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第1章・聖騎士
決着
しおりを挟む「・・・・戻ってきたよ
この世界に・・・・
あの子の世界を
壊そうとする
お前を殺しに。」
そう、もうラオウを殺すのに迷いはない。
ラオウは、シャルロットが蘇生された事に驚き
その場から飛び退き、シャルロットと距離を開けると
両の拳を握り、構えを取ると
「どうやって・・・・完全にしんだはずだ
それに、蘇生可能時間も、おわっていたはずだ!」
問いただすと同時に、状況を探っていく・・。
自分の体力は
自然治癒と白系のサポートジョブのオートHP回復でも
まだHPを20%も回復していない。
だがシャルロットは、蘇生してすぐである
死んだキャラは、蘇生されると
衰弱と言う一定時間のバットステータスが加算される。
衰弱中は、HPやMP、その他のステータスは3割ていど
このフル装備のシャルロットだろうと
HPが回復していないと言っても
通常状態の俺と戦える状態ではない
奴は一撃で沈む
もう一度・・・もう一度・・・殺す!と・・・・。
シャルロットは、静かに片手剣を抜くと
ラオウに向けた
「ラオウ・・・貴方には分からないでしょうね
NPCを、ゴミと罵る貴方には・・・
もしかしたら、私も自分の力に溺れ
第二の貴方になっていたかもしれない
でも、私はあの子と逢ってしまったから
この心に安らぎを・・・愛をもらったから。」
「何を意味不明な事を、ほざいてやがる!
だがいいさ、もう一度、殺してやる!」
時間が少し経過していた為
幾つかのスキルが回復したラオウは
一気に畳み掛けるように、そのスキルを使う
攻撃力を上げるスキルから
硬直を誘発する、タックルを使うが
シャルロットの盾で受け流された。
次の攻撃が多段になるスキルから
崩拳と言う、突撃系の吹き飛ばし効果のある一撃を使うが
差し出された剣先に拳をずらされ、ラオウの体だけがダッシュしていく。
シャルロットは、スキルなど使っていない
発動したのは、通常防御の時に低確率で発動する
盾での受け流しと武器での受け流しだった。
それ以降も攻撃すれど
ラオウの拳が、シャルロットを捉えることは無かった。
怒り狂うラオウ
「なんで、そんなに発動する!」
「わからないでしょうね・・
これは、技術スキルと、ラックの差よ・・。」
「ラック?だと!
レベル99から、クリティカル値を上げるために
今は、65だぞ!
お前のガチガチの防御力にラックなんて
有るはずがないだろうが!」
「・・・・・・そう・・・
でもね、今の私のラックは、130を超えているわ・・
ラオウ、貴方はもう、私には勝てないわ・・・。」
「うそだ!・・・・ありえない・・・100を超えるなんて・・・。」
盗賊のラック装備でも80と言われる、このゲームで
ガチガチの防御装備のシャルロットが、100を越える数値を口にしたのだ
チートとしか思えない数値に、嘘だと信じたかった・・・・・。
シャルロットは、盾を構え
スキが出来たラオウに突っ込み、シールドチャージ・・・
PvPでは、発動率が半分以下となるスタン効果は
ラックの補助を受けて発動すると、硬直してしまうラオウ。
シャルロットは、ソレを確認もしない
【あ3】の幸運の加護がある限り、絶対に発動すると確信していた。
そして、右手を少し引き
片手剣の切っ先をラオウに向けると小さく呟いた
「レインボースレイブ・・・」と・・・
スタンからの、連続コンボ
スタン中は、防御力を無視してダメージが入る為
シャルロットが得意とし
大ダメージを与えられる、数少ない1人連携でもあった。
【レインボースレイブ】
騎士剣専用攻撃スキルである
範囲は短めだが、高速で繰り広げられる、7連撃
その一撃一撃が色の付いた光の粒子を放つ
今まさに7つの色が閃光となって
ラオウを襲い、虹色の光が弾けとんだ。
ラオウのHPは、勢い良く減っていく・・・。
「ごめんね、ラオウ・・・・。」
だが、目の前のラオウは倒れなかった。
「シャルロット・・・・よくも・・・やってくれたな・・。」
「ラオウ・・・なんで?削りきったはずよ!」
「新しいスキルだ・・・【九死一生】
どんな攻撃からでもHP1で、生き残れる・・・。」
「ちっ・・・・くそ!」
シャルロットは、トドメに剣を構えるが
「シャドウステップ!」
ラオウは、スキルで後ろに飛び、シャルロットから距離を開けた。
「シャルロット、今回は負けを認めてやる
だが、覚えておけ、俺の邪魔をするなら殺す!
PvPなんて、まどろこしい事はしない
仲間で囲んで、いたぶり殺してやる!
【帰還符】」
ラオウは、シャルロットの返事も聞かないまま
その場から、空に飛んでいくように消えていった。
【帰還符】それは、登録した国に帰還できる、アイテムである。
シャルロットは、ラオウが飛んでいった方向を見ながら
自身の不甲斐なさを悔やんでいた
そう、レベル101以降の新しいスキルの存在の事を忘れていたと・・
死と言う、キャラクターのロスト(消滅)を引き起こす現象がある以上
九死一生のような、死を回避するスキルが有ってもおかしくはなかったと
そこまで、頭が回らなかった自分と
確実に、ラオウを殺し、元の世界に戻せなかった自分に
無性に腹が立っていた・・・。
でも・・・・
あ3のライブは守れたと・・・・。
剣を鞘に収めると
安堵したのか、大きく息を吐く・・・・・・・・。
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