わたしの王子の願いごと

42.本当に運命の人を…、私が選べたのかな…

「この世界がよくなることを望んでた王子様だったから、
私が、王子様の願いごとを、叶えなきゃね。
やっと、やっとここまで来たよ…ありがとう」

少し強い風が、美菜の髪を靡かせる。


「…でも、今から思うと、どっちが……どっちが…私の…王子様だったんだろ…。
いや…、皇真さんが言ってたみたいに、本当に運命の人を…、私が選べたのかな…。
選んでたら…どうなってたんだろ……」

美菜は皇真を選んでいた今を、頭で予測していた自分に気付き、頭を振る。

「何てね…」


ガガガ…

「ん？…」

美菜が左手を下ろした瞬間、画面が現れた。

「何このデータ…」


そのデータは5年前に、美菜のパソコンに保存されたものだと表示されている。

「どういうこと？！こんなの知らない…」

画面に現れたのは、笑顔の皇真だった―――！！！


「嘘――――――――…」