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第四章
第40話 迷宮で美人さんと出会いました
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ざっと状況を見る限り、騎士風の恰好をした女性が、負傷して蹲っているようだ。足元には血だまりができ、かなりの傷を負っているように見える。その騎士風の女性をシーフ姿の女性が守るように立ちはだかり、スピードでタイガー・ベアを抑え込んでいる。もう一人は魔術師風の女性で、もう1体のタイガー・ベアが襲って来ないように、炎魔法で牽制して何とか均衡と保っているようだ。ただ、2人とも疲労の色は色濃く見える。それを見る限りそんなに時間がかからずこの均衡は崩れるだろう。それも魔物が押し勝つという形でだ。
僕はすぐさま用意していた雷の槍を6本同時に放ち、2体のタイガー・ベアにそれぞれ3本ずつ食らわせた。
6本の雷の槍は、2体のタイガー・ベアの体を貫き尚且つ感電状態にした。僕はその隙を逃さないよう魔剣レヴィを抜き一気に間合いをつめ、感電して動けない状態の2体のタイガー・ベアの首を刎ねた。首を失たタイガー・ベアはその場で倒れると、やがて光となって魔石や素材を残し消えてしまった。
よし! 思いのほか不意打ちが上手くいった。このレベルくらいの魔物だと雷の槍は相当有効かも、これからも大いに利用していこう。
自分なりに今回の戦闘に満足しつつ、助けた女性たちの事を思い出し無事か確認すると、3人とも口をポカンと開けて完全に固まっていた。
『この娘たち、みんな面白い顔してるね』
『ホント、美人が台無しね』
『『キャハハ! 面白いね~』』
『レヴィ、アキーレさん。ちょっと失礼だよ。それにキーレもアーレも笑わない』
しかし、少しビックリさせてしまったかな?
「あの、大丈夫でしたか?」
取りあえず声を掛けてみる。すると魔術師風の女性が最初に立ち直り、僕の言葉に答え始めた。
「あ……、危ないところを助けていただき、ありがとうございます」
お礼は大事だね。素直にお礼を言ってもらえると僕も気分がいい。
魔術師風の女性がお礼を言うと、他の2人もようやく状況を飲み込んだのか、2人同時にお礼を言ってきた。
「いえいえ、困った時はお互い様です。それよりも彼女の傷は大丈夫ですか?」
僕の言葉に、魔術師風の女性とシーフ姿の女性は、ハッとし、すぐに騎士風の女性に声を掛ける。
「アンネマリー! 傷は大丈夫ですか!?」
「アンネさん、傷を見せて下さい」
慌ただしくなってきたな。シーフ姿の女性はすぐに騎士風女性改めアンネマリーさんの虎熊の爪で傷ついた金属鎧を脱がせ傷の状態を確認する。右肩から左胸にかけて3本の爪による傷があり、かなり出血をしている。
酷い傷だ。ここでふと、怪我をしている状態とはいえ、若い女性が胸を顕わにしている事に気付き、僕は見ないように後ろを向いた。
「あの、かなりの重傷のようですが、ポーションとか持っていますか?」
ここまで来るような人たちだから、それなりの準備はしているだろうが念の為に確認する。
「はい、大丈夫です。ご心配いただきありがとうございます」
と魔術師風の女性が答える。後ろでごそごそ袋から何かを出しているような音がする。おそらくポーションかな?
『セバスさん。念の為周辺警戒をお願いします』
『畏まりました』
彼女たちは、治療に集中しているみたいだから、念の為周辺警戒をしておくことにした。
しばらくすると、お互い無事を確かめ合う声が聞こえ、鎧を装着するカチャカチャという音が聞こえてきた。どうやら治療が終わったみたいだ。
「すみません。もう大丈夫です。本当に助かりました」
声を掛けられたので振り向くと、アンネマリーさんが元気に立っていた。ホントに大丈夫そうだな。これならもう大丈夫かな?
「あの私、クラウディアと申します。先ほどは危ないところを助けていただき本当にありがとうございます」
魔術師の女性はクラウディアと名乗った。金糸のような鮮やかな金色の髪を後ろで束ねており、整った顔立ちを惜しげも無く晒している。青く澄んだ瞳で見られると何だか恥ずかしくなってしまう。歳は20代半ばくらいだろうか。どこか気品を漂わせる美人のお姉さんだ。
「わたしもお礼を言わせてくれ。本当に助かった。わたしはクラウディア様の護衛をしている、アンネマリーという」
アンネマリーさんは、短めの黒髪と黒眼が印象的な美女。歳は20代後半くらい、雰囲気としては男装の麗人と言った感じか。身長は僕よりの高くおそらく180センチ近いんじゃないだろうか。どことなく敗北感を味わってしまう。
「私からもお礼を言わせて下さい。ありがとうございます。さっきの魔法と剣捌き、すごかったです。あっ! 私、リーゼと言います。よろしくね」
最後にシーフ姿の女性がリーゼさんだ。肩までかかる若草色の髪とエメラルド色の瞳がすごく綺麗なエルフっ子。華奢な体形も相まって、雰囲気がクイそっくりだ。決して同じエルフっ子だから似てるって思った訳じゃないよ。たぶん……。兎に角、美少女なのは間違いに無いが、エルフだからそれ相応に歳は取っているだろう。……、あれ? 年齢の事を考えていたら何故かリーゼさんから負のオーラが出てきた気がする。うん、おそらく気のせいだろう。
「いえ、先ほどに言いましたが気にしないで下さい。困った時はお互い様です。それでは、特にもう大丈夫そうなので、僕はもう行きますね」
僕には言いたくない事が多いから、この人達とは早めに離れた方がいいだろう。
「少しお待ちください」
その場を離れようとした時、クラウディアさんに呼び止められた。なんかちょっと嫌な予感が……
「なんでしょうか?」
「あの……」
何やら言い難そうにしているが、やっぱり嫌な予感が。
「一つお願いがあるのです。もちろん報酬はお払いします。どうか話しを聞いていただけませんか」
どうしよう? 厄介事の予感。
『話だけでも聞いてあげたら? ちょっと面白そうだし』
面白そうだけ余計だよ。
『そうですね。クラウド様の訓練にもなるかもしれませんし』
セバスさんは僕を鍛える事が出来るならそれでいいって事かな。
『わたくしたちだけでなく、新たな美女の登場ですわね。大変面白そうね』
アキーレさんらしいお答えですね。他のメンバーは特にコメントは無いようだが、すべて僕にお任せって事かな。はあ、どうしよ……。
「取りあえず話を伺います。やるかどうかは聞いてから決めさせてもらってもいいですか?」
「もちろんです」
という事で、クラウディアさんは話し始めた。
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ざっと状況を見る限り、騎士風の恰好をした女性が、負傷して蹲っているようだ。足元には血だまりができ、かなりの傷を負っているように見える。その騎士風の女性をシーフ姿の女性が守るように立ちはだかり、スピードでタイガー・ベアを抑え込んでいる。もう一人は魔術師風の女性で、もう1体のタイガー・ベアが襲って来ないように、炎魔法で牽制して何とか均衡と保っているようだ。ただ、2人とも疲労の色は色濃く見える。それを見る限りそんなに時間がかからずこの均衡は崩れるだろう。それも魔物が押し勝つという形でだ。
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6本の雷の槍は、2体のタイガー・ベアの体を貫き尚且つ感電状態にした。僕はその隙を逃さないよう魔剣レヴィを抜き一気に間合いをつめ、感電して動けない状態の2体のタイガー・ベアの首を刎ねた。首を失たタイガー・ベアはその場で倒れると、やがて光となって魔石や素材を残し消えてしまった。
よし! 思いのほか不意打ちが上手くいった。このレベルくらいの魔物だと雷の槍は相当有効かも、これからも大いに利用していこう。
自分なりに今回の戦闘に満足しつつ、助けた女性たちの事を思い出し無事か確認すると、3人とも口をポカンと開けて完全に固まっていた。
『この娘たち、みんな面白い顔してるね』
『ホント、美人が台無しね』
『『キャハハ! 面白いね~』』
『レヴィ、アキーレさん。ちょっと失礼だよ。それにキーレもアーレも笑わない』
しかし、少しビックリさせてしまったかな?
「あの、大丈夫でしたか?」
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「いえいえ、困った時はお互い様です。それよりも彼女の傷は大丈夫ですか?」
僕の言葉に、魔術師風の女性とシーフ姿の女性は、ハッとし、すぐに騎士風の女性に声を掛ける。
「アンネマリー! 傷は大丈夫ですか!?」
「アンネさん、傷を見せて下さい」
慌ただしくなってきたな。シーフ姿の女性はすぐに騎士風女性改めアンネマリーさんの虎熊の爪で傷ついた金属鎧を脱がせ傷の状態を確認する。右肩から左胸にかけて3本の爪による傷があり、かなり出血をしている。
酷い傷だ。ここでふと、怪我をしている状態とはいえ、若い女性が胸を顕わにしている事に気付き、僕は見ないように後ろを向いた。
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「すみません。もう大丈夫です。本当に助かりました」
声を掛けられたので振り向くと、アンネマリーさんが元気に立っていた。ホントに大丈夫そうだな。これならもう大丈夫かな?
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アンネマリーさんは、短めの黒髪と黒眼が印象的な美女。歳は20代後半くらい、雰囲気としては男装の麗人と言った感じか。身長は僕よりの高くおそらく180センチ近いんじゃないだろうか。どことなく敗北感を味わってしまう。
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「いえ、先ほどに言いましたが気にしないで下さい。困った時はお互い様です。それでは、特にもう大丈夫そうなので、僕はもう行きますね」
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