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幼少期
リオンside
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マリアンの12歳の誕生パーティーの招待状が届いてから半年。
休む日間もなく依頼と討伐、研究などを繰り返し今日の誕生日の為に時間を取った訳だが…
「リオン、西のキュールイ付近に地竜が出たそうだ。悪いが討伐を頼む」
「なぜわざわざ俺が行かなければいけない」
「いや、ワイバーンじゃなくて地竜だからだよ?しかも3体」
「騎士団と魔術師団にでも討伐に行かせろ」
「それが、昨日のから討伐に行ってるけどまだ1匹も倒せてないんだって」
「だからなんだ俺には関係ない、お前が行けばいいだろうが」
「リオン、父さんは非常に今日忙しいんだよ!」
「マリアンの所に行くのがか?」
「睨むなよ、準備や手伝いに今から行くのだから」
「代わりに俺とゼバスが行く」
「いやいや、私では行ってすぐ殺されるよ」
「…ちっ、殺った後は現地にいる奴等に任せて俺はすぐ向かう」
「助かる、それと討伐後の魔石と鱗数枚研究用に取ってきてくれ、書類も出しておいてくれ頼んだ」
手をヒラヒラさせ研究室に配置された魔導具でエイザルはカーリヒルト公爵家へ転移していった。
「セバス、シャヌを用意しておけ今から討伐に行ってくる」
「キュールイ…でございますか」
「1度戻る、討伐書類魔石保管その後支度だ」
「畏まりました御早いご帰還お待ちしております」
王宮専属魔術師のローブに超級褒章が付いているものを羽織りセバスに頼んだ〘シャヌ〙を装備する。
〘シャヌ〙…護拳(刀剣や十手などの武器において、柄に付属し、柄を握る拳を守る部具の名称)の付いた曲刀。魔石が付いておりの媒体(杖代り)として魔法を使うこともできる、剣自体も硬度で威力が高い。
「ああ、転移」
セバスが頭を上げればそこには誰もいなかった、少し何かを考えセバスも転移テレポートし頼まれた物を準備してくのであった。
ーーーーーーーーーーーーーー
リオンは…目の前に起きている2匹の竜の争いに舌打ちが出た。
「ちっ、地竜か……何だあいつは?」
そう、目の前にいるのは5mほどの地竜と10m程の茶色よりやや赤い竜だった。
「赤竜か?いや、だがならば茶色いはずが無い…」
「援軍か!その褒章は⁉失礼しました。」
「状況は」
「は!昨日までは地竜が3体いたのですが共喰いし一体が魔石を取り込むと姿が変わり始めあの様な赤茶の竜になったのです。」
「共喰いだと…」
(竜種は争い殺しはしても喰いはしない…どういう事だ)
「それと、現在魔法にて攻撃しているのですが一向に効かないのです」
「どういう事だ」
「魔術師団の方が地の上級を使い攻撃しましたが傷付いた様子もなく互いに竜種しか目に入っていない感じだと。」
「此処にいる奴らに言えここから離れろと」
「はっ!おい!直ぐにこの場から離れるよう伝達しろ!全ての団員にだ!」
騎士副団がそう伝えるとさっさと傷おいの者達を連れ離れていく。
全員が離れた頃アチラも勝負が付いたようだ。
地に伏せた地竜の腹、魔石があるだろう位置を噛み付いている赤茶の竜。
やがてそいつは何かを飲み込んだかと思うと姿を変え始めた。
(ほう、魔石を取り込むことで姿が変わるか…面白い)
赤茶の竜はサイズは変わらぬが色が変わり始めた。
赤茶が次第に赤黒く変わりだす、それは自分の記憶や史書の記録にもないドラゴンだった。
変化が終わるとゆっくりとドラゴンはリオンを見た。
そして唸り声を上げ飛び始める、その目は敵意、憎悪だった。
(面白い…マリアンが考えたあれを使ってみるか)
魔力を高め陣を完成させていく。
マリアンとまだ別れる前、不意にマリアンが言い出した、空間魔法ならその場の空間を止めたり、圧縮できるのでは?とそれを聞いたときは僅か数年しか生きてない者が考えられる発想だとは思はなかった。
だがマリアンは言った。
「そこにある空間を圧縮して塊を作り物を押しつぶすのは?」
と…、これには俺もセバスすらも声を出せなかった。
セバスと共に試行錯誤しやってみた所確かにできた。
小~大まで魔力量によって変わるができない事はなく便利だった、特に飛行タイプには
「時間が惜しい、空を圧する力よ敵を討ち潰せ【重力圧】」
【重力圧】
敵の周囲に重力場を発生させ過重力などでその場に空間すべてを圧縮する状態異常を付加する事もできるが調整が難しく魔力消費が多い空間属性
呪文を唱えれば飛んでいたドラゴンの周辺空間が圧縮され過重力が発生し、30mある竜はなすすべもなく重力によりそのまま下に押しつぶされる。
30m程の空間をいじった為魔力消費が激しくだるく感じるが仕方ない。
そのまま魔力を注ぎ更に潰れるようにし暫く(20分程)すればドラゴンの叫びと共に砕けていく音が響き渡る。そして何とか抜け出そうともがいていたドラゴンは動かなくなった。
魔力を注ぐのをやめ解除し近づけばこと切れたドラゴンの躯がそこにあった。
ソイツの爪と牙、鱗と魔石を取り避難した騎士団共の元へ【転移】し、討伐した事、戦利品をいくつか研究用に持ち帰る事、後処理をやれと伝えまた研究室へ【転移】する
「お帰りなさいませ坊っちゃん」
「ああ、セバス今回討伐したドラゴンだが…共喰いし変化していた」
「ドラゴンが共食い?」
「ああ、3匹いた奴等が共喰いし最後まで残った竜は2つ分の魔石を喰いドラゴンへ変わった。」
「そんな事例聞いたことございません」
「だが実際に起こった、この件は陛下とエイザルには伝える」
「畏まりました。」
「報告書を書く」
「坊っちゃん、夕の4刻には屋敷へ向かいたいと思っております」
「残り3刻か…それまでには仕上げる」
「魔石類は?」
「鱗は一部エイザルに渡す。魔石は調べたい事がある」
「畏まりました。それでは私は一度現場に行かせていただきます」
「珍しいな」
「少々気になりまして」
「好きにしろ」
「失礼いたします」
そう言って【転移】して消えていった。
珍しくセバスが動くなと思いながらも報告書を書き上げていく。
その後、鱗と報告書を陛下に届けに行けば結局捕まり苛立ったのは言うまでもない。
ーーーーーーーーーーー
「ちっ、だいぶ過ぎている」
懐に入っている懐中時計を見ながら俺は早足で研究室に向かった、マリアンのパーティーはもう始まっている。
陛下に捕まりくだらんことを永遠と聞かれ話され解放された時には既に6刻半になっている研究室に戻ればセバスが待っていた。
「お帰りなさいませ、坊っちゃん」
「マリアンは?」
「すでに挨拶も終わり余興も終わるところです、そろそろダンスが始まる頃かと」
「お前は行かなくていいのか?」
「私は一度戻ってきただけですので、坊っちゃんの準備が終わればまた坊っちゃんと共に戻ります」
「そうか」
俺はセバスに用意された服を着始める、紺の生地に金の刺繍が施された燕尾服に白のスボン…それはマリアンの6歳のお披露目パーティー出来ていたのと同じデザインのものだ。
「セバスなぜこの服なんだ」
「マリアン様と合わせたからでございます」
「どういう事だ?」
「マリアン様は思い入れのある6歳の頃と同じようなドレスを着ておられます。学園に入る前に坊っちゃんに逢いたいという気持の現れかと」
「そうか」
マリアンはどんなふうに育ったのだろうか、逢えばマリアンは笑うかそれとも泣くかどちらだろうな…そんなことを考えているとふとセバスが以前言っていたことを思い出した(マリアン様も立派な女性になられておいでです、周りの方も放っとかないですよ)…ダンスはもぅ始まっているか
「行くぞ」
「畏まりました」
夜空にまぶしく光る星を窓から眺めた後カーリヒルト公爵家へリオンは【転移】した。
流石にホールにそのまま【転移】するのは騒ぎになる、訪れた時使われないと聞いた空室へ出る、予想通り誰もいない為そのまま部屋を出てホールへと向かった。
ホールに入れば段差が始まっていた為そのまま隅の壁に持たれながら周りに視線を流すと中央で他の男と踊っているマリアンの姿があった、その姿は6年前と同じ様なドレスだったが姿は全く違う…小柄の体に似合わない膨らみ、抱いたら折れそうな細い腰、どこか幼い感じが残るも大人の雰囲気、色気が出ていて目が離せなかった、目を離せずずっと見ていればふとマリアンは他の男と踊ってる時俯き顔を上げると頬を染め愛おしいそうな顔をする。
なぜ、そんな顔を他の男にする
暫く様子を見ていればその後も他の男共と踊っている最中も似たような顔をしていた。
来なければよかったか
俺はそう思い踵を翻そうかと考えだした時、マリアンは疲れたのか誘う奴らを断りテラスに休みに歩き始めた、その後ろをダンスの最中やたら密着していた男が追いかけて歩いていく。
帰ろうと思っていたはずが気がつけばそのまま勝手に俺の足はテラスへ進んだ、目の前に入ってきたのはマリアンに近づき指に口づけをし腰に手を回し始めた葛にマリアンは逃げようとしていた所だった。
その時の顔はかつて俺が家庭教師から助けたときに見せた恐怖、嫌悪、助けを求める顔だった、それを見た瞬間俺の中で何かが切れた
「何をしている」
そう声をかければ相手の男は驚き止まりマリアンは溢れんばかりの雫をためた瞳がこぼれ落ちそうなほど開き俺を見ていた、微かに聞こえたかすれる声で俺を呼ぶ、もう一度問えばマリアンの腰にいつまでも手を当てていた男が何か喚きマリアンの腰を引き始めた。
それ以上触れるな
風で男だけをテラスの外まで吹き飛ばし瞬間マリアンが倒れないよう【転移テレポート】を使い横に立ち腰に手をまわし支える、マリアンは目が開けれないようでじっと瞑っていた。
そのまま風を止めればモゾモゾとマリアンが動いたのが分かった。
ああ…逢いたかった
「マリアン」
名前を呼べば驚いた瞳で俺を見せた後大粒の涙が頬に流れ俺の名前を呼んだかと思った瞬間胸に顔を押し付け声を殺し泣きはじめた。
マリアン
どれだけ逢いたかった、触れたかったか…
俺はチラチラ見てくる男共に忠告しマリアンの腰に手を回しマリアンの部屋へ【転移】した、それに気づいたマリアンは小動物のようにプルプルしながらも周りを見渡しているそんな姿が愛おしく感じた。
「マリアン」
声をかければ恐る恐る俺を見てくる。
その姿が愛しくそのまま額に、瞼に、頬に確かに腕の中にマリアンがいるのを確認しながら丁寧に唇を落としていけば頬を赤らめながら驚き俺を見ている姿に我慢ができるわけがなく俺は唇を重ね長い間マリアンを味わった、少しすると肩が震え始めたので唇を離し赤く染まった頬を撫でる。
「マリアン、逢いたかった」
「私もです…リオン様…」
そう言えばすぐに返事を返し嬉しそうに微笑む、それがたまらない愛しく、今すぐ抱き伏せたくなる
「リオン、二人の時に「様」はいらん」
「……え…と…あ……その…っ…。リ、リオン」
驚きながらも恥ずかしそうに嬉しそうに最後は俺の名前を呼ぶマリアンが愛しく自然と頬が緩む、それを誤魔化すため唇を重ね抱き寄せ幸せを感じていると…
「リ…リオン…。あ、あの…私の事…「リア」…って呼んでください」
突然可愛いことを言い出した。
これはアレか俺の気持ちを確かめているのか?
そう考えていると不安そうに潤んだ瞳で見つめてくる、俺は衝動のままリアの唇を激しくむさぼってた、僅かに呼吸のために開いた唇に舌を入れ絡め吸い付きさらに絡めれば甘く花の香りがする。
次第に甘い声がリアから漏れ始め膝に力が入らなくなって崩れ始めたの支える
「…リア」
「好きです。リオン」
「俺もだ」
俺の思いをつげれば真っ赤な顔で艶めいた瞳でおれを見つめてくる。
もう止めれないぞ…
このままベットに押し倒しリアに触れたい、そう思いもう一度唇を落とそうとした時
「すみませんがお二人ともその辺で、会場へお戻りください。」
「きゃぁ!」
セバスが部屋の扉の前に立っている、お互いの気持ちを伝えたあたりから気配を感じたが
「……なぜ今声をかけた」
「今声をかけなければ坊っちゃんは朝まで帰ってこなくなるだろうと判断したからです」
確かに俺はこのまま暴走していたな…それに他の男にこれ今のリアを見せるつもりはない。
「…………」
「そこは否定してください、坊っちゃん…」
そう言っている俺達を不思議そうに見つめ首を傾げるマリアン。
「坊っちゃん…マリアン様は純粋すぎると思うのですが」
その言葉には同感する。
キスだけで腰が抜けるほどだからな
「ああ、知っている」
「坊っちゃん…」
セバスが片手で額を抑え首を横に振り深いため息を零し俺を見ていた。
その後はセバスに促され、マリアンのメイドまで探しにきた為会場に戻りカーリヒルト公爵に挨拶に行ったまぁ、その後結局公爵とエイザルに捕まりそれ以上リアと二人になることはできなかったわけだが…
久々に会い互いに思いを伝え合えたのでまぁいい
休む日間もなく依頼と討伐、研究などを繰り返し今日の誕生日の為に時間を取った訳だが…
「リオン、西のキュールイ付近に地竜が出たそうだ。悪いが討伐を頼む」
「なぜわざわざ俺が行かなければいけない」
「いや、ワイバーンじゃなくて地竜だからだよ?しかも3体」
「騎士団と魔術師団にでも討伐に行かせろ」
「それが、昨日のから討伐に行ってるけどまだ1匹も倒せてないんだって」
「だからなんだ俺には関係ない、お前が行けばいいだろうが」
「リオン、父さんは非常に今日忙しいんだよ!」
「マリアンの所に行くのがか?」
「睨むなよ、準備や手伝いに今から行くのだから」
「代わりに俺とゼバスが行く」
「いやいや、私では行ってすぐ殺されるよ」
「…ちっ、殺った後は現地にいる奴等に任せて俺はすぐ向かう」
「助かる、それと討伐後の魔石と鱗数枚研究用に取ってきてくれ、書類も出しておいてくれ頼んだ」
手をヒラヒラさせ研究室に配置された魔導具でエイザルはカーリヒルト公爵家へ転移していった。
「セバス、シャヌを用意しておけ今から討伐に行ってくる」
「キュールイ…でございますか」
「1度戻る、討伐書類魔石保管その後支度だ」
「畏まりました御早いご帰還お待ちしております」
王宮専属魔術師のローブに超級褒章が付いているものを羽織りセバスに頼んだ〘シャヌ〙を装備する。
〘シャヌ〙…護拳(刀剣や十手などの武器において、柄に付属し、柄を握る拳を守る部具の名称)の付いた曲刀。魔石が付いておりの媒体(杖代り)として魔法を使うこともできる、剣自体も硬度で威力が高い。
「ああ、転移」
セバスが頭を上げればそこには誰もいなかった、少し何かを考えセバスも転移テレポートし頼まれた物を準備してくのであった。
ーーーーーーーーーーーーーー
リオンは…目の前に起きている2匹の竜の争いに舌打ちが出た。
「ちっ、地竜か……何だあいつは?」
そう、目の前にいるのは5mほどの地竜と10m程の茶色よりやや赤い竜だった。
「赤竜か?いや、だがならば茶色いはずが無い…」
「援軍か!その褒章は⁉失礼しました。」
「状況は」
「は!昨日までは地竜が3体いたのですが共喰いし一体が魔石を取り込むと姿が変わり始めあの様な赤茶の竜になったのです。」
「共喰いだと…」
(竜種は争い殺しはしても喰いはしない…どういう事だ)
「それと、現在魔法にて攻撃しているのですが一向に効かないのです」
「どういう事だ」
「魔術師団の方が地の上級を使い攻撃しましたが傷付いた様子もなく互いに竜種しか目に入っていない感じだと。」
「此処にいる奴らに言えここから離れろと」
「はっ!おい!直ぐにこの場から離れるよう伝達しろ!全ての団員にだ!」
騎士副団がそう伝えるとさっさと傷おいの者達を連れ離れていく。
全員が離れた頃アチラも勝負が付いたようだ。
地に伏せた地竜の腹、魔石があるだろう位置を噛み付いている赤茶の竜。
やがてそいつは何かを飲み込んだかと思うと姿を変え始めた。
(ほう、魔石を取り込むことで姿が変わるか…面白い)
赤茶の竜はサイズは変わらぬが色が変わり始めた。
赤茶が次第に赤黒く変わりだす、それは自分の記憶や史書の記録にもないドラゴンだった。
変化が終わるとゆっくりとドラゴンはリオンを見た。
そして唸り声を上げ飛び始める、その目は敵意、憎悪だった。
(面白い…マリアンが考えたあれを使ってみるか)
魔力を高め陣を完成させていく。
マリアンとまだ別れる前、不意にマリアンが言い出した、空間魔法ならその場の空間を止めたり、圧縮できるのでは?とそれを聞いたときは僅か数年しか生きてない者が考えられる発想だとは思はなかった。
だがマリアンは言った。
「そこにある空間を圧縮して塊を作り物を押しつぶすのは?」
と…、これには俺もセバスすらも声を出せなかった。
セバスと共に試行錯誤しやってみた所確かにできた。
小~大まで魔力量によって変わるができない事はなく便利だった、特に飛行タイプには
「時間が惜しい、空を圧する力よ敵を討ち潰せ【重力圧】」
【重力圧】
敵の周囲に重力場を発生させ過重力などでその場に空間すべてを圧縮する状態異常を付加する事もできるが調整が難しく魔力消費が多い空間属性
呪文を唱えれば飛んでいたドラゴンの周辺空間が圧縮され過重力が発生し、30mある竜はなすすべもなく重力によりそのまま下に押しつぶされる。
30m程の空間をいじった為魔力消費が激しくだるく感じるが仕方ない。
そのまま魔力を注ぎ更に潰れるようにし暫く(20分程)すればドラゴンの叫びと共に砕けていく音が響き渡る。そして何とか抜け出そうともがいていたドラゴンは動かなくなった。
魔力を注ぐのをやめ解除し近づけばこと切れたドラゴンの躯がそこにあった。
ソイツの爪と牙、鱗と魔石を取り避難した騎士団共の元へ【転移】し、討伐した事、戦利品をいくつか研究用に持ち帰る事、後処理をやれと伝えまた研究室へ【転移】する
「お帰りなさいませ坊っちゃん」
「ああ、セバス今回討伐したドラゴンだが…共喰いし変化していた」
「ドラゴンが共食い?」
「ああ、3匹いた奴等が共喰いし最後まで残った竜は2つ分の魔石を喰いドラゴンへ変わった。」
「そんな事例聞いたことございません」
「だが実際に起こった、この件は陛下とエイザルには伝える」
「畏まりました。」
「報告書を書く」
「坊っちゃん、夕の4刻には屋敷へ向かいたいと思っております」
「残り3刻か…それまでには仕上げる」
「魔石類は?」
「鱗は一部エイザルに渡す。魔石は調べたい事がある」
「畏まりました。それでは私は一度現場に行かせていただきます」
「珍しいな」
「少々気になりまして」
「好きにしろ」
「失礼いたします」
そう言って【転移】して消えていった。
珍しくセバスが動くなと思いながらも報告書を書き上げていく。
その後、鱗と報告書を陛下に届けに行けば結局捕まり苛立ったのは言うまでもない。
ーーーーーーーーーーー
「ちっ、だいぶ過ぎている」
懐に入っている懐中時計を見ながら俺は早足で研究室に向かった、マリアンのパーティーはもう始まっている。
陛下に捕まりくだらんことを永遠と聞かれ話され解放された時には既に6刻半になっている研究室に戻ればセバスが待っていた。
「お帰りなさいませ、坊っちゃん」
「マリアンは?」
「すでに挨拶も終わり余興も終わるところです、そろそろダンスが始まる頃かと」
「お前は行かなくていいのか?」
「私は一度戻ってきただけですので、坊っちゃんの準備が終わればまた坊っちゃんと共に戻ります」
「そうか」
俺はセバスに用意された服を着始める、紺の生地に金の刺繍が施された燕尾服に白のスボン…それはマリアンの6歳のお披露目パーティー出来ていたのと同じデザインのものだ。
「セバスなぜこの服なんだ」
「マリアン様と合わせたからでございます」
「どういう事だ?」
「マリアン様は思い入れのある6歳の頃と同じようなドレスを着ておられます。学園に入る前に坊っちゃんに逢いたいという気持の現れかと」
「そうか」
マリアンはどんなふうに育ったのだろうか、逢えばマリアンは笑うかそれとも泣くかどちらだろうな…そんなことを考えているとふとセバスが以前言っていたことを思い出した(マリアン様も立派な女性になられておいでです、周りの方も放っとかないですよ)…ダンスはもぅ始まっているか
「行くぞ」
「畏まりました」
夜空にまぶしく光る星を窓から眺めた後カーリヒルト公爵家へリオンは【転移】した。
流石にホールにそのまま【転移】するのは騒ぎになる、訪れた時使われないと聞いた空室へ出る、予想通り誰もいない為そのまま部屋を出てホールへと向かった。
ホールに入れば段差が始まっていた為そのまま隅の壁に持たれながら周りに視線を流すと中央で他の男と踊っているマリアンの姿があった、その姿は6年前と同じ様なドレスだったが姿は全く違う…小柄の体に似合わない膨らみ、抱いたら折れそうな細い腰、どこか幼い感じが残るも大人の雰囲気、色気が出ていて目が離せなかった、目を離せずずっと見ていればふとマリアンは他の男と踊ってる時俯き顔を上げると頬を染め愛おしいそうな顔をする。
なぜ、そんな顔を他の男にする
暫く様子を見ていればその後も他の男共と踊っている最中も似たような顔をしていた。
来なければよかったか
俺はそう思い踵を翻そうかと考えだした時、マリアンは疲れたのか誘う奴らを断りテラスに休みに歩き始めた、その後ろをダンスの最中やたら密着していた男が追いかけて歩いていく。
帰ろうと思っていたはずが気がつけばそのまま勝手に俺の足はテラスへ進んだ、目の前に入ってきたのはマリアンに近づき指に口づけをし腰に手を回し始めた葛にマリアンは逃げようとしていた所だった。
その時の顔はかつて俺が家庭教師から助けたときに見せた恐怖、嫌悪、助けを求める顔だった、それを見た瞬間俺の中で何かが切れた
「何をしている」
そう声をかければ相手の男は驚き止まりマリアンは溢れんばかりの雫をためた瞳がこぼれ落ちそうなほど開き俺を見ていた、微かに聞こえたかすれる声で俺を呼ぶ、もう一度問えばマリアンの腰にいつまでも手を当てていた男が何か喚きマリアンの腰を引き始めた。
それ以上触れるな
風で男だけをテラスの外まで吹き飛ばし瞬間マリアンが倒れないよう【転移テレポート】を使い横に立ち腰に手をまわし支える、マリアンは目が開けれないようでじっと瞑っていた。
そのまま風を止めればモゾモゾとマリアンが動いたのが分かった。
ああ…逢いたかった
「マリアン」
名前を呼べば驚いた瞳で俺を見せた後大粒の涙が頬に流れ俺の名前を呼んだかと思った瞬間胸に顔を押し付け声を殺し泣きはじめた。
マリアン
どれだけ逢いたかった、触れたかったか…
俺はチラチラ見てくる男共に忠告しマリアンの腰に手を回しマリアンの部屋へ【転移】した、それに気づいたマリアンは小動物のようにプルプルしながらも周りを見渡しているそんな姿が愛おしく感じた。
「マリアン」
声をかければ恐る恐る俺を見てくる。
その姿が愛しくそのまま額に、瞼に、頬に確かに腕の中にマリアンがいるのを確認しながら丁寧に唇を落としていけば頬を赤らめながら驚き俺を見ている姿に我慢ができるわけがなく俺は唇を重ね長い間マリアンを味わった、少しすると肩が震え始めたので唇を離し赤く染まった頬を撫でる。
「マリアン、逢いたかった」
「私もです…リオン様…」
そう言えばすぐに返事を返し嬉しそうに微笑む、それがたまらない愛しく、今すぐ抱き伏せたくなる
「リオン、二人の時に「様」はいらん」
「……え…と…あ……その…っ…。リ、リオン」
驚きながらも恥ずかしそうに嬉しそうに最後は俺の名前を呼ぶマリアンが愛しく自然と頬が緩む、それを誤魔化すため唇を重ね抱き寄せ幸せを感じていると…
「リ…リオン…。あ、あの…私の事…「リア」…って呼んでください」
突然可愛いことを言い出した。
これはアレか俺の気持ちを確かめているのか?
そう考えていると不安そうに潤んだ瞳で見つめてくる、俺は衝動のままリアの唇を激しくむさぼってた、僅かに呼吸のために開いた唇に舌を入れ絡め吸い付きさらに絡めれば甘く花の香りがする。
次第に甘い声がリアから漏れ始め膝に力が入らなくなって崩れ始めたの支える
「…リア」
「好きです。リオン」
「俺もだ」
俺の思いをつげれば真っ赤な顔で艶めいた瞳でおれを見つめてくる。
もう止めれないぞ…
このままベットに押し倒しリアに触れたい、そう思いもう一度唇を落とそうとした時
「すみませんがお二人ともその辺で、会場へお戻りください。」
「きゃぁ!」
セバスが部屋の扉の前に立っている、お互いの気持ちを伝えたあたりから気配を感じたが
「……なぜ今声をかけた」
「今声をかけなければ坊っちゃんは朝まで帰ってこなくなるだろうと判断したからです」
確かに俺はこのまま暴走していたな…それに他の男にこれ今のリアを見せるつもりはない。
「…………」
「そこは否定してください、坊っちゃん…」
そう言っている俺達を不思議そうに見つめ首を傾げるマリアン。
「坊っちゃん…マリアン様は純粋すぎると思うのですが」
その言葉には同感する。
キスだけで腰が抜けるほどだからな
「ああ、知っている」
「坊っちゃん…」
セバスが片手で額を抑え首を横に振り深いため息を零し俺を見ていた。
その後はセバスに促され、マリアンのメイドまで探しにきた為会場に戻りカーリヒルト公爵に挨拶に行ったまぁ、その後結局公爵とエイザルに捕まりそれ以上リアと二人になることはできなかったわけだが…
久々に会い互いに思いを伝え合えたのでまぁいい
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