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第四章
第38話 迷宮に行こう
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テント暮らしの僕の朝は早い。空が白み始めた早朝5時、僕は目を覚ます。
ベッドで自分の周りを見ると、いつも通り左側にレヴィが右側にはアキーレさんが、そして足元には子猫化したキーレとアーレが丸まって眠っている。
目を覚ました僕の日課は、まず子猫化しているキーレとアーレを撫でる事から始まる。これが今の僕にとって一番の癒しの時間だ。その後はセバスさんが用意してくれた豪華な朝食をとり、5時半から知性魔道具達によるシゴキ……じゃなかった。早朝特訓が始まる。そして約1時間後、訓練を終えるとようやく本当の意味で僕の1日は始まる。
◇ ◇ ◇
今日の予定はA級迷宮である、カエサル迷宮の探索だ。
ではここでカエサル迷宮について簡単に説明しよう。
カエサル迷宮。A級迷宮に指定される高ランク迷宮。全88階層からなるこの迷宮には、レベル90~150までの魔物が徘徊している。現在までに発見されている15個のA級迷宮の中で5番目の難易度の迷宮と言われている。
本当に簡単だが、こんな感じの迷宮だ。というか僕もあまり詳しく知らない。何が起こるか分からないので心配でたまりません。とても不安です……。
目の前に巨大な入口が口を開けている。
石を積み上げて造られたような迷宮の入口は、高さ5m、横幅7mくらいの広さがあった。見た感じでは以前脱出したS級迷宮の入口によく似ている。
『いつまでも眺めてないで早く行こ』
僕が入口を眺めていると、レヴィは早く入ろうと急かしてくる。入るタイミングくらい自分で決めさせてもらいたいものだ。
「分かったよ。みんな行くよ」
僕はみんなに声を掛けると早速に中に踏み込んだ。
◇ ◇ ◇
中の様子は外と同じく石造りの廊下が続いている。廊下の広さは入口と同じくらいの広さのまま続いている感じだ。
迷宮特有のうっすらと明かる廊下を歩き進んでいくこと約30分、ようやくセバスさんより第一魔物の報告が入った。
『クラウド様。ここより100mほど先を右の曲がった所に、魔物が1体おります』
おお、いよいよ魔物登場ですか。どんなのだろう? まだ1層だしそんに強いの出てこないよね?
「どんな魔物ですか?」
念の為先に聞いておくことに。
『それは『ちょっと待った―!!』……』
セバスさんが説明しようとするとレヴィが待ったを掛けてきた。
「急にどうしたの?」
『先に知っちゃったら面白くないじゃない! 折角迷宮に来たんだから何が出るか分からないドキドキ感を味合わないと!』
うわっ! レヴィのやつ、何を急に言い出すんだよ。
『それ、面白そうね。わたくしも賛成。何が出るかお楽しみね』
アキーレさんまで……。この流れはダメなやつだ。間違いなく魔物を見るまで秘密ルールが確定路線になりそうな予感。
「あの、危険なので最初のうちは教えて頂きたいのですが……」
『ふむ、レヴィやアキーレの言うようにした方が、確かにクラウド様の為になりそうですね。分かりました。そう致しましよう』
やっぱりセバスさんも確定路線に乗ってしまった。相変わらず僕の意見は無視されるし、最近僕の扱いが酷くなっている気がする。僕がマスターのはずなのに……。
『クラウド様。大丈夫ですよ。魔物と対峙したらちゃんと魔物の名前とレベルは説明致しますから』
名前とレベルだけ?
「あの、特徴とかは?」
せめてそれくらい教えてくれないかな。
「それではクラウド様の訓練になりません。大丈夫です。危険と感じたらそれとなくご説明させていただきます」
それとなくってなんだよ。ちゃんと教えてよ。はぁ、どうせ言っても無駄だから言わないけど。
『じゃあ、話もまとまった事だし、出発だ~!』
レヴィの掛け声に「ハイハイ」と答え早速魔物がいると思われる曲がり角に向かう。ドキドキしながら進むも1分もしないうちの曲がり角の到着。ここまで来ると僕にもなんとなく魔物気配が伝わってくる。
早速慎重に覗きこんでみると……いました。見るからに強そうな魔物が。見た目は完全に熊です。体長は3mくらいだろうか。結構大きい。そして熊には似つかわしくない虎のような柄。すごい目立っている。口に生えている牙も熊のものと言うより虎のそれに近い。見るからに獰猛そうな魔物です。まあ、魔物は基本みんな獰猛ですが……。
『セバスさん。アレはなんですか?』
念の為念話で質問。もう魔物を見たから名前とレベルは教えてくれるはずだ。
『名前タイガー・ベア。レベルは105で御座います。』
名前は見たまんまだね。レベルは105なら正攻法で何とかなりそうだ。ただ迷宮に入って初めての魔物だからもう少し弱いのが希望でした。などと考えていると……。あっ! 気が付かれた!! 完全に虎熊と目が合ってしまった。
そこからの虎熊の反応は早い。いきなりこちらに向けて走り出し襲い掛かってくる。思いのほか速い。
虎熊は突撃の勢いのまま右腕を振り上げ、鋭い爪を僕に向けて振り下ろした。咄嗟に僕はその攻撃を神盾イジスで受け止める。しかし、勢いまでは抑えきれず足を引きずりながら。5mほど吹き飛ばされた。
虎熊は追い打ちを掛けるように再びこちらに向けて突っ込んでくる。そして今度は左腕を振り上げ鋭い爪と共に一気に振り下ろしてきた。僕はそれを紙一重で躱し横をすり抜け、その序でに虎熊の左腕を脇の下から斬り上げ、その腕を斬り落とした。
ウガアアァァァ!!
その痛みからか虎熊は大きく吠え、怒りの意思を込めるように俺を睨んでくる。僕は虎熊と10mほど距離を取り相手の出方を伺う。
うん、状況はまずまずかな。腕を1本失った事で速さも攻撃力も半減したはずだ。ここからは一気に勝負に出た方が良さそうだ。
先ほどは先手を取られたが今度はこちらから攻撃を仕掛ける。
左腕を失い動きが鈍っている虎熊に向かい、雷の槍を撃ち込み一気に僕自身虎熊との間合いを詰める。
虎熊は雷の槍をギリギリで躱したように見える。だが虎熊は体勢崩す。僕は体勢を崩した虎熊に止めを刺すべく斬りかかる。虎熊も何とか反撃しようとするが、どうやら雷の槍が掠っていたらしく感電して上手く動けないようだ。これは好機と全力の一撃を虎熊の脳天に撃ち込んだ。
虎熊は脳天をかち割られ、その場に崩れ落ちる。そしてしばらくすると虎熊の死体は突然淡く光り出し、光の粒となって消えていった。光の粒が消えてなくなると虎熊のいた場所には大きな赤い魔石と、虎柄の毛皮、大きな牙が残されていた。
あれ? 何で死体が消えたんだ? 代わりに魔石や素材が残っているし、なんで?
「セバスさん。なんで死体が消えて魔石や素材が残っているんですか?」
分からない事はセバスさんに確認だ!
『迷宮内で死んだ魔物は、魔物の魔力が凝固した部位だけを残して迷宮に吸収されます。その為死体は残らず、一部の素材だけが残されます』
へぇ、そうなんだ。あっ! そう言えば、S級迷宮でガルムを倒した時、魔物の死体が無いのにセバスさんが素材をドロップしたとか言ってた気がする。という事は、ガルムがメキドソードで消滅したんじゃなくて迷宮に吸収されたって事なのかな? まあ、どちらでもいいか。取りあえず迷宮で倒した魔物は解体しなくていいって分かっただけでも僕としては楽が出来て嬉しい事だ。
さあ、考え事ここまでにしよう。怖い師匠達が早くしろって言いそうだし、そろそろ魔石と素材を拾って次に行きますか。
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ベッドで自分の周りを見ると、いつも通り左側にレヴィが右側にはアキーレさんが、そして足元には子猫化したキーレとアーレが丸まって眠っている。
目を覚ました僕の日課は、まず子猫化しているキーレとアーレを撫でる事から始まる。これが今の僕にとって一番の癒しの時間だ。その後はセバスさんが用意してくれた豪華な朝食をとり、5時半から知性魔道具達によるシゴキ……じゃなかった。早朝特訓が始まる。そして約1時間後、訓練を終えるとようやく本当の意味で僕の1日は始まる。
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今日の予定はA級迷宮である、カエサル迷宮の探索だ。
ではここでカエサル迷宮について簡単に説明しよう。
カエサル迷宮。A級迷宮に指定される高ランク迷宮。全88階層からなるこの迷宮には、レベル90~150までの魔物が徘徊している。現在までに発見されている15個のA級迷宮の中で5番目の難易度の迷宮と言われている。
本当に簡単だが、こんな感じの迷宮だ。というか僕もあまり詳しく知らない。何が起こるか分からないので心配でたまりません。とても不安です……。
目の前に巨大な入口が口を開けている。
石を積み上げて造られたような迷宮の入口は、高さ5m、横幅7mくらいの広さがあった。見た感じでは以前脱出したS級迷宮の入口によく似ている。
『いつまでも眺めてないで早く行こ』
僕が入口を眺めていると、レヴィは早く入ろうと急かしてくる。入るタイミングくらい自分で決めさせてもらいたいものだ。
「分かったよ。みんな行くよ」
僕はみんなに声を掛けると早速に中に踏み込んだ。
◇ ◇ ◇
中の様子は外と同じく石造りの廊下が続いている。廊下の広さは入口と同じくらいの広さのまま続いている感じだ。
迷宮特有のうっすらと明かる廊下を歩き進んでいくこと約30分、ようやくセバスさんより第一魔物の報告が入った。
『クラウド様。ここより100mほど先を右の曲がった所に、魔物が1体おります』
おお、いよいよ魔物登場ですか。どんなのだろう? まだ1層だしそんに強いの出てこないよね?
「どんな魔物ですか?」
念の為先に聞いておくことに。
『それは『ちょっと待った―!!』……』
セバスさんが説明しようとするとレヴィが待ったを掛けてきた。
「急にどうしたの?」
『先に知っちゃったら面白くないじゃない! 折角迷宮に来たんだから何が出るか分からないドキドキ感を味合わないと!』
うわっ! レヴィのやつ、何を急に言い出すんだよ。
『それ、面白そうね。わたくしも賛成。何が出るかお楽しみね』
アキーレさんまで……。この流れはダメなやつだ。間違いなく魔物を見るまで秘密ルールが確定路線になりそうな予感。
「あの、危険なので最初のうちは教えて頂きたいのですが……」
『ふむ、レヴィやアキーレの言うようにした方が、確かにクラウド様の為になりそうですね。分かりました。そう致しましよう』
やっぱりセバスさんも確定路線に乗ってしまった。相変わらず僕の意見は無視されるし、最近僕の扱いが酷くなっている気がする。僕がマスターのはずなのに……。
『クラウド様。大丈夫ですよ。魔物と対峙したらちゃんと魔物の名前とレベルは説明致しますから』
名前とレベルだけ?
「あの、特徴とかは?」
せめてそれくらい教えてくれないかな。
「それではクラウド様の訓練になりません。大丈夫です。危険と感じたらそれとなくご説明させていただきます」
それとなくってなんだよ。ちゃんと教えてよ。はぁ、どうせ言っても無駄だから言わないけど。
『じゃあ、話もまとまった事だし、出発だ~!』
レヴィの掛け声に「ハイハイ」と答え早速魔物がいると思われる曲がり角に向かう。ドキドキしながら進むも1分もしないうちの曲がり角の到着。ここまで来ると僕にもなんとなく魔物気配が伝わってくる。
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『名前タイガー・ベア。レベルは105で御座います。』
名前は見たまんまだね。レベルは105なら正攻法で何とかなりそうだ。ただ迷宮に入って初めての魔物だからもう少し弱いのが希望でした。などと考えていると……。あっ! 気が付かれた!! 完全に虎熊と目が合ってしまった。
そこからの虎熊の反応は早い。いきなりこちらに向けて走り出し襲い掛かってくる。思いのほか速い。
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虎熊は脳天をかち割られ、その場に崩れ落ちる。そしてしばらくすると虎熊の死体は突然淡く光り出し、光の粒となって消えていった。光の粒が消えてなくなると虎熊のいた場所には大きな赤い魔石と、虎柄の毛皮、大きな牙が残されていた。
あれ? 何で死体が消えたんだ? 代わりに魔石や素材が残っているし、なんで?
「セバスさん。なんで死体が消えて魔石や素材が残っているんですか?」
分からない事はセバスさんに確認だ!
『迷宮内で死んだ魔物は、魔物の魔力が凝固した部位だけを残して迷宮に吸収されます。その為死体は残らず、一部の素材だけが残されます』
へぇ、そうなんだ。あっ! そう言えば、S級迷宮でガルムを倒した時、魔物の死体が無いのにセバスさんが素材をドロップしたとか言ってた気がする。という事は、ガルムがメキドソードで消滅したんじゃなくて迷宮に吸収されたって事なのかな? まあ、どちらでもいいか。取りあえず迷宮で倒した魔物は解体しなくていいって分かっただけでも僕としては楽が出来て嬉しい事だ。
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