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学園
15 宰相の息子
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前世の記憶、夢に魘され目覚めた後何とか気を持ち直しメルに支度を手伝ってもらった。
メルはかなり心配していて休むことを進めてきてけど入学2日目で休む訳にはいかない、仕度が終わりそのままいつもより早く寮を出た、教室へ向かう途中にある渡り廊下……
そこから見えるのは昨日見たときと何一つ変わらないキレイに咲き誇り散る桜…
自然と渡り廊下から離れ桜の元へと足が進む。
「綺麗…」
自然と口から溢れた言葉は風とともに何処かへ流れていく。
その風はどこまでも優しくマリアンを包みマリアンは静かに目を閉じた。
このまま元の世界へ戻れたら…と頭によぎるもリオンの事を思い出す、私はいつからこんなに彼の事を本当に想うようになったのか…
この世界はケームの世界ではなくて現実の世界、小説や漫画のようにすべてが進む分けではない、たとえこの先学園生活がゲームと同じシナリオで進みイベントがおきても…
それはきっと王子たちだけ…私はきっとリオンの側にいられる
そうじゃなければ今この学園にリオンがいることは無いはずだから
ヒロインが学園に入るまであと2年…3学年になった時Sクラスに特待生で入ってくる、それまでに私が…できる事をやる
心の中で決意し閉じていた目を開ければ桜が応援するようにザワザワと風に靡かれ揺れる、自然と頬が緩んでいった。
さぁ、今日も始まる…頑張らなくっちゃ…ヒロインが現れるその時まで…
マリアンはクラスへと足を運んだ。
教室の扉を開けるとそこにはエメラルドグリーンの髪を一つに縛り後ろに流して眼鏡をかけ本を読んでる人がいた、見た事のある横顔…マリアンは入りで止まったまま見つめてしまった。
そう彼はこの世界【愛の花束】の攻略対象である1人…
マオリャン・キルト
この国トヤムール国 宰相の息子(次男)で攻略対象者だ、ゲームでは彼がマリアンの起こした虐めの内容を一から百まで全て調べ上げ説明していく、直接的な暴力はされていないが、言葉で抉るのが得意な人物である。
「なんだ?」
「あ、いえ失礼しました。誰かいらっしゃるとは思っておりませんでしたので…」
「ああ、少し講師に用があってな」
初めてあった人にすらすら私情を伝えるなんて…
マオリャンってこんなキャラだった?
不思議に思いつつも取り敢えず〈触らぬ神に祟りなし〉と言うことで「そうなんですね」とだけ答え黙り私は自分の席へと目を写す、マオリャンもそれ以降口も開かず相変わらず何か読んでいるようだった。
そこでふと気づいた私の席がマオリャンの2つ後だと…
昨日は気付かなかったけど意外と近い…今日の内に攻略対象の席調べとこ
そう思いながらボートしているとマオリャンが席を立った。
何処かに行くのかな?あ、王子の迎えかな?
一人で結論付けてると何故かこちらに近付いてくる。
何故に!?
「おい」
「なんですの?」
「昨日採点表が掲示されていただろう」
「そうですわね?それによりクラスが別れますもの」
「お前は僕と同じで満点だったな」
「?え、ええ。」
「あれは最後の問題が引っ掛けだった。」
「ええ、よく見なければ間違ってしまいますわね」
「そうだ、教師にきいたところ答えられたのは3人だけらしい」
「そうなんですの?」
「ああ、僕と君と殿下だ」
「まあ(殿下?ああ、第二王子か)」
「君は頭が良いようだな、今日の放課後時間があれば少し図書室に来てくれないか?」
「へ?あ、コホン…か、構いませんわ」
「ああ、それでは放課後な」
「え、ええ」
なんでフラグ立ってんの!!
ヒロインが教室の花の水を変えるために朝早くに来た時マオリャンに声をかけられてテストの話になり図書室に呼ばれるというイベント。
いや…まってまだゲーム始まってないよ!ヒロインきてないよ!どうしてこうなった!
頭を抱えたところで変わる訳もなく…入学2日目にもして頭の中キャパオーバー気味です。
何だかんだと1日が終わり放課後になってしまった…
マリアンは教室を出て2階奥にある図書室へと足を向けた。
図書室の扉を開けると所々に上級生や教師は見えるが呼び出した筈のマオリャンの姿はなかった。
あれ?放課後って呼ばれなかったけ?
マリアンは頭を傾げながらそのまま静かに図書室を回った。
歴史、魔術、経済…など様々な本があり魔術関係の書棚に行き気になるものを開く。
リオンが屋敷に来ている時セバスが持ってきていた魔術関係の本とは全然違った。
※魔術とは身体の中に流れる魔力を感知しその魔力を使い詠唱し術を使う。魔力が無くなれば魔力枯渇に陥る。
と書いてあったこれは教科書にも同じことが書いてある、だがマリアンは不思議に思った、セバスにリオンと共に学んだ時教わったのは
※「いいですか?マリアン様、魔術とは体の内を廻る魔力を感知し、自然の魔力マナを混ぜ魔術を想像し使います。詠唱等は特に関係ありません。確かに詠唱のみで想像せずとも使えることもありますがそれは自身の魔力のみを使った魔術の為、魔力枯渇に陥る場合があります。魔力枯渇担った場合死ぬわけではありませんが意識を失ったり体が動かなくなったりします。ですのでくれぐれも1人の時などで魔力枯渇にならないよう気を付けてください。」
と言っていたのだ、元々前世の記憶があったマリアンは魔術=想像、イメージが必要と思っていた為、無意識に使っていたが実際にセバスに見せてもらったものははっきりしていた。
詠唱により作り出した火の玉ファイアーボールは30センチ程、想像し魔力を混ぜた火の玉ファイアーボールはイメージ次第で1メートルから15センチ程までサイズを変えることができていた、その為本当の人族魔術の使い方について詳しくマリアンは知らない、セバスに教わったものが実は魔族の魔術の使い方ということも…
リオンは魔族の魔術と理解しているため周りには隠しながらも魔術を使い早々に実績を上げ名をあげることができたということも…その為図書室の魔術関係本を手当たり次第読み始めた。
初級~上級まで黙々と読む、その姿を1人興味ありげに見ていることなどマリアンは気づくことはなかった。
それが数日後の魔術授業でトラブルが起きる原因になることも…
集中し読み込んでいたマリアンは本が読みずらくなったことに気付き顔を上げ窓を見ると夕日が傾き始めていた。
やば、集中しすぎた…メル心配してるだろうな急いで帰らないと。
ってか、マオリャン呼び出しておいてこないとかふざけてる?
素直にくるんじゃなかった。まぁ、面白いもの読めたからいっか♪
ゲームではヒロインが向かうと既にマオリャンが図書室で待っておりヒロインを図書室の奥へと連れていき迫ると言うイベントなのだが…
マリアンは手に持っていた本を棚に戻し静かに入り口に向かうと扉が突然開いた、目の前に入ってきたのは息を切らしたマオリャンだった
「遅くなった」
「まあ、大丈夫ですわ、今用も済みましたので帰るとこですの」
(充実した時間を過ごせたし帰るから邪魔すんな)
「そうか、また後日いいか?」
「用事がありますので申し訳ありません」
(次なんかないわ、関わるな)
「そうか」
「ええ、そろそろ失礼しますわ」
「……」
「キルト様?」
「いや、それじゃあまた明日な」
「ええ、ごきげんよう」
マリアンは頭を下げて図書室を出ていく。
その後ろ姿をマオリャンはずっと眺めていた。
これでゲームのようなフラグは立ってないはず…
安心しつつも不安がとれないマリアンはそのままメルが待つ寮へと帰っていった。
メルはかなり心配していて休むことを進めてきてけど入学2日目で休む訳にはいかない、仕度が終わりそのままいつもより早く寮を出た、教室へ向かう途中にある渡り廊下……
そこから見えるのは昨日見たときと何一つ変わらないキレイに咲き誇り散る桜…
自然と渡り廊下から離れ桜の元へと足が進む。
「綺麗…」
自然と口から溢れた言葉は風とともに何処かへ流れていく。
その風はどこまでも優しくマリアンを包みマリアンは静かに目を閉じた。
このまま元の世界へ戻れたら…と頭によぎるもリオンの事を思い出す、私はいつからこんなに彼の事を本当に想うようになったのか…
この世界はケームの世界ではなくて現実の世界、小説や漫画のようにすべてが進む分けではない、たとえこの先学園生活がゲームと同じシナリオで進みイベントがおきても…
それはきっと王子たちだけ…私はきっとリオンの側にいられる
そうじゃなければ今この学園にリオンがいることは無いはずだから
ヒロインが学園に入るまであと2年…3学年になった時Sクラスに特待生で入ってくる、それまでに私が…できる事をやる
心の中で決意し閉じていた目を開ければ桜が応援するようにザワザワと風に靡かれ揺れる、自然と頬が緩んでいった。
さぁ、今日も始まる…頑張らなくっちゃ…ヒロインが現れるその時まで…
マリアンはクラスへと足を運んだ。
教室の扉を開けるとそこにはエメラルドグリーンの髪を一つに縛り後ろに流して眼鏡をかけ本を読んでる人がいた、見た事のある横顔…マリアンは入りで止まったまま見つめてしまった。
そう彼はこの世界【愛の花束】の攻略対象である1人…
マオリャン・キルト
この国トヤムール国 宰相の息子(次男)で攻略対象者だ、ゲームでは彼がマリアンの起こした虐めの内容を一から百まで全て調べ上げ説明していく、直接的な暴力はされていないが、言葉で抉るのが得意な人物である。
「なんだ?」
「あ、いえ失礼しました。誰かいらっしゃるとは思っておりませんでしたので…」
「ああ、少し講師に用があってな」
初めてあった人にすらすら私情を伝えるなんて…
マオリャンってこんなキャラだった?
不思議に思いつつも取り敢えず〈触らぬ神に祟りなし〉と言うことで「そうなんですね」とだけ答え黙り私は自分の席へと目を写す、マオリャンもそれ以降口も開かず相変わらず何か読んでいるようだった。
そこでふと気づいた私の席がマオリャンの2つ後だと…
昨日は気付かなかったけど意外と近い…今日の内に攻略対象の席調べとこ
そう思いながらボートしているとマオリャンが席を立った。
何処かに行くのかな?あ、王子の迎えかな?
一人で結論付けてると何故かこちらに近付いてくる。
何故に!?
「おい」
「なんですの?」
「昨日採点表が掲示されていただろう」
「そうですわね?それによりクラスが別れますもの」
「お前は僕と同じで満点だったな」
「?え、ええ。」
「あれは最後の問題が引っ掛けだった。」
「ええ、よく見なければ間違ってしまいますわね」
「そうだ、教師にきいたところ答えられたのは3人だけらしい」
「そうなんですの?」
「ああ、僕と君と殿下だ」
「まあ(殿下?ああ、第二王子か)」
「君は頭が良いようだな、今日の放課後時間があれば少し図書室に来てくれないか?」
「へ?あ、コホン…か、構いませんわ」
「ああ、それでは放課後な」
「え、ええ」
なんでフラグ立ってんの!!
ヒロインが教室の花の水を変えるために朝早くに来た時マオリャンに声をかけられてテストの話になり図書室に呼ばれるというイベント。
いや…まってまだゲーム始まってないよ!ヒロインきてないよ!どうしてこうなった!
頭を抱えたところで変わる訳もなく…入学2日目にもして頭の中キャパオーバー気味です。
何だかんだと1日が終わり放課後になってしまった…
マリアンは教室を出て2階奥にある図書室へと足を向けた。
図書室の扉を開けると所々に上級生や教師は見えるが呼び出した筈のマオリャンの姿はなかった。
あれ?放課後って呼ばれなかったけ?
マリアンは頭を傾げながらそのまま静かに図書室を回った。
歴史、魔術、経済…など様々な本があり魔術関係の書棚に行き気になるものを開く。
リオンが屋敷に来ている時セバスが持ってきていた魔術関係の本とは全然違った。
※魔術とは身体の中に流れる魔力を感知しその魔力を使い詠唱し術を使う。魔力が無くなれば魔力枯渇に陥る。
と書いてあったこれは教科書にも同じことが書いてある、だがマリアンは不思議に思った、セバスにリオンと共に学んだ時教わったのは
※「いいですか?マリアン様、魔術とは体の内を廻る魔力を感知し、自然の魔力マナを混ぜ魔術を想像し使います。詠唱等は特に関係ありません。確かに詠唱のみで想像せずとも使えることもありますがそれは自身の魔力のみを使った魔術の為、魔力枯渇に陥る場合があります。魔力枯渇担った場合死ぬわけではありませんが意識を失ったり体が動かなくなったりします。ですのでくれぐれも1人の時などで魔力枯渇にならないよう気を付けてください。」
と言っていたのだ、元々前世の記憶があったマリアンは魔術=想像、イメージが必要と思っていた為、無意識に使っていたが実際にセバスに見せてもらったものははっきりしていた。
詠唱により作り出した火の玉ファイアーボールは30センチ程、想像し魔力を混ぜた火の玉ファイアーボールはイメージ次第で1メートルから15センチ程までサイズを変えることができていた、その為本当の人族魔術の使い方について詳しくマリアンは知らない、セバスに教わったものが実は魔族の魔術の使い方ということも…
リオンは魔族の魔術と理解しているため周りには隠しながらも魔術を使い早々に実績を上げ名をあげることができたということも…その為図書室の魔術関係本を手当たり次第読み始めた。
初級~上級まで黙々と読む、その姿を1人興味ありげに見ていることなどマリアンは気づくことはなかった。
それが数日後の魔術授業でトラブルが起きる原因になることも…
集中し読み込んでいたマリアンは本が読みずらくなったことに気付き顔を上げ窓を見ると夕日が傾き始めていた。
やば、集中しすぎた…メル心配してるだろうな急いで帰らないと。
ってか、マオリャン呼び出しておいてこないとかふざけてる?
素直にくるんじゃなかった。まぁ、面白いもの読めたからいっか♪
ゲームではヒロインが向かうと既にマオリャンが図書室で待っておりヒロインを図書室の奥へと連れていき迫ると言うイベントなのだが…
マリアンは手に持っていた本を棚に戻し静かに入り口に向かうと扉が突然開いた、目の前に入ってきたのは息を切らしたマオリャンだった
「遅くなった」
「まあ、大丈夫ですわ、今用も済みましたので帰るとこですの」
(充実した時間を過ごせたし帰るから邪魔すんな)
「そうか、また後日いいか?」
「用事がありますので申し訳ありません」
(次なんかないわ、関わるな)
「そうか」
「ええ、そろそろ失礼しますわ」
「……」
「キルト様?」
「いや、それじゃあまた明日な」
「ええ、ごきげんよう」
マリアンは頭を下げて図書室を出ていく。
その後ろ姿をマオリャンはずっと眺めていた。
これでゲームのようなフラグは立ってないはず…
安心しつつも不安がとれないマリアンはそのままメルが待つ寮へと帰っていった。
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