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拾遺録2 イリアちゃんの寄り道
その11 笑顔
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翌日、朝食を食べた後。
「さて、これから探す家を考えるぞ。まずは条件だ。これはあくまで俺の理想だけれどさ。庶民的な街や商店街に近くて、子供が歩いていてもそう危険では無く、寝室5部屋以上あって街門に近い家」
「そんな大きい家がいるんだ!?」
驚くエミリオ君。
確かに寝室5部屋以上というのは普通じゃない。
でも私はカイルさんがそう言った理由もわかる。
孤児院として使う事を考えているのだ、きっと。
だから意見は挟まない。
「ああ。別に内装は豪華じゃなくていい。パーティの連中が来た時に泊まれればいいかと思ってさ」
「でもお金がかかるぜ」
エミリオ君の言葉使いは以前と同じ感じに戻っている。
これは昨晩、カイルさんと色々な話をして慣れたからだろう。
話をしたというか、厳密にはエミリオ君がカイルさんに話をせがんだというのが本当のところだ。
迷宮を攻略した話、魔狼の群れを討伐した話、オーガが出たという緊急依頼を受けた話、そして冒険者になる前のあの勉強会の話。
そういった話をせがんでいる時のエミリオ君は年相応の少年に見えた。
きっと今まで無理していたのだろう。
年下の子供を5人も扶養していたのだから。
「金なら心配するな。これでもバリバリ稼いでいたA級冒険者だからな。ネイプルの食堂を即金で買った仲間もいるくらいだ」
「レズンさんの事だね、昨日話に出てきた。そう言えば今朝食べたのもレズンさんが作った料理だった。あんな美味しいの、毎日食べていたんだ」
「ああ。でもイリアも上手い筈だぞ。同じ先生に習った筈だからさ。それにイリアは先生達の家の家事がメインの仕事だ。小さい子供相手の他に料理だってやっているだろ」
ここは弁明しておいた方がいい気がする。
「確かにリディナ先生の作る料理は一通り作れるけれどね。レズンさんはそれ以外にも全国回っているから、新しい料理を沢山知っていると思うよ。カイルさんに出してもらったパンだって私は初めてだったし」
「あれはオクタシニア地方のパンらしい。ゼノアの店で売っていたのを買ってレズンが研究したんだ。バターをたっぷり使うから正直高くつく。でもふわふわで美味しいからつい癖になってさ。それでレズンと別れた際、大量に持たされたんだ。1人の時はこればかり食べていたな。1回で7個くらいさ」
「それって凄くもったいない」
「確かにもったいないよな。でも美味いだろ、あれ」
話が脱線しまくっているけれど、私は止めない。
エミリオ君にはこういう時間が必要なのだろうと思うから。
「レズンさんの店に行ったら他にもこんな美味いものがあるのか?」
「ああ。山ほどあるぞ。飯もパンもデザートも」
「行ってみたい。ネイプルまでどれくらいかかる?」
「イリアのゴーレム車なら3時間くらいだろ」
「なら日帰りでも行ける」
「ああ、こっちで落ち着いたら一度行ってこようぜ」
何と言うか、ちょっと嫉妬に似たものを感じる。
私ではエミリオ君をこんな無邪気な表情に出来ないから。
でもまあ、エミリオ君にとってはいい事だ。
「あ、店でいいならさ、アリステラさんの宿屋がいいかもしれない。アリステラさん、宿屋をそろそろやめたいから誰か買って欲しいって言ってたから」
いきなり本題に戻った。
何と言うか唐突だ。
でも確かに宿屋なら人数が多くても大丈夫だろう。
「いいなそれ。場所はどんな感じだ?」
「南西の門の近く、キャンパバッサの街へ行く街道から1本南へ入ったところだ。街中方向へ行けばすぐに市場だし、ちょっと歩けば新港だって行ける。
ただ建物はちょいボロいかも。津波前からある建物だし、アリステラさん達はもう年だから自分達で補修出来ないからさ」
「それは問題無い。土属性魔法を使えば壁くらいは簡単に修理できるしさ。それじゃついでにテモリの街の案内も頼むな」
「わかった。任せてくれ」
やっぱりエミリオ君、私と2人の時よりずっと元気がいいし楽しそうだ。
ちょっと悔しいけれど、それでもカイルさんに会えて良かった。
◇◇◇
テモリはそれほど大きな街ではない。
一応冒険者ギルドも商業ギルドもあるけれど、これはこの街が東海岸地域の開拓拠点だったからで、街が大きいからではない。
だから1時間も歩けば街の主だった場所は全部回れる。
あと気付いた事がある。
「エミリオ君、人気者なんだね。市場でも良く声をかけられたし」
「あの辺の人達は親切なんだ。自分達も大変なのに働かせてくれて小遣いくれたり、余り物をただでくれたりさ。だからオースト爺がいなくなっても何とかやってこれた」
エミリオ君が年下の子供達と一緒に暮らしている事は知られていたようだ。
少なくとも声をかけてきた人達には。
自分達が助けられる程の生活の余裕は無い。
だからせめて自分達が出来る程度の手助けをしていた。
きっとそんな感じなのだろう。
その程度の親切を免罪符にしてエミリオ君達を保護しようとはしなかった。
その事を責めようとは私は思わない。
誰でも自分達の生活が一番大事だから。
それでももやもやした感じが残るのは、私が未熟だからだろうか。
フミノ先生達の農場と農場がある村、あとカラバーラくらいしか知らないからだろうか。
『イリアがいてくれて助かっているけれどね。でもイリアの為という意味ではもう少し違う環境を色々と見てきた方がいいかな。そうすればもっと色々な視点で物事を考えられるようになれる、そう思うから』
以前リディナ先生にそう言われた事を思い出す。
もやもやするのは私にそういった視点が足りないからだろうか。
ひょっとしたらエミリオ君と出会ったゴーレムの納品も、リディナ先生が言った『もう少し違う環境を色々と見てきた方がいいかな』という考えからかもしれない。
この納品は急ぎだけれど、フミノ先生が他にも用事があって出かける必要がある。
そういう事で私が頼まれたのだ。
先生達以外で高速移動魔法が使えて、魔力がそれなりに大きいという事で。
でも私が農場へ帰った時、フミノ先生は既に農場に戻っていた。
それくらい早く戻れるなら私に頼む必要はない筈だ。
フミノ先生なら私の倍以上の速さで移動出来るのだから。
そういえば出る時、こんな事も言われた。
『折角だからのんびり他の街なんかも見てきていいからね。家の中のことはアミとレイナがいれば何とかなるから』
これも『もっと他の場所を見て来い』という意味というのなら辻褄があう。
「ならその分、俺がお得意様にならないとな」
「頼むよ、A級冒険者」
「任せておけ。そう言いたいところだけれど、まあ出来る範囲でだな」
私がもやもやしている部分、カイルさんはさらっとそんな言葉でながした。
この辺が持っている視点の差なのだろうか。
そんな事を私は思う。
「さて、これから探す家を考えるぞ。まずは条件だ。これはあくまで俺の理想だけれどさ。庶民的な街や商店街に近くて、子供が歩いていてもそう危険では無く、寝室5部屋以上あって街門に近い家」
「そんな大きい家がいるんだ!?」
驚くエミリオ君。
確かに寝室5部屋以上というのは普通じゃない。
でも私はカイルさんがそう言った理由もわかる。
孤児院として使う事を考えているのだ、きっと。
だから意見は挟まない。
「ああ。別に内装は豪華じゃなくていい。パーティの連中が来た時に泊まれればいいかと思ってさ」
「でもお金がかかるぜ」
エミリオ君の言葉使いは以前と同じ感じに戻っている。
これは昨晩、カイルさんと色々な話をして慣れたからだろう。
話をしたというか、厳密にはエミリオ君がカイルさんに話をせがんだというのが本当のところだ。
迷宮を攻略した話、魔狼の群れを討伐した話、オーガが出たという緊急依頼を受けた話、そして冒険者になる前のあの勉強会の話。
そういった話をせがんでいる時のエミリオ君は年相応の少年に見えた。
きっと今まで無理していたのだろう。
年下の子供を5人も扶養していたのだから。
「金なら心配するな。これでもバリバリ稼いでいたA級冒険者だからな。ネイプルの食堂を即金で買った仲間もいるくらいだ」
「レズンさんの事だね、昨日話に出てきた。そう言えば今朝食べたのもレズンさんが作った料理だった。あんな美味しいの、毎日食べていたんだ」
「ああ。でもイリアも上手い筈だぞ。同じ先生に習った筈だからさ。それにイリアは先生達の家の家事がメインの仕事だ。小さい子供相手の他に料理だってやっているだろ」
ここは弁明しておいた方がいい気がする。
「確かにリディナ先生の作る料理は一通り作れるけれどね。レズンさんはそれ以外にも全国回っているから、新しい料理を沢山知っていると思うよ。カイルさんに出してもらったパンだって私は初めてだったし」
「あれはオクタシニア地方のパンらしい。ゼノアの店で売っていたのを買ってレズンが研究したんだ。バターをたっぷり使うから正直高くつく。でもふわふわで美味しいからつい癖になってさ。それでレズンと別れた際、大量に持たされたんだ。1人の時はこればかり食べていたな。1回で7個くらいさ」
「それって凄くもったいない」
「確かにもったいないよな。でも美味いだろ、あれ」
話が脱線しまくっているけれど、私は止めない。
エミリオ君にはこういう時間が必要なのだろうと思うから。
「レズンさんの店に行ったら他にもこんな美味いものがあるのか?」
「ああ。山ほどあるぞ。飯もパンもデザートも」
「行ってみたい。ネイプルまでどれくらいかかる?」
「イリアのゴーレム車なら3時間くらいだろ」
「なら日帰りでも行ける」
「ああ、こっちで落ち着いたら一度行ってこようぜ」
何と言うか、ちょっと嫉妬に似たものを感じる。
私ではエミリオ君をこんな無邪気な表情に出来ないから。
でもまあ、エミリオ君にとってはいい事だ。
「あ、店でいいならさ、アリステラさんの宿屋がいいかもしれない。アリステラさん、宿屋をそろそろやめたいから誰か買って欲しいって言ってたから」
いきなり本題に戻った。
何と言うか唐突だ。
でも確かに宿屋なら人数が多くても大丈夫だろう。
「いいなそれ。場所はどんな感じだ?」
「南西の門の近く、キャンパバッサの街へ行く街道から1本南へ入ったところだ。街中方向へ行けばすぐに市場だし、ちょっと歩けば新港だって行ける。
ただ建物はちょいボロいかも。津波前からある建物だし、アリステラさん達はもう年だから自分達で補修出来ないからさ」
「それは問題無い。土属性魔法を使えば壁くらいは簡単に修理できるしさ。それじゃついでにテモリの街の案内も頼むな」
「わかった。任せてくれ」
やっぱりエミリオ君、私と2人の時よりずっと元気がいいし楽しそうだ。
ちょっと悔しいけれど、それでもカイルさんに会えて良かった。
◇◇◇
テモリはそれほど大きな街ではない。
一応冒険者ギルドも商業ギルドもあるけれど、これはこの街が東海岸地域の開拓拠点だったからで、街が大きいからではない。
だから1時間も歩けば街の主だった場所は全部回れる。
あと気付いた事がある。
「エミリオ君、人気者なんだね。市場でも良く声をかけられたし」
「あの辺の人達は親切なんだ。自分達も大変なのに働かせてくれて小遣いくれたり、余り物をただでくれたりさ。だからオースト爺がいなくなっても何とかやってこれた」
エミリオ君が年下の子供達と一緒に暮らしている事は知られていたようだ。
少なくとも声をかけてきた人達には。
自分達が助けられる程の生活の余裕は無い。
だからせめて自分達が出来る程度の手助けをしていた。
きっとそんな感じなのだろう。
その程度の親切を免罪符にしてエミリオ君達を保護しようとはしなかった。
その事を責めようとは私は思わない。
誰でも自分達の生活が一番大事だから。
それでももやもやした感じが残るのは、私が未熟だからだろうか。
フミノ先生達の農場と農場がある村、あとカラバーラくらいしか知らないからだろうか。
『イリアがいてくれて助かっているけれどね。でもイリアの為という意味ではもう少し違う環境を色々と見てきた方がいいかな。そうすればもっと色々な視点で物事を考えられるようになれる、そう思うから』
以前リディナ先生にそう言われた事を思い出す。
もやもやするのは私にそういった視点が足りないからだろうか。
ひょっとしたらエミリオ君と出会ったゴーレムの納品も、リディナ先生が言った『もう少し違う環境を色々と見てきた方がいいかな』という考えからかもしれない。
この納品は急ぎだけれど、フミノ先生が他にも用事があって出かける必要がある。
そういう事で私が頼まれたのだ。
先生達以外で高速移動魔法が使えて、魔力がそれなりに大きいという事で。
でも私が農場へ帰った時、フミノ先生は既に農場に戻っていた。
それくらい早く戻れるなら私に頼む必要はない筈だ。
フミノ先生なら私の倍以上の速さで移動出来るのだから。
そういえば出る時、こんな事も言われた。
『折角だからのんびり他の街なんかも見てきていいからね。家の中のことはアミとレイナがいれば何とかなるから』
これも『もっと他の場所を見て来い』という意味というのなら辻褄があう。
「ならその分、俺がお得意様にならないとな」
「頼むよ、A級冒険者」
「任せておけ。そう言いたいところだけれど、まあ出来る範囲でだな」
私がもやもやしている部分、カイルさんはさらっとそんな言葉でながした。
この辺が持っている視点の差なのだろうか。
そんな事を私は思う。
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