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大学一回生になりました
秀くんの誕生日
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「ハッピーバースデー!」
八月二十三日。今日は三十分でも良いから、時間が欲しいと祐也に言われた。
仕事を片付けて、夜の仕事は無かったから、四時には行けるとラインした。
着いたらそのまま家に来て、と。ラインが戻って来たので。車を止めて、マンションを上がった。
インターフォンを鳴らして、扉が開いた瞬間に、祐也に言われた一言で、あ、俺の誕生日だったと気付いた。
「あれ、忘れてた?」
問われながら、招き入れられる。
「お邪魔します。忘れてた」
答えて、靴を脱いで上がり込む。
なるほど、だから三十分でも良いから時間が欲しい、だったのかと気付けた。少しでも、俺と一緒に居てくれる祐也。誕生日を祝ってくれることが、嬉しいことだったんだと思わせてくれた。
あの夏祭りから、何度も時間が出来たら会ってはいたし、サークルに顔を出してもいたけれど。誕生日について、一切祐也は言わなかったから、俺自身も忘れ去ってた。
「お兄さんとか、従兄弟とかに祝われてる後だと思ってた」
「今年はそういえば、まだ誰にも言われてなかった。だから、祐也が最初だな」
毎年、太一が言い出すが。今太一は家に居ないからか。
元々実家が、誕生日を重視していなかったことも有るからか、兄や従兄は気にしてないことが多い。聖さんなんて、気遣いの人なのに、誕生日については、忘れ去ってることが多いのだ。
太一は純の誕生日を重視し始めた頃から、俺たちの誕生日にも言う様になっただけだし。
大切な人の誕生日というのは、たしかに祝いたいものだ。俺も祐也の誕生日は祝いたいと思うから。
産まれてくれて、そして俺と出会ってくれた奇跡を、祝いたいと思うんだ。
だから太一は純の誕生日を、重視し始めたんだろう。じゃなきゃ、あの家にいて、誕生日を祝う日にすることは無い。あの家が大切にするのは、力を扱えるかどうかだ。
俺はそれすらも蚊帳の外だったけど。
子どもが産まれた奇跡なんて、あの家にはきっと無いんだろうな。
子どもがどう成長するかしか考えて無いから。
だから、兄も聖さんも忘れてるんだろう。古くからの習慣は、そうそう早く無くなりはしない。
「そっか。やったね」
俺も祐也に最初に祝ってもらえたのは、嬉しいと思う。
「あぁ、ありがとう」
祐也の部屋に、俺の定位置が出来ている。それがすでに嬉しいことであるんだけれど。
「二人だから、さすがにホールは買わなかったけど。まぁ、小さいホールケーキは有ったけどさ。俺が甘いのダメだから。カットケーキでごめんね」
そう言いながら、祐也は冷蔵庫からケーキの入っている箱を取り出して、隣に座った。
「ケーキはどっちでも。というか、ホールケーキは霊安寺に居る時に体験してるから、どっちかというと、こういうカットケーキのほうが俺には珍しいかな」
太一が誕生日を言い出す時も、人数は居るからと、ホールケーキを予約してまで購入してくるくらいだ。
姉さん以外は男だけど。うちは意外にも甘い物が苦手ではない男子が揃ってたりする。
聖さんは苦手だけど。他はそうでも無いんだよな。だから、ホールケーキも綺麗に無くなる。
霊安寺は、住職の奥さんがケーキを焼いてくれれた。民宿の方からも何人も来たりして、何人もの誕生日を祝って来たから、二人きりで小さなケーキという方が、俺には新鮮で珍しいんだ。
二つだけ入っている小さなケーキの箱。こういうケーキの箱も有るんだなんて、そんなことを珍しがってしまう俺。
「あ、そっか。秀の家でも、人数居るからって、ホールケーキにしそうだよね」
「当たってる。甘いの苦手なのって、聖さんくらいだし、だいたい言い出すのが太一だから。あいつは甘いの好きだからな」
祐也の推理に笑ってしまう。そのとおりだから。聖さんが食べれなかった分を、太一が食べるのはいつものことだった。
「霊安寺もケーキなんだ?」
寺だからかな。ちょっと違和感有るのかもしれない。
「住職の奥さんがさ、ケーキとか作るの好きなんだ。だから、寺の人間もだし、民宿の人間も。たとえ誕生日が近くても別々で祝ってたから、結構何回も誕生日祝いはしてたんだよ。さすがにクリスマスを言い出したのは太一が最初で、霊安寺ではやってないけど」
寺でクリスマスはやらない。まぁ、イルミネーションで飾ってる家が近くに有ったりして、それでクリスマスってどんなんだろう。とか子どもの頃は思ってたけど。
住職の奥さんは、寺に関係無い所から嫁いで来た人だったから。クリスマスもやりたいと、最初はごねたらしいけれど。俺はその話は何度も聞かされてきた。
俺が居るから、子どもの為にやろうと、もう一度言ったらしいけれど、住職に却下されちゃったと、寂しそうにしていた。小さい頃から、誕生日もクリスマスも知らないで過ごしていた俺は、そう言われても寂しいとかは無かったんだけど。
誕生日って、大切なんだと教えてくれたのは、住職の奥さんで。大切な人が産まれた奇跡を祝いたいと思わせてくれたのが、太一だった。
「へぇ、住職の奥さんすごいな。スポンジに失敗したって、母さんはよく言ってたけど。失敗すると、市販のケーキになったんだよ、うちは。失敗してた割合の方が高かったけど。子どもが俺と響也の二人だから、双子で同じ日が誕生日って助かる。とか言われてたな」
俺は甘いの苦手だし、ホール買って来られても困ったんだけど。
と祐也は苦笑いしてる。
「響也は普通に甘いの食べるよな。双子でも、味覚が全く違うのか」
そういえば何かの時に、誕生日祝いがーとか言って太一たちのバンドに連れて行かれて。そこでメンバーの誕生日祝いをした記憶が有る。誰の誕生日だったのか、今一わからないし、なんで俺まで呼ばれたのは知らないけど。
まぁ、その時は俺が暇そうにしてたからか、とか考えて深くは追及しなかったからな。
「高校時代に、響也こっち来たじゃん?俺にケーキ焼いても、全然反応が可愛くないって言われたな。そん時は」
手作りなんだから、その部分は作り手の采配次第だろう。
だが、きっと祐也の母は、甘いのが好きな人なんだろうな。
「作ってもらえるのは、本当にありがたいんだけどさ。俺の誕生日祝ってくれてるのもわかるし。けどさ、高校時代は俺だけになってたんだから、俺用に甘くないの作って欲しかったよ」
言いながら、祐也はお皿にケーキを置いていく。
両方ともチョコレートケーキ。ビターなんだろう。甘過ぎない香りがする。
「ってことで、俺の好きなチョコレートケーキ。探して歩いたんだよねー。ビターなチョコケーキでうまい奴」
二ッと笑う祐也。いつから探してたんだるうとかは、聞かない方が良いのかな。
けど。
「その店教えて。俺はさすがにケーキ焼けないから、祐也の誕生日もそこにする」
俺には探して回れる勇気は無い。敏行に手伝ってもらうという手も有るが。太一とかでも良いけど。太一は甘党なので、除外か。
敏行の場合は、全部任せっきりにしたら悪いなと思ってしまうので、やっぱり却下だ。
兄や聖さんは忙しいだろうし。他の連中は……ちょっと無いな。純は最初から除外だ。あいつにからかわれながら探すなんて、絶対に嫌だ。
「ん。えっと、あぁ、この箱のこの部分、切り取ろうか。中は汚れて無いし、大丈夫かな」
ここのケーキが余程気に入ったんだろう。祐也はそう言って、はさみを取り出している。
箱に印字されている、店のロゴと住所や電話番号。その部分だけを切り取って、俺に渡してくれた。
「他に良い所見付かったら、ここ以外のになるかもだけど。一番はここって、頭に入れとく」
受け取って、そう祐也に言う。
響也を忘れていたと思ったのだ。あいつなら、祐也の好きな物を知っているだろうし、丁度良い。俺よりこの辺の店を知ってそうだから、祐也好みの店を教えろ、だけで済む。わざわざ出かける必要性は無いのだ。探した祐也に対して、俺は手抜きしてる感じがするけれど。
「うん。俺の誕生日までは時間あるから。改めて、秀、ハッピーバースデー」
そう言って、祐也は笑ってる。
大切な人に祝ってもらえて、隣で笑ってもらえてる時間が、俺にはとても嬉しい。
一緒に居るっていうことが、これほどまでに大切な時間になるとか、思いもしなかった。
「ありがとう」
お礼が小さな声になったのは、ちょっと恥ずかしくなったから。
だって、家族ではこの嬉しさは体験できない。
祐也が居るから、俺は嬉しいんだ。
「それから、産まれて来てくれて、ありがとう。俺と出会ってくれてありがとう」
そう言われたら、俺はもう返事なんかできやしなかった。
嬉し過ぎて、どうしたら良いのか、わからなくなる。
経験がないからこそ、動揺するんだけど。それすらも、大切だと俺は思った。
八月二十三日。今日は三十分でも良いから、時間が欲しいと祐也に言われた。
仕事を片付けて、夜の仕事は無かったから、四時には行けるとラインした。
着いたらそのまま家に来て、と。ラインが戻って来たので。車を止めて、マンションを上がった。
インターフォンを鳴らして、扉が開いた瞬間に、祐也に言われた一言で、あ、俺の誕生日だったと気付いた。
「あれ、忘れてた?」
問われながら、招き入れられる。
「お邪魔します。忘れてた」
答えて、靴を脱いで上がり込む。
なるほど、だから三十分でも良いから時間が欲しい、だったのかと気付けた。少しでも、俺と一緒に居てくれる祐也。誕生日を祝ってくれることが、嬉しいことだったんだと思わせてくれた。
あの夏祭りから、何度も時間が出来たら会ってはいたし、サークルに顔を出してもいたけれど。誕生日について、一切祐也は言わなかったから、俺自身も忘れ去ってた。
「お兄さんとか、従兄弟とかに祝われてる後だと思ってた」
「今年はそういえば、まだ誰にも言われてなかった。だから、祐也が最初だな」
毎年、太一が言い出すが。今太一は家に居ないからか。
元々実家が、誕生日を重視していなかったことも有るからか、兄や従兄は気にしてないことが多い。聖さんなんて、気遣いの人なのに、誕生日については、忘れ去ってることが多いのだ。
太一は純の誕生日を重視し始めた頃から、俺たちの誕生日にも言う様になっただけだし。
大切な人の誕生日というのは、たしかに祝いたいものだ。俺も祐也の誕生日は祝いたいと思うから。
産まれてくれて、そして俺と出会ってくれた奇跡を、祝いたいと思うんだ。
だから太一は純の誕生日を、重視し始めたんだろう。じゃなきゃ、あの家にいて、誕生日を祝う日にすることは無い。あの家が大切にするのは、力を扱えるかどうかだ。
俺はそれすらも蚊帳の外だったけど。
子どもが産まれた奇跡なんて、あの家にはきっと無いんだろうな。
子どもがどう成長するかしか考えて無いから。
だから、兄も聖さんも忘れてるんだろう。古くからの習慣は、そうそう早く無くなりはしない。
「そっか。やったね」
俺も祐也に最初に祝ってもらえたのは、嬉しいと思う。
「あぁ、ありがとう」
祐也の部屋に、俺の定位置が出来ている。それがすでに嬉しいことであるんだけれど。
「二人だから、さすがにホールは買わなかったけど。まぁ、小さいホールケーキは有ったけどさ。俺が甘いのダメだから。カットケーキでごめんね」
そう言いながら、祐也は冷蔵庫からケーキの入っている箱を取り出して、隣に座った。
「ケーキはどっちでも。というか、ホールケーキは霊安寺に居る時に体験してるから、どっちかというと、こういうカットケーキのほうが俺には珍しいかな」
太一が誕生日を言い出す時も、人数は居るからと、ホールケーキを予約してまで購入してくるくらいだ。
姉さん以外は男だけど。うちは意外にも甘い物が苦手ではない男子が揃ってたりする。
聖さんは苦手だけど。他はそうでも無いんだよな。だから、ホールケーキも綺麗に無くなる。
霊安寺は、住職の奥さんがケーキを焼いてくれれた。民宿の方からも何人も来たりして、何人もの誕生日を祝って来たから、二人きりで小さなケーキという方が、俺には新鮮で珍しいんだ。
二つだけ入っている小さなケーキの箱。こういうケーキの箱も有るんだなんて、そんなことを珍しがってしまう俺。
「あ、そっか。秀の家でも、人数居るからって、ホールケーキにしそうだよね」
「当たってる。甘いの苦手なのって、聖さんくらいだし、だいたい言い出すのが太一だから。あいつは甘いの好きだからな」
祐也の推理に笑ってしまう。そのとおりだから。聖さんが食べれなかった分を、太一が食べるのはいつものことだった。
「霊安寺もケーキなんだ?」
寺だからかな。ちょっと違和感有るのかもしれない。
「住職の奥さんがさ、ケーキとか作るの好きなんだ。だから、寺の人間もだし、民宿の人間も。たとえ誕生日が近くても別々で祝ってたから、結構何回も誕生日祝いはしてたんだよ。さすがにクリスマスを言い出したのは太一が最初で、霊安寺ではやってないけど」
寺でクリスマスはやらない。まぁ、イルミネーションで飾ってる家が近くに有ったりして、それでクリスマスってどんなんだろう。とか子どもの頃は思ってたけど。
住職の奥さんは、寺に関係無い所から嫁いで来た人だったから。クリスマスもやりたいと、最初はごねたらしいけれど。俺はその話は何度も聞かされてきた。
俺が居るから、子どもの為にやろうと、もう一度言ったらしいけれど、住職に却下されちゃったと、寂しそうにしていた。小さい頃から、誕生日もクリスマスも知らないで過ごしていた俺は、そう言われても寂しいとかは無かったんだけど。
誕生日って、大切なんだと教えてくれたのは、住職の奥さんで。大切な人が産まれた奇跡を祝いたいと思わせてくれたのが、太一だった。
「へぇ、住職の奥さんすごいな。スポンジに失敗したって、母さんはよく言ってたけど。失敗すると、市販のケーキになったんだよ、うちは。失敗してた割合の方が高かったけど。子どもが俺と響也の二人だから、双子で同じ日が誕生日って助かる。とか言われてたな」
俺は甘いの苦手だし、ホール買って来られても困ったんだけど。
と祐也は苦笑いしてる。
「響也は普通に甘いの食べるよな。双子でも、味覚が全く違うのか」
そういえば何かの時に、誕生日祝いがーとか言って太一たちのバンドに連れて行かれて。そこでメンバーの誕生日祝いをした記憶が有る。誰の誕生日だったのか、今一わからないし、なんで俺まで呼ばれたのは知らないけど。
まぁ、その時は俺が暇そうにしてたからか、とか考えて深くは追及しなかったからな。
「高校時代に、響也こっち来たじゃん?俺にケーキ焼いても、全然反応が可愛くないって言われたな。そん時は」
手作りなんだから、その部分は作り手の采配次第だろう。
だが、きっと祐也の母は、甘いのが好きな人なんだろうな。
「作ってもらえるのは、本当にありがたいんだけどさ。俺の誕生日祝ってくれてるのもわかるし。けどさ、高校時代は俺だけになってたんだから、俺用に甘くないの作って欲しかったよ」
言いながら、祐也はお皿にケーキを置いていく。
両方ともチョコレートケーキ。ビターなんだろう。甘過ぎない香りがする。
「ってことで、俺の好きなチョコレートケーキ。探して歩いたんだよねー。ビターなチョコケーキでうまい奴」
二ッと笑う祐也。いつから探してたんだるうとかは、聞かない方が良いのかな。
けど。
「その店教えて。俺はさすがにケーキ焼けないから、祐也の誕生日もそこにする」
俺には探して回れる勇気は無い。敏行に手伝ってもらうという手も有るが。太一とかでも良いけど。太一は甘党なので、除外か。
敏行の場合は、全部任せっきりにしたら悪いなと思ってしまうので、やっぱり却下だ。
兄や聖さんは忙しいだろうし。他の連中は……ちょっと無いな。純は最初から除外だ。あいつにからかわれながら探すなんて、絶対に嫌だ。
「ん。えっと、あぁ、この箱のこの部分、切り取ろうか。中は汚れて無いし、大丈夫かな」
ここのケーキが余程気に入ったんだろう。祐也はそう言って、はさみを取り出している。
箱に印字されている、店のロゴと住所や電話番号。その部分だけを切り取って、俺に渡してくれた。
「他に良い所見付かったら、ここ以外のになるかもだけど。一番はここって、頭に入れとく」
受け取って、そう祐也に言う。
響也を忘れていたと思ったのだ。あいつなら、祐也の好きな物を知っているだろうし、丁度良い。俺よりこの辺の店を知ってそうだから、祐也好みの店を教えろ、だけで済む。わざわざ出かける必要性は無いのだ。探した祐也に対して、俺は手抜きしてる感じがするけれど。
「うん。俺の誕生日までは時間あるから。改めて、秀、ハッピーバースデー」
そう言って、祐也は笑ってる。
大切な人に祝ってもらえて、隣で笑ってもらえてる時間が、俺にはとても嬉しい。
一緒に居るっていうことが、これほどまでに大切な時間になるとか、思いもしなかった。
「ありがとう」
お礼が小さな声になったのは、ちょっと恥ずかしくなったから。
だって、家族ではこの嬉しさは体験できない。
祐也が居るから、俺は嬉しいんだ。
「それから、産まれて来てくれて、ありがとう。俺と出会ってくれてありがとう」
そう言われたら、俺はもう返事なんかできやしなかった。
嬉し過ぎて、どうしたら良いのか、わからなくなる。
経験がないからこそ、動揺するんだけど。それすらも、大切だと俺は思った。
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