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第2章 第1回イベント

第27話 本戦二回戦4

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電光掲示板に出た名前はサスケvs.ペテル

「話とかしなくていいから早く始めようぜ」

「始めましょ」

 サスケは今まで一度も使わなかった懐に入っているワルサーP38を手に持った。

「初めて使う銃だな。まぁ気にせず倒せば良いだけだ。雷撃」

「付与魔法魔法消去アンチマジック

 銃弾に魔法を取り消す魔法を付与して雷撃に打ち込んだ。

「まぁこれくらいは様子見d――」

 ペテルは言葉を言い切る前にキルされて消えていった。
 サスケは魔法が魔法消去の銃弾によって消えた瞬間、暗殺スキルで気配を薄くすることでペテルに感知されないようにして、忍者の血筋によって磨かれた縮地によってペテルの真横まで近付くとデネブも使っていた罪滅之弾丸《サンダルフォン》を使ってペテルの頭を撃ち抜いていたのだ。

「勝者サスケ選手」

 観客達は理解が追い付いていないのか、反応出来ていなかった。

「これで準決勝出場者が決まりました!」

「まずは全てを笑顔で凍らしてきた、氷姫のかぐや選手!」

「(え、なんか二つ名が付いてる。しかも笑顔などではありませんが!?)」

「次は全てを切り裂いてきた、剣聖女のサキ選手!」

「(なんか剣聖女って語呂悪い気がするなぁ……)」

「そして全ての試合を一瞬で終わらせた、死神のサスケ選手!」

「(物騒な二つ名は嫌だなぁ)」

「最後は全く実力を見せなかった、しかしみんなのヒーロー勇者カイ選手!」

「……」

 それぞれ自分の二つ名に対して反応していた。



――リーブside――

 サキの方はそろそろ準決勝が始まるかな?
 おっ!マップに載っていない村じゃん

「冒険者のお人ですか?」

「は、はいそうですが」

 リーブが村の中に入って目にしたのは、日本の戦国時代に着られていた着物を着た人達だった。

「なら私たちの村からの依頼を受けてくれませんか?」

「その前にこの村について教えてくれませんか?」

「そうでしたね。私たちは鎖国国家【日ノ國】での内戦で敗北した【元将軍】岩国道真殿の若様と桜姫様とその家臣で逃げてきて、ここに村を作って反乱軍の追っ手から隠れました。それがここの村ができた理由です」

「そんなに深い理由があったんですね」

「はい……私達はここの村で平和に過ごしていました。ですがいつも生命の薬草を取っている月光泉の谷で突然、大昔に絶滅したはずの恐竜が現れたのです。冒険者さんにはそれを退治して欲しいのです」

「事情はわかりました。私で良ければ任せてください。(えっ、生命の薬草ってβテストの時のイベントで薬師ギルド元マスターのハムラさんが作ったエリクサーの材料の一つじゃん!)」


エクストラクエスト発生
難易度5
地竜《ティラノサウルス》の討伐
失敗条件
討伐の失敗
成功報酬
???



 多分これは進化を複数回した地竜のユニーク個体か何かかな?

「その谷はどうやったら行けますか?地図を一応見たんですが、地図には載っていなかったので」

「あー、それならこの村の裏口から真っ直ぐ行くとありますよ」

「分かりました。では行ってきますね」

「有難うございます。命だけは大事にしてくださいね」

「ここかぁ、ティラノがいるのは」




 谷に着いたリーブを迎えたのは15m程のティラノサウルスだった。

「やっぱり恐竜は大きいなぁ……」

 ティラノサウルスはリーブ目掛けて突進した。

「ふっ!」

 リーブは蛇腹刀を手首を使って刀をうねらせながらティラノサウルスのアキレス腱を切り裂き、ティラノサウルスはリーブの方目掛けて勢いよく倒れていった。巨体を身体で受け止める必要が無いリーブは横に避けた。
 ティラノサウルスは勢いよく壁にぶつかったことで脳震盪でも起こしたのか、起き上がらなかった。

「え、これで終わり?なんかあっけなかったなぁ」

 リーブは違和感を感じて空を見てみると、空には空間の歪みが出来ており、そこからは膨大な量の魔力が流れ出ていた。

「(これは!出してはいけない気がする!)」

 今までのゲームで培った持ち前の勘で、その魔力は悪い魔力だと感じていた。
 勘に従い歪みを破壊するために空間の歪みがある場所まで跳んでいき、蛇腹刀を振るった。

「あら、そんな危ないもの振り回したら駄目でありんすよ」

 歪んだ空間から出て来た謎の美女はリーブが振るった蛇腹刀を素手で止めて見せたのだ。

「そんなことより、あの子を殺ったのは貴女でありんすか?」

「えぇ、そうですがなにか」

「いえ別に深い意味はないでありんす。でもわっちのティラノサウルスをこうも簡単に殺られるのは面白くないでありんすから、ちょっと強くしてあげるでありんす」

 この会話が終わった瞬間に謎の美女は姿を消した。

「なっ!」

 リーブは目の前から居なくなった謎の美女の魔力を後ろに感じたためティラノサウルスがいる方に振り返ると、ティラノサウルスの横には謎の美女がいたのだった

「貴方に名前を上げるでありんす。貴方の名前は【カク】でありんす」

 なっ!名付けをしたのか!これはちょっと危ないかもしれないね。

グ、グ、グラァァァァァァ

 ティラノサウルスは今までで一番大きな唸り声を上げた後に身体が光を放ってどんどん体が縮んでいった。

「ミラ様、私なんぞに名前を下さりありがく思います」

「別に構わないでありんす。あの子の相手をしてやるでありんす。わっちは近衛騎士《ロイヤルナイト》元帥がいるところに行くでありんす。カクはわっちが戻ってくるまで戦うでありんすよ」

「はっ、分かりました」

「行ってくるでありんす」

 そう言った謎の美女もといミラは空間をまた歪ませて、そこへ消えていった。
 あれは流石にヤバい奴だよ。元帥ってことは王都にいるはずだから気を付けてねサキ。私もあいつ相手に頑張るから

「ねぇ」

「なんだ」

「貴方はティラノサウルスだった頃の記憶はあるの?」

「それはないな、だがお前にボコボコにされたことは覚えておるぞ!」

 そう言ったカクは一瞬でリーブの目の前まで移動していた。その勢いのまま拳をリーブの顔目掛けて振るっていた。

「速いね」

 カクの拳を蛇腹刀に闘気を纏わせて受け止めた。

「お前も反応速度が速いな」

「ここから上げていくよ」

「望むところだ」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ここからはあとがきです。

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