異世界で婿養子は万能職でした

小狐丸

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第一章

二十七話 婿養子、また拾いモノをする

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 皐月とお義母さんが革鎧を装備して、お義父さんの付き添いで狩りに出るようになった。

 僕が一緒に行く日もあるが、僕は佐那と遊んでいる事の方が多い。

 気温も高くなって来て、そろそろ田植えの準備も始めないといけない。

 僕もお義父さんも農作業はシロウトだから、全てにおいて手探りだけど、幸いにも日本では僕もお義父さんも皐月やお義母さんも本が好きだった事もあり多少の知識だけはある。

 お義父さんなんかも、代々古流武術の道場を営む家だから農作業とは縁遠いし、僕も田舎の出身じゃないので、学生の頃に農業体験で田植えをした程度だ。あとはお母さんが庭で小さな家庭菜園を趣味でしていたくらいか。

 それでもこうして水が張られた田圃を見ると、長閑な気分になるのは日本人なんだろうな。

「パパ、トンボさんだよ!」
「おっ、本当だね。大きな蜻蛉だなぁ」

 田圃を眺める僕と手を繋いで一緒に見ていた佐那が、蜻蛉を見て喜んでいる。

 この世界にも蜻蛉はいた。ただ、その大きさがオニヤンマくらいの大きさなのだけど。

 僕は直ぐ側に付き従う、白銀の巨狼で聖獣のフーガに聞いてみる。

「フーガ、あの蜻蛉は魔物じゃないんだろう」
『はい。アレは普通の虫ですね』
「なら問題ないね」

 フーガは長い年月を生きているので、その豊富な知識に、皐月の図鑑を見るまでもない時なんかには重宝している。



 虫タイプの魔物は厄介なものが多い。

 生命力が強く、なかなか死なないヤツが多いんだ。

 まぁ、虫の魔物はあんなにサイズじゃないけどな。森の中でも偶に遭遇するカメレオンマンティスなんか、下手したら人間よりも大きいし、フーガの話では、百足の魔物の中にはワイバーンでも捕食しそうな巨大な個体も存在するらしい。

 巨大なヤゴなんてらいたら怖いけど、オニヤンマくらいなら許容範囲かな。

 田植えに関しては、湿地に原生していた稲の種籾を塩水選別して、現在は育苗小屋にて苗を育てている。

「ここにおこめうえるの?」
「そうだよ。もう何日かしたら田植えしようかな」
「サナも! サナもたうえする!」
「じゃあ、その時は佐那にもお手伝いして貰おうかな」
「はい!」

 手を上げて「はい!」と笑顔の佐那と手を繋いで家に戻る。

 そろそろお昼寝の時間だからね。


 何時もは狩りに同行するフーガも、今日は僕らとお留守番だ。

 今日は、森の浅い場所でのレベル上げなので、お義父さんが居れば大丈夫だし、何より皐月もお義母さんも普通に戦えるからね。

 千葉家の女は強しだ。




 次の日、田植え前の魔物駆除という事で、僕とフーガは森を疾走していた。

 お義父さんは家の周辺を見回っている。

 家のある丘の周辺には、もう殆ど魔物はいないのだけど、折角田植えした稲を荒らされたら嫌だからね。


 それはかなり森の奥まで足を踏み入れていた時、フーガの鼻が何かを嗅ぎつけた。

『主人、人の匂いがします』
「……フーガ、気配を消しながら様子を見てみようか」
『分かりました』

 フーガが匂いのする方向へと、飛ぶように駆ける。実際に、低空で飛行しているのだから、飛ぶようにというのは間違いではない。

 樹々の間を高速でスラロームして進むと、僕の感知にも引っかかる。

「フーガ、魔物に追い掛けられているのか?」
『この臭いは、恐らくスパイダーエイプだと思われます。スパイダーエイプは、獲物を嬲って遊ぶ性質がありますから、ワザと逃して遊んでいるのでしょう』
「チッ、タチの悪い魔物だな」

 スパイダーエイプとは、腕が四本ある猿の魔物らしい。いや、スパイダーなら脚と併せて八本ないのかよ。

 猿系の魔物は、総じて知能が高いものが多く、獲物を嬲って遊んだりするらしい。



 フーガの背中に跨りながら無限収納から自作の弓を取り出し矢をつがえる。

 猛スピードで飛翔するフーガ。

 前方に木の枝にぶら下がり声を上げている四本腕の猿が見えた。


・スパイダーエイプ Cランク

 六本の手足と長い尻尾で蜘蛛のように森を跳びまわる猿の魔物。
 強い腕力と握力を武器に群れで獲物を襲う。


 鑑定によると群れで行動するようなので、周辺の気配を探ると確かに、何かを取り囲むようにしている。

「シッ!」

 迷わずに目視できたスパイダーエイプに矢を放つと、狙い違わず矢はスパイダーエイプの眉間に吸い込まれ、ドサリとぶら下がっていた枝から落ちた。

 周囲のスパイダーエイプが威嚇の咆哮をあげる。

 僕は更にもう一射矢を放ち一匹仕留めると、弓と矢筒を収納してフーガから飛び降り、魔鋼製の同田貫写しの太刀を抜刀して駆ける。

 次の瞬間、森の中に幾条もの聖雷が落ちる。

 ドガァァーーン!!

 フーガの聖雷で一度に複数のスパイダーエイプが葬られる。

 近付く僕を無視して、黒い何かの塊に襲い掛かろうとしたスパイダーエイプを、跳び上がり大上段からの一閃で真っ二つに斬り捨てる。

 着地した僕の切り返しの一撃で、横から襲い掛かったスパイダーエイプの上半身と下半身が泣き別れする。

 その結果を確認する事なく、まだ動く気配の方向へと、瞬時に間合いを詰め三段突きを放つ。

 グゥエェェーー!!

 スパイダーエイプの喉に突き刺さった刀を抜き、バックステップで死体となって崩れ落ちるスパイダーエイプから距離を取る。

 残りのスパイダーエイプを探すも、全てフーガが仕留めたようだ。

 フーガがスパイダーエイプを一匹咥えて戻って来た。

『主人、猿どもを集めますか?』
「そうだな。魔石だけでも取っておこうか」
『承知しました』

 フーガが仕留めたスパイダーエイプを集めている間に、スパイダーエイプが何を追い掛けていたのか思い出し慌てて周囲を見回す。

 すると直ぐに折笠重なるようにうずくまる小さな二人の子供を見つけ慌てて駆け寄る。

「はぁ、良かった。気を失っているだけか」

 ハッキリとした年齢は分からないが、五歳いかないくらいの小さな女の子を、こちらも十歳に満たない女の子が守る様に覆い被さり気を失っていた。

 見る限り大きな怪我をしている様子は確認できない。

『主人、……ほぉ、狼の獣人の子供でしたか』
「ああ、獣人って本当に居るんだな」

 スパイダーエイプを集めて来たフーガが、うずくまる子供たちを見て狼の獣人だと説明してくれた。確かに犬の様な耳と尻尾が確認できる。僕から見ると犬なのか狼なのか、区別は出来ないが。

「取り敢えず魔石だけ抜き出しておくよ」

 フーガが集めたスパイダーエイプから魔石を取り出し、土魔法で穴を掘ると死体を放り込み埋める。

「随分と汚れてるな」

 まるでボロ布を纏ってるかの様なボロボロの粗末な布一枚しか着ていない。髪の毛や体も随分と汚れているので、クリーンを何度かかける。

「クリーン、クリーン、クリーン、これで大丈夫かな」
『…………』
「ん? どうしたフーガ?」
『主人、この子達は奴隷です』
「……奴隷なんてあるのか」

 気になってはいたんだが、小さな子供にはそぐわないゴツイ首輪がはまっている。

 小さな女の子の方は、佐那とそう変わらない年齢なのに、そう考えると何処に向けていいのか分からない怒りが沸き起こる。

『主人、怒りの向け先が居るかもしれません。探して来てもいいでしょうか?』
「どういう事?」
『恐らくこの子達は、魔物から逃げる時の囮にされたのでしょう』

 フーガの説明では、この森の深部には基本的に冒険者といえど人間は立ち入らないらしい。ただ、それだけにお金になる物も多く、一部の命知らずな冒険者が立ち入る事があるそうだ。

「自分達が逃げる時間稼ぎか?」
『はい。今どきこの様な首輪を付けた奴隷など、非合法な手段で手に入れたのでしょうから』

 確かに奴隷制度のある国の方が多いらしいのだが、国によって奴隷の人権も保証されているらしい。それでもこの子達が、こうして囮にされたのは、この子達が拐われて奴隷にされたからだとフーガは言う。

『まともな冒険者がポーター(荷物持ち)として奴隷を使う事はありますが、こんな幼い子供をと言うのはまともな理由では有り得ません』
「だよな」

 特に小さな女の子の方は、どう考えてもまだ働くには早すぎる。

 フーガはこの子達を囮にして逃げた奴らの行方を確認する為に駆け出した。

 僕な無限収納から毛布を取り出し、子供達を包み込む。


 少しその場で待っていると、直ぐにフーガが戻って来た。

「どうだった?」
『……因果応報ですね』
「ああ、なる程……」

 どうやらこの子達を囮にして逃げた奴らは、魔物の餌食となったようだ。

「なあフーガ、稀にでも、この辺りまで冒険者が来るのはよくある事なのか? 僕もお義父さんも一度も遭遇した事ないし、人の痕跡も見つけた事はないんだが」
『滅多にここまで足を踏み入れる冒険者は居ないでしょう。相当な腕がないと彼奴らのようになりますから。彼奴らも一発逆転の博打に賭けたのでしょうか?』

 この森の魔物の素材は高く売れる物が多く、しかも薬草類も希少な物が採れるらしい。
 フーガが時折無謀な冒険者がバクチに打って出ると言ったが、それでも僕もお義父さんも痕跡すら見つけていない。

『偶にこの森に踏み入る無謀な者も居るようですが、ここまで森の深部に来るとは、何か目的が別にあったのかもしれませんね』
「あり得るな。お金になる魔物素材と併せて、森を抜けた土地の調査かもしれないな」
『あり得ますね』

 フーガから見ても、僕達の家がある丘の周辺は、奇跡のような土地だと言う。

 森の深部に踏み入らなければ強力な魔物も居ない。気候は穏やかで四季折々の恵みが得られる。近くには綺麗な水を湛えた湖や川があり、草原や湿地に北には高くそびえる山もある。

「何処の国も、来る手段さえあれば、絶対に放っておかない土地だろうな」
『はい。女神様の加護を受けし主人達にこそ相応しい土地と言えるでしょう』
「兎に角、この子達を放っておけないな」
『そうですね。私としても出来れば狼の獣人の子供は助けてあげたいです』
「取り敢えず連れて帰ろう」

 ゆっくりと二人の子供を抱き上げ、フーガの背中に乗せると僕もフーガに跨る。

「フーガ、ゆっくりとね」
『承知しました』

 フーガが地面を蹴るとフワリと浮き上がる。

 僕とフーガは、二人の子供を落とさないよう気をつけながら家へと急いだ。





「クソッ! ガキ共を奥に走らせろ!」
「キャァー!」

 人相の悪い男が、小さな子供を前方に放り投げた。

「ガキ共! 真っ直ぐ走れぇ!」
「ヒィ!」

 怒鳴られ恐怖からもう一人の小さな子供の手を取り駆け出す。

「よし! 俺たちは今のうちにズラかるぞ!」
「「「おう!」」」

 そう言って子供たちとは反対側に走り出す男たち。

「ちくしょう! どだい無理だったんだよ!」
「そうだぜぇ! この森を抜けるなんて、正気の沙汰じゃねぇんだよ!」
「Cランクの魔物と連続で遭遇するってなんだよぉ! それもコイツら群れてやがるじゃねぇかぁ!」

 悪態をつきながら必死で駆ける男達。

「はぁはぁはぁ、五月蝿え! 俺たちはCランク冒険者だぞ! いけると思うだろう!」

 男達は今回、冒険者ギルドを通さず、指名依頼を受けてこの森「名も無き森」へと足を踏み入れたハンザ王国の冒険者だった。

 魔物除けの香を焚き、森を数日歩き続けてやっと森の深部へとたどり着いた男達を待っていたのは、スパイダーエイプの群れだった。

 魔物ランクならCランクの魔物だが、その知能の高さと群れで狩りをするスパイダーエイプは、その危険度ではBランク以上だった。

 男達のパーティーはBランクだが、それは複数パーティーでBランクの魔物一体を討伐できるくらいの力量があるとギルドが認めたランク。実際、男達一人ならDランクの魔物を一体が精一杯だろう。DランクやCランクの魔物が群れるこの森を歩くには、力不足と言うしかない。男達個人の実力で言えば、Cランク相当なのだが、踏み入った場所が悪すぎた。

 これも高い報酬に目が眩んだ男達の失敗だった。

 それでも男達は自分達が死ぬとは思っていなかった。その為に囮用に奴隷を買ったのだから。

 力仕事も出来ない幼い子供、しかも女の子は、魔物に対する囮にしか使いようがない。

 実際、男達も今までそういった使い方をして何度も生き延びてきた。

「はぁはぁはぁ、ここまで来れば大丈夫か」

 先頭を走っていた男が振り返った時、男の背後を走っていた筈の仲間の姿はなかった。

「おい! どこ行っ!!」

 ズンッと胸に衝撃が走り、男の声が遮られる。

「ゴフッ……」

 口から大量の血が溢れ出し、急激に意識が遠ざかる。

 男が最後に見たのは、鋭い爪が己の胸から突き出た光景だった。

 名も無き森の深部をテリトリーとするアサシンジャガー。Bランクの魔物でありながら、その隠密性からランク以上に危険な魔物。カメレオンマンティスと並び、この森のサイレントキリングとして怖れられている冒険者殺し。

 西に在る国々では、この森の危険度は知られていても、この森に棲む魔物の情報は殆ど知られていない。





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