上 下
89 / 363
第3部 笑顔の裏に隠された真実

1-4知らないほうが幸せでも知らないと前には進めない

しおりを挟む
 夜、静まり返った屋根裏の自室。灯をつけず、部屋を真っ暗にしたまま、ベッドに寝そべっている。

 昼間、ツバサさんから聴いた話が、あまりにもショックが大きすぎた。そのため、部屋に戻ってから、夕飯も食べずに、ずっとベッドの上で伸びていたのだ。

 ぐったりしていて、何もやる気力が湧いてこない。毎晩やっている勉強も、今日は、とてもじゃないけど、出来そうになかった。昼間よりは落ち着いたけど、まだ心の中で、色んな想いが渦巻いていた。

 一旦、忘れて、気持ちを落ち着けようとする。でも、忘れようとするほどに、昼間きいた話が、鮮明によみがえって来た。

 とても、悲しい事故のこと。それに、アリーシャさんが、すでにこの世にいないこと。どちらも、言葉では言い表せないほどの、大きな衝撃を受けた。けれど、知らなかったことが、一番、辛かった。

 何も知らなかったから、私はリリーシャさんと、普通に接していた。私はずっと、自分のことしか、考えていなかったのだ。もっとも、知っていたとしても、何か出来ていたとは、思えないけど……。

 私って、本当にダメダメだ。何が、最高のパートナーシップよ。リリーシャさんの気持ち、何一つ分かっていなかったくせに――。

 私がツバサさんの話を聴いて、涙を流したのは、悔し涙だったと思う。何も分かっていなかった自分が、あまりにも、情けなさ過ぎて……。

 それに、この事故は、知ろうと思えば、知ることが可能だった。リリーシャさんに、直接、聴かなくても、スピを見れば、いくらでも分かるからだ。これほど、大きな事故であれば、スピで情報が出ていないはずがない。

 でも、私は昔から、調べ物が苦手だ。向こうの世界にいた時も、ネットは、チャットやSNSなどの、コミュニケーションツールしか、使っていなかった。

 それは、こちらに来てからも、全く同じだ。スピは『ELエル』がメインで、あとは、勉強でたまに調べるぐらい。自主的に調べ物をすることは、まず無かった。

 そもそも、アリーシャさんの存在を知ったのも、ナギサちゃんに聴いてからだ。基本、何事も、自分の目で見て体験して、体で覚える。まさに、体育会系思考だった。文字を読んでもよく分からないし、眠くなってくるので――。

 ただ、今日の話を聴いて、さすがに『知らないまま』では、いられなかった。どんなに、悲惨で辛い過去でも、知らないほうが幸せだったとしても、正面から向き合わなければならない。

 私のとても大事な人に、関わることなのだから。リリーシャさんを、本当の意味で理解するには、避けては通れない道だ。

 私は、ゆっくり上体を起こすと、しばらく深呼吸して、気持ちを整える。平静になると、ベッドから静かに降り、机の前に向かう。座布団に正座すると、マギコンを起動した。

 怖い……怖い……怖い……。

 正直、調べるのが、物凄く怖かった。事実を詳細に知れば、より大きな衝撃を受けるのは、間違いないからだ。でも、同じ痛みを背負わなければ、リリーシャさんの気持ちを、理解することはできない――。

 私は、少し震える指で、ゆっくり文字を打ち込む。『西地区 ゴンドラ事故』のキーワードを入れると、検索ボタンを押した。すると、事故に関する情報が、ずらりと表示される。

『シルフィード史上、最悪の事故』『ウインド・ストリートの悪夢』『伝説のシルフィードの悲劇』『アリーシャ・シーリングの短い生涯』など、様々なタイトルが目に付いた。

 痛々しいタイトルを見た瞬間、息が止まり、嫌な汗が噴き出してくる。すぐにでも、閉じてしまいたい気持ちに駆られた。でも、ここで逃げちゃダメだ。向き合うと、決めたのだから。

 私は、上から順に開き、詳細な情報に、ゆっくり目を通していく。読むのがとても辛く、胸のあたりが、ズキズキ痛む。左手で胸をおさえ、あふれ出す様々な感情をこらえながら、読み進めた。

 私は、ある部分で目がとまった。

「そんな……まさか――」

 事故が起こったのは、一年前の『三月二十一日』だ。そのため『三・二一事件』とも言われている。この日は、私にとっても『特別な日』だったため、しっかり覚えていた。

 私が家出した日が、三月二十一日。〈グリュンノア〉に到着したのが、三月二十二日。『追悼式』の翌日に、この町に来たのだ。ツバサさんの反応の意味が、ようやく分かった。

 つまり、私は、アリーシャさんの命日に家出して、この世界に到着した数日後に、その娘のリリーシャさんと出会ったのだ。しかも、再開したばかりの会社に、入ることになった。何という、奇跡的な偶然だろうか……?。

 もし、一日でもズレていたら、私はリリーシャさんに出会うことも〈ホワイト・ウイング〉に入社することも、無かったのかもしれない。

 そう考えると、単なる偶然ではなく、全てが運命に思えて来る。全く知らなかったとはいえ、アリーシャさんの命日に、私はシルフィードになることを決意した。これには、何か意味があるような気がしてならない。
 
 スピに出ている情報を、少しずつ読み進めて行くうちに、事故の詳細が分かって来た。ただ、驚くべきことに、巻き込まれたのではなく、むしろ、自ら飛び込んで行ったらしいのだ。

 一年前の『三月二十一日、金曜日』午後、二時過ぎ。アリーシャさんは、協会での会議を終え、会社に帰る途中〈ウインド・ストリート〉に立ち寄った。

 アリーシャさんが通りを歩いている最中、事故は発生した。ゴンドラが墜落して来るのには、かなり早くに、気付いていたらしい。

 そもそも、我々シルフィードは、常日ごろから鍛えているため、皆、視力や聴力が優れている。

 上空から、人や建物を見分ける視力。加えて、音で風の向きや強さを判断したり、他の機体との距離を測る。人によっては、風の匂いや肌の感触で、天候の変化まで分かるらしい。

 ようするに、常人よりも、五感が遥かに優れているのだ。私も視力や聴力には、かなり自信がある。

 元々視力は、2.0あったけど、こっちに来て、さらに良くなった気がする。毎日、空を飛び回り、常に遠くや地上の、細かい物を見分けているからだと思う。

 当然『伝説のシルフィード』と言われた人なら、相当な五感の持ち主だったはずだ。アリーシャさんは、すぐに異変に気付いたものの、その場からは離れなかった。なぜなら、ゴンドラの落下地点に、一人の少女がいたからだ。

 ゴンドラは、少女への直撃コースだった。それを瞬時に判断し、彼女は落下地点に飛び込んだ。結果、少女は、脚に全治六ヵ月の大怪我を負いながらも、一命を取りとめ、アリーシャさんは、帰らぬ人となった。

 つまり、逃げてさえいれば、アリーシャさんは、確実に助かっていた。でも、彼女は少女を見捨てなかった。私が同じ場面にいたら、はたして助けに行けただろうか? おそらく、動揺して立ち尽くしていたと思う――。

 この行動に関しては、賛否両論になっていた。『自らの命を顧みない、英雄的な行為』と称賛する声。この意見が、最も多かった。

 逆に『立場をわきまえない、無謀な行為』と言う人たちもいる。人としては立派だが『グランド・エンプレス』の立場としては、軽率だったのではないか、という意見だ。

 元々シルフィードは、この世界では特別な存在だった。さらに『グランド・エンプレス』は、その頂点に立つ、全シルフィードの象徴的な立場だ。

 その影響力は、シルフィード業界にとどまらない。権力者すら『グランド・エンプレス』には、最大限の敬意を払う。誰もが認め、逆らうことの出来ない、神聖不可侵な存在なのだ。

 だからこそ『自分の命を、最優先すべきだった』という意見も、一理ある。ただ、アリーシャさんは、立場に関係なく、そういう行動をする人だったのだと思う。目撃者によると、何の迷いもなく、一目散に飛び込んで行ったらしい。

 この事故の情報は、一瞬にして町中に広まった。毎日がお祭りのように、とても賑やかこの町が、その日は火が消えたように、静寂に包まれた。そのため『沈黙の金曜日』とも言われている。

 町中の人が、アリーシャさんの死を悲しみ、涙を流した。全シルフィード会社は、喪に服すため、急きょ、三日間の休業。町中の多くの店も、シャッターを下ろした。

 後日、行政府による国葬が行われ、町中の人が、彼女との別れを惜しんだ。この葬儀には、世界中の国家元首などの、名だたる要人も参列したらしい。

 元々アリーシャさんは、史上最高のシルフィードと言われていた。だが、この事故をきっかけに『伝説のシルフィード』の呼び方が、定着することになった。

 シルフィードとしての技量はもちろん、人としても最高の人格者。にもかかわらず、あまりにも、短すぎる人生だった。彗星のように現れ、一瞬で消えた。まさに『伝説のシルフィード』だった。

 今現在、グランド・エンプレスが不在なのは、この偉大なシルフィードに対し、喪に服しているからだ。

 事故のあと〈ホワイト・ウイング〉は休業。リリーシャさんも、この事故以来、ずっと休んでいた。そのため、閉業や引退のうわさが、流れていたらしい。ただ、今年の三月一日に、営業を再開した。私が来る、ほんの少し前だ。

 アリーシャさんについては、とても明るく、笑顔が素敵なシルフィードと書かれていた。ある雑誌のインタビューでは『人を笑顔にするのが大好きだから、世界中の人を笑顔にしたい』と答えたそうだ。

 そんなアリーシャさんだからこそ、目の前の少女を、放っておけなかったんだと思う。知れば知るほど、アリーシャさんの凄さが分かって来た。

 私って、こんな凄い人が作った会社で、働いていたんだ……。シルフィードとしても、人としても、本当に凄いと思う。

『世界中の人を笑顔にする』なんて、言えちゃうところが凄い。それに、赤の他人を守るために、命まで懸けられるなんて――。

 マリアさんの時にも感じたけど、私とは全然、人としての格が違う。気楽に『グランド・エンプレスになる』なんて言ってたことが、本当に恥ずかしい。

 私はマギコンを閉じると、ベッドに倒れ込んだ。今日は物凄く疲れた。入って来た情報が多すぎたし、どれも衝撃的なものばかりだった。でも、一番の気掛かりは、リリーシャさんのことだ。

 私は今まで、全くリリーシャさんの支えに、なれていなかった。『知らなかったから』なんて、関係ない。だって、リリーシャさんは、いつも悲しみを抱えながら、笑顔を浮かべていたのだから。

 私、明日から一体、どんな顔をして会えばいいんだろう……。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次回――
『笑いたくない時の笑顔がこんなに辛いとは思わなかった』

 ごめんなさい。こういうときどんな顔すればいいかわからないの
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます

白い彗星
ファンタジー
魔力の溢れる世界。記憶を失った少女は最強魔導士に弟子入り! いずれ師匠を超える魔導士になると豪語する少女は、魔導を極めるため魔導学園へと入学する。しかし、平穏な学園生活を望む彼女の気持ちとは裏腹に様々な事件に巻き込まれて…!? 初めて出会う種族、友達、そして転生者。 思わぬ出会いの数々が、彼女を高みへと導いていく。 その中で明かされていく、少女の謎とは……そして、彼女は師匠をも超える魔導士に、なれるのか!? 最強の魔導士を目指す少女の、青春学園ファンタジーここに開幕! 毎日更新中です。 小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも連載しています!

転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン
ファンタジー
第一巻が発売されました! レンタル実装されました。 初めて読もうとしてくれている方、読み返そうとしてくれている方、大変お待たせ致しました。 書籍化にあたり、内容に一部齟齬が生じておりますことをご了承ください。 改題で〝で〟が取れたとお知らせしましたが、さらに改題となりました。 〝で〟は抜かれたまま、〝お詫びチートで〟と〝転生幼女は〟が入れ替わっております。 初期:【お詫びチートで転生幼女は異世界でごーいんぐまいうぇい】 ↓ 旧:【お詫びチートで転生幼女は異世界ごーいんぐまいうぇい】 ↓ 最新:【転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい】 読者の皆様、混乱させてしまい大変申し訳ありません。 ✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - - ――神様達の見栄の張り合いに巻き込まれて異世界へ  どっちが仕事出来るとかどうでもいい!  お詫びにいっぱいチートを貰ってオタクの夢溢れる異世界で楽しむことに。  グータラ三十路干物女から幼女へ転生。  だが目覚めた時状況がおかしい!。  神に会ったなんて記憶はないし、場所は……「森!?」  記憶を取り戻しチート使いつつ権力は拒否!(希望)  過保護な周りに見守られ、お世話されたりしてあげたり……  自ら面倒事に突っ込んでいったり、巻き込まれたり、流されたりといろいろやらかしつつも我が道をひた走る!  異世界で好きに生きていいと神様達から言質ももらい、冒険者を楽しみながらごーいんぐまいうぇい! ____________________ 1/6 hotに取り上げて頂きました! ありがとうございます! *お知らせは近況ボードにて。 *第一部完結済み。 異世界あるあるのよく有るチート物です。 携帯で書いていて、作者も携帯でヨコ読みで見ているため、改行など読みやすくするために頻繁に使っています。 逆に読みにくかったらごめんなさい。 ストーリーはゆっくりめです。 温かい目で見守っていただけると嬉しいです。

生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】

雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。  そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!  気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?  するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。  だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──  でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!

白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美
ファンタジー
 初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。  侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。  しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?  他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。  誤字脱字報告ありがとうございます!

聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん
ファンタジー
「貴方には剣と魔法の異世界へ行ってもらいますぅ~」 ────何言ってんのコイツ? あれ? 私に言ってるんじゃないの? ていうか、ここはどこ? ちょっと待てッ!私はこんなところにいる場合じゃないんだよっ! 推しに会いに行かねばならんのだよ!!

ハイパー営業マン恩田、異世界へ。

来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
ファンタジー
フリーランスの営業マンが何故か事故って異世界に来てしまうが、トランクと営業の能力を武器に、案外なんとか生きていけそうな話。 (不定期更新)

独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~

さとう
ファンタジー
 町の電気工事士であり、なんでも屋でもある織田玄徳は、仕事をそこそこやりつつ自由な暮らしをしていた。  結婚は人生の墓場……父親が嫁さんで苦労しているのを見て育ったため、結婚して子供を作り幸せな家庭を作るという『呪いの言葉』を嫌悪し、生涯独身、自分だけのために稼いだ金を使うと決め、独身生活を満喫。趣味の釣り、バイク、キャンプなどを楽しみつつ、人生を謳歌していた。  そんなある日。電気工事の仕事で感電死……まだまだやりたいことがあったのにと嘆くと、なんと異世界転生していた!!  これは、異世界で工務店の仕事をしながら、異世界で独身生活を満喫するおじさんの物語。

〈本編完結〉ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編として出来るだけ端折って早々に完結予定でしたが、予想外に多くの方に読んでいただき、書いてるうちにエピソードも増えてしまった為長編に変更致しましたm(_ _)m ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいです💦 *主人公視点完結致しました。 *他者視点準備中です。 *思いがけず沢山の感想をいただき、返信が滞っております。随時させていただく予定ですが、返信のしようがないコメント/ご指摘等にはお礼のみとさせていただきます。 *・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・* 顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。 周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。 見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。 脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。 「マリーローズ?」 そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。 目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。 だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。 日本で私は社畜だった。 暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。 あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。 「ふざけんな___!!!」 と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。

処理中です...