実から気をそらさせる魔法、不眠障害のあるものなどに治療として使われることもあるが、使いすぎると現実も夢の区別がつかなくなってしまうため週1程度が無難な魔法である。
またなんの夢を見ているかは本人しか知らない。
そんな生活があれから二ヶ月が経ち今日のマリアンの顔色は化粧で隠せない程悪かった、授業中や休み時間等…ボーとどこか遠くを見ているその姿はそこには居ないような消えてしまいそうな感じがしていた。
何があった……。
区別をつけていたつもりだが流石にマリアンの様子が気になる。
理由をつけてクラスで他生徒の前と関係なしに研究室に資料を渡すと言い昼休みに呼んだのだが、いつもは【念話】を使い周りに知られることなく呼ぶのだが…あまりのマリアンの様子につい口に出し呼んでしまった事に後で申し訳なく思ったのは言うまでもなかった。
昼の鐘がなり少しすると研究室に誰かが来る気配がする。
【探索】を使えばそれがマリアンだと分かった、部屋のノックをする前に魔法で扉を開け招き入れる。
完璧な姿勢で淑女の挨拶をし入ってくるマリアンの顔は先程あったときよりさらに酷くなっていた、一歩部屋に入って俺を見つめたまま動かない。
「…リア?」
声を掛ければピクッと体を震わせる、俺は出ていけないよう風魔法で扉を閉め結界魔法で部屋から出れないようにした、マリアンはそれに気がついたようで部屋から出ようとするが出れないのがわかりオロオロしはじめた、そんな姿が可笑しく俺はゆっくり近づきながら
「なぜ逃げようとする」
そう声を掛ければ
「べ、別に…、特に理由はございませんわ…先生」
と言い目も合わせずにいるマリアンの腰に手を回し顎を持ち上げ唇を重ねる、微かに開く口の中に舌を入れれば甘い声と音が漏れた。
未だに先生と呼び二人の時は名前でと言ってるのだが言い訳をするマリアンに苛立ちを感じ激しく口づけをすれば「…ん…だ…駄目…」と、脳に響くような甘い声で瞳で俺を見つめてきた。
あぁ…リア…かわいい
逃げないように顎に当てていた手を離しマリアンの腰からゆっくりとなでていき太ももを触れば
「…っ!リ、リオンッ!」
体をビクッとはねらせ顔を真っ赤にしながらやっと俺の名前を呼んだ。
その姿が可愛く愛しかった再び激しく唇を襲えば膝の力が抜け始める…そんなマリアンを横向きに抱きかかえソファーに行き寝かせ、俺はゆっくり寝れるよう本を取りマリアンの前に背を向けながら座る、そうしなければこのまま襲いそうだからだが…。
本を読み始めれば後から
「リオンは何故私を呼んだのですか?」
そう、声が聞こえた。
「お前、最近寝れてないだろ。顔色が酷い」
「え?もしかしてそれで…?」
お前に会いたいのもあるが…
「それ以外に何がある」
「で、でも資料って…」
「お前が素直に休むとは思えないからな理由をつけて呼んだだけだ」
そうとでも言わなければお前は来ないだろ…
俺は気恥ずかしくなり次のページをめくった
確かに読んでいるのだが、頭に入らず抜けていく
「……リオンありがとうございます」
そう言って微笑んでくる顔が可愛く…
「もういいから休め」
そう俺が言えばマリアンは安心したのか静かに目を閉じていった。
「寝た…か」
そうして俺は今現在マリアンの顔を見つめながら優しく頬をなで記憶を振り返っていると後ろから気配がした。
「セバスか」
「失礼します、坊っちゃん」
「何かわかったか」
「いえ、学園生活はマリアン様は特に異常なく過ごされておいでです。ですが、やはり夜になるとよろしくないようです」
「そうか、今の所は魔法や呪詛等による影響でも無いから大丈夫だと思うが…」
マリアンが眉をしかめ始めたため手を離しセバスに向きを変えようとしたときだ。
「ちが…王子…どう………いいの」
「リア?」
王子との言葉は非常に気になる、なんの夢を見ている…
マリアンが酷くうなされ始めた。
「いや…いや…」
「……いや、お、願い…いやぁ…」
「…ゃ……。……て、助けて…リオン…リオン!」
涙を流しなが苦痛に顔を歪ませ徐々に声を上げ俺の名前を呼ぶ。
すぐさま俺はマリアンの体を揺らしながら声をかけた。
「リア、リアしっかりしろ!」
「…お願い…側にいて…助けて…リオン、リオン」
「リア…!リア。リア!」
声を張り上げ名を呼べば、ゆっくりと目を開け涙をこぼしながら俺を見つめてきた。
「リ…オン…、こ…こは?」
ここが何処か分からないようでゆっくりと瞳だけ動かし研究室の中を見回していた。
「…起きたか、学園の研究室だ酷くうなされていたぞ…」
マリアンの頬にまだ流れる涙を指でぬぐい取ると掠れる声で俺の名前を呼びさらに際限なく大粒の涙が瞳から溢れ出ていた、そっと体を起こし座らせ瞳を合わせた。
「リア…、お前何を隠している…」
そう聞けば黙って俯くため、セバスに目で合図をしマリアンに紅茶が出させる顔を上げセバスが「どうぞ」と勧めている姿にマリアンは困惑の顔でセバスを見ていた。
…近いうちにセバスのことも話したほうがいいかもしれん、だがコイツが許すかだが…
そう考えながらセバスを見ていると、マリアンの耳元に近づき何か呟いている
、マリアンは瞳を見開きさらに驚愕した顔でセバスを見ていた。
何を言われた?
セバスを睨めばこちらに微笑んでくる
「…リア」
名を呼べばこちらに焦った様子で振り向きその瞬間セバスは俺の後ろへ立ち様子を笑顔で見ている、マリアンは横にいたはずのセバスが俺の後ろにいたことがどうやら気になるようだったが少しすると覚悟を決めたのか恐る恐る口を開いた。
「リオン…リオンが信じられないかもしれない話を今からします。でも、その話を聞いて……嫌いにだけはなら…ないで…」
そう言って胸の前で手を握りしめ潤んだ瞳で俺を見てくる。
「…はぁ…。」
どうしてこう一つ一つの動きが可愛いんだ…
なぜ俺が嫌いになると思うのか不思議で仕方がない、俺はマリアンの横に座り抱きしめかすかに震えている体を包むようにする
「リア、例えお前に何が起きても俺はお前を守る」
そう言って唇に優しくふれれば安心した顔をし震えが止まりいつもの愛おしく可愛く熟れた顔になっていく、顔が離れるとマリアンは深呼吸をし落ち着きを取り戻しぽつりぽつりとだが話してきた。
ここ最近ずっと見る同じ夢の内容を…
目の前で青い顔をして眠るマリアンの頬を撫でながらふと思い出す。
学園に入る前誕生パーティーでセバスに促され会場でカーリヒルト公爵夫妻に挨拶した後父、エイザルに挨拶回りをやらされた。早めにお開きになったからいいものの、その後マリアンに泊まる事を進められたが婚約者とはいえこれ以上間違いが起こる前にとセバスとエイザルにより断られ多少不機嫌になったのは致し方ないことだっただろう。
その夜、カーリヒルト夫妻にマリアンが15になった月に正式な婚姻を結ぶことにすると話になった。
あれから学園に入学する前まで約束を達成しマリアンに会えた以上もう距離を開ける必要もない為、時間があるときはなるべく逢いに行っているが…必ずと行っていいほどセバスが近くにいる…まあ、俺への嫌がらせも含まれての見張りだということがよく分かる…
ーーーーーーーーー
「いいかい、リオン、マリアン嬢はまだ12歳だ。間違えても最後までは婚姻するまではいけないよ!」
「分かっている」
「いいや、セバスから聞いたけど、凄くマリアン嬢に夢中だと聞いた!頼むから今はまだお前にも大事な時期だ。そこを考えろ」
「そのために学園での講師をするんだ本来より早くな、下手な事をマリアンに危害が起こる様な事はするつもりはない」
「リオン、本来ならお前はマリアン嬢と婚姻を結ぶのでさえ難しいはずなんだ。だがそれを婚姻する為にお前は一人でここまでやってきたんだろう…」
「…………」
「まだ王族関係者はお前を国に縛り付けるため王女や王家に連なる身内と結ばせたがっているんだ…下手に動くとマリアン嬢に向く。その事だけは分かっておきなさい。」
「ああ」
「父さんはお前の好きに生きてもらいたい、マリアン嬢が大切なら頼むよ」
ーーーーーーーーーー
学園に式の前日エイザルに言われた言葉だ。
分かっている。区別くらいはしっかりつけるつもりだ。
学園式に出てマリアンを探してみれば離れていてもよく目立った。
他ではけして現れないピンクブロンドのサラサラな髪、白く滑らかそうな肌、ホンノリと頬を赤く上気させ潤い薄く空いた唇…
その姿が愛しい…がチラチラと盗み見ている令息共…
それに苛立ちが上るも俺とマリアンの婚約関係は秘密にしているため先制や忠告等できる筈もない…
まぁいい、この学園に入学したときに作り出した空間研究室は未だ存在しているしセバスと俺以外扉を見つけることも入る事も出来ない、そして基本誰も来ることは出来ないが更にマリアンは通れるように気付けるように組み直し結界でも張っておけばいつでも呼び出せる……ついでに寮の結界も張り直そう、俺以外入ることができぬように、寮内でマリアンに対し攻撃魔法や呪魔法、魔道具が使われた場合数倍にして返すという術式を組んでおこうと考え直ぐ様学園町に寮の結界について話しマリアンが入学する前に結界を張り直した。
その為、二日目の夜マリアンが寮のテラスに出てきたのを結界内で感じ俺は直ぐ様【転移】し会いに行くことができたわけだが…怖い夢を見たといいそれ以上なにも話さなかった。
あの日からか…マリアンは昼間ボーとすることが増え元気がなくなっていったのは、何度か研究室に呼び寝かせようとするが頑なに拒むためティータイムをして終わることがほとんどだ。その為夜中たまに寮のマリアンの寝室へ寝ているときに入り様子を見る、すると魘されている姿を必ず見た起こさぬように【楽園の夢】をかけ眠れるようにすることを時おりしていた。
※【楽園の夢】
相手に楽園のような夢を見せ現実から気をそらさせる魔法、不眠障害のあるものなどに治療として使われることもあるが、使いすぎると現実も夢の区別がつかなくなってしまうため週1程度が無難な魔法である。
またなんの夢を見ているかは本人しか知らない。
そんな生活があれから二ヶ月が経ち今日のマリアンの顔色は化粧で隠せない程悪かった、授業中や休み時間等…ボーとどこか遠くを見ているその姿はそこには居ないような消えてしまいそうな感じがしていた。
何があった……。
区別をつけていたつもりだが流石にマリアンの様子が気になる。
理由をつけてクラスで他生徒の前と関係なしに研究室に資料を渡すと言い昼休みに呼んだのだが、いつもは【念話】を使い周りに知られることなく呼ぶのだが…あまりのマリアンの様子につい口に出し呼んでしまった事に後で申し訳なく思ったのは言うまでもなかった。
昼の鐘がなり少しすると研究室に誰かが来る気配がする。
【探索】を使えばそれがマリアンだと分かった、部屋のノックをする前に魔法で扉を開け招き入れる。
完璧な姿勢で淑女の挨拶をし入ってくるマリアンの顔は先程あったときよりさらに酷くなっていた、一歩部屋に入って俺を見つめたまま動かない。
「…リア?」
声を掛ければピクッと体を震わせる、俺は出ていけないよう風魔法で扉を閉め結界魔法で部屋から出れないようにした、マリアンはそれに気がついたようで部屋から出ようとするが出れないのがわかりオロオロしはじめた、そんな姿が可笑しく俺はゆっくり近づきながら
「なぜ逃げようとする」
そう声を掛ければ
「べ、別に…、特に理由はございませんわ…先生」
と言い目も合わせずにいるマリアンの腰に手を回し顎を持ち上げ唇を重ねる、微かに開く口の中に舌を入れれば甘い声と音が漏れた。
未だに先生と呼び二人の時は名前でと言ってるのだが言い訳をするマリアンに苛立ちを感じ激しく口づけをすれば「…ん…だ…駄目…」と、脳に響くような甘い声で瞳で俺を見つめてきた。
あぁ…リア…かわいい
逃げないように顎に当てていた手を離しマリアンの腰からゆっくりとなでていき太ももを触れば
「…っ!リ、リオンッ!」
体をビクッとはねらせ顔を真っ赤にしながらやっと俺の名前を呼んだ。
その姿が可愛く愛しかった再び激しく唇を襲えば膝の力が抜け始める…そんなマリアンを横向きに抱きかかえソファーに行き寝かせ、俺はゆっくり寝れるよう本を取りマリアンの前に背を向けながら座る、そうしなければこのまま襲いそうだからだが…。
本を読み始めれば後から
「リオンは何故私を呼んだのですか?」
そう、声が聞こえた。
「お前、最近寝れてないだろ。顔色が酷い」
「え?もしかしてそれで…?」
お前に会いたいのもあるが…
「それ以外に何がある」
「で、でも資料って…」
「お前が素直に休むとは思えないからな理由をつけて呼んだだけだ」
そうとでも言わなければお前は来ないだろ…
俺は気恥ずかしくなり次のページをめくった
確かに読んでいるのだが、頭に入らず抜けていく
「……リオンありがとうございます」
そう言って微笑んでくる顔が可愛く…
「もういいから休め」
そう俺が言えばマリアンは安心したのか静かに目を閉じていった。
「寝た…か」
そうして俺は今現在マリアンの顔を見つめながら優しく頬をなで記憶を振り返っていると後ろから気配がした。
「セバスか」
「失礼します、坊っちゃん」
「何かわかったか」
「いえ、学園生活はマリアン様は特に異常なく過ごされておいでです。ですが、やはり夜になるとよろしくないようです」
「そうか、今の所は魔法や呪詛等による影響でも無いから大丈夫だと思うが…」
マリアンが眉をしかめ始めたため手を離しセバスに向きを変えようとしたときだ。
「ちが…王子…どう………いいの」
「リア?」
王子との言葉は非常に気になる、なんの夢を見ている…
マリアンが酷くうなされ始めた。
「いや…いや…」
「……いや、お、願い…いやぁ…」
「…ゃ……。……て、助けて…リオン…リオン!」
涙を流しなが苦痛に顔を歪ませ徐々に声を上げ俺の名前を呼ぶ。
すぐさま俺はマリアンの体を揺らしながら声をかけた。
「リア、リアしっかりしろ!」
「…お願い…側にいて…助けて…リオン、リオン」
「リア…!リア。リア!」
声を張り上げ名を呼べば、ゆっくりと目を開け涙をこぼしながら俺を見つめてきた。
「リ…オン…、こ…こは?」
ここが何処か分からないようでゆっくりと瞳だけ動かし研究室の中を見回していた。
「…起きたか、学園の研究室だ酷くうなされていたぞ…」
マリアンの頬にまだ流れる涙を指でぬぐい取ると掠れる声で俺の名前を呼びさらに際限なく大粒の涙が瞳から溢れ出ていた、そっと体を起こし座らせ瞳を合わせた。
「リア…、お前何を隠している…」
そう聞けば黙って俯くため、セバスに目で合図をしマリアンに紅茶が出させる顔を上げセバスが「どうぞ」と勧めている姿にマリアンは困惑の顔でセバスを見ていた。
…近いうちにセバスのことも話したほうがいいかもしれん、だがコイツが許すかだが…
そう考えながらセバスを見ていると、マリアンの耳元に近づき何か呟いている
、マリアンは瞳を見開きさらに驚愕した顔でセバスを見ていた。
何を言われた?
セバスを睨めばこちらに微笑んでくる
「…リア」
名を呼べばこちらに焦った様子で振り向きその瞬間セバスは俺の後ろへ立ち様子を笑顔で見ている、マリアンは横にいたはずのセバスが俺の後ろにいたことがどうやら気になるようだったが少しすると覚悟を決めたのか恐る恐る口を開いた。
「リオン…リオンが信じられないかもしれない話を今からします。でも、その話を聞いて……嫌いにだけはなら…ないで…」
そう言って胸の前で手を握りしめ潤んだ瞳で俺を見てくる。
「…はぁ…。」
どうしてこう一つ一つの動きが可愛いんだ…
なぜ俺が嫌いになると思うのか不思議で仕方がない、俺はマリアンの横に座り抱きしめかすかに震えている体を包むようにする
「リア、例えお前に何が起きても俺はお前を守る」
そう言って唇に優しくふれれば安心した顔をし震えが止まりいつもの愛おしく可愛く熟れた顔になっていく、顔が離れるとマリアンは深呼吸をし落ち着きを取り戻しぽつりぽつりとだが話してきた。
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