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中等部・合宿編

49話 倉庫格闘戦 決着

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悪魔の様な男の発言に

2人の女性は床に倒れ

怒りに燃える男達は振り絞った勇気のぶん、どうにか立ったままでいられたが
それでも、こみ上げる気持ちの悪さで、その場に崩れそうでもある

だが、その場には一人だけ、違うことを考えていた人間がいた

その男は島崎に、よかれ掛かりながら

そうか、こいつらを差し出せば、俺は助かるのか
ならば、決まった、俺は助かる!

そんな中、リルから、シオンとレンに念話が来る

リ『シオン様、レンさん
 そろそろ九重家の武装兵が到着します
 予想では、5分ほどで倉庫に突入すると思われます』

蓮『おう、わかった』

と軽く返事をする

紫『あいよ、で、九重の娘は?』

リ『先ほど言われたとおり
 部屋に1人に成った所を見計らい
 侵入不可・音声遮断結界の後、寝てもらってます』

紫『ほほい、あと・・・・・・・・・・・』

念話で、紫音とリルが、会話してるが、置いといて、蓮は話をすすめる

「時間切れだ、高津といったか?どうするのだ?」

引きつる顔で、右手で部下たちを指差し高津がこたえる

「こいつらを、差し出す、お、俺をたすけてくれ!」

 その言葉に部下の男たちが絶望と軽蔑の目で高津を見つめ
島崎は感情を抑え、その場で目をつぶる
蓮は、呆れた顔でため息をつく
ただ、紫音だけは、喜びを隠さず、クククと笑う

そして、ひょっとこお面の男が

バン!

音を立て机から跳ねる用に上半身を起こし
座っていた椅子をクルリと回転させ両手を広げ高津の顔をみすえ

嬉しそうに告げた

紫「契約は成立した!」

島「ちょっとまってくれ」

シオンの言葉を遮ったのは、高津を支えていた、オールバックの男、島崎である

島「俺は、しまざ     」

それを、黒い仮面の男は左手を前にだし、島崎の言葉を遮り威圧する

蓮「お前の発言は許可した覚えはないが?」

 今、雷帝のオーラを纏うレイ、その雷帝の覇気、そうといっても
先に戦った男、鷲尾あの男ならどうにか耐えられるほどの覇気に調整してある
足を踏ん張り、それに耐え抜き、島崎はどうにか言葉を発する

島「発言の許可をおねがいしたい」

蓮「時間が無いから要件を言え」

島「九条の娘の解放と
 この高津と、俺の首を差し出す、それでこの場を引いて欲しい」

 リルの言ったとおりだな、肝っ玉が座ってる、だが・・・

 すでに遅いのだ、口を挟むならもっと早く挟まないと
他の部下たちは、代表者と言った時に、島崎、お前を見たのだぞ、、
冷静に状況を確認するのはいい、だが、時間は常に進んでいる
行動するなら、その時を間違わないことだ

だが慈悲はかけない

「却下だ、すでに契約は成立している」

その言葉に、高津は喜び口が開き引きつった笑顔で、黒い仮面の男を見る

 島崎は歯を食いしばり下を向く
部下の男達3人は女性2人を背中で庇い
その場を動こうとはしなかった
振り絞った勇気で
この、頭の中が壊れてるとしか言い様がない
血だらけの男を睨みつけ
死ぬ気で、女性2人を守ろうと
恐怖で震える身体で抵抗しようとしていたが

そんな事は関係ないと言わんばかりに
血だらけの男は飛び上がるように立つ
そして両手を真上にあげ、声高らかに、それは嬉しそうに

「イッツ、ショーーーーターーーーーイム」

そう言うと、オーケストラの指揮者のように両手を動かしながら

「さあ~~、ちゅうも~~~く!!
 まずはぁ~~~~、俺のオモチャとなった女達~~~~
 ハイ!! スリー・ツゥー、ワ~~~~~ン」

右腕を振りながら、指でも、カウントダウンしながら
最後に右の指を鳴らす

  パチン!

「ハイ、消えた!」

そう、消えたのだ!

女性を守っていた男達は、後ろを振り向き、驚愕する
そう今まで、後ろで泣いていた女性が居ないのだ
そして、男達の1人が、今まで保っていた気力が無くなり倒れこむ
そして、ドミノの用に3人が床に倒れたのだ

島崎の視線は、血だらけの、ひょっとこお面の男に向く
そう、未だ冷静であろうとする島崎は、何らかの魔法を使用したのではと
でも、魔法を使う素振りも、デバイスの起動も、何一つ感じ取れなかった

そして

「次わ~男4にぃ~~~ん、俺は~~いらないから、俺のペットの保存食にでも~
 スリー・ツゥー・ワン・はい死んだ!」

男達の叫びが、倉庫に木霊するが
それは、すぐに消えた。

あと部屋に残るのは、蓮・紫音・高津・島崎、4人となる

そして、今度は島崎と高津に目線を移す。


 覚悟を決めたように
島崎は、その男の仮面の下にある目をしっかり見返す

それを感じた、紫音は、「ククク」と小さく笑い
腕を体の後ろで組み、身体を左右に振りながら、もといた椅子に座り込む

それと同時に、雷帝・レイが、話し出す

「島崎、最後に一つ忠告していてやる」

 島崎は、雷帝・レイに目線を移し
名前は名告る前に止められたはず
すでに調べられていた?
それに、これから死ぬ人間に何で忠告?
と言う言葉を使ったのかがわからなかった

「後方で冷静に分析、監視するのは良いが
 今回の用に前に出るタイミングを逃して
 部下の命を危険に晒してどうする
 夢々忘れるなよ」

「ほい、ラスト」

 その言葉で、島崎の視界が途切れ、闇に染まり、意識が深く落ちていく
そんな、意識の中で・・・・・

命を危険にさらす? どういうことだ?
死んだのでは、そして俺も死んでいくのか・・・・

そして、島崎の意識はとだえた。



 状況が把握しきれていない高津は
歪な笑顔を作り出していた、それはすでに、笑顔ではなく
顔の神経が引き攣り痙攣し、歪んで見えた

「さて、高津、お前の命は助けてやろう」

そう言うと、黒い仮面の男は机から降り、高津に近づき椅子に座らせる
ひょっとこの仮面の男は、高津に近づきながら、ある情報を開示する

「高津孝司46歳・妻、美佐子44歳・長男、孝介20歳・長女、美佳18歳
 東京在住、いいとこ住んでるな、趣味は釣りか
 お!娘は美人だな、こもれ俺のコレクションに欲しいな」

高津の歪んだ顔が、一段と青くなって行く

黒い仮面の男が

「そこでだ、これからお前に魔法を・・・いや呪いを掛ける
 もし、他の組織に捕まったり
 元の組織にかえってもだ、俺達の事を話すものなら
 家族の命は、いや、お前の家族は、全てこの変態の好きにさせる
 わかったな!それでは眠れ」

 だが、蓮の言った言葉は魔法でも呪いでもない、ただの脅しであるが
高津は、さっき男が口にした
狂気にも満ちた最低最悪な言葉を思い出し
大切な娘と妻が、オモチャ以下の扱いを受ける姿を想像し
その言葉を失った・・・
そして頭に衝撃を受け意識をなくなした
紫音が、高津の頭を叩き
紫音のスキルで脳を揺らし脳震盪を起こさせたのだ

紫「しゅうりょ~~~~~~」

蓮「シオンまだ、やることあるだろ
 もうそろそろ九重の兵隊突入するぞ」

紫「あいよ~~ん
 それにしても、リル家族構成までよくわかったな?」

リ『はい、7:3メガネからの情報で、すでに調査済みです
 また、フルネームから検索したら
 SNS・FB等で、写真付きで色々書いてあったととの事です。』

・・・・・・・

 紫音と、蓮は二人して
気絶した高津を椅子に縛りながら

本物のバカか?こいつは?

マジマジと、高津を眺めた

『九重の武装兵が倉庫に突入しました
 2階まで来るのにあと2分ほどです
 あと1階の炎の煙で通報があったらしく
 警察、消防も来るものと思われます』

リルの念話に、紫音は

「ほいほい、全結界、魔法解除、仕上げする、ちょっとまって」

 紫音は、近くにあった紙に

【 ゆうかいしたのは私です 】 

と書いて、高津の背中に貼り付けるのだった。


 蓮は、奥の和室のドアを開き
九重の娘の無事を確かめた
敷布団を2枚重ねで、その上に横にされている少女を見つけ確認する
手足に取り付けられたデバイスで拘束され、アイマスクで視界を封じられていたが
怪我もなさそうで、安心する
そして、その娘に小さな声で語りかけた

「大丈夫か?
 九重の家の人間が助けに来たから
 もうちょっと頑張れ、じゃぁな」

そして、ゆっくりとドアをしめた

数人が駆け足で2階に上がってくる階段の音がしだした

「リルさん、撤収」

シオンと、レンの前に小さな光が現れ

『転移します』

念話でそう告げ、仮面を付けた男2人と、小さな光はその場から消えた。



******



 十士族・九重家・その急遽設立された
九重静香、捜索隊は異例の速さで、この倉庫にたどり着く
幾つもの情報の中で、この倉庫を割り当てた、それもそのはずである
ある、男・・・シオンに【7:3メガネ】と呼ばれる男によって
この場所はの情報は、幾つかに分けて、すでにリークされており
【7:3メガネ】の匠なる情報操作によって
十士族の情報部の手によって導かれる用に、位置を割り出し
紫音と蓮の予想を上回る速さで
この場に駆けつけたのであった

そして、戦陣を切る武装兵が、2階に突入した時には

部屋に居たのは、椅子に縛られた男1人

奥の部屋には手足をデバイスで拘束され、アイマスクで視界を隠された少女
敷かれた布団に、少し足を崩すように座り、助けが来た事を確認すると

「ありがとうございます、とりあえず、このアイマスクを外してもらえますか?」

それは、小学6年生とは思えないほど冷静な言葉であった。


 
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