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11.悪役令息として彼を盛り立てなければならないようです
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魔法実技の合同演習で疑似魔獣が暴れたことを受けて、王都近郊で行われる実地演習は延期となった。合同演習が途中で終わってしまったので、校内での戦闘演習をできていない生徒がいることが表向きの理由だ。
本当の事情は、最近の魔獣の凶暴化を考慮に入れながら生徒を安全に演習させるためには、騎士団や魔法騎士団の協力体制を強固なものにする必要があるからだと思われる。
疑似魔獣の凶暴化の原因については、まだ調査中だ。したがって、校内での戦闘演習を再度行うことも延期になっている。
僕は、生徒会長の補佐といっても、様々な雑用もこなさなければならない。
今日は、ラインハルト様が公務で王宮に帰ってしまわれたので、皆で書類の確認をしていた。そして、不備があった魔法戦闘部の予算要求書の再提出を求めるために、フローリアン様とともに演習塔へ足を運ぶ。
魔法戦闘部とは不穏な名前のように感じるが、顧問のフィンク先生の趣味で命名されたらしい。それだけでも、フィンク先生の性格をうかがい知ることができるような気がするのは僕だけであろうか。
「だーかーらー! 早く実地演習しないと、僕が神子として本格的に目覚めらんないから早くしてって言ってるのー!」
僕たちが演習教員控室の前に差し掛かかったところで、甲高い叫び声が聞こえてきた。
シモンの声だ。
「いや、全員が校内演習を終えてないといけねえし。王都の外に行くんだから、演習する場所の安全が確認できなきゃできねえだろ。
だいたいお前は神子じゃねえだろうが。
それに、殿下と同じチームにしてくれって、そんなの無理に決まってんだろうが」
「なんでだよー。神子の僕がラインハルトを守護するんだから、学校にとっても良い話だろー?」
「おい、殿下の名前を口にすんな。呼び捨てにすんな。そんで、お前は神子じゃねえだろう。神子の定義を勘違いしてたくせに何言ってんだ。魔獣と話せるとかたわごと言いやがって。
危うく死ぬとこだったわ」
「だから、今度こそ実地演習で覚醒するんだって!」
「いや、お前の夢の話はいいから」
「夢じゃないってばー!」
シモンは、フィンク先生と話をしているようだ。話をしているというよりも、シモンが一方的に希望を訴えているだけか。
シモンの合同演習でのふるまいは、初めて魔獣に対したことで錯乱していたのだろうと判断されて寛大な措置を与えられているのに、フィンク先生に直談判するとは大した度胸だ。しかもあの時は、フィンク先生もけがをしたかもしれない状況であったし。
それもシモンが物語の主人公だから、都合の良い補正がかかっているのかもしれない。
僕は、シモンが校内の合同演習で神子として覚醒すると記憶していたのだが、校外の演習で覚醒するのだろうか? しかし、合同演習の時に自分が神子だからと言っていたし、どちらなのだろうか。
もしかしたら、僕が悪役令息としての役割をうまく果たせていないのか……?
「ラファエル様、レヒナー男爵令息ですね……」
「どうやら、フィンク先生に無茶を言っているようですね」
「自分のことを、ラインハルト殿下の守護をする神子だなどと、何を考えていらっしゃるのでしょうか?」
フローリアン様が、珍しく憤慨したような風情でお話になる。
自分が神子でラインハルト様を守護するというなんて、シモンの話は荒唐無稽だ。僕も前世の記憶がなければ、夢と現実の区別がつかない危険人物だと判断するだろう。シモンは、口が軽いし、判断力も甘い気がする。
僕が悪役令息として、彼を盛り立ててやらねばならないのかもしれない。
ラインハルト様の幸せのために。
「フローリアン様、あのような妄想にお付き合いするのはやめて、仕事をすませてしまいましょう」
「ああ、そうですね。ラファエル様のおっしゃるとおり、相手にしないようにしましょう」
興味深い話題ではあるが、このままでは、僕たちが盗み聞きしている状態になってしまう。僕の言葉に頷いたフローリアン様は、演習教員控室の扉をノックした。
「失礼いたします。フィンク先生、フォン・グートシュタインです」
「失礼いたします。フォン・メービウスです」
「おう、入れ」
「ひっ! ラファエルっ」
フローリアン様が主にお話をされることになっているため、先に立っていただき、その後ろから僕が入室する。すると、僕の顔を見たシモンがエメラルドの瞳を見開き、叫び声を上げた。
僕は名乗って入室しているのだが。なぜそんなに驚くのだろうか。
いや、ここは悪役令息としてのふるまいを忘れてはいけないところだ。
僕は氷の貴公子の名に恥じない冷たい一瞥をシモンに向けてから、フィンク先生に向き直る。
「で、何の用だ?」
「フィンク先生が顧問をされている魔法戦闘部の……」
「ラファエル! お前、僕の邪魔をしに来たんだな!」
フローリアン様が話し始めたところで、いきなりシモンが僕に話しかけてきた。叫んでいるようにしか聞こえないが、おそらく彼の通常の話し方はこれなのだろう。
言いがかりをつけているという表現の方が、合っている気もするが。
「いえ、僕たちはフィンク先生にお話があってこちらへ伺いました。お邪魔でしたら出直しますが……。
それから、レヒナー男爵令息、僕はあなたに名前を呼ぶ許可をしていません」
「いや、邪魔をしてんのはレヒナーだ。お前、帰れ」
「どうしてそんなに意地悪をするのっ! ラファエル、ひどいっ!
うわああああああああん!」
僕は、フィンク先生に話があると言っただけで彼には具体的な意地悪はしていない。僕の名前を呼ばないようにというのは、この世界では常識の範囲内だ。そして、出て行けとおっしゃったのはフィンク先生である。
それなのにシモンは、僕に意地悪をされたと叫びながら控室を飛び出して行った。
なるほど、こんなふうに悪役令息というものは作られていくのか。僕は冷たい一瞥をシモンに向けたけど、あとは特に意地悪はしていないと思うのだけれども。
どうやら、悪役令息として、具体的な意地悪をする必要はないらしい。
よし、この調子だ。
それにしても、あの反射神経の良さも、シモンの魅力なのだろうが、もう少し落ち着きがある態度をとれるようになってくれなければ、王子の伴侶になるのが難しくなってしまうのではなかろうか。
「メービウス、なんか、すまんな」
「いえ、フィンク先生はお気になさらずに。レヒナー男爵令息は、天真爛漫でいらっしゃいますね」
「えええ、ラファエル様、それは違うと思われますが……」
「メービウス、あれは、天真爛漫とは言わねえだろう。お前、善人過ぎねえか?」
「そうでしょうか? それより、会計書類の件ですが」
「メービウス、これは、俺が見なきゃいけないのか?」
「先生……これにサインをされてますよね……」
「グートシュタイン、その不審者を見る目はやめろ」
本来であれば、予算請求書は魔法戦闘部の部長に持ってくるべき書類であるのだが、すでに二度にわたって訂正を求めているにもかかわらず、いまだ整わないため顧問のフィンク先生のもとに持ってくることになったのである。
「加減乗除が、全くできていらっしゃいませんので」
「フィンク先生、やり直しは部長がされるのだとしても、検算してからの提出をお願いしたいのです」
「くっそー」
「フィンク先生、乱暴な言葉遣いはお控えくださいますように」
僕たちは、フィンク先生の計算が苦手だという泣き言を聞き流して、部屋を出て行った。
シモンが神子として覚醒しなければ、物語は展開しないだろう。しかし、現状では魔獣と対峙することは難しいと思われる。
こればかりは、運命に、物語の流れに委ねるしかないのだろう。
本当の事情は、最近の魔獣の凶暴化を考慮に入れながら生徒を安全に演習させるためには、騎士団や魔法騎士団の協力体制を強固なものにする必要があるからだと思われる。
疑似魔獣の凶暴化の原因については、まだ調査中だ。したがって、校内での戦闘演習を再度行うことも延期になっている。
僕は、生徒会長の補佐といっても、様々な雑用もこなさなければならない。
今日は、ラインハルト様が公務で王宮に帰ってしまわれたので、皆で書類の確認をしていた。そして、不備があった魔法戦闘部の予算要求書の再提出を求めるために、フローリアン様とともに演習塔へ足を運ぶ。
魔法戦闘部とは不穏な名前のように感じるが、顧問のフィンク先生の趣味で命名されたらしい。それだけでも、フィンク先生の性格をうかがい知ることができるような気がするのは僕だけであろうか。
「だーかーらー! 早く実地演習しないと、僕が神子として本格的に目覚めらんないから早くしてって言ってるのー!」
僕たちが演習教員控室の前に差し掛かかったところで、甲高い叫び声が聞こえてきた。
シモンの声だ。
「いや、全員が校内演習を終えてないといけねえし。王都の外に行くんだから、演習する場所の安全が確認できなきゃできねえだろ。
だいたいお前は神子じゃねえだろうが。
それに、殿下と同じチームにしてくれって、そんなの無理に決まってんだろうが」
「なんでだよー。神子の僕がラインハルトを守護するんだから、学校にとっても良い話だろー?」
「おい、殿下の名前を口にすんな。呼び捨てにすんな。そんで、お前は神子じゃねえだろう。神子の定義を勘違いしてたくせに何言ってんだ。魔獣と話せるとかたわごと言いやがって。
危うく死ぬとこだったわ」
「だから、今度こそ実地演習で覚醒するんだって!」
「いや、お前の夢の話はいいから」
「夢じゃないってばー!」
シモンは、フィンク先生と話をしているようだ。話をしているというよりも、シモンが一方的に希望を訴えているだけか。
シモンの合同演習でのふるまいは、初めて魔獣に対したことで錯乱していたのだろうと判断されて寛大な措置を与えられているのに、フィンク先生に直談判するとは大した度胸だ。しかもあの時は、フィンク先生もけがをしたかもしれない状況であったし。
それもシモンが物語の主人公だから、都合の良い補正がかかっているのかもしれない。
僕は、シモンが校内の合同演習で神子として覚醒すると記憶していたのだが、校外の演習で覚醒するのだろうか? しかし、合同演習の時に自分が神子だからと言っていたし、どちらなのだろうか。
もしかしたら、僕が悪役令息としての役割をうまく果たせていないのか……?
「ラファエル様、レヒナー男爵令息ですね……」
「どうやら、フィンク先生に無茶を言っているようですね」
「自分のことを、ラインハルト殿下の守護をする神子だなどと、何を考えていらっしゃるのでしょうか?」
フローリアン様が、珍しく憤慨したような風情でお話になる。
自分が神子でラインハルト様を守護するというなんて、シモンの話は荒唐無稽だ。僕も前世の記憶がなければ、夢と現実の区別がつかない危険人物だと判断するだろう。シモンは、口が軽いし、判断力も甘い気がする。
僕が悪役令息として、彼を盛り立ててやらねばならないのかもしれない。
ラインハルト様の幸せのために。
「フローリアン様、あのような妄想にお付き合いするのはやめて、仕事をすませてしまいましょう」
「ああ、そうですね。ラファエル様のおっしゃるとおり、相手にしないようにしましょう」
興味深い話題ではあるが、このままでは、僕たちが盗み聞きしている状態になってしまう。僕の言葉に頷いたフローリアン様は、演習教員控室の扉をノックした。
「失礼いたします。フィンク先生、フォン・グートシュタインです」
「失礼いたします。フォン・メービウスです」
「おう、入れ」
「ひっ! ラファエルっ」
フローリアン様が主にお話をされることになっているため、先に立っていただき、その後ろから僕が入室する。すると、僕の顔を見たシモンがエメラルドの瞳を見開き、叫び声を上げた。
僕は名乗って入室しているのだが。なぜそんなに驚くのだろうか。
いや、ここは悪役令息としてのふるまいを忘れてはいけないところだ。
僕は氷の貴公子の名に恥じない冷たい一瞥をシモンに向けてから、フィンク先生に向き直る。
「で、何の用だ?」
「フィンク先生が顧問をされている魔法戦闘部の……」
「ラファエル! お前、僕の邪魔をしに来たんだな!」
フローリアン様が話し始めたところで、いきなりシモンが僕に話しかけてきた。叫んでいるようにしか聞こえないが、おそらく彼の通常の話し方はこれなのだろう。
言いがかりをつけているという表現の方が、合っている気もするが。
「いえ、僕たちはフィンク先生にお話があってこちらへ伺いました。お邪魔でしたら出直しますが……。
それから、レヒナー男爵令息、僕はあなたに名前を呼ぶ許可をしていません」
「いや、邪魔をしてんのはレヒナーだ。お前、帰れ」
「どうしてそんなに意地悪をするのっ! ラファエル、ひどいっ!
うわああああああああん!」
僕は、フィンク先生に話があると言っただけで彼には具体的な意地悪はしていない。僕の名前を呼ばないようにというのは、この世界では常識の範囲内だ。そして、出て行けとおっしゃったのはフィンク先生である。
それなのにシモンは、僕に意地悪をされたと叫びながら控室を飛び出して行った。
なるほど、こんなふうに悪役令息というものは作られていくのか。僕は冷たい一瞥をシモンに向けたけど、あとは特に意地悪はしていないと思うのだけれども。
どうやら、悪役令息として、具体的な意地悪をする必要はないらしい。
よし、この調子だ。
それにしても、あの反射神経の良さも、シモンの魅力なのだろうが、もう少し落ち着きがある態度をとれるようになってくれなければ、王子の伴侶になるのが難しくなってしまうのではなかろうか。
「メービウス、なんか、すまんな」
「いえ、フィンク先生はお気になさらずに。レヒナー男爵令息は、天真爛漫でいらっしゃいますね」
「えええ、ラファエル様、それは違うと思われますが……」
「メービウス、あれは、天真爛漫とは言わねえだろう。お前、善人過ぎねえか?」
「そうでしょうか? それより、会計書類の件ですが」
「メービウス、これは、俺が見なきゃいけないのか?」
「先生……これにサインをされてますよね……」
「グートシュタイン、その不審者を見る目はやめろ」
本来であれば、予算請求書は魔法戦闘部の部長に持ってくるべき書類であるのだが、すでに二度にわたって訂正を求めているにもかかわらず、いまだ整わないため顧問のフィンク先生のもとに持ってくることになったのである。
「加減乗除が、全くできていらっしゃいませんので」
「フィンク先生、やり直しは部長がされるのだとしても、検算してからの提出をお願いしたいのです」
「くっそー」
「フィンク先生、乱暴な言葉遣いはお控えくださいますように」
僕たちは、フィンク先生の計算が苦手だという泣き言を聞き流して、部屋を出て行った。
シモンが神子として覚醒しなければ、物語は展開しないだろう。しかし、現状では魔獣と対峙することは難しいと思われる。
こればかりは、運命に、物語の流れに委ねるしかないのだろう。
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