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第1話 全ての始まり
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近所にはおじいさんが一人で経営している、古い貸本屋さんがある
小さい頃から毎日のように通っている私は、今ではもうお得意さんの一人だ
「おじいさん!前借りた本返しにきたよ!」
「あぁ、いらっしゃい。そろそろ来るころだと思っていたよ」
私が店に入ると、おじいさんはいつものようにニコニコと優しい笑みを浮かべて迎えてくれた
「次は何を借りようかな…」
本を返し、店を見渡すと、何故かある本が私の視界に入ってきた
それに引き寄せられるようにして、本を手に取ると、おじいさんがニッコリと笑った
「さすが、莉奈ちゃん。お目が高い。その本はね、私の外国の知り合いがくれたものなんだ」
「へぇ…」
「まだ、私も読んだことがないんだ。ぜひ、最初に莉奈ちゃんに読んでもらいたくてね」
「え?何で?」
おじいさんはいたずらっ子のように笑う
「それは、秘密だよ。…読み終わったら、ぜひ感想を聞かせてね」
「分かった…」
そうして私はいつも読む本とは、大部違う、凝ったデザインの辞書なみに厚い本を胸にかかえ、小走りで家に帰った
ーーこの時はまだ、これから起こる出来事についてなど、知る由もなかった
小さい頃から毎日のように通っている私は、今ではもうお得意さんの一人だ
「おじいさん!前借りた本返しにきたよ!」
「あぁ、いらっしゃい。そろそろ来るころだと思っていたよ」
私が店に入ると、おじいさんはいつものようにニコニコと優しい笑みを浮かべて迎えてくれた
「次は何を借りようかな…」
本を返し、店を見渡すと、何故かある本が私の視界に入ってきた
それに引き寄せられるようにして、本を手に取ると、おじいさんがニッコリと笑った
「さすが、莉奈ちゃん。お目が高い。その本はね、私の外国の知り合いがくれたものなんだ」
「へぇ…」
「まだ、私も読んだことがないんだ。ぜひ、最初に莉奈ちゃんに読んでもらいたくてね」
「え?何で?」
おじいさんはいたずらっ子のように笑う
「それは、秘密だよ。…読み終わったら、ぜひ感想を聞かせてね」
「分かった…」
そうして私はいつも読む本とは、大部違う、凝ったデザインの辞書なみに厚い本を胸にかかえ、小走りで家に帰った
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