好きなんて、ウソつき。

春茶

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関村ver2

愛のない行為

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ゆっくりドアを開ける。

「…ナナ」

やっぱり、いるんだよな。

ベットに横になり蹲っていた。
こちらに背中を向けているから俺に気づいてるのかわからない。

少しだけ開いた窓から流れる風が、切なくカーテンを揺らす。

ゆっくりドアを閉め、ナナがいるベットの前で立ち止まる。

…寝てんのか?
俺もそっと横に入りナナを後ろから抱きしめた。

「やめてよ…そんなことしないで」

声が震えてる。
…泣いてんじゃねーか。

「なぁ、俺違うと思うよ。本当に俺とこんなことしたいの?」

「いいの…早く抱いてよっ。嫌いになりたいんだから優しくしないで」

なんだよそれ。
自分のことを好きじゃない奴に抱かれるなんて自分のこと傷つけるだけじゃないのか。
泣くぐらい想ってくれてて、抱いたら忘れるなんて言わせて。
俺ってつくづく最低な男だな。

「今更だけど、お前はこんな形で抱かれるような女じゃないと思う」

「いいのっやめて…」

「なぁ、やめよう。泣き止むまで側にいてやるから」

「いいから…早くしてよっ!もうこれ以上辛い想いさせないでよ!」

拳を握りしめてナナの上に乗る。
急に動いたせいか、ナナが戸惑いながら目を閉じた。

涙で濡れたまつ毛。
甘ったるい香水の匂い。

正直、女を抱くことに抵抗はなかった。
今まで好きじゃない女を何人も抱いてきたからだと思う。

早く終わらせよう。
これですべて終わる。
早く終わらせて未菜に会いに行こう。
そして誤解を解いて、仲直りして
もう泣かせないって誓おう。

俺たちの邪魔をするやつが居なくなればそれでいい。
俺は未菜がいれば
未菜が笑顔でいてくれればそれでいい。

火照った体にキスをして、順番に脱がしていく。
愛がなくても、男っていう生き物は目の前の女を抱くことができる最低な生き物なんだ。

汗が頬をつたわり、ナナの涙と一緒に流れた。
お互いの体温が上がってるのが全身に伝わる。
細い体。
俺の力で壊さないように優しく抱きしめた。

静かな教室の中に響くベットの軋む音。
うるさい口を手で塞いで目を閉じ、必死に腰を動かした。

やべぇ、集中できない。
こんなこと今まで一度もなかったのに。
こいつの顔を見れない。
頭の隅にずっと未菜の顔が消えない。


ー…ガタンッ‼︎


突然何かが落ちる音がして動きを止めた。
嫌な予感がした。
何が起きたか見ていないのに、全身から血の気が引いてくのがわかった。

まさか、そんな。

動きを止めて、恐る恐る振り返る。


「未菜…っ」

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