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きぐるみ幼女編

1話 国立関東天童魔法学園

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「おう、きたきた」

その声がした方向に、鈴は顔を向ける

鈴「2人共、おはよー、てっちゃん、これお願い」

鉄「・・・なにその粗大ゴミ・・・・」

そこには、返事をした【てっちゃん】と呼ばれた男と、その横に女の子が居た
そして、鈴は今まで、粗大ゴミを・・・
いや、粗大ゴミと化した、紫音を引っ張って来たのだ

そして、その紫音は、5月の連休明けと言うのに
生気はまったく無く、まるで屍のようであった
鉄ちゃんと呼ばれた男は、鈴から紫音を受け取り
無理やり立たせ、紫音の頭を両手ではさみ軽くシェイクすると
紫音の悲痛の呻きが聞こえる・・・・・

紫「ぐが!ぐげげげげぇ・・やめれ~」

鉄「わっはっは、紫音どうした?何時も増して、負のオーラ満載だな」

そう言いながら、紫音の頭を振る鉄雄

紫「てつぅぅ・・・・てめぇの髪、掴むぞ」

そう言われ、ピタッと辞める

彼の名は宮守鉄雄、黒髪のリーゼントを携えた男、紫音のクラスメイトである
そして、その横に居るのは、妹の胡桃 (くるみ)、2歳下の妹である

2人は三千風家の数軒となりの建築会社
宮守建設、社長、宮守剛樹 (ごうき)、そのの子供達である

紫音と鈴が小学校に入るときに
此方に引っ越してきてからの付き合いで、幼馴染である
そして、鉄雄は自慢のリーゼントと掴むと言われ
紫音の頭を振る手を止めたのだ

そして鉄雄の後ろから出てきた女の子、胡桃、小等部6年生
どのクラスにも居るだろう、存在感の無い人物が、そんな人物が胡桃である
黒髪リーゼントの兄と違って
いたって地味な髪型、引っ込み思案で、人見知りな胡桃ではあるが
幼馴染である、紫音と鈴の前では、笑い顔の絶えない可愛らしい子供でもある


*****


 紫音と鈴は中学から天童学園に転入したが
 鉄雄と胡桃は、小等部から天童学園に通っている
 そして鉄雄と胡桃は、紫音と鈴が5歳の時から知っているため
 その性格を良く知っている

 そして鉄雄は、紫音がシオンと成った事件の後
 唯一その魂の変化に気がついた人間でもあった
 そして、追求する親友に、シオンは、観念して
 鉄雄と胡桃に、簡単に事の経緯を話すが
 その事で、この兄妹の紫音と鈴に対する態度は変わりはしなかった

 だが、その話の中で紫音が一度だけ使った、【そこで意思を数倍に加速してな】と言う言葉を
 鉄雄は密かに興味を持ち、後日2人だけになったとき、紫音に聞いてみた
 そして、どこでどう、そういう話になったかは定かではないが
 鉄雄は【意思加速】と【念話】を実験的に紫音から教わる事となる

 半年もしない間に鉄雄は、念話と数倍の意思加速を習得することとなる
 そうと言っても最大でも4~5倍程度の意思加速
 それだけでも、戦いに置いて、ものすごいアドバンテージなのだが
 鉄雄と胡桃の持つ、元々戦闘向きでなかったスキル
 それは、血族間で受け継がれる、とあるスキル
 そして胡桃にとっては、自身のトラウマともなったスキルだが
 その相性は、抜群に良かったのだ

 そして、どうにか鉄雄が意思加速と念話を覚えた頃
 あるマフィア間の抗争に巻き込まれた紫音、その紫音が巻き込んだ鉄雄
 その戦いの死の淵で、鉄雄が自身のスキルと意思加速を昇華し
 固有スキルを発動させたのは、また別のお話である
  
 その後、胡桃も鉄雄と紫音が影でコソコソやっているのに気がつき
 胡桃の尋問によって、2人はその事を教えてしまう
 まぁ、2人とも、胡桃には甘いのだ
 そうして、胡桃も鉄雄から遅れること約1年で
 【意思加速】と【念話】を習得するのだった

*****

胡「ふふ、しーくん、ゾンビみたい」

胡桃は笑いながら、紫音の生気の無い体を指で突つく
その度紫音の身体はピクピクと反応する
その度、クスクスと胡桃は笑うが、それを鈴がとめにはいる

鈴「くーちゃんダメ、変態がうつる」

胡桃「りんちゃん、これ変、面白いよ」

そこへ

「お前ら、さっさと学校に行けぇぇーーーーー」

大声で怒鳴ったのは、宮守剛樹、その人である

そう、3人と、粗大ゴミ1個は、何時もの用に学校に行くため
宮守家の前で待ち合わせをしていたのだ
すぐ横には宮守建設の会社兼、工場《こうば》があり
そこから体格のいい男性、剛樹が顔をだし
ダラダラと遊んでいる子供たちを一喝したのだ
これも又、何時もの光景である

そして3人は楽しく喋りながら
ゴミを1個引こずり、バス停に足を向ける




   国立関東天童魔法学園


そこは、小・中・高・大 からなる巨大学園である
それだけ大きな学園である、通う手段は千差万別である
その学園の入口は大まかに4箇所あり
その2つは、教員や、大学生の使う、車でも出入りできる入口である
その奥には車が500台は止めれる駐車場が4箇所ほど設備されていた
教員と、大学生のほとんどは、こちらを使っている
また、大学専用の、地下鉄も配備されている
又、正面入口からは2キロ以上離れてもいるので
普段は、小中高と、大学生の交流は余りなく
学び舎も離れているため、顔を合わえることも無いのである

そして、このり2つの入口
その1つ正面入口、ここは中・高と学び舎が近いため
徒歩、自転車、バス通学の、中学生と、高校生が多く使用してはいるが、小学生もいる
コチラからも小等部にも行けるため、小等部に続く、専用通路も用意されていた

そして正面玄関より西に300メートル程の所に
西口、又は駅と呼ばれる入口がある
そこには、地上に普通の入口、小等部に近い為、小学生が使う入口がある
もちろん、バス停もあるため、中、高生も使用している
そして、呼び名の通り、地下鉄が配備されていた
そして地下鉄から、各校舎に向け地下道も配備済みである

この地下鉄と、学園専用のバス、そして学園近くの寮によって
巨大学園に通う学生を支えていた

国内最大級の魔法学園である、やることが派手であった


 
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