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中等部・合宿編

15話 売られた喧嘩は買います!!

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 生徒会長、柊朱里は、吐き捨てる様に言う

「今日は、生徒会主催の合宿で
 学園行事ではないですが
 小学生の妹(兄弟)を連れてきたの誰ですか?
 中等部の合宿に、小学生連れて来てはダメですよ」

 それは、自己申告、身長130cmの少女に視線を向けた朱莉の言葉だった。

 その少女は
長い癖のある青い髪、前髪を左目を隠すように流し
頭の後ろには、青い大きなリボン
成長は10歳の時に停まってしまった
どう見ても、小学生だろう存在。

 朱莉はその少女に近づいていく
朱莉は、スラットした同年代では背が高く
今はヒールの高い靴を履いているので、さらに高い
その小さな少女も踵の高い靴を履いてはいるが130ほどだ
二人の身長差は、顔1つ以上
少女の身長は朱莉の胸元くらいなのだから
小学生と勘違いしてもおかしくはないのだ。

 鈴は拳に力がはいる
わかっていた、そう、わかったいた!!
多分私の事だろうと
だが、かなりカチンとくる
かんなや、なっちゃん(夏目)、クラスメイトが言う
「ちっちゃい」とか「かわいい」は私に対し好意的な証であり
嫌がってはいるが、それは照れ隠しでもある!!!!!

 この何も知らない女は
上から目線で人の事情も知らず
人のコンプレックスを突いてくる
一生分かり合えない人種だと瞬間的に理解した!

そんな2人の間に立ったのは優美である。

「この子は私の同級生で」

だが、朱莉は、優美の言葉すら聞く耳をもたず

「優美さんは黙ってて
 誰ですか?この子を連れてきたのは、生徒会長として許しませんよ」

優「だから小さいけど」

朱「いいから」

 朱莉は、優美の言葉を遮り
誰も名乗りでない事に、苛立ちを隠せなくなっていく。

 みどり先生は、3年担任の為
鈴の事を知らないらしく、どうして良いか分からず慌てている
さすがに、鈴の担任でもある、江田先生が止めに入るのだった。

 なかなか納得しない朱莉
江田先生が、パソコンで参加者のデータを見せると
さすがに、納得したのか、鈴にたいして

「っそ、ごめんなさいね」

上から目線で、言葉を吐き捨て
まるで自分は悪くない、背が低すぎる貴方がわるいのよ、と
言わんばかりに、こちらに背をむける
江田先生は、朱莉に態度に
ため息まじりに眉間に皺を寄せると
さすがに、その態度は・・・と、注意しようと近づく

 そんな朱莉の態度に鈴も
喧嘩を売られた気分であった。

 そう! 流石の私も、我慢の限界がある!
桜に言わすと、私は我慢などした事がないらしいが
うん、気にしない!!

 一部始終を見ていた、優美達や、仲のいい同級生は
今にも爆発しそうな私を抱きしめ、落ち着かせようとしている
後ろから私を抱きしめ動きを止める、かんなは・・
まぁ、いつも私を抱きしめてるからどうでもいいけど
膝を落とし私を抱きしめる優美に視線をむける
前に聞いたことがある、生徒会長、柊朱莉は優美の幼馴染で友達であると
だからこそ、先程間に入ろうとしたのかと
身体は小さいが、私も大人だ、優美の幼馴染なら殴るのは諦めよう・・・・・

それでも、あの態度は気に入らない
これから二泊三日、この生徒会長に付き合わないといけないかと想うと吐き気がする!!

「えだっち(江田先生)!」

「お? おう?」

生徒会長に注意しようとしていた、江田先生はビックリしたように反応した。

鈴「合宿って任意の参加であって強制じゃないですよね?」

 その言葉の意味することを理解できたのは
江田先生含め数人である
苛立っている、生徒会長には、質問の意味すら理解できていなかった

江「あぁ強制ではないけど、どうするつもりだ?」

鈴「では、私は一身上の都合により
 不参加でおねがいします、帰ります!!
 あと、みなさん雰囲気を悪くして申し訳ございません」

 不参加を伝え
これから楽しい合宿だというのに
場の空気を乱した事を謝罪する。

江「やっぱりか、和解できないか?」

鈴「私は構いませんが
 生徒会長様は、する気がないみたいなので無理です」

ヒニクたっぷりに、いいはなった

それを聞いて生徒会長は、さらに苛立ち立っている、そして

朱「帰りたい人は、帰ってもらって構いません
 協調性のない人は
 居なくてもよろしいですし」

 売り言葉に、買い言葉か?
さらに喧嘩を売ってきた事に私はさらに、カチンときた!
「オマエが一番協調性ないんだろうが!」と!
だが、大人な私は口には出さない!!

ただ、違ったのは
私以外の数人も、頭に来ていたらしいが
相手は、世界の柊財閥の長女、そして生徒会長だ
そんな相手に喧嘩を売る存在など私くらいしか居ない!!
一触即発のそんな緊張状況を、やぶったのは


「ならぁ~わたしも~かえるぅ~」の


空気を読めない桜の一声であった。



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