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09 華乃ちゃんの底力
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「はなの、すごいよ!!」
あの藤堂さんに仕掛けられた絵画の華乃トラップ爆発日から、月日は経ち私たちは2年生に進級していた。そして2年生になって初めての1学期中間考査でのこと。手放しで華乃を褒めるのには理由がある。それは、学年末追試に全教科引っかかっていたあの華乃ちゃんが、なんと学年で200人中60番以内に入るという快挙を成し遂げたのだ。そう、現在C組に所属している華乃はこのままこの成績を維持することができたら間違いなくAかBのクラスに移動することになる。Sクラスはさすがに厳しいらしいが、あのバカだった華乃ちゃんが、AかBにまで成り上がるなんて、もしかしたら将来と言わず今すぐ没落させられそうで怖い。
「ゆきの、ありがとう!!でもね、私、C組にいたいから頑張らないよ」
まさかの本人からの頑張らない発言。まあ、それは分からなくもない。S~Bのクラスは放課後に小学生なのに補習授業がある。短い時間だが、縛られるのが好きではない華乃はこの補習授業を受けたくないのだろう。しかし、それはそれで怖い。ゲームの世界では、よくありがちなヒロインはトップクラスの成績が、この「戦え~」のゲームではヒロインちゃんはCクラスへの入学だった。しかもそれを卒業までキープし続けた、正直に言うと超平凡学力の美少女ちゃん設定だ。それのどこにあのイケメンな攻略対象者たちと出会う要素があるのかはさっぱりだが、出会って恋をしてしまうのだ。なぜか出会って、恋をしてしまうんだよ!!(大事なことだから二度言いました)
「ゆきの、邪魔しないでね」
にっこりと笑った華乃。それがどの意味を指しているのかがわからない。恋愛の邪魔なのか、Cクラス以上に上げようと華乃の生活の邪魔する方なのか。
「…?はなのが、これ以上のクラスに上がりたくないなら無理やりはしないよ?」
「そっか、なら安心♪」
嫌な汗が、背中を流れ落ちた。その笑顔の裏に隠された意図が読めない。私は、本当に没落ENDを回避できるのだろうか。
あの藤堂さんに仕掛けられた絵画の華乃トラップ爆発日から、月日は経ち私たちは2年生に進級していた。そして2年生になって初めての1学期中間考査でのこと。手放しで華乃を褒めるのには理由がある。それは、学年末追試に全教科引っかかっていたあの華乃ちゃんが、なんと学年で200人中60番以内に入るという快挙を成し遂げたのだ。そう、現在C組に所属している華乃はこのままこの成績を維持することができたら間違いなくAかBのクラスに移動することになる。Sクラスはさすがに厳しいらしいが、あのバカだった華乃ちゃんが、AかBにまで成り上がるなんて、もしかしたら将来と言わず今すぐ没落させられそうで怖い。
「ゆきの、ありがとう!!でもね、私、C組にいたいから頑張らないよ」
まさかの本人からの頑張らない発言。まあ、それは分からなくもない。S~Bのクラスは放課後に小学生なのに補習授業がある。短い時間だが、縛られるのが好きではない華乃はこの補習授業を受けたくないのだろう。しかし、それはそれで怖い。ゲームの世界では、よくありがちなヒロインはトップクラスの成績が、この「戦え~」のゲームではヒロインちゃんはCクラスへの入学だった。しかもそれを卒業までキープし続けた、正直に言うと超平凡学力の美少女ちゃん設定だ。それのどこにあのイケメンな攻略対象者たちと出会う要素があるのかはさっぱりだが、出会って恋をしてしまうのだ。なぜか出会って、恋をしてしまうんだよ!!(大事なことだから二度言いました)
「ゆきの、邪魔しないでね」
にっこりと笑った華乃。それがどの意味を指しているのかがわからない。恋愛の邪魔なのか、Cクラス以上に上げようと華乃の生活の邪魔する方なのか。
「…?はなのが、これ以上のクラスに上がりたくないなら無理やりはしないよ?」
「そっか、なら安心♪」
嫌な汗が、背中を流れ落ちた。その笑顔の裏に隠された意図が読めない。私は、本当に没落ENDを回避できるのだろうか。
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