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33.グサリ……
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「ずっと……、まあもう、昔なんだけどさ。実は片想いの人がいたんだ」
皇真は、真剣に話をし始めた。
相変わらず周囲の視線が、気になるが、私は皇真の話に「あ…はあ」と返す。
行き交う女性、というか男性までも…、いや小さな子どもにまでモテモテなこの人が、片想い?と美菜は遅れて本当の反応をする。
「その人一筋だったんだけど、まあ、その…オレ様のファン達がね…。色々と、変な噂を流したり、片想いの人に嫌がらせをしたり、……で、結局、片想いの大失恋で終わったんだ…」
美菜は、こんな王子で完璧な人でも、失恋をするんだと驚く。
皇真は唇を噛んだ後、低い声で言う。
「今は、他の人と結婚して、もう子どももいる……。ま、幸せって噂を聞いたから、よかったと思うけどね」
美菜は、皇真はやはり凄く優しい人なんだと思った。
「でも…、ファンにも感謝してるから……。仕方ないというか…、もう1人で生きていこうって覚悟を決めてたんだ。……だけど、そんなのを全部吹き飛ばしてくれる人に出逢った。会社の廊下でズッコケてた美菜にね」
美菜は、胸が爆発しそうになったが、息を止めて堪えた。
頭を振って、「わ、私なんて…、は…はは」と声を出した。
皇真が歩く場所が、キラキラ輝いていく、この超セクシー王子が私なんてと思いかけて、美菜は自分は皇真のことを好きなんじゃないと頭を振る。
「本当に、運命の人だった思ったんだよ」
美菜は、足元がふらつくのを感じた。心から皇真の方に倒れてしまいそうなのを必死に堪える。
皇真は、微笑む。
「ふふ、まあ、フラれたけどね。何回も」
笑顔から、また真剣な表情で、皇真は美菜を見て言う。
「で、調べたんだ。美菜のこと、誰を好きなのかを。それで、憲斗に辿り着いた」
憲斗という名前に、ビクリと美菜の心と体が反応した。
「行方も探して、未来予測も見た。…で、病気のことをや結末を知った。……正直チャンスだと思った…。でも、心が痛くなった。本当に好きだから…かな」
周囲の人が真っ赤な顔の美菜を見て、少し笑った。
「直接、伝えてしまうのは…、何か違うと思ったから、最後の告白の後、美菜の眼鏡を取り換えた」
美菜は、ゆっくりと頷く。
皇真は優しい声で続ける。
「届かなくても、オレ様ができる範囲で、美菜が幸せになるように精一杯のことをしたい。それが愛だと思った。惚れたからにはそういう愛じゃないとって、今も同じ。美菜の幸せを願ってるから…、ここにいる」
夕暮れの空に、美菜は心が爆発しそうになって、涙を零す。皇真への感謝や、憲斗を心配する気持ち、自分の不甲斐なさ、一瞬どうすればいいのか分からなくなり、美菜は目を閉じた。
落ち着いた美菜は目を開ける。
すると、目の前に皇真の顔があった。
大きな瞳と鼻が心に刺さるような感覚がして、美菜は騒ぐ。
「あ、わわ、こ、な、何を!?」
皇真が笑う。
「はは。違うよ、ただ、こうして、美菜が生まれて目を開けた時に、すぐにオレ様に出逢ってたらなって。…神様は意地悪だよね。……まあ、愛する人が幸せになるって道があるだけいいか。よし、行こう!」
そう言った皇真は、美菜の手を取る。
美菜は、膝から崩れそうになった。
態勢を整えた後、美菜はそれでも違和感があったので、振り返る。
するとそこには、5歳くらいの女の子がいた。
「グサリ!」
女の子はそう言って、また玩具のステッキで、美菜の膝を押した。
「こらっ」と皇真が優しく言うと、女の子は顔を真っ赤にして、フリーズした。
少し微笑んで、美菜と皇真は、手を繋いで車へ駆ける。
皇真は、真剣に話をし始めた。
相変わらず周囲の視線が、気になるが、私は皇真の話に「あ…はあ」と返す。
行き交う女性、というか男性までも…、いや小さな子どもにまでモテモテなこの人が、片想い?と美菜は遅れて本当の反応をする。
「その人一筋だったんだけど、まあ、その…オレ様のファン達がね…。色々と、変な噂を流したり、片想いの人に嫌がらせをしたり、……で、結局、片想いの大失恋で終わったんだ…」
美菜は、こんな王子で完璧な人でも、失恋をするんだと驚く。
皇真は唇を噛んだ後、低い声で言う。
「今は、他の人と結婚して、もう子どももいる……。ま、幸せって噂を聞いたから、よかったと思うけどね」
美菜は、皇真はやはり凄く優しい人なんだと思った。
「でも…、ファンにも感謝してるから……。仕方ないというか…、もう1人で生きていこうって覚悟を決めてたんだ。……だけど、そんなのを全部吹き飛ばしてくれる人に出逢った。会社の廊下でズッコケてた美菜にね」
美菜は、胸が爆発しそうになったが、息を止めて堪えた。
頭を振って、「わ、私なんて…、は…はは」と声を出した。
皇真が歩く場所が、キラキラ輝いていく、この超セクシー王子が私なんてと思いかけて、美菜は自分は皇真のことを好きなんじゃないと頭を振る。
「本当に、運命の人だった思ったんだよ」
美菜は、足元がふらつくのを感じた。心から皇真の方に倒れてしまいそうなのを必死に堪える。
皇真は、微笑む。
「ふふ、まあ、フラれたけどね。何回も」
笑顔から、また真剣な表情で、皇真は美菜を見て言う。
「で、調べたんだ。美菜のこと、誰を好きなのかを。それで、憲斗に辿り着いた」
憲斗という名前に、ビクリと美菜の心と体が反応した。
「行方も探して、未来予測も見た。…で、病気のことをや結末を知った。……正直チャンスだと思った…。でも、心が痛くなった。本当に好きだから…かな」
周囲の人が真っ赤な顔の美菜を見て、少し笑った。
「直接、伝えてしまうのは…、何か違うと思ったから、最後の告白の後、美菜の眼鏡を取り換えた」
美菜は、ゆっくりと頷く。
皇真は優しい声で続ける。
「届かなくても、オレ様ができる範囲で、美菜が幸せになるように精一杯のことをしたい。それが愛だと思った。惚れたからにはそういう愛じゃないとって、今も同じ。美菜の幸せを願ってるから…、ここにいる」
夕暮れの空に、美菜は心が爆発しそうになって、涙を零す。皇真への感謝や、憲斗を心配する気持ち、自分の不甲斐なさ、一瞬どうすればいいのか分からなくなり、美菜は目を閉じた。
落ち着いた美菜は目を開ける。
すると、目の前に皇真の顔があった。
大きな瞳と鼻が心に刺さるような感覚がして、美菜は騒ぐ。
「あ、わわ、こ、な、何を!?」
皇真が笑う。
「はは。違うよ、ただ、こうして、美菜が生まれて目を開けた時に、すぐにオレ様に出逢ってたらなって。…神様は意地悪だよね。……まあ、愛する人が幸せになるって道があるだけいいか。よし、行こう!」
そう言った皇真は、美菜の手を取る。
美菜は、膝から崩れそうになった。
態勢を整えた後、美菜はそれでも違和感があったので、振り返る。
するとそこには、5歳くらいの女の子がいた。
「グサリ!」
女の子はそう言って、また玩具のステッキで、美菜の膝を押した。
「こらっ」と皇真が優しく言うと、女の子は顔を真っ赤にして、フリーズした。
少し微笑んで、美菜と皇真は、手を繋いで車へ駆ける。
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