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しおりを挟む「えぇ!あの子と連絡先交換したの!?」
「うん」
「なんならご飯も作ってもらったって!?」
「そうなの~。しかも生姜焼きなんて好感度高くない?」
「ほぉ~学生なのにしっかりしてるね!でもよくあの子と連絡先交換できたね。女にまるで興味なさそうなのに」
「ほんとね、あたしもびっくり」
珍しく昼に起きたあたしはサチを連れて小洒落た喫茶店に来ていた。
「えっ、もしかして…彼氏候補なの?」
「まさか!さすがに学生とは付き合えないよ~」
「ははっ、だよね~。あっ、そろそろ時間だから先行くわ」
「はーい、気をつけてね~」
気になるっていう感情全てが恋愛に発展するわけではない…と思う。
サチに手を振って携帯の連絡先を開く。
あれから何日か経ったけどまだ彼に連絡していない。
わざわざ連絡をしなくても偶然会えないかなぁなんて思っていたけど、なかなかそううまくいかないものだ。
当たり前なのだけれど、あの時は偶然続きでたまたま会えただけだったのを今実感してる。
…ちなみに、今日のあたしは暇だ。
そして今日は祝日で多分学校は休み。
勇気を出して通話ボタンを押した。
少し長い呼び出し音。
「…はい?」
「あっ…えっと、あれ?」
この声…女の子?
「なんですか?ユウなら今仕事中なので後にしてください!」
「あっ…え、すみません!」
「あと、もしユウのこと狙ってるなら諦めてくださいね!迷惑ですから!」
プツッ。
………。
緊張してかけた電話、10秒で終了。
「…」
彼女…?
いや、でも彼はそういうのには興味ないって言ってた。
それともあたしと会わない間にそういう存在が出来ちゃった…?
真っ暗なスマホに映る自分と睨めっこして、店を出た。
まぁ別に、彼女が出来たからってあたしがとやかくいう筋合いはない。
学生は学生同士で仲良く青春してればいいじゃん。
…少し声聞きたかったけど。
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