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中等部・合宿編

3話 3人の思い

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 ある山奥、木々のしげる山道を月の微かな光をあてにして
走っている三人の女の子が居る
その後ろからは百匹はいるだろう
ファンタジーの世界の魔物である
ボーンウォーリヤー居た、速度は遅いものの
確実に彼女達を追いかけていた。

 一人の女の子は、走りながらも
桜色の髪をリズムよく左右に振り
近づいた骨を撃退している。

 一人の女の子は
長い白銀色の髪が月明かりに反射し美しく輝せていたが
彼女も体力は有る方だが、緊張状態の中走り続け
いつも以上に気力を消費し体力が無くなったのだろう
肩で息をしながらも、かかんに後方に魔法を放っていた。

 一人の少女は
白銀色の髪の女の子の手をひき
後方に居る、敵と桜に気を使いながら走っていた。

 どれくらいの時間を逃げてきたか
いつしか、そのスピードは少しずつ落ちていた
そして、あと数分で確実に追いつかれるだろうと
3人とも、その頭の中には理解できていた。


******


 優美は泣きながら走っていた・・・。

 ボーンウォーリヤーに襲われ山の中を逃げている、その原因
それは多分、私にあるのだろう
目的は分からないが、四条家の私を狙った事は
誰が考えても安易に解る

そして、多分自分たちが居た、キャンプも当然襲われているだろう
あそこには、学校のみんなも、先生達もいるのに、全部私のせいだ

鈴と桜は、普通の家で、こんな争い事に巻き込まれるはずがないのだ
私のせいでとても大切な友達の2人が巻き込まれている・・・・・・

私はどうすればいい

私と仲良くなったばっかりに

私が油断してこの課外合宿にさんかしたばかりに

力を使って解決しようにも、監視の目がある

四条の力を使えば、その時点で学園には居られないだろう

そうなると2人と二度とあえないだろう、そんなのは、絶対イヤだ

いや2人の命とは引き換えに出来ない、力をつかうべきなのだ・・・・でも

もしかしたら、逃げ切れるかも

それでも私のせいで2人が争いに巻き込まれたのだ

きっと許して貰えないだろう

無事戻れたとしても2人との関係は終わるだろう

ごめんなさい

ごめんなさい 

私のせいで・・・


ごめ・・さぃ・・・・・さぃ・・・わた・・・いで・・・・

考えがまとまらない・・・・・・

やっとできた、2人の親友を失うのが

これほど怖く悲しい事なのか・・・

あぁ 私は・・・・・・・・・

考えれない、頭が混乱する・・・・

混乱したことさえわからない・・・

あぁ・・・・あぁ・・・・・・・・・・・・




*******




 桜は走りながら考える

 ボーンウォーリヤーに襲われて
鈴と優美と、とりあえず逃げている
2人が魔法で敵の足止めしながら逃げているので
近くに来た敵を拾った棒で殴りたおしながら・・・・

桜は基本楽天家なのだ
あまり深く考えない現状を楽しむだけなのだ
でも今はこの自体が自分のせいだと思い込んでいる優美が側にいる
涙を浮かべ擦り切れるこ声で

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・私のせいで・・・・」

う~~ん・・・・これは・・・・

面白いニャァ~

あの強気のユミちゃんが落ち込んでいるのねぇ~~

でも私は空気を読める女~~!!(キリ!!)

面白くても笑わないようにしなければぁぁ~~

かえったらユミちゃんを

どうやってからかって遊ぼうと考えるだけでたのしいニャァ~~~

 ニャァ~♬ ニャァ~♪ ♫ ♪ ♬ ・・・

あ 鼻歌が・・・がまんがまん~~

襲わててるねぇ~、それはそれ~~これはこれ~~
その気になればぁ~
鈴にゆみちゃんを、守ってもらって私が戦えばいいしぃ~~
この骨よわいしぃ~
めんどくさいのは壊しても時間がたつと
回復するのがねぇぇ~~
なんか変なのとんでるしぃ~~
お兄ちゃんには力は許可なく使うなっていわれてるしぃぃ~~
私、基本 楽天家だしぃ~~
脳筋だしぃぃ~~考えるのきらいだしぃぃぃ・・・・・
どうしよっかなぁぁ~~~

あ!! いいこと思いつたぁぁ~~!!  リンに丸投げしよう!!

「りぃ~~ん   まかせたぁぁよぉぉ~ん」

それは傍からみれば
百数十匹のボーンウォーリヤーに襲われてる
この緊迫した状況の中で
普通の人間なら泣き叫び死を覚悟するだろう状況の中
まったく緊張感のない言葉
そしてその言葉を放ったのは
さっきまで棒で骨を鼻歌まじりで倒してた女の子
その言葉に頷いたのは・・・・・

見た目、130cmほどの、小学生らしき小柄な女の子

知らない人が見れば信じられない光景である


 それは小さい時から桜と一緒に過ごした鈴にとって
いつもの事であった
めんどくさくなったら
私に全部丸投げするのだ、そして決まり文句

「りぃ~ん まかせたぁよぉ~ん」

それは、信頼関係なのか、本当に何も考えてないのか・・・
たぶん何も考えてないのだろう

今までどんな状況でも
この桜が緊張・焦ったことは数度しかない
その、殆どが、桜が兄に怒られた時のみである
桜は怒られることすら楽しむという限度をしらない楽天家なのだ
桜の兄が怒ると言う事は
口で言っても聞かない桜に体で教え込むと言う事、体罰である
桜の家ティオーノ家は武術の道場である
小さい時から武術を習っている桜は
体術、武術、肉体強化に長けている

1対1近接戦闘では学園中等部でも5本の指に入ると噂されていた
それは鈴や優美から見れば次元の違う強さなのだ・・
なのだが・・・・
その桜さえ兄である蓮には子供扱いである

桜の兄と紫音は学園の成績とか模擬戦の順位に興味がなく

「マジになるだけ無駄じゃね?」

とか言って、本気にならないのだ
本気をだせば桜の兄は中学3年にして
学園高等部でも近接戦闘なら1位になりそうな実力の持ち主かもしれない

桜本人は、優美のてまえ、楽しくても笑わないように我慢している

そんな緊張感の無い桜の言葉に返事をする

「わかってるよ、さくらぁ~~~鼻歌もれてるよ」

びっくりする桜

「はなうたなんてぇ~~う・・・うたってないよぉぉ~~ん」

ごまかそうとする桜に

「は・・鼻歌??」 意味が理解できない 優美



鈴は、そんな二人をみとどけながら

場所的にも頃合かな?と

鈴は、ある作戦を2人に話だす

作戦とは、言うには、かなりお粗末な作戦だ


 
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