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異世界で新たな一歩目を!
第五十四話 『お前らって、そんな登場ばっかだよな』
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「ああー----、生きてるって実感を感じるー-!」
俺は、久しぶりに日光を全身に浴びたことで何とも言えない感動を感じていた。
生きてるって素晴らしい。
「せっかく高まっていた緊張が、なんか解けちゃったよ。悪い気をしないけどね。」
葉山も気持ち良さげに両手を上げながらそう呟いた。
「そうだね。なんか、何でも良い気持ちだ。」
「はははっ、どういう気持ちだよ。」
俺達はそんなことを言い合いながら笑い合っていた。
その時、突如上空から何かがとんでもない勢いで落ちてきた。
一瞬見えたが、多分落ちてきたのは人間だ。
(あ、あれ、デジャブか?)
どうにも既視感のある登場の仕方でその二人は現れた。
「ハイバレート様が近くに「追跡」に反応が現れたからと仰られたから来てみれば、」
「魔族、人族、妖精族と、何とも奇妙な組み合わせですね。それに、そこの人族の二人は今行方不明の勇者達じゃんか。」
そう言いながら、二人の男女が冥皇を彷彿とさせる登場で、俺達の前に現れたのだった。
こいつ等、毎回空から降ってくるよな。
普通に考えて、俺達がダンジョンから出てきた瞬間にこいつ等は飛んできた訳だから、冥皇に指示されて飛んできたと考えるのが妥当だろう。
それに、「追跡」がうんたらかんたら言ってたしな。
目の前の二人は敵、そういう前提で動くべきだ。
クルトを通してこの考えを二人に伝える。
「まあ、冥皇様が殺してこいって言ってたんだし、サクッと片付けて冥皇様のところに戻ろうか。サクッとね。」
「そうだね。片頭痛がしてきたし、さっさとこの仕事終わらせよ。」
そう言って、二人は人間が出せる速度を軽々と超越した速度で俺達に迫って来た。
「っっと、」
俺は何とか横に跳んで二人から距離を取る。
葉山とリトライラも俺と同じように敵二人から距離を取った。
(いや、おかしいだろ。)
俺がダンジョンに潜る前に冥皇と戦った時も、確かに冥皇はとんでもない身体能力を備えていた。
そして、それは俺と冥皇のステータスの差で説明がついたはずだ。
だが、今の俺のレベルは325。
速度が上回れているとまでは思わないが、それでも俺に近いくらいの速度を今の二人は出していた。
『これが、魔力をスキルを介さずに使った戦い方なのさ。』
「どういうことだ?」
『彼らは今、全身に魔力を巡らせることで自身の身体能力の底上げをしている状態なのさ。ササキバラさんも、彼ら程じゃないにしろ身体強化なら使えるのさ。』
地球ではお馴染みの魔法である身体強化。
まさかこの世界にもあったのか。
というか、何気に佐々木原も使えたのか。
「まあ、身体能力を上げるだけならそこまで問題は無い!」
この世界にはスキルという超便利なものが存在するのだから。
あの程度の身体能力アップなら、さして気にしなくてもいいだろう。
「おっとおっとおっとおっと~。」
「俺達がスキルを使えないなんていつ言ったんだ?」
そう言うと、目の前の二人は突如浮かび出した。
「はぁ!?」
目の前に起きている摩訶不思議過ぎる現象に、俺はほとんど言葉を発せなかった。
出てきたのはほんの少しの掠れた声だけだ。
「私達は冥皇様の一番で市なんだよ!」
「固有スキルの一つや二つくらい持ってるに決まってんじゃんか!」
マジですか。
固有スキルの一つや二つって、こいつ等どんだけ規格外なんだよ。
「兄さん、彼らのスキルが分かったよ!」
「本当か!?」
「ああ、まず右の男性の固有スキルは「浮遊」、左の女性のは「変形」だ!」
俺は、久しぶりに日光を全身に浴びたことで何とも言えない感動を感じていた。
生きてるって素晴らしい。
「せっかく高まっていた緊張が、なんか解けちゃったよ。悪い気をしないけどね。」
葉山も気持ち良さげに両手を上げながらそう呟いた。
「そうだね。なんか、何でも良い気持ちだ。」
「はははっ、どういう気持ちだよ。」
俺達はそんなことを言い合いながら笑い合っていた。
その時、突如上空から何かがとんでもない勢いで落ちてきた。
一瞬見えたが、多分落ちてきたのは人間だ。
(あ、あれ、デジャブか?)
どうにも既視感のある登場の仕方でその二人は現れた。
「ハイバレート様が近くに「追跡」に反応が現れたからと仰られたから来てみれば、」
「魔族、人族、妖精族と、何とも奇妙な組み合わせですね。それに、そこの人族の二人は今行方不明の勇者達じゃんか。」
そう言いながら、二人の男女が冥皇を彷彿とさせる登場で、俺達の前に現れたのだった。
こいつ等、毎回空から降ってくるよな。
普通に考えて、俺達がダンジョンから出てきた瞬間にこいつ等は飛んできた訳だから、冥皇に指示されて飛んできたと考えるのが妥当だろう。
それに、「追跡」がうんたらかんたら言ってたしな。
目の前の二人は敵、そういう前提で動くべきだ。
クルトを通してこの考えを二人に伝える。
「まあ、冥皇様が殺してこいって言ってたんだし、サクッと片付けて冥皇様のところに戻ろうか。サクッとね。」
「そうだね。片頭痛がしてきたし、さっさとこの仕事終わらせよ。」
そう言って、二人は人間が出せる速度を軽々と超越した速度で俺達に迫って来た。
「っっと、」
俺は何とか横に跳んで二人から距離を取る。
葉山とリトライラも俺と同じように敵二人から距離を取った。
(いや、おかしいだろ。)
俺がダンジョンに潜る前に冥皇と戦った時も、確かに冥皇はとんでもない身体能力を備えていた。
そして、それは俺と冥皇のステータスの差で説明がついたはずだ。
だが、今の俺のレベルは325。
速度が上回れているとまでは思わないが、それでも俺に近いくらいの速度を今の二人は出していた。
『これが、魔力をスキルを介さずに使った戦い方なのさ。』
「どういうことだ?」
『彼らは今、全身に魔力を巡らせることで自身の身体能力の底上げをしている状態なのさ。ササキバラさんも、彼ら程じゃないにしろ身体強化なら使えるのさ。』
地球ではお馴染みの魔法である身体強化。
まさかこの世界にもあったのか。
というか、何気に佐々木原も使えたのか。
「まあ、身体能力を上げるだけならそこまで問題は無い!」
この世界にはスキルという超便利なものが存在するのだから。
あの程度の身体能力アップなら、さして気にしなくてもいいだろう。
「おっとおっとおっとおっと~。」
「俺達がスキルを使えないなんていつ言ったんだ?」
そう言うと、目の前の二人は突如浮かび出した。
「はぁ!?」
目の前に起きている摩訶不思議過ぎる現象に、俺はほとんど言葉を発せなかった。
出てきたのはほんの少しの掠れた声だけだ。
「私達は冥皇様の一番で市なんだよ!」
「固有スキルの一つや二つくらい持ってるに決まってんじゃんか!」
マジですか。
固有スキルの一つや二つって、こいつ等どんだけ規格外なんだよ。
「兄さん、彼らのスキルが分かったよ!」
「本当か!?」
「ああ、まず右の男性の固有スキルは「浮遊」、左の女性のは「変形」だ!」
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