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最終話 私の大好きな婚約者
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色とりどりの、見事なバラ。
真っ赤な赤、見事白の鮮やかなバラ、柔らかなオレンジやピンクの可憐なバラ。
咲き誇るバラのアーチをくぐると、おとぎの国に迷い込んだかのような気持ちになるほど、たくさんのバラが一面に咲き誇っていた。
……カミルは、私をバラ園に連れてきてくれた。
(初めて、カミルと会った時の……)
そして、かつて「バラ園にもう一度行ってみたい」と言って、断られたあのバラ園だ。
あれから六年。ちょうど六年。今もまた、バラの季節が訪れていた。
「ミリア」
カミルの低い声が私を呼ぶ。
振り向くと、瞳をとろけさせて、微笑み、跪いた。
「ずっと……この日が来たら、君をここに呼ぼうと思っていた」
「カミル……」
「ごめん、ミリアは……ここに来たいって言ってくれてたのに。俺、どうしてもこの日が来るまでは、君を連れてきたくなかった」
カミルの手には、無数のバラの花束があった。
赤、オレンジ、柔らかいピンク。色とりどりのバラだ。ふんわりと透け感のある二色の布で包まれ、サテンのリボンでラッピングされていた。
カミルが、それを私に差し出す。
「今年咲いたバラだよ。俺も世話させてもらっていたんだ。君にあげたかったから」
「カミル……」
花束の向こう側のカミルのヘーゼルアイが、甘やかに私を見つめている。
受け取って、お礼を言いたいのに、私は息が詰まって、何も言えなくなってしまう。
胸の奥から、込み上げてくる気持ちが大きすぎて、めまいがしてしまいそうだった。
「あの日、君を傷つけてしまって、本当にすまなかった。それなのに、俺と、もう一度会いたいと思ってくれて……ありがとう」
ぽつぽつと、カミルが小さな小さな声で言う。
小さいけれど、たしかに私に聞こえる声で。
「君と過ごせた六年間は幸せだった。俺は、君を愛している」
カミルが、まっすぐに。私を見つめて言う。これ以上ないほどにまっすぐ、私だけを見つめて。
「……俺と、結婚してください。ミリア・ロスベルト。一生、あなたを愛し、守り、けして裏切ることはないと誓います」
もう一度、カミルは花束を私に突きつけた。
今度こそ、私はそれをしっかりと受け取り、握り締めた。
「はい……。私も、誓います……!」
カミルの瞳を見つめて、私ははっきりと大きな声を出した。
カミルの目の、鮮やかな虹彩がキラキラ煌めく中、バラの花束を持った私の姿が映り込んでいた。
「……ミリア!」
「きゃっ」
カミルは、私を抱きしめた。
ぎゅう、としっかりと、力強く。
視界の端に、せっかくもらったバラの花束が空高く舞い上がるのが見えた。ああ、どうかグシャッとなりませんように、と祈りながら目で追っていたけれど、無事にきれいに着地していた。
「ミリア、ああ、幸せだ!」
「カミル……」
背の高いカミルが、覆い被さるような形で、私を抱きしめていた。カミルの肩に顔が埋もれてしまって、息が苦しいのに、でも、それがなんだか嬉しかった。
私もカミルの背中を抱きしめ返す。
こんなに、広くて大きな背中だなんて。
知っていたけれど、知らなかった。こんなふうに抱きしめあったことなんて、なかったから。
十四歳頃から成長期を迎えたカミルがどんどん大きく、たくましくなっていったことはわかっていたつもりだった。けれど、こんなに立派な背中になっていただなんて。
ドキドキしてしまう。
「カミル! もう、息が苦しい!」
それにしたって、ぎゅうぎゅうに抱きしめられるから、さすがに苦しい!
ばんばんと背中を叩こうとするけど、うまくいかなくて、私はジタバタとする。
もう、とカミルに抗議するけれど、カミルは喜びに満ちた顔で、全力で笑うばかりだった。
離してくれる気は……なさそうだ。
「俺たち、六年間も一緒にいたのに、こんな風に抱きしめ合うのなんて、初めてなんだぜ! ああ、やっと君をこうして抱きしめていられるようになっただなんて、夢みたいだ!」
「かっ、カミル!」
「ミリア、愛している」
カミルは全ての感情をこのハグにこめているみたいなくらい、情熱的に私を抱きしめ続けた。
カミルに抱きしめられて、あっぷあっぷしながら、私はようやく息継ぎをして、呟いた。
この前も、そうだったけれど。
これだけ好きを爆発させているけど、カミルはそれをしない。
ハグが解禁されたのなら、これは……と。ちょっと。ちょっとだけ。どうなのかしらと、思ったの。
「……あの、あのね、キスはしないの?」
「それは、結婚式のときまでとっておこう」
幸せいっぱいにカミルは言った。
ヘーゼルアイは私を目に映しながら、とろとろに蕩けきっている。
「まだまだ、ミリアとしたいことはいっぱいあるんだ。六年間、一緒にいて、それでもまだやれてないことはたくさんある。急がなくたっていいだろ? これからずっと一緒なんだから」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられていた私をほんの少しだけ解放し、腰を抱きながら、ちょっとだけ身を離して、私の顔を見ながら、カミルはニカッと笑った。
ちょっぴりやんちゃそうなその顔は、私が大好きなお顔だった。
そう、そうよね。その通りだわ!
私はカミルの背を思いっきり抱き締めた。カミルの厚い胸板に頬をひとしきり頬をすりつけたら、パッと顔をあげて、カミルに笑顔を向けた。
「私も、カミルとしたいこと、たくさんある!」
「そうだろ。ああ! ほら、俺たち、幸せだ! ずっと、ずっと!」
キスはもちろんだけど、カミルと一緒にずっと小説のお話をして夜更かしして一緒に寝坊をしたり、毎日同じご飯を食べたり、手を繋いで街を歩いたり、いろんなことがしてみたい。
でも、まずは。
「ねえ、カミル。私、ここのバラ園をあなたと一緒に歩きたい!」
「ああ。もちろんだ。一緒に見よう。俺が、案内するから」
カミルが、私の手を取る。私はそれをぎゅう、と握る。
「カミル、私、あなたのことが大好き。あなたが、私の婚約者でよかった」
「ミリア。俺も、君がそういう女の子で、本当によかった。君を好きになって、よかった」
あの日、見ることが叶わなかったバラ園を、大好きな婚約者と二人。手を繋いで並んで、ゆっくりと歩く。
伯爵令嬢ミリア・ロスベルトは幸せだった。そして、きっと、これからも。
真っ赤な赤、見事白の鮮やかなバラ、柔らかなオレンジやピンクの可憐なバラ。
咲き誇るバラのアーチをくぐると、おとぎの国に迷い込んだかのような気持ちになるほど、たくさんのバラが一面に咲き誇っていた。
……カミルは、私をバラ園に連れてきてくれた。
(初めて、カミルと会った時の……)
そして、かつて「バラ園にもう一度行ってみたい」と言って、断られたあのバラ園だ。
あれから六年。ちょうど六年。今もまた、バラの季節が訪れていた。
「ミリア」
カミルの低い声が私を呼ぶ。
振り向くと、瞳をとろけさせて、微笑み、跪いた。
「ずっと……この日が来たら、君をここに呼ぼうと思っていた」
「カミル……」
「ごめん、ミリアは……ここに来たいって言ってくれてたのに。俺、どうしてもこの日が来るまでは、君を連れてきたくなかった」
カミルの手には、無数のバラの花束があった。
赤、オレンジ、柔らかいピンク。色とりどりのバラだ。ふんわりと透け感のある二色の布で包まれ、サテンのリボンでラッピングされていた。
カミルが、それを私に差し出す。
「今年咲いたバラだよ。俺も世話させてもらっていたんだ。君にあげたかったから」
「カミル……」
花束の向こう側のカミルのヘーゼルアイが、甘やかに私を見つめている。
受け取って、お礼を言いたいのに、私は息が詰まって、何も言えなくなってしまう。
胸の奥から、込み上げてくる気持ちが大きすぎて、めまいがしてしまいそうだった。
「あの日、君を傷つけてしまって、本当にすまなかった。それなのに、俺と、もう一度会いたいと思ってくれて……ありがとう」
ぽつぽつと、カミルが小さな小さな声で言う。
小さいけれど、たしかに私に聞こえる声で。
「君と過ごせた六年間は幸せだった。俺は、君を愛している」
カミルが、まっすぐに。私を見つめて言う。これ以上ないほどにまっすぐ、私だけを見つめて。
「……俺と、結婚してください。ミリア・ロスベルト。一生、あなたを愛し、守り、けして裏切ることはないと誓います」
もう一度、カミルは花束を私に突きつけた。
今度こそ、私はそれをしっかりと受け取り、握り締めた。
「はい……。私も、誓います……!」
カミルの瞳を見つめて、私ははっきりと大きな声を出した。
カミルの目の、鮮やかな虹彩がキラキラ煌めく中、バラの花束を持った私の姿が映り込んでいた。
「……ミリア!」
「きゃっ」
カミルは、私を抱きしめた。
ぎゅう、としっかりと、力強く。
視界の端に、せっかくもらったバラの花束が空高く舞い上がるのが見えた。ああ、どうかグシャッとなりませんように、と祈りながら目で追っていたけれど、無事にきれいに着地していた。
「ミリア、ああ、幸せだ!」
「カミル……」
背の高いカミルが、覆い被さるような形で、私を抱きしめていた。カミルの肩に顔が埋もれてしまって、息が苦しいのに、でも、それがなんだか嬉しかった。
私もカミルの背中を抱きしめ返す。
こんなに、広くて大きな背中だなんて。
知っていたけれど、知らなかった。こんなふうに抱きしめあったことなんて、なかったから。
十四歳頃から成長期を迎えたカミルがどんどん大きく、たくましくなっていったことはわかっていたつもりだった。けれど、こんなに立派な背中になっていただなんて。
ドキドキしてしまう。
「カミル! もう、息が苦しい!」
それにしたって、ぎゅうぎゅうに抱きしめられるから、さすがに苦しい!
ばんばんと背中を叩こうとするけど、うまくいかなくて、私はジタバタとする。
もう、とカミルに抗議するけれど、カミルは喜びに満ちた顔で、全力で笑うばかりだった。
離してくれる気は……なさそうだ。
「俺たち、六年間も一緒にいたのに、こんな風に抱きしめ合うのなんて、初めてなんだぜ! ああ、やっと君をこうして抱きしめていられるようになっただなんて、夢みたいだ!」
「かっ、カミル!」
「ミリア、愛している」
カミルは全ての感情をこのハグにこめているみたいなくらい、情熱的に私を抱きしめ続けた。
カミルに抱きしめられて、あっぷあっぷしながら、私はようやく息継ぎをして、呟いた。
この前も、そうだったけれど。
これだけ好きを爆発させているけど、カミルはそれをしない。
ハグが解禁されたのなら、これは……と。ちょっと。ちょっとだけ。どうなのかしらと、思ったの。
「……あの、あのね、キスはしないの?」
「それは、結婚式のときまでとっておこう」
幸せいっぱいにカミルは言った。
ヘーゼルアイは私を目に映しながら、とろとろに蕩けきっている。
「まだまだ、ミリアとしたいことはいっぱいあるんだ。六年間、一緒にいて、それでもまだやれてないことはたくさんある。急がなくたっていいだろ? これからずっと一緒なんだから」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられていた私をほんの少しだけ解放し、腰を抱きながら、ちょっとだけ身を離して、私の顔を見ながら、カミルはニカッと笑った。
ちょっぴりやんちゃそうなその顔は、私が大好きなお顔だった。
そう、そうよね。その通りだわ!
私はカミルの背を思いっきり抱き締めた。カミルの厚い胸板に頬をひとしきり頬をすりつけたら、パッと顔をあげて、カミルに笑顔を向けた。
「私も、カミルとしたいこと、たくさんある!」
「そうだろ。ああ! ほら、俺たち、幸せだ! ずっと、ずっと!」
キスはもちろんだけど、カミルと一緒にずっと小説のお話をして夜更かしして一緒に寝坊をしたり、毎日同じご飯を食べたり、手を繋いで街を歩いたり、いろんなことがしてみたい。
でも、まずは。
「ねえ、カミル。私、ここのバラ園をあなたと一緒に歩きたい!」
「ああ。もちろんだ。一緒に見よう。俺が、案内するから」
カミルが、私の手を取る。私はそれをぎゅう、と握る。
「カミル、私、あなたのことが大好き。あなたが、私の婚約者でよかった」
「ミリア。俺も、君がそういう女の子で、本当によかった。君を好きになって、よかった」
あの日、見ることが叶わなかったバラ園を、大好きな婚約者と二人。手を繋いで並んで、ゆっくりと歩く。
伯爵令嬢ミリア・ロスベルトは幸せだった。そして、きっと、これからも。
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