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きぐるみ幼女編

6話 GT(グレート・ティーチャー)・・・の噂

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 鈴達は、簡単なオチがついた事で
皆は軽く笑い、再度鈴は話し出す

鈴「まぁこの学園では、小等部5学年の時から
 学力や実力別で、簡単なクラス分けが、行われるんだけど
 中等部から、そのクラス分けが明確になるのは、優美ちゃんも知ってるよね」

優「はい、とりあえずは」

鈴「んで、中等部から、トータル成績から
 上位3クラス、中位4クラス、下位2クラス、そして最下位1クラスに
 分けられるんだよ、私達は上位クラスの2-B
 そして上位から下位までの9クラスは、中等部本校舎にクラスが有るんだけど
 最下位クラスの、1年から3年までの、Jクラスは
 学科塔の奥にある旧校舎の方に、有るの」

優「そんな事が、、、でも鈴、それは、なぜですか?」 

鈴「聞いた話だと、数年前までは、その最下位クラスと言うのは
 本当に素行が悪かったらしいの
 当たり前と言ったら当たり前なんだけど
 最下位クラスといっても、そこに行く人間は
 成績が悪い生徒ばかりじゃなくて、素行の悪い人間や
 他の生徒に悪影響を促すであろう生徒を隔離する場所らしいの
 登校しない、授業は聞かない、騒ぎ立てる
 そんな生徒を、他の真面目な生徒と
 同じ校舎に入れれなかったらしいし
 全校生徒からの冷たい目や、まるで、ゴミや、ウジムシを見るような眼差しに
 クズクラスとなった気の弱い生徒達は、耐え切れず辞めていったり
 他のクラスの人間に怪我をさせたりと、停学や退学になったらしいの
 学園設立当初からあると言われる、その制度はね
 当時では、腐ったリンゴは排出すべきと、必要だったらしいの
 今でも、必要悪とも言われてるし、その制度は変わらないのね
 じっさい、最下位クラスになりたくないと
 勉強に励む生徒は多いいらしいからね
 そして、未だに、学園の8割近い生徒は
 最下位クラスの事を【ジャンク】とか【クズクラス】と言って
 蔑み、嫌い、馬鹿にしているの
 優美ちゃんも、多少は聞いたことあるでしょ?」

優「・・・噂では何度か、それでも
 私の耳に入ってくる幾つかの出来事には、Jクラスの不祥事より
 他のクラスの、不祥事の方が多いい気がしますが」

鈴「だろうね、実際2年ちょっと前から、中等部に置ける不祥事は、少ないはず
 1年前、私が入学してからに限っては、0に近いんじゃないかな」

その事に、いち早く反応したのは、夏目であった

夏「それなのよ、2年ほど前に、何があったか鈴は知ってるの?
 去年・今年と卒業して、高等部に進学したJクラスの生徒や
 高等部、Jクラスの生徒も2年ほど前から
 不祥事や警察事がほとんど無いらしいのよ
 実際に彼等は授業中、講師の邪魔をし
 騒いでいた生徒だったらしいのに
 私も、嘘だろう噂話しか、聞いた事ないんですよ」

桜「うわさぁ~?」

か「さすがに、気になるね」

噂話と聞いて、興味津津な桜と、かんな
そして、優美は、2年ほど前に起こった事や
クズクラスの事に、心引き込まれていく

夏「私が聞いた話だと、2年ほどの前の4月
 私達が、6年になった頃の話なんだけど
 ある先生が転任してきたらしいの
 その先生は、ハンサムでカッコよくて
 その実力も、あの荒巻先生の数段上をいく達人クラスだったらしいのよ」

桜「おぉぉ~~~~」

達人クラス、その言葉に目を輝かせ、興奮するのは、桜であるが
鈴からすれば、桜自体が達人クラスだろう
それでなくても、桜の兄である蓮さんは、更に上の次元だろうに
と、突っ込みたいくらいである
そして、夏目の話は続いていく

夏「その先生が、中等部、Jクラスの担任になったらしくてね
 その後、幾つもの問題を解決したり
 いうことを聞かない相手達には、その実力で押さえ込んだり
 更正させたらしいの、そして、それは、他の学年のJクラスにも及んで
 最後には、高等部のJクラスまで、更生していくの
 就任して約1年で、中等部・高等部の全てのJクラスをその手で更生させ
 また転任していったらしい
 その後、GT【グレート・ティーチャー】と呼ばれ噂に残っているんだけど
 きになって色々調べたけど、そんな先生は居ないし
 当時の生徒、今の3-Jの生徒や
 高等部のJクラスの生徒に聞いて回っても
 詳しいことは誰も教えてくれないのよ
 ただ、高等部のJクラスの生徒達は何かにとても恐れているの
 いったい、何があったのか・・・・
 (お父さんが、とても気にして 
  一度だけ私に聞いてきたのを覚えているわ)
 鈴は何かしってるの?」

その言葉に4人の視線は、何かを期待して鈴を見つめるのだった
その中に、瞳を輝かせる桜の姿があった

そう、私は知っている、クズクラスと言われた生徒がおとなしくなった理由を
そして、桜・・・・・桜も知ってるはずだ

鈴「私も、同じ様な噂は知ってるけれど、本当の事はしらないよ」

夏「そうかぁ、しらないかぁ、もし分かったら教えてね
 気になってて、それで、優美
 クズクラスと呼ばれている、Jクラスの事はわかった?」

優「ですね、旧校舎に、あったとは知りませんした
 それでは、昼休みに成った所で
 Jクラスに、紫音君を探しに行ってきます」

か「それは、無理だね」

優「かんな?何でむりなの?」

か「優美、気づいてる?今日は土曜、そして今は、お昼、授業終わりね
 たぶん、話し込んでいる間に、帰ったね」

夏「帰ったでしょうね」

鈴「うん、すでに手遅れだね」

桜「いなぁいねぇ~」

優「え!・・・
 ええぇ!!!
 ・・・・・・・・
 忘れてました、連休明けの登校で、頭の中は月曜でした
 だから、皆さん帰り支度をしていたのですか・・・・」

桜「ゆみぃちゃん、てんねんさぁん~」

その言葉に、口には出さないが
鈴・かんな・夏目は思う、桜に言われたら終わりだろと・・・

優美も帰り支度を済ませ、5人は教室を出るため
先頭に立っていた優美は教室のドアを開けた

彼女達は、その時知りもしなかったのだ

廊下で待ち受ける
中等部3年、舞姫と呼ばれる彼女の事を・・・


 
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