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第七章

第87話 最高幹部の道案内人

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 お知らせがあります。
 まだどこの出版社かは言えないのですが、書籍化のお話を頂きました。
これも読者皆様のおかげです。ありがとうございます。 
現在、鋭意改稿中、加筆、追加シナリオも結構入る予定です。
まだ発売日は未定ですが、決まり次第追ってお知らせさせて頂きます。
どうしても投稿が遅れがちになってしまいますがご理解いただけると嬉しいです。
これからも「僕の装備は最強だけど自由過ぎる」よそしくお願いします。
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 僕の目に並ぶ六人の最上位魔族らしき魔族たち。

 ジルベルトやハルトムート以外の四人も、二人に匹敵する高い魔力を感じる。それにしてもジルベルトとハルトムートの魔力が以前見た時よりも上がっている気がする。

 それでも――

「お久しぶりですね。ジルベルトさん。ここには何をしに来たんですか? まさか僕と戦いに来た、って訳じゃ無いですよね?」

「ハハハ、もちろんだよ。我々が束になって君に戦いを挑んでも、一瞬で殺されるのが目に見えるからな。あれからこの短期間で随分と強くなったものだよ」

 ジルベルトの言う通り、今の僕の実力ならジルベルトたち全員相手にしても、大した労力を必要とせず撃退出来る自信がある。と言うか正直、今レヴィたちが蹂躙している魔物たちに毛が生えた程度にしか感じる無い。

 それだけ実力差がある僕に、最上位魔族であるジルベルトたちが無謀な戦いを挑むとは思えない。

「じゃあ、要件はなんですか?」

「いやな、クラウド君たちの戦いっぷりを見て、邪神様がもういいから君を連れて来いっておっしゃってな」

 未だ魔物たちを蹂躙し続けているレヴィたちを見て、何か疲れたような顔をしてジルベルトは言ってきた。

 確かにこの状況を見る限り、たぶん罠だった部屋が、全く意味を成していないのだろう。正直半神人デミゴッド化する前の僕だったらかなりヤバイ罠だったかもしれないけど、今の僕ならハッキリ言って無意味だ。自惚れじゃなくそう思う。

 今、この世界で僕と互角以上の力を持っているのは邪神だけだ。逆に、以前邪神と戦った時に、僕が生き延びれたのは、邪神が舐めてくれていたのも大きいが、それ以上に、奇跡だったとしか言いようが無い。それだけの邪神の強さが異質だとも言えるんだけど。

 しかし前回邪神が復活した時って、エルザさんはどうやって邪神倒したんだろう? 今代の邪神ほどは強く無かったらしいけど、それでも邪神の強さは異常だっただろうに。

「それはありがたいですね。でも本当にいいんです?」

「いいも何も邪神様の命令は絶対だからな」

「おい、小僧。大人ついてこいよ」

 突然、僕とジルベルトの会話に居丈高にハルトムートが割り込んで来た。

 邪神の命令が気に入らないのかな? 戦闘狂ぽかったもなぁ。ハルトムート以外にも、二人ほど機嫌が悪そうな顔をしているからハルトムートと同じで不服なのかも……

「クラウド。こいつらもぶっ飛ばす?」

 そこに魔物をあらかた倒し終わったレヴィが僕の近付いて来た。その様子にハルトムートは「うぐっ」とか唸って黙り込んでしまった。まあさっきまでの僕たちの戦いを見ていたのなら、そりゃそうなるよね。

「いや、どうやらこのジルベルトさんたちが、邪神のところまで案内してくらしいから、だから戦う必要はないよ」

 僕が邪神を呼び捨てにした為か、魔族たち全員から一瞬強烈な殺気を感じた。とはいえ、すぐに普通の状態に戻ったみたいだけど。普通の人間なら今の殺気だけで狂死するレベルだと思う。

「ふ~ん、別に案内して来れなくてもボクたちだけで充分たどり着けるけどね」

 事実だけど、それを言わないのが、こういう時のお約束なのでは? ほらジルベルト以外の魔族の方達がすっごい目で僕らの事を睨んでるよ。

「クラウド様、全ての作業が終了致しました」

「主よ、任務完了致しました」

「クラウド君、こっちもね」

「お兄ちゃん、終わったよ~」

「兄様、終わりましたです」

 そんな険悪ぽい雰囲気の中、みんなが戻って来た。周りを見ると、全ての魔物が……ん? いない? 生きている魔物はもちろんだけど死体すら一体も残っていない。何故に?

 僕が不思議そうに周囲の様子を見ているとセバスさんが寄って来て「全ての回収致しました」と教えて来れた。

 何を? と聞くまでも無く魔物の死体の事なんだろうが、指示する前に僕の思考を読んで行動するとは、さすがセバスさん。執事の鏡だよ。これなら……って、そんなこと考えてる場合じゃなかった。

 みんなに「ありがとう」と伝えると再びジルベルトたちに視線を移す。

「分かりました。ジルベルトさんたちについて行けばいいんですね」

「そうしてもらえると、私としても助かるよ」

 ジルベルトはにこやかに話しをしてはいるが油断は禁物だ。それと後ろの五人からは、殺気の込もった視線がヒシヒシと感じるから、そっちも別の意味で要注意だな。

「ただし、変な真似をしたら容赦無く叩き潰すので、その点よろしくお願いします」

 こう言った脅し文句みたいなのは、正直慣れてないから言ってて少し恥ずかしい。まあそれでも、これで安全に移動できるなら、それに越した事はないかな。

「もちろんだよ。じゃあ、そろそろ行こうか。付いてきてくれ」

 そう言うとジルベルトを先頭に魔族たちが歩き出した。そんな彼らの後について僕も移動開始した。邪神と対峙するために。


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