わたしの王子の願いごと

46.私、確かめなきゃいけないことがあるの！！

美菜は眼鏡を外し、また着けた。

そして、携帯を出す。

「蓮李！わ、私の発表、蓮李が始めててっ」


携帯から蓮李の声が聞こえる。

「え？何言ってんの美菜ちゃんっ。大事な研究発表でしょ？！」

「もっと大事なことがあるの！！途中から行くから！
一緒にやってきたから、分かるでしょ研究のことは。
お願いっ！！私、確かめなきゃいけないことがあるの！！」

「え、美菜ちゃ…」

美菜は携帯をそこで切った。


20分後、美菜は桜の木の下にいる。

時計を見て、彼女は会場への道を早足で進む。

背の高い人の背後まで来ると、美菜は
「き、気のせいじゃなかった……」と声を零した。

その背の高い人が立ち止まると、美菜は長い指や広い肩幅に見惚れ、
自然にドキッとする。


「何で？！どういうこと？！！」と美菜は叫ぶ。

「え…」

美菜の声に、前の男は立ち止まり、ゆっくりと振り返る。

煌めく髪、白いスーツ、スラッとしたスタイル、優しい視線、
少しごつごつしたセクシーな首元のその男は、まさに王子様だった。

顔を真っ赤に染めながら、美菜は震えた声で言う。


「こ、皇真さん――――-…！！」