14 / 33
14話 人類の叡智、万歳!
しおりを挟む
ディグレスさんが屋敷に戻ってきたその翌日。
目つきは悪いけど笑うと意外にかわいいディグレスさんは、魔王さまを敬愛しているようだった。
一応従僕らしいイージスがあんな態度なだけに、本来そうであるべきなんだけど、ディグレスさんの恭しさが新鮮に感じてしまう。
「ディグレスさんの眼鏡って、ホンモノなんですか?」
「可笑しなことを聞きますね。眼鏡とは常に、ホンモノであるべきでしょう」
「いやあ……魔族も目が悪くなったりするんだな、と」
「そうですね、本来であれば必要のないものです。我々の文化では生まれ得なかったものですね」
クイ、とディグレスさんは人差し指で眼鏡をあげる。
「私の魔族としての異能は過去未来現在を覗ける千里眼。しかし、魔力を失った私の視力は凄まじく常人以下。この叡智無くしては私は何も見えないのです」
「ええっ、そうなんですか?」
サラッと言ってたけど、『千里眼』……。過去未来現在を覗ける、ってすごいな。イージスの凄まじい身体能力もシンプルにすごいけど、『千里眼』なんて、反則的すぎる。……コレは確かに、人間は魔族を脅威に感じてもしょうがない。
ディグレスさんは、魔力のおかげでものすごい目が良い特異体質だったけど、魔力がなくなったから目が悪くなってしまった、ということか。
……もしかして、目つきが悪いのは、目が悪いから……?
「この、眼鏡というのは素晴らしい。コレがなくては私は自分の身の回りのことすらままならぬことでしょう。しかし、コレさえあれば、私の失われた視力を補うことができるのです。この世にこれ以上に素晴らしい発明が、あるでしょうか?」
金色の眼を輝かせて、ディグレスさんはうっとりと語る。
「……まさに人類の叡智! 素晴らしい!」
ディグレスさんは天を仰ぎながら、バッと両手を広げた。
見た目のクールさに反して、わりとディグレスさんはオーバーリアクションの人らしい。
一緒に働く人が楽しい人でよかったなあ、と私はホッとする。最初、目が怖かったけど……真面目だし、優しそうだし、楽しいし、良い人でよかった。
「ディグレスさんは、あの壁の中……あの国に滞在されていたんですよね? 何度も行かれているとか……」
「ええ、学ぶべきことが多くて」
「あの、今度また行かれるときに、お願いしたいことがあるんです。わたしは国外追放されてしまったんですが、あの国には病気の両親を置いてきていて……治療費や生活費の仕送りをしたいんです」
「それは……なんというべきでしょう。ええ、もちろん構いませんよ」
「ありがとうございます!」
快諾してくれたディグレスさんにお礼を言う。眼鏡の向こう側でディグレスさんはニコリと笑った。
「メリアさんは聖女としてお勤めのところ、ニセモノと糾弾を受けて国外に放り出されてしまったとか……」
「そうなんです。それで、草原でイージスと出会って、魔王さまのところに連れてきていただいて……」
「そうだったのですね。あなたとご縁が結べたことを、何に感謝すべきでしょうか……。ひとまず、イージスに礼でも言っておきましょうか」
「そんな、わたし、全然みなさんのために働けていなくて」
唯一オーダーされているのは魔王さまのモーニングコールのみ。他は好きなように自由気ままに日々を送ってしまっている。なんとなく、毎日掃除したり、魔王さまにお茶を淹れたりはしているけれど、細々なことをやっているだけだ。
「いえいえ、あなたがここにいる。それだけで我々には大変喜ばしいことなのです」
「……そ、そうだといいんですが……」
やたらと大仰に言われて萎縮する。ディグレスさんが、オーバーな人だからかしら?
「ご両親のことも心配でしょう。そう日を置かないうちにあの国へ向かいます。ただ……魔王様と打ち合わせしたいこともありますので、少しお待ちいただいても?」
「はい! もちろんです、ありがとうございます!」
ディグレスさんは良い人だ。ホッとわたしは胸を撫で下ろす。
両親のことは本当に心配でならないけど、私が追放されてからも悪いようには……なっていないはず。頼んだわよ、パーシー、オルソン、リカルド。信じているからね。
「ところで、メリアさん。魔王さまにはどのようにお仕えしているので?」
「あっ、ううん。具体的にどんな仕事をしているかと聞かれると難しいんですが……。魔王さまからは毎日のモーニングコールをお願いされていまして……きっと、魔王さまは侍女としての働きを求められているのだろうと考えていますが……」
「……なるほど」
ディグレスさんは眼鏡の縁をクイっとあげた。
「失礼ながら、メリアさんは仕事着などはお持ちではないのですか?」
「あ、はい。ええと、この服以外にも、お屋敷に置かれていたお洋服、お借りしてはいるんですけど、特に決まった仕事着は……」
ちなみに、今着ているこの服は、聖女として勤めていた時の服である。厚手のこの服はとにかく着心地がよくて動きやすい。しかも、白い生地であるのに汚れても拭えばすぐに汚れが落ちるスグレモノである。魔物の返り血をいくら浴びても大丈夫なのだ。
イージスが保証した衣食住の『衣』だが、正直、わたしはあまりこの『衣』は重要視していなかった。適度に清潔が保てる程度に洗い換えの服が数着あればいい、というのがわたしの『衣』に対する感覚だった。
だから、基本的には追放されたその日に来ていた国支給の聖女服を着て、洗っているときは屋敷に置いてあった適当な服を着ていた。それで特に不満も支障もなかった。キャンプを含む外仕事の多い聖女の仕事着は、着心地がよく、丈夫な材質でできていた。この服を着ていても、魔王さまもイージスも特にツッコむことはなかったし。
「装いというのは、大事ですよ。私も、人間の街に赴くときには外見には気を遣っております。衣服もまた、人類の叡智のひとつですね」
「は、はい」
心なしか、ディグレスさんの語気に気合いが入っていた。距離も、さっき話していたときよりも一歩二歩、三歩くらい近い気が。
「ご迷惑でなければ、コーディネイトのご提案をさせていただいても?」
「……はあ……」
圧に押されてちょっと戸惑ってしまったけど、わたしはひとまず頷いた。
すると、ディグレスさんはぱあっと顔を輝かせる。
(……ディグレスさん、そういうの好きなのかな……)
お願い事をしている身であるし、仕事に適した服装を見繕ってもらうのであればありがたい提案ではある。
「では、私の衣装部屋へご案内いたします。ああ、もちろん、お洋服は女性用のものを提案させていただきますので」
ディグレスさんのウキウキとした背中についていく。……ディグレスさんの衣装部屋なのに、女性ものの服も置いてあるんだ? とちょっと引っかかったけど、あれほど眼鏡を人間の叡智を賛美していた人だから、人間の文化の蒐集として男女問わずいろんな服を集めていてもおかしくはないかもしれない。
「さあ、ここですよ。どうぞ、中にお入りください」
ディグレスさんに促されて部屋の中に入る。おそらく、虫除けのために置いているハーブの香りがした。中にはたくさんの衣装がズラリと並び、部屋の奥に姿見も置かれていた。
「メリアさんにおすすめしたい服は……コレですね」
「これは……」
たくさんの衣装のうちから、ディグレスさんが選びだした一着。黒いワンピースに、フリルエプロン、おまけに真っ白なキャップ。どこかで見覚えのあるそれは。
「侍女の、お仕着せ?」
「これを着れば、魔王様の満足度アップも間違いなしです!」
「ええっ?」
満足度アップ!? ディグレスさんは戸惑うわたしを衣装部屋に閉じ込めて、部屋を出て行ってしまった。
もしかしてもなく、「着替えなさい」ということだろう。
……まあ、別に変な服でもないからいいか。魔王さまが、侍女的な役割を求めている……なら、着ていてもおかしくない服だし。
黒いワンピースに肩周りにフリルがついた清潔感のある白いエプロンを身につける。髪の毛を一つにまとめて、キャップもつけた。どこからどう見ても、立派なメイドさんだ。
タイミングを図ったかのように、ドアがノックされる。開けると、ディグレスさんがうんうんと頷いて手を叩いた。
「マーベラス。完璧です」
「……別に、ただのお仕着せですよ?」
「だから良いのです。メイドの仕事着……このシンプルさが破壊力を生み出すのです」
「はあ……」
よくわからないけど……でも、仕事着だけあって、この服も動きやすくて良い感じだ。聖女の服を洗っているときは、屋敷の中にいる時はこの服を着ていてもいいかもしれない。
自分の着こなしを確認しようと、くるり、と軽く回るとスカートがふわりと舞った。
「……その仕草、ぜひ魔王様の前でも披露してさしあげてください」
「は、はあ……」
……意味もなく、くるりと回るって結構ハードル高くない?
とりあえず、脱いだ服は自分の部屋に置いて……。ディグレスさんのおすすめで、わたしは今日一日このお仕着せで過ごすことになった。
ちなみに、魔王さまの反応は。
「………………」
静止、および長い長い沈黙。だった。
…………ハズしたかな……。
目つきは悪いけど笑うと意外にかわいいディグレスさんは、魔王さまを敬愛しているようだった。
一応従僕らしいイージスがあんな態度なだけに、本来そうであるべきなんだけど、ディグレスさんの恭しさが新鮮に感じてしまう。
「ディグレスさんの眼鏡って、ホンモノなんですか?」
「可笑しなことを聞きますね。眼鏡とは常に、ホンモノであるべきでしょう」
「いやあ……魔族も目が悪くなったりするんだな、と」
「そうですね、本来であれば必要のないものです。我々の文化では生まれ得なかったものですね」
クイ、とディグレスさんは人差し指で眼鏡をあげる。
「私の魔族としての異能は過去未来現在を覗ける千里眼。しかし、魔力を失った私の視力は凄まじく常人以下。この叡智無くしては私は何も見えないのです」
「ええっ、そうなんですか?」
サラッと言ってたけど、『千里眼』……。過去未来現在を覗ける、ってすごいな。イージスの凄まじい身体能力もシンプルにすごいけど、『千里眼』なんて、反則的すぎる。……コレは確かに、人間は魔族を脅威に感じてもしょうがない。
ディグレスさんは、魔力のおかげでものすごい目が良い特異体質だったけど、魔力がなくなったから目が悪くなってしまった、ということか。
……もしかして、目つきが悪いのは、目が悪いから……?
「この、眼鏡というのは素晴らしい。コレがなくては私は自分の身の回りのことすらままならぬことでしょう。しかし、コレさえあれば、私の失われた視力を補うことができるのです。この世にこれ以上に素晴らしい発明が、あるでしょうか?」
金色の眼を輝かせて、ディグレスさんはうっとりと語る。
「……まさに人類の叡智! 素晴らしい!」
ディグレスさんは天を仰ぎながら、バッと両手を広げた。
見た目のクールさに反して、わりとディグレスさんはオーバーリアクションの人らしい。
一緒に働く人が楽しい人でよかったなあ、と私はホッとする。最初、目が怖かったけど……真面目だし、優しそうだし、楽しいし、良い人でよかった。
「ディグレスさんは、あの壁の中……あの国に滞在されていたんですよね? 何度も行かれているとか……」
「ええ、学ぶべきことが多くて」
「あの、今度また行かれるときに、お願いしたいことがあるんです。わたしは国外追放されてしまったんですが、あの国には病気の両親を置いてきていて……治療費や生活費の仕送りをしたいんです」
「それは……なんというべきでしょう。ええ、もちろん構いませんよ」
「ありがとうございます!」
快諾してくれたディグレスさんにお礼を言う。眼鏡の向こう側でディグレスさんはニコリと笑った。
「メリアさんは聖女としてお勤めのところ、ニセモノと糾弾を受けて国外に放り出されてしまったとか……」
「そうなんです。それで、草原でイージスと出会って、魔王さまのところに連れてきていただいて……」
「そうだったのですね。あなたとご縁が結べたことを、何に感謝すべきでしょうか……。ひとまず、イージスに礼でも言っておきましょうか」
「そんな、わたし、全然みなさんのために働けていなくて」
唯一オーダーされているのは魔王さまのモーニングコールのみ。他は好きなように自由気ままに日々を送ってしまっている。なんとなく、毎日掃除したり、魔王さまにお茶を淹れたりはしているけれど、細々なことをやっているだけだ。
「いえいえ、あなたがここにいる。それだけで我々には大変喜ばしいことなのです」
「……そ、そうだといいんですが……」
やたらと大仰に言われて萎縮する。ディグレスさんが、オーバーな人だからかしら?
「ご両親のことも心配でしょう。そう日を置かないうちにあの国へ向かいます。ただ……魔王様と打ち合わせしたいこともありますので、少しお待ちいただいても?」
「はい! もちろんです、ありがとうございます!」
ディグレスさんは良い人だ。ホッとわたしは胸を撫で下ろす。
両親のことは本当に心配でならないけど、私が追放されてからも悪いようには……なっていないはず。頼んだわよ、パーシー、オルソン、リカルド。信じているからね。
「ところで、メリアさん。魔王さまにはどのようにお仕えしているので?」
「あっ、ううん。具体的にどんな仕事をしているかと聞かれると難しいんですが……。魔王さまからは毎日のモーニングコールをお願いされていまして……きっと、魔王さまは侍女としての働きを求められているのだろうと考えていますが……」
「……なるほど」
ディグレスさんは眼鏡の縁をクイっとあげた。
「失礼ながら、メリアさんは仕事着などはお持ちではないのですか?」
「あ、はい。ええと、この服以外にも、お屋敷に置かれていたお洋服、お借りしてはいるんですけど、特に決まった仕事着は……」
ちなみに、今着ているこの服は、聖女として勤めていた時の服である。厚手のこの服はとにかく着心地がよくて動きやすい。しかも、白い生地であるのに汚れても拭えばすぐに汚れが落ちるスグレモノである。魔物の返り血をいくら浴びても大丈夫なのだ。
イージスが保証した衣食住の『衣』だが、正直、わたしはあまりこの『衣』は重要視していなかった。適度に清潔が保てる程度に洗い換えの服が数着あればいい、というのがわたしの『衣』に対する感覚だった。
だから、基本的には追放されたその日に来ていた国支給の聖女服を着て、洗っているときは屋敷に置いてあった適当な服を着ていた。それで特に不満も支障もなかった。キャンプを含む外仕事の多い聖女の仕事着は、着心地がよく、丈夫な材質でできていた。この服を着ていても、魔王さまもイージスも特にツッコむことはなかったし。
「装いというのは、大事ですよ。私も、人間の街に赴くときには外見には気を遣っております。衣服もまた、人類の叡智のひとつですね」
「は、はい」
心なしか、ディグレスさんの語気に気合いが入っていた。距離も、さっき話していたときよりも一歩二歩、三歩くらい近い気が。
「ご迷惑でなければ、コーディネイトのご提案をさせていただいても?」
「……はあ……」
圧に押されてちょっと戸惑ってしまったけど、わたしはひとまず頷いた。
すると、ディグレスさんはぱあっと顔を輝かせる。
(……ディグレスさん、そういうの好きなのかな……)
お願い事をしている身であるし、仕事に適した服装を見繕ってもらうのであればありがたい提案ではある。
「では、私の衣装部屋へご案内いたします。ああ、もちろん、お洋服は女性用のものを提案させていただきますので」
ディグレスさんのウキウキとした背中についていく。……ディグレスさんの衣装部屋なのに、女性ものの服も置いてあるんだ? とちょっと引っかかったけど、あれほど眼鏡を人間の叡智を賛美していた人だから、人間の文化の蒐集として男女問わずいろんな服を集めていてもおかしくはないかもしれない。
「さあ、ここですよ。どうぞ、中にお入りください」
ディグレスさんに促されて部屋の中に入る。おそらく、虫除けのために置いているハーブの香りがした。中にはたくさんの衣装がズラリと並び、部屋の奥に姿見も置かれていた。
「メリアさんにおすすめしたい服は……コレですね」
「これは……」
たくさんの衣装のうちから、ディグレスさんが選びだした一着。黒いワンピースに、フリルエプロン、おまけに真っ白なキャップ。どこかで見覚えのあるそれは。
「侍女の、お仕着せ?」
「これを着れば、魔王様の満足度アップも間違いなしです!」
「ええっ?」
満足度アップ!? ディグレスさんは戸惑うわたしを衣装部屋に閉じ込めて、部屋を出て行ってしまった。
もしかしてもなく、「着替えなさい」ということだろう。
……まあ、別に変な服でもないからいいか。魔王さまが、侍女的な役割を求めている……なら、着ていてもおかしくない服だし。
黒いワンピースに肩周りにフリルがついた清潔感のある白いエプロンを身につける。髪の毛を一つにまとめて、キャップもつけた。どこからどう見ても、立派なメイドさんだ。
タイミングを図ったかのように、ドアがノックされる。開けると、ディグレスさんがうんうんと頷いて手を叩いた。
「マーベラス。完璧です」
「……別に、ただのお仕着せですよ?」
「だから良いのです。メイドの仕事着……このシンプルさが破壊力を生み出すのです」
「はあ……」
よくわからないけど……でも、仕事着だけあって、この服も動きやすくて良い感じだ。聖女の服を洗っているときは、屋敷の中にいる時はこの服を着ていてもいいかもしれない。
自分の着こなしを確認しようと、くるり、と軽く回るとスカートがふわりと舞った。
「……その仕草、ぜひ魔王様の前でも披露してさしあげてください」
「は、はあ……」
……意味もなく、くるりと回るって結構ハードル高くない?
とりあえず、脱いだ服は自分の部屋に置いて……。ディグレスさんのおすすめで、わたしは今日一日このお仕着せで過ごすことになった。
ちなみに、魔王さまの反応は。
「………………」
静止、および長い長い沈黙。だった。
…………ハズしたかな……。
0
お気に入りに追加
1,431
あなたにおすすめの小説
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
聖女の私は妹に裏切られ、国を追放することになりましたがあなたは聖女の力を持っていないですよ?〜国を追放され、劣悪な環境の国に来た聖女の物語〜
らん
恋愛
アデリーナ・ハートフィールドはシライアという国で聖女をしていた。
ある日のこと、アデリーナは婚約者であり、この国の最高権力者ローラン・ベイヤー公爵に呼び出される。その場には妹であるグロウィンの姿もあった。
「お前に代わってグロウィンがこの国の聖女となることになった」
公爵はそう言う。アデリーナにとってそれは衝撃的なことであった。グロウィンは聖女の力を持っていないことを彼女は知っているし、その力が後天性のものではなく、先天性のものであることも知っている。しかし、彼に逆らうことも出来ずに彼女はこの国から追放された。
彼女が行かされたのは、貧困で生活が苦しい国のデラートであった。
突然の裏切りに彼女はどうにかなってしまいそうだったが、ここでただ死ぬのを待つわけにもいかずに彼女はこの地で『何でも屋』として暮らすことになった。
『何でも屋』を始めてから何日か経ったある日、彼女は平和に過ごせるようになっていたが、その生活も突然の終わりを迎える。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
馬鹿王子にはもう我慢できません! 婚約破棄される前にこちらから婚約破棄を突きつけます
白桃
恋愛
子爵令嬢のメアリーの元に届けられた婚約者の第三王子ポールからの手紙。
そこには毎回毎回勝手に遊び回って自分一人が楽しんでいる報告と、メアリーを馬鹿にするような言葉が書きつられていた。
最初こそ我慢していた聖女のように優しいと誰もが口にする令嬢メアリーだったが、その堪忍袋の緒が遂に切れ、彼女は叫ぶのだった。
『あの馬鹿王子にこちらから婚約破棄を突きつけてさしあげますわ!!!』
【完結】婚約破棄された聖女はもう祈れない 〜妹こそ聖女に相応しいと追放された私は隣国の王太子に拾われる
冬月光輝
恋愛
聖女リルア・サウシールは聖地を領地として代々守っている公爵家の嫡男ミゲルと婚約していた。
リルアは教会で神具を用いて祈りを捧げ結界を張っていたのだが、ある日神具がミゲルによって破壊されてしまう。
ミゲルに策謀に嵌り神具を破壊した罪をなすりつけられたリルアは婚約破棄され、隣国の山中に追放処分を受けた。
ミゲルはずっとリルアの妹であるマリアを愛しており、思惑通りマリアが新たな聖女となったが……、結界は破壊されたままで獰猛になった魔物たちは遠慮なく聖地を荒らすようになってしまった。
一方、祈ることが出来なくなった聖女リルアは結界の維持に使っていた魔力の負担が無くなり、規格外の魔力を有するようになる。
「リルア殿には神子クラスの魔力がある。ぜひ、我が国の宮廷魔道士として腕を振るってくれないか」
偶然、彼女の力を目の当たりにした隣国の王太子サイラスはリルアを自らの国の王宮に招き、彼女は新たな人生を歩むことになった。
【完結】婚約破棄された悪役令嬢は、元婚約者と略奪聖女をお似合いだと応援する事にした
藍生蕗
恋愛
公爵令嬢のリリーシアは王太子の婚約者の立場を危ぶまれていた。
というのも国の伝承の聖女の出現による。
伝説の生物ユニコーンを従えた彼女は王宮に召し上げられ、国宝の扱いを受けるようになる。
やがて近くなる王太子との距離を次第に周囲は応援しだした。
けれど幼い頃から未来の王妃として育てられたリリーシアは今の状況を受け入れられず、どんどん立場を悪くする。
そして、もしユニコーンに受け入れられれば、自分も聖女になれるかもしれないとリリーシアは思い立つ。けれど待っていたのは婚約者からの断罪と投獄の指示だった。
……どうして私がこんな目に?
国の為の今迄の努力を軽く見られた挙句の一方的な断罪劇に、リリーシアはようやく婚約者を身限って──
※ 本編は4万字くらいです
※ 暴力的な表現が含まれますので、苦手な方はご注意下さい
冷遇された王女は隣国で力を発揮する
高瀬ゆみ
恋愛
セシリアは王女でありながら離宮に隔離されている。
父以外の家族にはいないものとして扱われ、唯一顔を見せる妹には好き放題言われて馬鹿にされている。
そんな中、公爵家の子息から求婚され、幸せになれると思ったのも束の間――それを知った妹に相手を奪われてしまう。
今までの鬱憤が爆発したセシリアは、自国での幸せを諦めて、凶帝と恐れられる隣国の皇帝に嫁ぐことを決意する。
自分に正直に生きることを決めたセシリアは、思いがけず隣国で才能が開花する。
一方、セシリアがいなくなった国では様々な異変が起こり始めて……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる