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第7部 才能と現実の壁

4-3故郷の味がたまに無性に恋しくなる

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 夜、静まり返った屋根裏部屋で。マナ・ケトルの、ぐつぐつと、お湯のわく音だけが、心地よく響き渡る。ピピッとアラームが鳴ると、過熱が停止した。私は、鼻歌を鳴らしながら、愛用の、イルカの絵が描かれたマグカップに、お湯を注ぐ。

 スプーンで良くかき混ぜ、香りを確かめたあと、そっと一口、飲んでみる。適度な塩気と、だしの風味が口の中に広がり、ホッとした気分になった。

「みそ汁を飲むと、落ち着くよねぇー」 
 私は、全身の力を抜いて、フゥーッと息を吐き出した。

 こちらの世界では、みそは、なかなか手に入らない。たまに、スーパーなどに置いてあるけど、輸入品なので、物凄く高かった。

 それに、この町は、洋食系がメインなので、需要がないみたいだ。パンとみそ汁の組み合わせって、あまり、やらないもんね。

 ちなみに、先日、親とのやり取りのメールで『みそ汁が飲みたい』と書いたところ、宅急便で、各種食品を送ってくれたのだ。ダンボールの中には、インスタントみそ汁を始め、梅干し・佃煮・各種レトルトが、たっぷり入っていた。

 最近は、食事に困ることは、なくなったけど。たまに、故郷の味が、無性に恋しくなる。なので、向こうの世界の差し入れは、涙が出るほど嬉しかった。

 実家にいた時は、特に、美味しいとも思わなかったし。毎日、当たり前に食べていた。しかし、異世界に来て初めて、当たり前の味が、とても大切だと分かった。これが『おふくろの味』とか『故郷の味』と言うものなのだろう。

 いくら美味しいとはいえ、毎日、パンばかり食べていると、和食が食べたくなってくる。そもそも、お米を食べる機会が少ないし。食事も、フォークやナイフだし。

 お箸を使って、漬物で、お茶漬けを、ガーッとかき込みたい。あと、たまには、おにぎりも、食べたいなぁ……。

「やっぱ、日本人は、スープよりみそ汁。パンより、ご飯だよね。昔は、毎食、出てたし。久しぶりに、お母さんの作った、豚汁と煮魚が食べたいなぁ――」

 今思えば、お母さんの作った料理は、どれも美味しかった。何だかんだで、料理が、物凄く上手だったんだよね。和食中心だったけど、何でも作れたし。栄養バランスも、しっかり考えられていた。

 いまさらだけど、もっと、味わって食べておくべきだった。でも、あの当時の私は、そのありがたさに、全く気付かず、お菓子やカップ麺なんかを、美味しいと勘違いしてた……。
 
 私は、みそ汁を飲みながら、マギコンを操作し、スピで情報をチェックする。今見ているのは、通販サイトだ。マイアから、こちらの世界への宅配を、専門にやっている『時空間通販サイト』もある。

 ただ、配送料が、とんでもなく高い。なので、下手をすると、商品よりも、送料のほうが高くなってしまう。時空間配送は、昔より安くなったとはいえ、普通の宅急便の、十倍ぐらいの料金が掛かるからだ。

 加えて〈グリュンノア〉は、離島扱いなので、大陸への配送よりも、さらに送料が高くなる。

「はぁー、欲しいものは、一杯あるんだけど。送料が、滅茶苦茶、高いなぁ――」
 私は、通販サイトを見ながら、小さくため息をついた。

 向こうでは、百円で買えるような物でも、こっちの世界では、千ベル以上することは、ざらにある。関税に加え、輸送費も、馬鹿にならないからだ。

 ただ、生活するだけなら、問題ないけど。こういう時は、異世界って、凄く不便だと思う。普段は、全く気にしてないけど。通販を見ると、改めて、物凄く遠い場所にいるんだと、実感する。
 
 その時、メッセージの着信音が鳴った。確認すると、ユメちゃんからだ。急いでELエルを立ち上げ、メッセージを返信する。
        
『風ちゃん、こんばんは。起きてる?』 
『うん。バッチリ、起きてるよー』

『勉強中だった?』 
『ううん。今日は、通販サイト見てた。だから、平気だよ』

 毎晩、しっかり、勉強はしている。でも、昇級試験は、もうないので、以前に比べると、だいぶ気楽だった。最近は、あちこちのサイトを回って、流行の情報を集めている。接客の際の、話題探しがメインなので。

『へぇー、風ちゃんも、通販するんだ。どんなサイトを見てるの?』 
『マイアの商品を扱ってる、通販サイト。主に食品系かな。たまに、向こうの世界の、ご飯とかお菓子が、無性に食べたくなるんだよね……』

『そっかぁー。食べ物が、違うもんね』 
『こっちの世界の食べ物も、凄く美味しいし。ある程度は、向こうの世界の食品もあるけど。売ってない物も、結構あるんだよねぇ』

 基本、この町の料理は、どれも美味しい。周りが海だから、海産物が、物凄く新鮮だし。〈北地区〉で獲れた、野菜や乳製品も、とても美味しかった。パンが美味なのは、言うまでもない。ただ、和食系がないんだよね。お米は作ってないし。

『例えば、どんなの?』 
『味噌・豆腐・納豆・漬物とかかな。向こうの世界の食卓では、普通に出て来るんだけど』

『それ、聞いたことあるよ。伝統的な、発酵食品だよね?』 
『流石は、ユメちゃん。よく知ってるね』
『だいぶ前に、本で読んだことあるから』 

 相変わらず、ユメちゃんは、本の虫だ。こちらの世界の知識だけでは、飽き足らず、向こうの世界の知識も、どんどん吸収している。学校に通い始めてから、ますます、本にハマっていた。

 本好きの友達ができたのと、学校に、巨大な図書館があるからだと思う。あと、外に出られるようになり、自由に、本屋に行けるようになったのも大きい。

『以前は、日々の生活で一杯一杯だったから、気にならなかったんだけどね。食べられるだけで、十分、幸せだったから。でも、最近は、向こうの世界の食べ物とかが、物凄く気になって』
 
 食品だけじゃなくて、向こうの世界の、あらゆる商品が気になる。最近、通販サイトを見る回数が、かなり増えたし。

『通販なら、向こうの世界の食品も、普通に買えるんでしょ?』
『うん。でも、送料がねぇ。一万ベル以上とかじゃ、流石に手が出ないよぉ』

 いまだに、一食三百ベル生活をしている私には、贅沢すぎる。送料だけで、一週間以上、生活できるのだから――。

『じゃあ、私がプレゼントしよっか? 風ちゃんの部屋宛てに、注文してあげるよ』
『いやいや、それはマズイって。ただでさえ、定期的に、予約してくれてるのに』

『いいよ、別に。お小遣いの範囲だし。私がしたくて、してるだけだから』
『ところで、ユメちゃん。お小遣い、いくら貰ってるの?』 

 ユメちゃんは、私の指名の予約を、月に数回、入れてくれる。そのお蔭で、私も会社の売上に、多少は貢献できていた。

 しかし、観光案内の料金だって、決して安くはない。特に、高校生にとっては、かなりの大金だと思う。

『うーん。渡されたカードを使ってるから、特に決まりは、ないんだよねぇ。一応、無駄づかいは、あまりしないようにとか。月に百万ベル以内、とは言われてるけど』
『ちょっ……百万ベルっ?!』

 百万ベルとは、向こうの世界だと、百万円だ。高校生で、月百万のお小遣いって、金銭感覚が、おかし過ぎる――。

『でも、流石に、そこまで使ったことないよ。私が買うのって、主に、本とお菓子だけだから。せいぜい、月に十万ベルぐらいだよ』
『いや……それでも、十分、高いけど……』

『そうなの?』
『私の、見習い時代のお給料の、二ヵ月分以上だよ――』

 やっぱり、金銭感覚が普通じゃない……。

『向こうの世界の食材って、こっちの世界でも、売ってるんじゃない? あと、飲食店のチェーンも、こっちにあるでしょ?』

『確かにねぇ。でも、私は、毎日パン生活だから。見習い時代から、食費は変わってないんだよね』

『まだ、節約生活してるの? お給料、だいぶ上がったんでしょ?』
『うん。でも、節制しないと、初心を保てないから。最近、向こうの世界の食品が、妙に気になるのも、気が緩んでるからかも――』

 昔は、パンが食べられれば、それだけで満足だったのに。最近は、色んな物が欲しくて、ちょこちょこ通販サイトを見ている。ただ、実際には、見て楽しむだけで、買わないんだけどね……。

『でも、故郷の味が食べたいのは、普通じゃない?』 
『そうかなぁ? 最近、微妙に、たるんでる気がするんだよね』

『そんなことないよ。凄く頑張ってるじゃん』 
『確かに、頑張ってはいるけどね。見習い時代ほど、必死になれてないというか、何というか――』

 一通りの知識は、身についたし。昇級試験もないので、勉強は、かなりのんびりだ。それに、お給料も上がって、お金にも、割とゆとりがある。あと、一応、親に認めて貰えたのも、とても大きかった。

 今は、これと言った障害が、何もない。だから、以前の『生きるか死ぬか』みたいな、緊張感がないのだ。

 安定した生活で、嬉しい反面。『これで、いいのだろうか?』という疑問が、チラチラと、脳裏に浮かんでくる。

『風ちゃんは、相変わらず、ハードル高いよね』
『えっ?』

『普通に頑張ったぐらいじゃ、納得しないってこと。死ぬほど頑張って、限界まで力を出して、ようやく満足、って感じでしょ?』
『うーん……そうなのかな?』

 実際、そうなのかもしれない。全力を出して、完全燃焼しないと、スッキリしないのだ。特に、こちらの世界に来てからは、必死にならないと、生きて行けない状況だったから。でも、今は、ほどほどに頑張れば、普通に生きて行ける。

『いいじゃん、のんびり平和に生きても。今まで、散々苦労して来たんだから。それに、小さな頑張りも、続けて行けば、いずれ大きな力になるよ』
『だと、いいんだけど。あまり、のんびりも出来ないんだよね、この業界は』

 以前、引越しの手伝いに行った時の、カナリーゼさんの言葉の重みが、今になってよく分かる。この業界は『十代で芽が出ないと、それ以上はまず無理』と、言われているからだ。

 毎年、たくさんの新人たちが、この業界に入って来ている。私は、年が明けたら、十八歳。二十歳まで、手が届くところまで来て、あまり猶予がないのだ。

『世間で、若いシルフィードが、持てはやされてるから?』
『まぁ、この業界は、十代が花形だからねぇ。やっぱり、新人の子が入ってくる度に、焦っちゃうよ。「期待の新人が入った」なんて噂も、ちらほら耳にするし』

 シルフィード学校を、成績優秀で卒業した子たちは、何かと話題になる。あと、人気シルフィードを、身内に持つ子なども。ナギサちゃんなんか、その両方を持っているんだから、そうとう話題になったはずだ。

『それを言ったら、私なんて、どうなっちゃうの? シルフィードになるの、二年遅れだよ』

『でも、ユメちゃんは、頭がいいから、大丈夫だよ。そういえば、こないだの定期試験も、学年一位だったんでしょ?』

 学力が高い超名門校で、学年一位って、並のレベルではない。しかも、二年も、学校に行っていなかったのに。編入後、ずっと学年一位を、キープし続けている。

『生まれつき、頭が良かったわけじゃ無いよ。私の知識や学力だって、小さな積み重ねだもん。私は、風ちゃんみたく、頑張り屋じゃないから。日々ちょっとずつだし』
『そうなの?』

『私、どちらかというと、呑み込みが遅いほうで、不器用だし。私の、生活能力のなさを見れば、分かるでしょ?』
『あぁー……』

『って、そこは「そんなことない」って、フォローするところ!』
『あははっ、ゴメンゴメン』

 確かに、ユメちゃんの生活能力のなさは、私をはるかに凌駕する。家事ができない、というレベルではなく、一人で生きるのが不可能なぐらい、生活力がない。生粋のお嬢様だもんね――。

『風ちゃん、将来は、お店をやってみたら? 向こうの世界の、食品とかを扱う。そうしたら、故郷の味を、いつでも楽しめるじゃん』
『それ、いいかもね。でも、お店なんか作るお金、持ってないよ』

『大丈夫。上位階級になれば、お金が一杯、入って来るでしょ?』
『……そうだね。じゃ、まずは、昇級できるように頑張らないとね。毎日、ちょっとずつ頑張って』

 その後も、ユメちゃんと、最近の流行の話などで、盛り上がる。何だかんだで、ユメちゃんが、心の栄養剤なのは、昔から変わらない。

 以前に比べ、とても安定した生活なのに、私は、時々不安な気持ちになる。一度、帰ったきり、全く戻っていない故郷のこと。これから先の、将来のこと。上手く行ってるはずなのに、以前にもまして、不安を感じている。

 でも、ユメちゃんの言う通り、ちょっとずつ、頑張るしかないんだと思う。焦ったところで、どうにもならないのだから。

 これからも、日々一歩ずつ、前に進んで行こう。いつか必ず、夢のゴールにたどり着けると、強く信じて……。


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次回――
『大事な人の昇級は自分のことのように嬉しい』

 大事な人を思う気持ちは、時にカオス理論をも越えるものよ
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