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学院編…三年生
アグニとルドラから学ぶこと
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ユキトは、既に教室に寄ることもなく、朝からフィリッポスの研究室へ来ていた。
「古代魔法文明時代の飛空船ですか、確かにエルフの郷になら、文献が残っているかもしれませんね」
早速、昨日ドノバンと話していた、兵士達を迅速に輸送する手段として、飛空船の事を相談するユキトに、書類の山を片付けながらフィリッポスが応える。
「そうですねもう一つ、飛行魔法に関しては一度ルドラかアグニに聞いてみればどうですか」
書類から目をはなして、フィリッポスがユキトに提案する。
「ルドラとアグニですか?」
フィリッポスから、突然ルドラとアグニの名前が出て、ユキトは不思議に思って聞いてみる。
「えぇ、ルドラにしてもアグニもですが、空を飛ぶ時に魔法を使って飛んでいますよね。一応翼を持っていますが、鳥の様に翼のみで飛んでいる訳じゃありません」
「そう言えばそうですね、特にアグニなんかあの巨体を、あの翼だけで飛ぶのは無理が有りますね」
フィリッポスの指摘に納得するユキト。
「どういう魔法が使われているのか、スキルでいうと飛行ですが、竜とグリフィンでは使われている魔法が違うのか、同じなのか、誰もこの分野を研究した人はいないでしょうね。少なくとも私は聞いたことありませんね。飛行魔法単体では、昔から研究されていますが、風属性の魔法で飛行を実現する術者も居ますが、大型の飛空船に応用できるほど効率が良くありませんから」
小型の亜竜と呼ばれるワイバーンでも、翼のみで飛行しているとは考え辛い。身体の重さを軽くする魔法でも有るのか?どちらにしても、詠唱無しで無意識のうちに使っているのだろう。ユキトはそこまで考えて、考えるより聞いた方が早いと研究室を出て、アグニを呼び出す為に街の外へ向かう。
ユキトは、早速街から離れてルドラとアグニを呼び出す。
巨体な魔法陣からアグニが現れ、続いてもう一つの魔法陣からルドラが顕現する。ユキトは、アグニとルドラに飛行について聞いた。
『ふむ、我ら竜族は魔法も使うが、ブレスにしろ飛行にしろ、生まれながらの物じゃからのう。それは、グリフィンのルドラも同じだと思うぞ』
『クルルルゥ!』
アグニの話と喋れないがルドラの意思から、無意識の事なので説明出来ないらしい。
そこでユキトは、ルドラとアグニに実際に飛行して貰い、魔力感知から心眼から総て総動員して観察する事にする。
「じゃあ、お願い!」
『うむ、了解した』『クルゥ!』
アグニとルドラのユキトの観ている前でフワリと飛ぶ立つ。ユキトは、少しの事も見逃さないように集中する。目に魔力を集め強化する事も忘れない。
魔力の流れを慎重に観察する。暫く見ていると、急に魔力の流れが視覚的に見える様になってきた。
(風魔法も使ってるけど、メインじゃないな。重さを軽減しているのか、複合魔法なのか)
ユキトは、目を閉じ自身の魔法演算領域で魔法を組み上げる。アグニやルドラの魔力の流れを思い出し、飛行魔法をイメージしていく。
「フライ!」
ユキトは飛行魔法を発動すると、フワリと身体が地面から浮き上がる。ユキトは、最初はゆっくりと、段々とスピードを上げ、やがて空を自由に翔る。
(うん、魔力の消費量はそうでもないな。飛行中でも別の魔法の発動も問題無い)
ユキトは、空を飛びながら検証をしていく。やはりアグニやルドラの様に翼を持たない為に、多少魔力効率が悪い様だが、取り敢えず飛行船への第一歩は、クリア出来たとホッとする。飛行船では、浮き上がる事と動く事を別ける事で、魔力効率も上がるだろう。
音も立てずにユキトが降り立つ。
『うむ、見事じゃ!さすが儂と召喚契約するだけの術師じゃ』
『クルルルゥ!』
「有り難う!アグニもルドラも、お陰で何とかなりそうだよ」
ユキトはアグニとルドラを送還すると街へと戻った。
家に帰ると早速、部屋に籠り飛空船の為の術式を考えるユキト。
コンコン! ドアをノックする音が聞こえ、フィリッポスが手に資料を持って入って来た。
「順調ですか?」
「フィリッポス先生、わざわざ来てくれたんですか」
ユキトは、フィリッポスにアグニやルドラの飛行魔法を模倣した【フライ】の魔法は成功したが、そのままでは飛行船に流用するには効率が悪いので、船体を浮かせる魔法装置と推進力を生み出す装置に別けて開発する方針を伝えた。
「ふむ、思っていたより早く形になりそうですね。古代文明時代の飛空船について書かれた文献をアウグストに持って来て貰う手筈になっています」
「あれ? アウグストさんっていうと、ユスティアちゃんのお父さんじゃなかったですか?」
ユキトは、フィリッポスの口から出た名前に聞き覚えがあったので、聞いてみた。
「えぇ、ユスティアの事が心配なんでしょう。まぁユスティアには、内緒ですよ」
フィリッポスが悪い顔で、ニコリと笑う。
「飛空船の基幹部品作成には私も手伝いますが、魔石の調達が問題ですね。かなりランクの高い魔石を、魔晶石に加工しなければいけません。取り敢えずメインの動力用に、最低限二個は確保したいですが、都市同盟で保管してある物が有るか、調べてみなければいけませんね」
「この間の氾濫の時に、少し大物の魔石や素材をかなりの量を確保して有りますけど、それで間に合わなければ考えなきゃいけませんね」
ユキトは、確保してある素材を思い出しながら、マリアのレベリングを兼ねて、魔物狩りをしようかなぁと考えていた。模擬戦だけじゃなく実戦も大事だからね、とマリアを魔物狩りに連れて行く事は決定したようだ。
「術式の開発と並行して、船体の設計や魔石などの素材調達を始めます」
「ユキト君は、ゴーレム馬やゴーレム馬車のコアも、お願いしないといけませんから。忙しいとは思いますが、私も手伝える所は手伝いますから、お願いしますね」
ゴーレム馬とゴーレム馬車の製作は、既にドノバンと打合せて、動きだしているようだ。
「分かりました。コントロールコアの数は、幾つ必要ですか?」
「取り敢えずは、ゴーレム馬用に50個とゴーレム馬車用に10個、お願いします」
ユキトに、必要なコアの数を尋ねられたフィリッポスは、少し考えて数を言う。
「ゴーレム馬は、50じゃ少なくないですか?」
ユキトは、騎馬部隊の規模の少なさに首をかしげる。
「取り敢えずですから、今ノブツナの鍛えてる精鋭部隊の部隊長分、数が揃えば良いのです」
「爺ちゃんの育ててる精鋭部隊って聴くと怖いですね」
建国に向け、戦力の面では着々と整って来ているようだ。ユキトもフィリッポスに手伝って貰いながら、飛空船の基幹部となる、術式開発を進めていく。
この調子なら、卒業する頃には国の形が整うかも知れない。ユキトは卒業したあとのことを考える「世界を旅するのも良いかなぁ」サティスやルドラ達と旅をするのも楽しそうだなどと考えながらも作業に没頭していく。
「古代魔法文明時代の飛空船ですか、確かにエルフの郷になら、文献が残っているかもしれませんね」
早速、昨日ドノバンと話していた、兵士達を迅速に輸送する手段として、飛空船の事を相談するユキトに、書類の山を片付けながらフィリッポスが応える。
「そうですねもう一つ、飛行魔法に関しては一度ルドラかアグニに聞いてみればどうですか」
書類から目をはなして、フィリッポスがユキトに提案する。
「ルドラとアグニですか?」
フィリッポスから、突然ルドラとアグニの名前が出て、ユキトは不思議に思って聞いてみる。
「えぇ、ルドラにしてもアグニもですが、空を飛ぶ時に魔法を使って飛んでいますよね。一応翼を持っていますが、鳥の様に翼のみで飛んでいる訳じゃありません」
「そう言えばそうですね、特にアグニなんかあの巨体を、あの翼だけで飛ぶのは無理が有りますね」
フィリッポスの指摘に納得するユキト。
「どういう魔法が使われているのか、スキルでいうと飛行ですが、竜とグリフィンでは使われている魔法が違うのか、同じなのか、誰もこの分野を研究した人はいないでしょうね。少なくとも私は聞いたことありませんね。飛行魔法単体では、昔から研究されていますが、風属性の魔法で飛行を実現する術者も居ますが、大型の飛空船に応用できるほど効率が良くありませんから」
小型の亜竜と呼ばれるワイバーンでも、翼のみで飛行しているとは考え辛い。身体の重さを軽くする魔法でも有るのか?どちらにしても、詠唱無しで無意識のうちに使っているのだろう。ユキトはそこまで考えて、考えるより聞いた方が早いと研究室を出て、アグニを呼び出す為に街の外へ向かう。
ユキトは、早速街から離れてルドラとアグニを呼び出す。
巨体な魔法陣からアグニが現れ、続いてもう一つの魔法陣からルドラが顕現する。ユキトは、アグニとルドラに飛行について聞いた。
『ふむ、我ら竜族は魔法も使うが、ブレスにしろ飛行にしろ、生まれながらの物じゃからのう。それは、グリフィンのルドラも同じだと思うぞ』
『クルルルゥ!』
アグニの話と喋れないがルドラの意思から、無意識の事なので説明出来ないらしい。
そこでユキトは、ルドラとアグニに実際に飛行して貰い、魔力感知から心眼から総て総動員して観察する事にする。
「じゃあ、お願い!」
『うむ、了解した』『クルゥ!』
アグニとルドラのユキトの観ている前でフワリと飛ぶ立つ。ユキトは、少しの事も見逃さないように集中する。目に魔力を集め強化する事も忘れない。
魔力の流れを慎重に観察する。暫く見ていると、急に魔力の流れが視覚的に見える様になってきた。
(風魔法も使ってるけど、メインじゃないな。重さを軽減しているのか、複合魔法なのか)
ユキトは、目を閉じ自身の魔法演算領域で魔法を組み上げる。アグニやルドラの魔力の流れを思い出し、飛行魔法をイメージしていく。
「フライ!」
ユキトは飛行魔法を発動すると、フワリと身体が地面から浮き上がる。ユキトは、最初はゆっくりと、段々とスピードを上げ、やがて空を自由に翔る。
(うん、魔力の消費量はそうでもないな。飛行中でも別の魔法の発動も問題無い)
ユキトは、空を飛びながら検証をしていく。やはりアグニやルドラの様に翼を持たない為に、多少魔力効率が悪い様だが、取り敢えず飛行船への第一歩は、クリア出来たとホッとする。飛行船では、浮き上がる事と動く事を別ける事で、魔力効率も上がるだろう。
音も立てずにユキトが降り立つ。
『うむ、見事じゃ!さすが儂と召喚契約するだけの術師じゃ』
『クルルルゥ!』
「有り難う!アグニもルドラも、お陰で何とかなりそうだよ」
ユキトはアグニとルドラを送還すると街へと戻った。
家に帰ると早速、部屋に籠り飛空船の為の術式を考えるユキト。
コンコン! ドアをノックする音が聞こえ、フィリッポスが手に資料を持って入って来た。
「順調ですか?」
「フィリッポス先生、わざわざ来てくれたんですか」
ユキトは、フィリッポスにアグニやルドラの飛行魔法を模倣した【フライ】の魔法は成功したが、そのままでは飛行船に流用するには効率が悪いので、船体を浮かせる魔法装置と推進力を生み出す装置に別けて開発する方針を伝えた。
「ふむ、思っていたより早く形になりそうですね。古代文明時代の飛空船について書かれた文献をアウグストに持って来て貰う手筈になっています」
「あれ? アウグストさんっていうと、ユスティアちゃんのお父さんじゃなかったですか?」
ユキトは、フィリッポスの口から出た名前に聞き覚えがあったので、聞いてみた。
「えぇ、ユスティアの事が心配なんでしょう。まぁユスティアには、内緒ですよ」
フィリッポスが悪い顔で、ニコリと笑う。
「飛空船の基幹部品作成には私も手伝いますが、魔石の調達が問題ですね。かなりランクの高い魔石を、魔晶石に加工しなければいけません。取り敢えずメインの動力用に、最低限二個は確保したいですが、都市同盟で保管してある物が有るか、調べてみなければいけませんね」
「この間の氾濫の時に、少し大物の魔石や素材をかなりの量を確保して有りますけど、それで間に合わなければ考えなきゃいけませんね」
ユキトは、確保してある素材を思い出しながら、マリアのレベリングを兼ねて、魔物狩りをしようかなぁと考えていた。模擬戦だけじゃなく実戦も大事だからね、とマリアを魔物狩りに連れて行く事は決定したようだ。
「術式の開発と並行して、船体の設計や魔石などの素材調達を始めます」
「ユキト君は、ゴーレム馬やゴーレム馬車のコアも、お願いしないといけませんから。忙しいとは思いますが、私も手伝える所は手伝いますから、お願いしますね」
ゴーレム馬とゴーレム馬車の製作は、既にドノバンと打合せて、動きだしているようだ。
「分かりました。コントロールコアの数は、幾つ必要ですか?」
「取り敢えずは、ゴーレム馬用に50個とゴーレム馬車用に10個、お願いします」
ユキトに、必要なコアの数を尋ねられたフィリッポスは、少し考えて数を言う。
「ゴーレム馬は、50じゃ少なくないですか?」
ユキトは、騎馬部隊の規模の少なさに首をかしげる。
「取り敢えずですから、今ノブツナの鍛えてる精鋭部隊の部隊長分、数が揃えば良いのです」
「爺ちゃんの育ててる精鋭部隊って聴くと怖いですね」
建国に向け、戦力の面では着々と整って来ているようだ。ユキトもフィリッポスに手伝って貰いながら、飛空船の基幹部となる、術式開発を進めていく。
この調子なら、卒業する頃には国の形が整うかも知れない。ユキトは卒業したあとのことを考える「世界を旅するのも良いかなぁ」サティスやルドラ達と旅をするのも楽しそうだなどと考えながらも作業に没頭していく。
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