え…私が魔物使い!?

桜アリス

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魔物使いの誕生

テイム

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アランお兄ちゃんのお説教が始まって1時間後、ようやく子狐が起き私は解放された。

うぅ……怖いし、辛い。

子狐は起きると、私たちに気づき警戒して動こうとしたが、空腹で衰弱していたためかよろけた。
私は慌てて子狐を支え、水をお皿に注いで置いてあげた。
その横には、柔らかくした燻製肉や、パンをミルクでふやかした、お粥?みたいなものを置いた。
子狐は警戒して最初は食べようとしなかったが、空腹には勝てなかったのか、しばらくすると水を飲み、1口食べた。
すると、がつがつと食べだし、あっという間に食べてしまった。
口周りが汚れていたので、浄化で綺麗にしてあげると、さっきまで警戒していた子狐が、私に近づいてきてスリスリと頭をこすりつけてきた。

わぁぁああ!なにこれ、なにこれ!?
か、かわいい!す、スリスリって……!
きゃぁぁあああああ!!!
も、萌死ぬーーーー!!

私は考えてることを口に出さないように、片手で口を押さえてあまりの嬉しさに震えつつ、もう片方の手を子狐に伸ばしそっと頭をなでた。
すると子狐は嬉しそうに鳴き、まるでなでてとでもいうように手に頭をこすりつけてくる。

ふぁぁああ!や、やばいこれは可愛すぎる!
はぁわぁぁ~癒される。
けど、それと同時に萌え死にそう~!!

私は、はっ と我に返り、子狐に

「あなた家族はいるの?いるんだったらちゃんと家族の元に帰してあげるから安心してね。」

と、通じるとは思ってないが話しかけた。

すると、子狐は首を振り私の手にしがみつき寂しそうな声を出した。
まるで、言葉が通じてるようなことと、寂しそうな声を出したことに驚き、まさかと思いつつ、

「家族はいないの?」

と聞くと、こくこくと首を縦に振った。

「このあとどうやって暮らすの?森に帰る?」

と聞くとさっきみたいに、寂しそうな声を出した。

「私と一緒に来る?」

そう聞くと、ぱっと嬉しそうな顔になり、しっぽをちぎれんばかりに振り、嬉しそうに鳴いた。

「それなら、私の使い魔にならないと行けないんだ。私の使い魔になって、ずっと一緒にいてくれる?」

そういうと、子狐はこくこくと首を縦に振った。

やったぁー!!念願の使い魔だぁ!
でも、私からしたら家族みたいなものだよね!
あ、契約しないと!

私はステータスでスキルのテイムをどのようにするか、確認した。
そして、「テイム」とてを子狐の頭に置いて言った。
そして、この子に名前を付けたらテイム完了だ。
「あなたの名前は、カグラよ。これからよろしくね!カグラ」
すると、子狐の頭にすずらんの模様が出てきた。
私の手首にも同じ模様が出た。

私が嬉しさに浸っていると、

『わたしを助けてくれてありがとう主さま!』

と、いきなり頭に直接聞こえるような声がした!
私が驚いていると、子狐……カグラがぺこっと頭を下げた。

「え?もしかして今の声って……カグラなの?」

『うん!わたしだよ!主さまの使い魔になったから、声に出さない会話ができるの!』

私は試しにカグラと電話をするイメージで頭の中で、話しかけた。

『カグラ、聞こえる?』

『聞こえてるよ!主さま』


『えっと……とりあえず、主さまはやめて?普通にリーンかえっと、できたらでいいからお姉ちゃんって読んで欲しいな。』

『え?いいの!?わかった!リーンお姉ちゃん!』

かわいい!リーンお姉ちゃんだって!
嬉しい!!

「かわいい!」

私はつい、つい叫んでぎゅっと抱きしめてしまった。
お兄ちゃんがびっくりしたあと、苦笑いしていた。
てへっ可愛すぎてやっちゃった♪
ま、いっか!もう私のかわいい妹?使い魔だもんね♪
    
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