上 下
13 / 361
第1部 家出して異世界へ

2-1仕組みは分かんないけど魔法って超便利なんだよね

しおりを挟む
 今回は風歌の勉強回(説明回)のため
 地の文がメインです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 私は、屋根裏部屋の小さな机の前で、顔をしかめながら、空中モニターを凝視していた。今は、シルフィードの『基礎知識』について、勉強中だ。

 勉強は、死ぬほど苦手なんだけど、一人前のシルフィードになるために、避けては通れない。『知性』や『教養』も、シルフィードには、必須だからだ。

 毎日、せっせと仕事を頑張っていたが、先日リリーシャさんから『そろそろ、昇級試験の、準備をしたらどうかしら?』と、データ・ファイルを渡された。

 中に入っていたのは『基礎知識』『歴史』『マナ工学』『地理学』『飛行法』の、五つのファイル。初めて見た時、あまりの量の多さに、目くらみしてしまった。でも、日々ちょっとずつ、勉強を進めている。

 最初は『エア・ドルフィンさえ、乗りこなせればオッケー』なんて考えてた。でも、そんなに、甘いわけないよね……。

 階級が上がるにつれ、試験の内容も、より複雑になっていく。『実技試験』もあるけど、メインはあくまで『筆記試験』だ。体力と運動神経には、超自信があるんだけど、勉強に関しては、学生時代から、サッパリなんだよね。

 今勉強している『基礎知識』は、シルフィードに関する、ルール・マナー・制度について。『シルフィード協会』の役割や、『昇級』についても、詳しく載っていた。

 まずは、基礎知識を理解しないと、何も始まらない。昇級のしかたとか、ほとんど知らなかったし――。

『歴史』は、この世界の、主な出来事について。〈グリュンノア〉の成り立ちや、シルフィードの歴史も、細かく解説されている。

 平和そうに見えるこの世界も、昔は頻繁に、戦争が起こっていた。生活の基盤になっている『マナ・クリスタル』の採掘権が、主な原因だったようだ。どの世界も、悲しい過去ってあるんだね……。

『マナ工学』は、『マナ・エネルギー』や『マナフローター・エンジン』の仕組みについて。シルフィードは、エア・ブルームについての『機械知識』も、最低限、必要になる。ある程度のメンテは、自分で行うからだ。

 もちろん、修理屋もあるけど、自分でメンテや安全点検ができないと、一人前にはなれない。

『地理学』は、この世界全体の、地理について。地形だけではなく、各地の人口や特産物、政治形態などものっている。〈グリュンノア〉のことだけでも、一杯一杯なのに。覚えることが多すぎて、頭がパンクしそうだよ――。

『飛行法』は、安全に飛行するための法律で、向こうの世界の『道路交通法』のようなものだ。これも、覚える法律が非常に多く、読んでいるうちに、心が折れそうになる。標識は『マイア』のとは全く違うので、一から覚える必要があった。

 階級が上がるにつれ、試験範囲が広がる。最終的には、この全てを覚えないと『エア・マスター』以上にはなれない。勢いで『グランド・エンプレスになる』って、言っちゃったけど。何と道のりの遠いかことか。

 だって、こんなに勉強が必要なんて、知らなかったんだもん……。

 それにしても、この世界って、かなり文明が、進んでいるんだよね。最初は『魔法によって進化した文明』って聞いてたから、もっとファンタジーっぽい、イメージだった。

 でも実際には、生活の中に、沢山の機械が使われている。単にエネルギーが『電気』か『マナ』かの違いで、向こうの世界よりも、機械技術は、ずっと高度だった。

 ちなみに、目の前に表示されている『空中モニター』は、マギコンによるものだ。マギコンとは『マギナ・コンソール』の略称で、見た目や大きさは『スマホ』に似ていた。

 タッチすると『魔力認証』が行われる。『魔力』には、人それぞれに異なる波形があり、それを使って、個人認証するのだ。向こうの世界の『指紋認証』みたいなもんだね。

 認証が成功すると『スピリチュアル・ワールド』に、接続される。一般的には『スピ』と呼ばれていた。早い話が、インターネットだ。空中にモニターが表示され、直接タッチするか、文字入力用のコンソールを、表示して使う。

 マギコン本体は、認証と通信機能だけで、データの保存や処理は、全て外部で行われていた。『データ管理施設』が各所にあり、そことのやり取りで、パソコンやネットと、同じようような環境が、構築されている。

 しかも、通信速度が、物凄く速かった。マギコンは『魔力通信』で、データの送受信をしている。これは、向こうの世界の『電波通信』とは、全く異なる技術だ。

 まだ、マギコンがなかった時代は、手紙と念話が、主な通信手段だった。『念話』とは、分かりやすく言えば『テレパシー』のこと。ただ、この能力は、全ての人が使えるわけではない。

 なので、昔は『通信局』があり、そこの『念話師』の人たちが、依頼人の代わりに、念話を行っていたらしい。この念話を、機械的にしたのが『魔力通信』だ。魔力通信なら、魔力の小さい人でも、念話が可能だった。

 なお『電波通信』の場合は、高所から遠くに飛ばすか、反射で飛ばしていく。対して『魔力通信』の場合は、飛ばすのではなく、ピンポイントに『移動』する。ようするに、データが目的地に『瞬間移動』するのだ。

 マギコンの場合、入力した情報が『データ管理施設』に瞬間移動し、そこで処理したデータが、またマギコンに、瞬間移動で戻ってくる。

 電波と違い『障害物』も『距離』も、関係ないため、データ減衰が一切ない。そのため『タイムラグ』が、ほとんど発生せず、物凄く高速だ。大きなデータの『アップロード』や『ダウンロード』も、一瞬で終わる。

 あと、身の回りにある照明も、全て『魔力』で光っている。そもそも、この世界には『電気』がなかった。そのため『電球』もない。照明装置に『マナ・クリスタル』を入れ、スイッチを押すと、発光する仕組みになっていた。

 照明装置は、マナ・クリスタルから魔力を抽出し、指定した場所に放出する。すると、その地点で発光する仕組みだった。元々は、人が使っていた『ライト』の魔法を『機械化』したものだ。

 電球が必要ないので、マナ・クリスタルさえあれば、交換の必要はない。電球なしで、空中で光っているのを見て、私も最初は、超ビックリした。だって、人魂みたいなんだもん……。

 マギコンで『モニター』が、空中に表示されるのも、照明装置と同じ仕組みだ。指定した地点に『マナの光』を、発生させている。その光の揺らぎを感知し、入力などの、操作が行われていた。

 あと、この世界には『コンセント』が存在しない。家庭用の機械は沢山あるけど『電源プラグ』が、ついていないのだ。代わりに『マナ・クリスタル』の、収納口がついていた。分かりやすく言うと『電池』を入れるところだね。

 つまり、すべての機械が『コードレス』で動いている。機械も通信も、全てコードレス。『魔法文明』って、なかなか凄いよね。

 生活環境は似ているけど、エネルギー源が違うため『機械』や『インフラ』は、全く違う。最初は、さっぱり分からなかったけど、最近は、だいぶ慣れてきた。一度、慣れちゃうと、絶対に『魔法文明』のほうが便利だ。

 ただ『マナ工学』は、昇級試験に必須だから『数式』や『構造』を、一から全部、覚えないといけないんだよね。私、元々数学とか機械が苦手だから、超頭が重いんですけど――。

『基礎知識』のファイルを閉じると、今度は『歴史』のファイルを開いた。大変だけど、上を目指すには、地道に勉強するしかない。『グランド・エンプレス』だって、まだ諦めた訳じゃないからね。

 勉強してたら、猛烈に眠くなってきた……。ちょっとでも、気を抜いたら、すぐに気を失いそうだ。

 私は、昔から活字が苦手で、読んでいると、すぐに眠くなる。でも、ウトウトする度に、リリーシャさんの笑顔が、思い浮かんだ。その都度、私は気合を入れ直す。

 ここまで良くしてもらって、ヘタレたことは、絶対にできないよ。早く昇級して、思いっ切り恩返しがしたい。

 それに、私がダメな社員だと〈ホワイト・ウイング〉の名前にも、傷がついてしまう。もう、私一人の問題ではないんだ。

「よーし、気合を入れて、頑張りまっしょい!」

 私は、頬をバシッと叩くと、深夜の静まり返った屋根裏部屋で、こつこつ勉強を続けるのだった……。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次回――
『友達と一緒に食べるウイング焼きは最高に美味しかった』

 友人を得る唯一の方法は自分がその人の友人になることだ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

こちらの世界でも図太く生きていきます

柚子ライム
ファンタジー
銀座を歩いていたら異世界に!? 若返って異世界デビュー。 がんばって生きていこうと思います。 のんびり更新になる予定。 気長にお付き合いいただけると幸いです。 ★加筆修正中★ なろう様にも掲載しています。

自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

如月 雪名
ファンタジー
★2024年9月19日に2巻発売&コミカライズ化決定!(web版とは設定が異なる部分があります) 🔷第16回ファンタジー小説大賞。5/3207位で『特別賞』を受賞しました!!応援ありがとうございます(*^_^*) 💛小説家になろう累計PV1,770万以上達成!! ※感想欄を読まれる方は、申し訳ありませんがネタバレが多いのでご注意下さい<m(__)m>    スーパーの帰り道、突然異世界へ転移させられた、椎名 沙良(しいな さら)48歳。  残された封筒には【詫び状】と書かれており、自分がカルドサリ王国のハンフリー公爵家、リーシャ・ハンフリー、第一令嬢12歳となっているのを知る。  いきなり異世界で他人とし生きる事になったが、現状が非常によろしくない。  リーシャの母親は既に亡くなっており、後妻に虐待され納屋で監禁生活を送っていたからだ。  どうにか家庭環境を改善しようと、与えられた4つの能力(ホーム・アイテムBOX・マッピング・召喚)を使用し、早々に公爵家を出て冒険者となる。  虐待されていたため貧弱な体と体力しかないが、冒険者となり自由を手にし頑張っていく。  F級冒険者となった初日の稼ぎは、肉(角ウサギ)の配達料・鉄貨2枚(200円)。  それでもE級に上がるため200回頑張る。  同じ年頃の子供達に、からかわれたりしながらも着実に依頼をこなす日々。  チートな能力(ホームで自宅に帰れる)を隠しながら、町で路上生活をしている子供達を助けていく事に。  冒険者で稼いだお金で家を購入し、住む所を与え子供達を笑顔にする。  そんな彼女の行いを見守っていた冒険者や町人達は……。  やがて支援は町中から届くようになった。  F級冒険者からC級冒険者へと、地球から勝手に召喚した兄の椎名 賢也(しいな けんや)50歳と共に頑張り続け、4年半後ダンジョンへと進む。  ダンジョンの最終深部。  ダンジョンマスターとして再会した兄の親友(享年45)旭 尚人(あさひ なおと)も加わり、ついに3人で迷宮都市へ。  テイムした仲間のシルバー(シルバーウルフ)・ハニー(ハニービー)・フォレスト(迷宮タイガー)と一緒に楽しくダンジョン攻略中。  どこか気が抜けて心温まる? そんな冒険です。  残念ながら恋愛要素は皆無です。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

私の家族はハイスペックです! 落ちこぼれ転生末姫ですが溺愛されつつ世界救っちゃいます!

りーさん
ファンタジー
 ある日、突然生まれ変わっていた。理由はわからないけど、私は末っ子のお姫さまになったらしい。 でも、このお姫さま、なんか放置気味!?と思っていたら、お兄さんやお姉さん、お父さんやお母さんのスペックが高すぎるのが原因みたい。 こうなったら、こうなったでがんばる!放置されてるんなら、なにしてもいいよね! のんびりマイペースをモットーに、私は好きに生きようと思ったんだけど、実は私は、重要な使命で転生していて、それを遂行するために神器までもらってしまいました!でも、私は私で楽しく暮らしたいと思います!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

転異世界のアウトサイダー 神達が仲間なので、最強です

びーぜろ@転移世界のアウトサイダー発売中
ファンタジー
告知となりますが、2022年8月下旬に『転異世界のアウトサイダー』の3巻が発売となります。 それに伴い、第三巻収録部分を改稿しました。 高校生の佐藤悠斗は、ある日、カツアゲしてきた不良二人とともに異世界に転移してしまう。彼らを召喚したマデイラ王国の王や宰相によると、転移者は高いステータスや強力なユニークスキルを持っているとのことだったが……悠斗のステータスはほとんど一般人以下で、スキルも影を動かすだけだと判明する。後日、迷宮に不良達と潜った際、無能だからという理由で囮として捨てられてしまった悠斗。しかし、密かに自身の能力を進化させていた彼は、そのスキル『影魔法』を駆使して、ピンチを乗り切る。さらには、道中で偶然『召喚』スキルをゲットすると、なんと大天使や神様を仲間にしていくのだった――規格外の仲間と能力で、どんな迷宮も手軽に攻略!? お騒がせ影使いの異世界放浪記、開幕! いつも応援やご感想ありがとうございます!! 誤字脱字指摘やコメントを頂き本当に感謝しております。 更新につきましては、更新頻度は落とさず今まで通り朝7時更新のままでいこうと思っています。 書籍化に伴い、タイトルを微変更。ペンネームも変更しております。 ここまで辿り着けたのも、みなさんの応援のおかげと思っております。 イラストについても本作には勿体ない程の素敵なイラストもご用意頂きました。 引き続き本作をよろしくお願い致します。

「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。

亜綺羅もも
ファンタジー
旧題:「デブは出て行け!」と追放されたので、チートスキル【マイホーム】で異世界生活を満喫します。今更戻って来いと言われても旦那が許してくれません! いきなり異世界に召喚された江藤里奈(18)。 突然のことに戸惑っていたが、彼女と一緒に召喚された結城姫奈の顔を見て愕然とする。 里奈は姫奈にイジメられて引きこもりをしていたのだ。 そんな二人と同じく召喚された下柳勝也。 三人はメロディア国王から魔族王を倒してほしいと相談される。 だがその話し合いの最中、里奈のことをとことんまでバカにする姫奈。 とうとう周囲の人間も里奈のことをバカにし始め、極めつけには彼女のスキルが【マイホーム】という名前だったことで完全に見下されるのであった。 いたたまれなくなった里奈はその場を飛び出し、目的もなく町の外を歩く。 町の住人が近寄ってはいけないという崖があり、里奈はそこに行きついた時、不意に落下してしまう。 落下した先には邪龍ヴォイドドラゴンがおり、彼は里奈のことを助けてくれる。 そこからどうするか迷っていた里奈は、スキルである【マイホーム】を使用してみることにした。 すると【マイホーム】にはとんでもない能力が秘められていることが判明し、彼女の人生が大きく変化していくのであった。 ヴォイドドラゴンは里奈からイドというあだ名をつけられ彼女と一緒に生活をし、そして里奈の旦那となる。 姫奈は冒険に出るも、自身の力を過信しすぎて大ピンチに陥っていた。 そんなある日、現在の里奈の話を聞いた姫奈は、彼女のもとに押しかけるのであった…… これは里奈がイドとのんびり幸せに暮らしていく、そんな物語。 ※ざまぁまで時間かかります。 ファンタジー部門ランキング一位 HOTランキング 一位 総合ランキング一位 ありがとうございます!

勇者がパーティ―をクビになったので、山に囲まれた田舎でスローライフを始めたら……勇者だった頃よりもはるかに幸せなのですが?

シトラス=ライス
ファンタジー
魔王ガダム率いる魔族の脅威から、エウゴ大陸と民を守り続けてきた【黒の勇者バンシィ】  ある日彼は、国王と対魔連合上層部によって勇者の資格の剥奪をされてしまう。 更にネルアガマ王国の第二皇子【ユニコン=ネルアガマ】に聖剣さえも没収され、大半の力を失ってしまった。  彼は勇者として世界のための戦うことができなくなった……黒の勇者バンシィは【ノルン】と名前を変え、歴史の表舞台から姿を消す。そして王国の辺境"ヨーツンヘイム"に流れ着き、そこの"山林管理人"としての職を得る。 加えて以前助けた【村娘のリゼル】と共同生活を始め、第二の人生をスタートさせた。  着任当初はノルンへ不信感を抱いていたヨーツンヘイムの村人達だったが、彼の土地を思いやる気持ちと、仕事に一生懸命な姿を見て、心を開き始める。彼の活躍により寒村だったヨーツンヘイムは次第に豊さを取り戻してゆく。 そして仕事と同時にノルンは村娘のリゼルと心を通わせ、関係を深めて行くのだった。  一方その頃、ノルンから聖剣を奪い白の勇者となったユニコン=ネルアガマは己の行いに後悔をしていた。 更にノルンの仲間だった妹弟子の【盾の戦士ロト】や、“運命の三姫士(さんきし)"【妖精剣士ジェスタ】、【鉱人術士アンクシャ】、【竜人闘士デルタ】との関係を悪化させてゆく……  これは疲れ切った元勇者の癒しと再生と愛情の物語。 *ここまでが大体12話くらいまでのあらすじです。

処理中です...